特異点の白夜   作:DOS

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『人の怒りは意外としぶとい』

 

 

 

 

「マフィアランドのシンボル!マフィア城!!」

 

「マフィア城か。金をかけてるだけあるな」

 

「うおっ、すげー!」

 

現在。光努、ツナ、ロンシャンが地下鉄を歩いて戻ってマフィア城にやってきた。

 

簡単に説明するとあのあと地下鉄に乗ってトマゾファミリー8代目ボスでありツナのクラスメイトの内藤ロンシャンが修行にやってきてその後マフィアランドに敵対するマフィアが攻めてきたらしいので島の人間が一旦マフィア城へと集まっているらしい。

 

ちなみにツナは戦力にリボーンとコロネロを期待したがお昼寝タイム中(起こすと殺される)なので3人だけで城にやってきた。

 

「これ全部マフィアか。水面下でマフィアの存在が大きくなってるんだな。いつか世界中マフィアだらけかもな」

 

「ちょっ、光努!怖いこと言わないでよ!」

 

「アッハハー!光努ちゃん面白ーい!」

 

笑いながら(ツナは若干怯えてる)城の中に入る。

 

「ツナ!」

 

「母さん」

 

(あれがツナの母親か。他の奴らは中々個性的な面々だな)

 

「この城で敵マフィアを迎え撃つんでしょ?」

 

「なっ!母さんまでマフィアとか・・・!」

 

「面白いイベントね」

 

「山本的ー!!!」

 

(大物だな、あのツナの母親。それともただの天然か)

 

その後ツナの母親を含む女性陣は後方でご飯を作るみたいなので裏方に行った。

 

「スパイを島に入れたトマゾの8代目ってのはお前か!」

 

(ロンシャンのことだ!殺されるぞ!)

とツナは思ったが。

 

「よくやった!!」

 

「えらい!!」

 

「な―――――!!?」

 

「どゆこと?普通逆じゃね」

 

「リゾート気分にあきあきしてたとこよ!スリルがねえ!」

 

「久々に銃をぶっ放せると思うとワクワクしやがるぜ」

 

「やっぱマフィアは殺しあわねーと」

 

どこからか銃器類を大量に取り出して楽しそうに語るマフィアたち。

ロンシャンの失敗は彼らにとってはラッキーなことだったらしい。

ツナも驚愕していた。

 

すると今度はいくつもマフィアのボスが自分らがマフィア連合を指揮すると言ったので口論が始まった。

 

「マフィアにも譲り合いの精神ってのはないのかねえ。ツナ、お前ボスなら指揮したら?」

 

「ちょっ!勘弁してよ!それに俺マフィアのボスじゃないし!」

 

「10代目~!!ご無事でしたか!」

 

「ご・・・獄寺君・・・」

 

人ごみをかき分けてツナの元にやってきたのは若干柄の悪そうな少年。

 

「まぎらわしーぞガキ・・・10代目とか変なアダ名つけんじゃねぇ!」

 

「アダ名じゃねえ、沢田さんはボスだコラ!」

 

「ほー、どこの馬の骨のファミリーかな?」

 

「ボンゴレで文句あるか!?」

 

ざわっ!

 

ボンゴレは数あるマフィアの中でも伝統・格式・規模・勢力において他のマフィアを大きく上回る程の組織。他のマフィアも一発でツナをボンゴレボスとして連合の指揮者として認めた。

 

(いいのかな、これで)

 

「みなの者!!われらが大将ボンゴレ10代目に続けー!!」

 

マフィア共はスーパーハイテンション状態となった。

 

ドンドン!!パンパン!!ドーン!

 

外から戦闘音がしてきた。どうやら敵もマフィア城までやってきたようだ。

光努は近くにいた他人に話しかける。

 

「なあ、どこが攻めて来たんだ?」

 

「ああ?ボウズ知らねーのか?カルカッサファミリーだよ」

「カルカッサ・・・ふーん、カルカッサね~」

 

一瞬――――。マフィア城の広間に集まった人間全てに恐怖が走った。

とてつもない殺意が爆発的に大きくなった。一瞬のことだったから誰から出たのかは分からず、すぐに消えたから恐怖すら実感しなかった。しかしマフィア達は確かに一瞬硬直してしまった。

光努は歩いて入口に向かった。

 

「ツナ、ちょっと俺出てくる」

 

「な、光努!外危ないよ!」

 

「大丈夫。カルカッサのやつら潰してくるだけだから」

 

「いやいや!全然大丈夫じゃないよ!!」

 

「ならば大将!俺たちも行きましょう!」

 

「ええ!」

 

マフィアどもは気のせいかと思いつつ準備を始める。

もうすでにあちこちでドンパチが始まっている。

ツナも無理やり前線に持ち上げられていった。

 

光努とツナを含めて敵の戦艦に向かって森の中を通ってると木が倒れて何かが出てきた。現れたのは赤ん坊の軍団。中央にいたのは額のタコの模様が書かれたフルフェイスのヘルメットにライダースーツを着て紫色のおしゃぶりをつけた赤ん坊。

 

「奴はカルカッサファミリーの軍師スカル!!」

 

「え――!あのちっこいのが――!?」

 

「間違いない。あの紫のおしゃぶりはアルコバレーノの証」

 

アルコバレーノはイタリア語で虹の意味。

マフィア界にいる7人の最強の赤ん坊を指す。リボーンとコロネロもそうである。

ツナはよくわかってないようだが。

 

マフィア連合勢が銃を撃つとスカルは手を少しだけ動かした。すると銃弾がスカルに当たる瞬間何かにはじかれた。

 

「何かにはじかれたぞ!」

 

「シールド!?」

 

「茂みに何かいる」

 

現れたのは大ダコ。普通のタコより数十倍もある巨大なタコが現れた。

 

「スカルは巨大なヨロイダコを操ると聞いたことがある!!」

 

「夢だ!夢を見てるに違いない!!」

 

ツナは現実逃避をするのであった。

 

ドゴオォ!!

 

その瞬間、スカルの背後にいたはずの巨大なヨロイダコは吹っ飛んだ。周りの木々を盛大に破壊しながら来た道を引き返して海まで飛んでいった。

 

「な!!何だ!何が起きた!」

 

スカルは慌てた。自分背後で攻撃と防御を行っていたタコは一瞬のうちに退散させられてしまったから。あとに残ったのは砕けた鎧の破片だけだった。

 

「お前がこの場にいるカルカッサの中で一番偉いのか?」

 

スカルの前にいたのは上げた脚を下ろして笑っている光努だった。

 

 

 

 

 


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