「な・・なんだお前は!」
「一つ聞きたい。イリスを襲ったのはお前の指示か?それとも別の奴か?返答しだいで貴様の心の命日は今日となる」
スカルは明らかに恐怖していた。もとより個人的に戦闘力が高い方ではないスカルは自慢のペットを一瞬で吹っ飛ばした光努に畏怖の念を抱いていた。
「あいつ、イリスの者か!」
「あの、イリスって何ですか?」
ツナは近くのマフィアに尋ねる。
「イリスファミリーはマフィアだが一般の企業としての方が有名なマフィアで代々ボスがいない変わったところだったんですが最近、初代以来のボスが現れたそうです」
「それが・・・・光努」
「あいつがボス!まさかまだ子供だったとは!」
光努はニコニコ笑いながらスカルに再び話しかける。
「で、どうなの?」
「あ・・・あれはボスが命令したんだ!俺は全くと言っていいほど関係ないぞ!お・・俺を恨むのは筋違いだ!!」
「あ、そうなんだ。じゃあいいや。悪かったな、大丈夫♪手加減したからあのタコはちゃんと生きてるよ」
明らかに笑っていないような笑いをしていたが一瞬でスカルに対してフレンドリーになった。
(あれで手加減したの!!光努デタラメすぎ!!)
別にイリスが襲われたことはもう大して怒ってないしスカルを理不尽に怒るつもり
だってない。別にカルカッサファミリーを徹底的に潰そうとかはこれっぽっちも考えていない。なんにしてもリルもコルも無事だったからとっくの昔に少しだけ湧いた怒りは消えていた。
だがもしスカルがそうだと言ったのならどうなっていたのだろうか?
今となっては誰もわからなかった。
「やっぱお前は情けないやつだな」
どこからともなくそんな声が聞こえた。
無事に立っている木の枝の上にいたのは、黒いスーツをつけて黄色いおしゃぶりを胸につけた赤ん坊。
「リボーン!やっと起きたのかよ!お前が寝てるあいだにこっちは大変だったんだぞ!!」
「な・・なぜここにリボーン先輩が・・?」
「ちゃおっス」
「せ・・せんぱいー!?」
(コイツもリボーンの変てこな知り合いかよ―――)
「せっかく会ったんだし、一杯やるぞ」
「バ!バカ言うな!!俺は今カルカッサファミリーのボスから命を受けている!お前は倒すべき敵だ!」
「お前いっつも誰かのパシリだよな」
「パシリじゃない!!お前だけだ!!俺をパシリに使ったのは!!舐めやがって、許さんぞ!!殺れ!!」
スカルが合図すると部下たちが銃を構えてリボーンに向けて一斉に発砲した。
「おせえ」
リボーンの早打ちに部下は一瞬でやられ、スカルに詰め寄って殴りつけた。
スカルは吹っ飛んでヘルメットが割れながら木にぶち当たって倒れた。
「くそ・・・こうなったら・・・戦艦から城を砲撃しろ!許可する!!」
「そいつは無理だぞ。コロネロも起きただろーからな」
「なっ!コロネロ先輩もここに!!」
バッサバッサ。
鷹に頭を掴まれながらライフルを持ったコロネロが海上にいた。
「いくぜコラ」
コロネロは海に浮かぶ戦艦に向かってライフルを構えた。
「SHOT!!」
ドンッ!!ドガァン!!
『スカル様!!全艦撃沈されました!』
「なっ!」
「コロネロのライフルが火を噴いたな」
「さすが最強の赤ん坊」
(あの兵隊チビもメチャツヨかよ!!)
「つーか寝ないで最初からやれよ!!」
「いーだろ、お前は戦ってねーんだから」
(そーいえば、いつもは俺が戦わされてるよーば・・・・まさか今日は守ってくれたのか?)
「俺のパシリは俺が締める」
(でた!!リボーン美学!!!)
こうして、マフィアランド連合軍はカルカッサファミリーに勝利し、島に再び平和が訪れた。
***
「へー、俺が寝てる間にそんなことがあったのか」
「お前ずっと寝てたのかよ・・・・」
「光努ー!!ジェットコースター乗りに行こ!」
「光努ー、立体迷路に行こー」
ルイの寝ている光努達の予約した部屋にて、光努以下全員集まっていた。ルイはマフィア同士がドンパチやっていた間、ずっと部屋でくつろいでいたようだ。リルとコルは誰もいない遊園地を楽しんでいたみたい。電気が止まってアトラクションが動いていないのに何をしていたのかと聞かれたらそれはリルとコルにしかわからなかった。
「ルイも外に出たらどうだ?プールとか気持ちいいぞ」
「泳ぐと疲れる」
「コーヒカップなんてのは」
「回ると疲れる」
「観覧車」
「歩くと疲れる」
「・・・・・・」
(だめだこいつ!早くなんとかしないと!!)
ひとまずルイを外へ連れ出すにはどうしたらいいだろうか。別にルイは外が嫌いな引きこもりというわけではない。ただ疲れることを極端に嫌う。興味があるのなら全く疲れないのだが。
コンコン。
「ん?リル、出てくれ」
「はーい」
リルが部屋の扉を開けて客を迎える。
「あ、リボーン!何しに来たの?遊びに来たの?何して遊ぶ?」
「また今度な。光努はいるか?」
「いるよ、光努ー!リボーンだよ」
「リボーン?」
「ちゃおっス」
部屋にやってきたのはリボーンのみ。まあ頭にレオンを乗せているが。
「光努、今いいか?」
「ああ、リル、コル、とりあえず遊んどいで」
「えー、さっきもそう言ったじゃん!」
「遊ぼー」
「すぐ済む。ほら、後でおやつ買ってやるから」
「やった!行ってくる!」
「いってきま~す」
おやつで買収されてリルとコルは遊園地に向かった。
そして場所は変わってホテルの屋上。
現在この場にいるのは光努とリボーンのみ。
「リルとコルはほうっておいてよかったのか?お前に随分なついてたな」
「後で埋め合わせするから問題ないさ。それで話ってのは?」
「お前は何者何だ。アルコバレーノの呪いを知ってるのか?」
リボーンは確信をついた。呪い、本来アルコバレーノの他は一部の人間しか知らない情報。なぜ光努が知っているのか疑問に思っていた。
「呪い・・・か。俺が知ってるのは着けると赤ん坊になるってことだけだ。知り合いに聞いただけだしな」
「そうか・・・・。おしゃぶりに異変は確かに少し前にあったが、お前は何か知ってるのか?それにお前の知り合いっていうのは、」
「・・・・・」
(どうするかな。ハクリのことって話しても大丈夫なのかな?まあ黙ってる義理とかないしな。別世界の事言わなければいいか)
ヒュルルルルル、カッ!!
「!!」
「矢文?」
上から降ってきて光努の足元に刺さったのは一本の矢文。光努は手紙を広げて見てみる。
『光努へ。私のことは詳しく話さないでねbyハクリ』
「・・・・・・」
手紙は一瞬で燃えて消えてしまった。
(なんてタイミングがいいんだ!まああの擬似テレポーテーションがあればこんなことも可能か・・・・)
「何が書いてあるんだ?」
「あー、すまんな。おしゃぶりとか呪いのことは今は知り合いに聞いたとしか言え
ないんだ(あいつ次に会ったら殴ろう)」
「気にするな。その矢文も何かお前に関係があるんだろ。まあ確認がしたかっただけだしな」
「そうか、サンキューな」
マフィアランド終了!
もう少ししたら黒曜編!
次回は若干オリジナルをよろしく!