ツナVSアイリス(継続中)
クローム他侵入(済)
雲雀(10年後)VS幻騎士(済)
雲雀(10年前)VS幻騎士(継続中?)
そのうちツナ側ダイジェスト②がでます。
10年前、一人の少年、白神光努が突如行方不明となった。
イリスが総力を上げてその捜索をしたが、ついぞ見つけることができなかった。
そこから10年。
ミルフィオーレが現れてイリスが狙われたりもしたが、そんな時でも光努の捜索を行っていたが、やはり見つけることはできなかった。
当時8歳であったリルとコルは、自分たちの所属するイリスのボスであり、とても慕っていた光努が、大好きだった光努が突然いなくなりとても悲しんだ。
『シャガ』となってあちこちに出かけるのも、行方不明となった光努を探そうとしてのことも多くあった。
そして光努が行方不明になって10年後、光努は再びイリスに戻ってきた。
***
光努とジンジャーの戦いに割って入ったリル。
入った時にジンジャーの仕掛けた晴れのレーザー砲台だが、剣と針と炎でもって全て破壊することに成功していた。恐ろしい技術力に唖然としているジンジャーだが、それをやってのけた張本人のリルといえば」
「懐かしぃ~♪」
「ははは、昔はあんなに小さかったのにな~」
光努の首に腕を回して抱きついたリルが、光努と共にくるくると楽しそうに回っていた。
その表情は華やかであり、本当に嬉しそうだった。
が、よく思い出してみよう。
この場所は敵の基地の真っ只中だということを。
二人が回っているというその光景を眺めているジンジャーが、ふよふよ浮いていることを。
リルによって晴れのレーザー砲台は破壊されたが、まだこの部屋の中には晴れの匣兵器である
「ふむ、リル。一先ず話はあとだ、先にあいつ片付ける」
そう言って光努は回していたリルをおろして懐から何かを取り出した。
全体的に赤い色に、丸い輪っかのような模様が付けられた匣だった。
「光努、それは?」
「うん、ルイの作った匣でな。リル、嵐系のリング持ってるか」
「これ使っていいよ」
そう言って渡したのは、ディフォルメされた、背中に紅い石のはめ込まれたドラゴンに、翼を下に向けて円を描いているという独特のデザインをしたリングだった。
「Dリングって言ってね。全部で8つあるんだけどそれは嵐系のリングなの」
D、つまり
イリスファミリーが所持していた、『
ちなみに、獄燈籠の持っていた東洋の竜を模した紅いリングも、嵐系のDリングの一つである。
リルの持っているもう一つの色違いの緑色のディフォルメドラゴンのリングも、雷系のDリングである。
「じゃ、少しかりるぜ」
ボゥ!!
Dリングを指にはめ、そこから迸るように真っ赤な嵐の死ぬ気の炎が吹き出した。
「嵐の炎だと!」
その光景にジンジャーが驚いているあいだにも、懐から取り出した匣に、嵐の炎を注入した。
中から飛び出してきて出てきたのは、光輝く赤い球体。
最初から球体というよりも、いくつもの赤い輪が合わさり、球体の形となっている物。
フォンという微かな音を鳴らしながら、球状に設置されているいくつもの赤い輪がくるくると回転し、静かに赤い光を放っていた。
「綺麗。それにしてもルイ、また変わったの作ったの?」
「この匣は面白い感じに使えるらしいぜ。今の状況ならぴったりだ」
キイィン!
光努の手の上でくるくると環を回している赤い球体。そこから環が広がって光努とリルの周りをくるくる回るように大きくなり、光努とリルを中心として、いくつも環が広がって、薄く赤い光が部屋全体を包み込んだ。
「
ボオゥ!!
薄く赤い光の波動が当たった箇所から、嵐属性の死ぬ気の炎が発火した。
発火した、というよりかは、その範囲は強大すぎる。
証明を照らせば部屋全体が明るくなるように、赤い光が広がった先は広い訓練室全て。いくつもの赤い円環状の波動に触れて、壁や床は光努とリルのいたところを丸く切り取るように浅く嵐の炎が張り巡らされた。
「これは!・・・!」
一瞬で部屋が真っ赤に染まったことに驚愕したが、次に驚愕したことは、自分のマントにも燃えた嵐の炎を取ろうとマントをはためかせた途端、あっという間に自分に群がっていた嵐の炎は霧散してしまった。
よく見ても、先ほど炎の浅く燃えていたところは火傷ひとつない。炎が浅すぎて簡単に消し飛んだんだろうと考えた。
「光努。ジンジャーの炎がすぐに消えちゃったよ?」
「この匣は、炎を限りなく薄くして、広範囲に満遍なく広げることができるんだ。そして、赤い波動に触れたものは嵐の炎で燃える」
光のごとき赤い波動として、幾重にも重なった円環状態から広がるように、辺り一体に行き渡らせることのできる匣兵器。波動に触れたものは、全て最初に注入した嵐の炎によって燃え盛るが、そうそう都合のいい匣ではない。
「最も、この程度の炎は少し動けばすぐに消える。が、動けないこの部屋はどうなると思う?」
「・・・・!しまった!」
動けば簡単に炎は散ってしまう。
その為、生物に対してあまり有効ではない。
が、この匣の真骨頂はそこではなく、動くことのできない物体にはそのまま作用し、浅く薄い炎からだんだんと無生物を分解燃焼し、最終的には波動に触れた全ての物体を燃やし尽くし、その中の生物も破壊する。
壁の隙間にいた
「僕の
ジンジャーが悔しがるが、それだけでない。
床や壁、天井すらももはや真っ赤な炎によって燃え盛り、だんだんと威力が増していく為、最初から仕込まれていた罠などは、隙間から中に入り、分解破壊を繰り返し、この部屋に仕掛けられていた罠の数々はもはや使い物にならなくなっていた。
この匣は、最初に使用した者とそのすぐそばにいた者の周りからスタートするため、最初の炎は当たらないが、その後はだんだんと燃えてくるため、自爆技とも言える。
しかし、この匣の効果を知る者にとっては、そこまで致命的な自爆技とはならなかった。
「ふっ!」
光努がしゃがんで足払いをすると、その風圧でもって、光努とリルを中央とした周りの嵐の炎だけを霧散させた。
「リルサンキュ。よし、罠も燃えたし、この部屋から出るぞ」
「うん!」
リルに嵐のDリングを渡し、光努は足に力を込めて、空中をふわふわ浮いて燃え盛る嵐の炎に包まれた部屋の中央にいたジンジャーの元へと、一足で跳んだ。
ガギィン!
「あ~あ、やられちゃったな」
「どうせ人形だろ。本体はどこだよ」
つぶやき、目をうつろにさせているジンジャーと、ジンジャーの胸の中央から背中まで手を貫通させている光努の姿が、そこにはあった。
さきほどまで人と同じ姿だったのに、今のジンジャーは口元や瞳が人形のそれに近づいている。
もはやここには、ジンジャーはいなかった。
「僕の本体を見つける前に、君には消えてもらうけどね」
「何?」
ジンジャーが言うと、自分の腕と足でもって光努にしがみつき、万力のごとき力で固定する。
そしてよくよくと見れば、ジンジャーの体から煙のような物が上がっていた。
「もちろん最終的に僕は自爆すると思って、火力は多めにしといたよ☆」
「そんな気遣いいらねぇ!つーか自分が自爆すること想定するなよ!」
だんだんと吹き出す煙が黒々とし、その手足がうねうねと伸びて光努が掴まぬとも絡まってきた。正直気味が悪い。
「リルー!ちょっとこれどうにかなんねー?」
「うーん。切り刻んでみる?でも切った時に爆発するのも困るし、いっそ燃やすとか?」
「それって密着してる俺も確実に燃えるよな?」
密着してる中で爆発すれば、そうそう無傷ともいかないだろう。しかもご丁寧に向こうはこの自体も想定して火力多めとか言ってるので、いったいどうなるのかがわからない。
「ふむ、ならば切りながら止めればいいと思うよ。雨の炎の特性は〝鎮静〟だしね」
ズバァン!!
頭から一刀両断されたジンジャーが、切り裂かれると同時に澄み渡るような青い炎に包まれ、ボロボロと崩れ落ち、その活動を完全に停止させた。
「鎮静作用の炎を練ったから、爆発は遅延したよ。速く離れないとね」
ジンジャーから解放された光努は、床に降り立ち、ジンジャーを切り裂いた人物を見た。
柔らかな黒髪。青系統の色のコートを着込み、その腰に刺さった黒塗りの鞘に、手に持った日本刀の刃を収め、パチンという音を鳴らした。
「コル」
光努が呼ぶと、こちらを振り向いた。
「光努」
リルの双子の弟であり、姉と同じく『シャガ』に所属している少年。
刀を収めた手を広げ、てくてくとゆっくりと光努の元へと向かった。
対する光努も少し手を広げるようにして歩み寄る。
ガシィ!
そして二人してハグした。
リルと同じく、10年間行方知らずの光努と再会を果たし、コルもやはりすごく喜んでいるのであった。
「えっと、二人共。速くしないとジンジャー爆発するよ?」
コルの両手を持ってくるくると回っていた光努とコルはピタリと止まり、3人共ザッザと歩いてリルの壊した扉から外に出、廊下をしばらく進んだところで遠くから派手な爆発音が聞こえたと思ったら一先ず足を止めた。
「よし、じゃあ今後の作戦会議でもしようか」
「「うん!」」
光努VSニゲラ(済)
獄燈籠VS界羅(継続中)
コルVSブラックスペル勢(済)
リルVSグロ・キシニア(済)
光努VSジンジャー(済)
イリス側ダイジェストは必要ないかな?