ストパンのVRゲームでウィッチになる話   作:通天閣スパイス

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ヒロイン(予定)登場。

※間隔調整しました


イントロダクション 1

『総員、起床ォーーーーーーッ!!』

 

 パチリ、と。起床のラッパを目覚ましに、俺の意識は覚醒する。

 寝惚けた頭を何とか動かして、ベッドから飛び起きると同時にシーツとマットを畳みだして。綺麗に形を整えた次は、そのまま流れるように着替えへと移った。

 

 パジャマに使っていたシャツを脱ぎ、露になった自身の双丘にさっさと下着を着ける。ぶるん、と脱いだ拍子に揺れるそれを見ても、ここ数日は何も思わなくなってきた。

 いや、正確に言えばそういった興味を抱いたりはするのだが、正直そんなことに時間を割いている余裕がない。この着替えもさっさと終わらせなければ上官にどやされるため、お楽しみの時間なぞは少なくとも現状では諦める他にないのだ。

 トイレや水浴びも最初はどうにも変な感じがしたものの、数回こなせば何とか普通に行えるようにはなっている。何がとは言わないが、終わったら拭かねばならないということも身を以て知った。

 

 そもそも、いくらゲームとはいえそこまで再現してあるこれが悪いというかありがとうというか、何というか。

 倫理コード諸々が非常に緩い十八禁版を買った俺のせいと言えばそうなんだろうが、まさかゲームで異性の色々を自己学習させられるとは思わなかった。

 ……ひょっとして、生理とか妊娠とかまで再現されてはいないだろうな、と。変態的に作り込まれているこのゲームに対して、思わずそんな恐ろしい想像が頭を過る。

 

「……よっ……。んしょ、っと……」

 

 シャツを纏い、ズボンを履き替え、上着に袖を通してゆく。普段俺が着ている服とは色々と違いがあるものの、戸惑ったり手を止めたりすることはない。

 これもステータスとスキルのお蔭――ということは流石にないだろうが、戦闘と同じように身体の方が覚えているようで。半ば自動的に着替えだのベッドの整えだのを身体がやってくれるものだから、そういった点で俺が苦労することはなかった。

 

 下着のポジション調整とか、ブラのホックの部分を先に留めてから半回転させて肩紐を通す方法とか、そういった女性としての生活感溢れる知識が増えてゆくことに何とも言えないむず痒さを感じて。

 二分もかからずに着替えを終えた俺は、未だに着替えを続けている同室の少女達に一言告げた後、さっさと部屋を抜け出した。

 

「うぁっ」

 

 宿舎の建物から外に出ると、朝日の光が俺の目を焼いた。思わずちょっと驚いた声を漏らして、目蓋を細めながら段々と、寝起きの目を外の明るさに慣らしてゆく。

 

 ぱたぱた、と小走りで目的地に向かいながら――他の人の小走りより随分遅いようで、途中で何人かに抜かれた――俺はふと、今日でゲームを初めてから一週間目だな、等と思い出していた。

 あくまでゲーム内の時間経過だし、現実世界でどの程度経っているのかは分からないが、俺の体感的な時間はやはりゲーム内での七日間である。ゲームの世界やシステムにも色々と慣れてきて、仕様のあれこれも解り出していた。

 攻略スレでも見れれば、もっと詳しく分かるんだろうけど――。そこまで考えて、無い物ねだりをしてもしょうがないと首を振る。

 

 

 俺がゲームを始めてから――『ログアウトが不可能』という事態に気がついてから、今日まで七日間。

 このゲームの世界で、俺は一人のウィッチとして過ごし続けていた。

 

 

 

 

 

 ログアウトが、出来ない。それが仕様なのかバグなのかオカルトなのか、原因については全くと言っていいほど見当がつかないが、とにかくその異常は確かな事実として存在していた。

 

 ログアウトボタンも反応しないし、ヘルプで確かめたログアウト方法を幾つか試してみても不可能で。何度繰り返してみても、俺の意識が現実世界に戻ることはなかった。

 散々驚いて慌てた後、どうせ最悪の場合はゲーム機器の仕様で無理矢理止められる――使用者のバイタル等に問題が発生した場合、自動的にゲームが中断されるセーフティーがある――と思い、とりあえずゲームを続けてみることにしたのが七日前。

 現状はどうしようもないのだからと割り切って、ログアウト云々を一旦思考の外に追いやり、ゲームを楽しむことにした俺は、何だかんだとウィッチとしての生活を楽しんでいた。

 

「……あむ」

 

 ぱくり、と。皆が集まる食堂の中、隅の方の席に座って一人黙々と、朝食のジャガイモ料理を口に運んでいる。最早驚きはしないが、味覚や空腹感まで再現され、ジャガイモのハフハフとした味が口の中に広がった。

 この状況では食料事情も芳しいわけではないのだろう、食事に出る料理はジャガイモを材料にしているものが多い。それでも毎食それなりの量が出る辺り、大分恵まれてはいるのだろうが。

 

 原作を見るとどうも誤解しがちになるが、ストライクウィッチーズの世界観は人類がチェックメイトに向かって突き進んでいるかのような状況である。アニメの穏やかな風景から少し視線を逸らせば、そこで行われているのは正に戦争だ。

 崖っぷちと形容するにはまだまだ余裕がありすぎるとは言え、それでもマトモな対抗戦力が十代の女子のみ、という時点で色々とお察しだった。……少女が戦争に出る状態を真面目に考えてしまうとこうなる、ということでもあるが。

 

 実際、この基地の雰囲気はまだ明るさがあるものの、昨日の任務で救出したガリアの難民達なぞは、総じて皆疲れた表情をしていて。任務の帰り、ふと視線が合った子供に笑顔で手を振ってみても、その子は軽い会釈を返しただけだった。

 一週間前の初陣以来、何度か任務を経験している俺だったが、昨日のそれは色々と毛色が違った。今までのものは哨戒任務だの、数体のネウロイの殲滅だの、そういった簡単なものばかりだったが……。昨日のそれは正しく、『戦争』だったのだ。

 

『……ヴェラ軍曹。お前はここで、援護射撃に徹していろ』

 

 当初の作戦を中断し、命じられて行った先で行われていた、殴り合いのような総力戦。ゲームらしからぬ迫力と雰囲気を漂わせるそれは、俺の心を一瞬呑んでしまうに十分だった。

 それが顔に出ていたのか、戦場を把握した隊長に早々そんなことを言われ、俺は離れた辺りで素直に狙撃のポジションを探して。Kar98kを構えながら前方の派手な空中戦を見据え、見知らぬウィッチ達がネウロイとのダンスを繰り広げる様を眺めていた。

 腕がシステムによるものだからなのか、幸い狙撃に影響はなかったし、援護射撃も問題なく行えて。戦場に突入していった味方の働きも凄まじく、数十分も経つ頃には、多少の損害と引き換えに任務は終わらせることが出来た。

 

 終わりよければ、と言ってしまえばそれまでなのだけれど。それでもやはり、これからは、気楽なようにはいかない気がする――。あれから一晩が経っても、そんな不安が俺の心の中にこびりついて離れなかった。

 

「――あ。トゥルーデ、あそこ空いてるっぽいよー」

 

 そんなことを考えながら食事を進めていた俺の耳に、ふと、そんな声が聞こえて。チラリと視線を向けてみれば、トレーを持った二人組が俺が座っている辺りに近づいてきていた。

 

 食堂はかなり大きめの広さがあるものの、食事時は皆が集まるために非常に混雑している。俺が座るテーブルは運良く空いていたが、その他の席は尽くが埋まっているように見えた。

 だから、食事を貰ってきた人間がこちらにやって来ようとするのは別におかしくはない、のだけれど。問題だったのは、その二人の姿に見覚えがあることで。

 

 少尉の階級証と、中尉の階級証を着けたその少女達が、歩み寄ってくるのを見て。俺は思わず手を止めて、二人を見つめてしまっていた。

 

「……すまない。ここ、座ってもいいか?」

 

 中尉の階級証を着けた方の、真面目そうな雰囲気をした茶髪の少女が、そう問いかけてきた。

 反射的に了承の返事を返すと、少尉の階級証を着けたお気楽そうな金髪の少女が「やたっ」と呟いて。早速俺の向かいの席に座り、もう片方の少女をちょいちょい、と手招きする。

 その様子に呆れたような溜め息を吐きながら、茶髪の少女は彼女の隣に腰掛けて。こちらに視線を戻すと、俺の肩――軍曹を表す階級証に目をやり、口を開いた。

 

「軍曹か……。あ、いや、視線が少々不躾だったな。

 私はゲルトルート・バルクホルン、階級は中尉だ。初めまして軍曹」

 

 茶髪の少女こと、ゲルトルート・バルクホルンはそう名乗って、ニコリと微笑みを向ける。

 金髪の少女もそれに便乗する形で名乗りをあげ、軽く手を振りながら自身の紹介をした。

 

「エーリカ・ハルトマンでっす。階級は少尉、よろしくねー」

「……ふ、フランツィスカ・ヴェラ軍曹、です……」

 

 呆然、と。いきなりの原作キャラクター達との邂逅に、俺は開いた口が塞がらなかった。

 ミーナの時にも思ったけれど、何というか、どうしてこうも予想外の出会いばかりなのであろう。こんなサプライズばかりでは、期待も心構えもあったものじゃない。

 道端で偶然贔屓の球団のプロ野球選手を見かけるような、そんな瓢箪から駒が出てきたような事態だ。確かに嬉しくはあるが、どちらかと言えば驚きの方が大きかった。

 

 ゲルトルート・バルクホルンに、エーリカ・ハルトマン。どちらも根強い人気を持つ、ストライクウィッチーズの登場人物である。

 二人はエースの中でもさらに飛び抜けた腕前を持つ、所謂『トップエース』と呼ばれる類いの人間であり、特にエーリカは人類でも四指に入る撃墜数を誇る、まごうことなき超人であった。

 原作前の今頃でも既に頭角は表していたはずで、彼女はバルクホルンの旗下でその腕前を存分に発揮していたはずである。トップエース二人を目の前にしたという点では、『フランツィスカ・ヴェラ』が呆然とした態度をとっても不自然ではなかった。

 

 故に、そうした態度を怪訝に思われることはなかったものの。俺の名前を聞いたバルクホルンは、少し驚いたように目を見開く。

 その反応が予想外で、思わずどうしたのかと尋ねれば、彼女は「いや」と一言呟いて。俺の顔をじっと見つめながら、それの理由を口にした。

 

「ミーナ――ああ、ヴィルケ少佐から、JG3に面白い新人が一人入ったと聞いてな。そうか、お前が……ふむ」

 

 そう言うと、バルクホルンは俺を観察するかのようにしげしげと視線を動かし、どこか興味深そうな表情を浮かべた。

 数秒ほどそうした後、彼女はふと我に帰り。再び不躾な視線を向けてしまったと謝意を述べ、その話を続ける。

 

「いや、なに、少佐の話では随分と……個性的な人間であるように思えてな。予想外に真面目そうなものだから、その、私も驚いたと言うか――」

「……マルセイユみたいなのを予想してた、って素直に言えばいいのに」

 

 ボソリ、と。バルクホルンの言葉を遮るようにして、エーリカはそう呟いた。

 その瞬間、んな、とバルクホルンは図星を突かれたかのように驚いて。隣で悪戯が成功したかのごとき笑みを浮かべているエーリカに、余計なことを言うなと軽く叱りつけた。

 

 ……マルセイユ、とは。もしやあの、アフリカの星であるマルセイユのことだろうか。

 確か設定上はエーリカの同期で、バルクホルンの部下だった頃があるはずだから面識があるのは当然としても、何故ここで彼女の名が出てくるのだろう。

 そんな風に悩んでいると、表情に出ていたのか、こちらに視線を向けたエーリカが気がついたように笑みを浮かべて。バルクホルンの説教を受け流しつつ、俺への説明として口を開いた。

 

「マルセイユってのは、前にJG52にいたウィッチでねー。我が強いって言うか、プライドが高いって言うか……。腕は良かったんだけど、上官だったトゥルーデと何度も対立しちゃってさぁ。

 ぶっちゃけ貴女のことはミーナからは『腕がいい』ってぐらいしか聞かされてなかったし、その時のミーナも何でか頭が痛そうにしてたからねー。まあほら、つまり……」

「自分の経験と結びつけて、私が、その、傍若無人な人間だと思ってた……と?」

「そゆこと。あ、ちなみにマルセイユはもう別の部隊に行っちゃってるけどね。確かアフリカに行った部隊だったかなぁ」

 

 へぇ、と。エーリカの話に相づちを打ちながら、俺は苦笑で頬をひきつらせるのを我慢していた。

 マルセイユがどういう人間なのかは、見も蓋もない言い方をすれば、所謂『原作知識』というやつで知っている。某同人誌シリーズも読んだことがあるし、あのマイペースっぷりは重々承知していた。

 嫌いなキャラではない。むしろ俺としては大好きで、キャラクターとして見るなら非常に魅力的な存在である。人間としての成長も遂げたアフリカ戦線時代の彼女は、本当に大好きなのだ。

 

 だが、自分があれ(・・)――しかも生意気真っ盛りの時期と同じような性格をしていると思われていた、と知って。いくらそれが勘違いによるものとはいえ、決して嬉しい気分にはならなかった。

 どこぞの剛田さん家の息子よりは比べるのも失礼なほどマシな人間だし、後には随分と丸くなっているとはいえ、JG52時代のマルセイユと比べられても嬉しくはない。腕前なら話は違うが、性格は絶対に俺の方がマシだったはずだ。

 

 命令違反上等、軍規無視上等、個人戦果優先、上官反抗の数え役満問題児といっしょくたにされても、正直苦笑しか出てこない。

 実際、そんな早とちりをしていた犯人――バルクホルンも彼女への評価は俺と似たようなものらしい、ばつの悪そうな表情を俺に向けていた。

 

「いや、本気でそう思っていたわけでは……。その、腕はいい部下に悩んでいると聞くと、つい……。

 ……いや、なんだ。すまんな」

「あ、いえ。別に気にしてませんので」

 

 マルセイユさんのこともよく知りませんし、と嘘を付け足して。この話は終わりにしよう、と言外に含ませて彼女に言った。

 まあ、大した話ではないし、生産性があるものでもない。このまま続けても何ら意味はなかった。

 二人の方も続ける意思はなかったのだろう、すぐに意識を切り替えて。会話の新しい話題を振ろうと、エーリカが話を始めた。

 

「そう言えばさー。最近の情勢、ちょっとヤバイっぽいよねぇ」

「ん? ……ああ、そうだな。パリの失陥に北部ガリアの戦線の崩壊、それによるガリア軍の撤退……。ネウロイの攻勢が確実に強くなってくる」

「昨日って、確かJG3がガリア軍の応援に行ったんだっけ? ね、ネウロイの規模ってどのくらいだった?」

 

 へ、と。いきなり始まった真面目な話に驚いていたところに話を振られ、一瞬固まってしまう。

 が、自分に注がれている二人の視線に気がつくと慌てて我を取り戻し、思い出そうと必死に頭を働かせて。しどろもどろながらも、話を途切れさせることなく続けることが出来た。

 

「確か、三十……。私達が戦場に着いた時は、確か、それくらいの数だったかと……」

「三十か。となると、はぐれ(・・・)じゃあない……。本格的な攻勢の兆し、か?」

「相手はガリア軍に回してた戦力が丸々余っちゃうわけだから、そのうちの何割かがこっちに来るとして……。うわー、考えたくなーい」

「……作戦に支障が出てくるな。全く、本国の失陥といい、あの問題児といい、どうしてこうも頭が痛くなることばかり立て続けに……」

 

 ぱくぱく、と。二人はそんな話をしながら、手の方も動かして朝食を食べ進めていった。

 

 口の中に食べ物を入れて喋らない、というマナーを守った上でこうも見事に会話をする彼女達は、随分とまた器用なものである。

 器用さのステータスが高い故か、俺も出来ると言えば出来るが、時折話を振られた時に口に何かを含んでいると、どうしてもすぐには返事を出来ない。

 ステータスは万能ではない、ということだろうか。……当たり前と言えば当たり前ではあるけれど。

 

「あ。そういやさー、ヴェラ」

 

 

 ふと。話の途中で、エーリカは思い付いたようにそう言った。

 どうしたのかと尋ねれば、彼女はニヒヒと再び悪戯っ子のような笑みを浮かべていて。俺のことを少しからかうような、そんな雰囲気を纏わせながら言葉を続けた。

 

「今思い出したんだけどさぁ、撃墜数四なんだって? 凄いじゃん、あと一体でエースだよエース」

「何? そうだったのか、軍曹」

 

 バルクホルンの問いかけに、俺はコクリと頷く。

 初陣に一体、その次の次にやった任務で一体、昨日の任務で二体。合計四体のネウロイを、俺は今までに撃墜していた。

 

 相手にしたネウロイの数が少なかったこともあるし、装甲が堅くてあちこち動き回る奴等を倒すのはそれなりに難しいことだったからそんな劇的な数字ではないが、それでも四体撃墜というのは中々に素晴らしい数字である。

 新人にしては望外だ、と隊長も俺を褒めていた。狙撃の腕を考えると、とミーナは少し納得がいかないようだったが、一撃で敵を倒せない――Kar98kでは火力が少々弱いことを伝えると、彼女も納得の様子を見せた。

 

 現状として、一撃目で敵の装甲を剥ぎ、即座に二撃目をコアに叩き込むという戦法をとらざるをえない。装甲の上から吹き飛ばす火力がない――しかも狙撃は遠距離であるため、威力も多少減衰する――以上、面倒でもそうした方法をとらなければならなかった。

 正直、実戦では中々に辛いものがある。何せ敵を攻撃する、という最大の隙をより長く晒すことになるのだ。昨日の任務のように敵が多数いる状況では、二撃目を撃てる余裕があまりない。

 窮地の味方を支援するような援護射撃自体は問題ないのだが、それは装甲を剥ぐか相手の動きを一時的にでも止めることに止まって、自身の戦果には結び付かない。むしろ手負いをプレゼントする、味方の戦果をアシストすることになるのが殆どだった。

 

 ……火力の高い狙撃銃の用意を掛け合ってみる、とミーナは言っていたが、どうなることやら。とりあえず、期待しないで待っておこう。

 

「一週間で四体だから、このペースだと月十六体? 半年経ったら大エースじゃん、やっるぅー」

 

 ひゅーひゅー、と明らかに冗談だと分かる口調で話すエーリカ。

 確かに数字上はそうなるが、現実は――これはゲームとは言え――そう甘くはない。そんな単純な計算がまかり通れば、今頃大エースがそこら中に転がっているほどに増加していることだろう。

 

 その冗談に、俺とバルクホルンはアハハと笑って。でも、と一つ前置きして、彼女は口を開いた。

 

 

「それくらいの気迫は必要だぞ、軍曹。数字に拘るのも良くないし、気負いすぎも良くないが、本当に良くないが……。自分もエースになってやる、くらいの意欲は持っておくべきだ。

 ……そうだったら、どこぞの少尉みたいにやる気のないようにはならないだろうし、な?」

「あー美味いわー、このジャガイモ料理超美味しいわー。話とかちょっと全然聞こえてこないわー」

 

 チラリ、と視線を横に向けながらの彼女の言葉に、エーリカは食事に没頭する振りで答えた。

 それを見た彼女は、怒りよりも先に呆れが来たのか、一つ溜め息を吐いて。ふと視線が合わさった俺と、数秒ほど見つめ合い――やがて二人揃って苦笑染みた笑いを漏らした。

 

 俺とこの二人のファーストコンタクトは、大体そんな感じで行われた。

 

 

 

 

 




エーリカを出したかった。それだけ。

Q.ゲームシステム云々

A.UCとかまた懐いゲームを……。どちらかというとあれですね、オブリとかスカイリムとかの方がイメージに近いかもしれません。

Q.単独で戦線を支えるのってよくね?

A.マルセイユとライーサが、確か一時期ウィッチが二人だけとかいう状況で戦線支えてたような……

Q.空中管制員プレイ

A.ヒロインはチョッパーで決まりですね(ゲス顏)

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