特異点の白夜   作:DOS

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『スーツを着るのは最初だけでよくね?』

 

 

 

 

 

技術舎とよばれる母屋から少し歩いたところにある建物。

そこの研究室とは違う一室で紅茶でも飲みながら話す人の影が3つ。

 

「なんか今日は紅茶をよく飲むような気がするな。気のせいか?」

 

「きっと気のせいさ。それより助かったよ。あのまま行き倒れるところだったよ」

 

「まあ今度からは気をつけることだね」

 

「それで今更だけどお前は誰?俺はここの主任をしてるルイ。よろしく」

 

「俺は白神光努。今日イリスファミリーのボスになったからよろしく」

 

「・・・・・」

 

ルイはポカンとした表情になった。

 

「そうか・・・ククク・・アハハハハ!そうか!お前が灯夜の言ってた突如現れたボスか!まさかホントに子供か。本物のフィオーレリングを持ってるんだって?見せてくれないか?」

 

「いいぞ。ほれ」

 

光努は左手のフィオーレリングを見せるとルイは興味深そうに見つめる。

 

「へー。こうして見るとレプリカとはやっぱり違うな。サンキュ」

 

「どうも」

 

「それで、さっきは何してんだ?ライン」

 

「ああ、はい。ボスとバイクを改造していました!ボスはすごいですね!とんでも

ないものができました!もはや兵器ですよ!」

 

「ふぅーん。お前がそうまでいうとはな。光努だっけ?中々やるな。ライン。さっきやってた資料見せてくれ」

 

「はいどうぞ」

 

「・・・・・・・・・おいおい、マジかよ。すげーな。お前何者?」

 

「今日からボスだ!よろしく!」

 

「ククク。面白くなってきたな。よろしくな、ボス」

 

「ああ」

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

光努side

 

次の日。

 

昨日はルイといろいろと研究して母屋に帰った。ルイって基本的に体力が全然ないが研究のことになるととんでもない実力を持っていた。にわか仕込みの俺よりはるかに技術力は高いな。俺のは別の世界に言って培われた技術だからな。

この世界だけであそこまでの技術を持つとはすごいな。

 

そしてさっきも言ったけどあっという間に次の日。

 

ちなみに俺は住む場所ないからここの母屋に住むことになったのであしからず。

 

「光努ー!遊ぼー!」

 

「遊ぼー」

 

「いいよ。何やる?」

 

現在、リルとコルに懐かれた。灯夜が言っていたけどリルとコル、特にリルは気に入ったらすごく懐くみたい。まあ刃を向けられなくて良かったよ。

 

「おーい。光努」

 

「ん?何ー?灯夜」

 

リルとコルと木の上限定の鬼ごっこをしていると灯夜が呼びかけてきた。何の用事だろうか?

 

「とりあえずボスが決まったから報告しておかないとな。ひとまずここらで一番大きい組織のトップに会いに行くぞ」

 

「え、マジ?それ絶対?」

 

「絶対だ」

 

灯夜には有無を言わさない迫力がある。後ろになんか修羅的なものが見えるぞ。

 

「イエッサー・・」

 

「えー!光努ー!もっと遊ぼー」

 

「遊ぼー」

 

「悪いな。帰ったら遊ぼうな」

 

「・・・うん」

 

「いってらっしゃい」

 

「行ってきます」

 

「よし。行くぞ、光努」

 

「了解♪組織のトップってどんなやつかな?なんて組織?」

 

「ボンゴレファミリーだ」

 

 

光努side out

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

同時刻某所にて。

 

「楽しみだな。イリスファミリーの2代目ボス」

 

「ええ。あそこは我々ボンゴレと古く長い付き合いなのに初代以降ボスがいないと

いう変わった所でしたからね」

 

「それにボスが現れたということはフィオーレリングも見つかったようじゃ」

 

「!あの今まで封印されてたというフィオーレリングがですか!?」

 

「ふふふ。楽しみだ」

 

「一体どんな人物が来るのでしょうね。9代目、そろそろ支度を」

 

「ああ。わかった」

 

とあるマフィアの屋敷でそんな会話がされていた。

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

「灯夜ー、俺窮屈なの嫌いなんだよな。というわけでスーツやめて私服着てもいいか?」

 

「お前もボスなんだから正装くらい少しくらいしろ。次からなら私服でいいぞ」

 

「しょうがないな」

 

光努は灯夜に言われたので渋々黒いスーツを着て来た。

そして黒い外車(しかも高級車)に乗ってやってきたのはとある屋敷。

 

「ここがそのボンゴレファミリーのアジト?」

 

「いや、ここはアジトの一つだ。いくぞ」

 

ドアの前でインターホンを押すと黒服の男が数人出てきた。

 

「イリスファミリーの黒道様ですね。9代目がお待ちです。こちらへ」

 

「そちらの方は?」

 

「ああ、気にするな。それより9代目は最上階か?」

 

「はい。お連れいたします」

 

光努と灯夜は黒服に連れられてエレベーターを上がり最上階の部屋へやってきた。

扉の前で黒服はノックをする。

 

「9代目、黒道様をお通ししましました」

 

「通してくれ」

 

中から聞こえたのは年老いた人間の声。

扉を開けて中に入ると中にいたのは二人の人間。

年老いた温厚そうな老人に髪色が二色の男。

 

「よく来てくれたね灯夜君」

 

「久しぶりです、9代目。それにガナッシュも」

 

「久しぶりだな」

 

「それで灯夜君。もしかしてその子が・・」

 

「はい。こちらが先日イリスファミリーのボスとなった、白神光努です」

 

「初めまして。ボンゴレ9代目。先日イリスファミリー2代目ボスとなった白神光努です。よろしくお願いします」

 

 

 

 

 

 

 

 


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