黒絹の皇妃   作:朱緒

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第56話

―― ほとんど軍人がいない一族なのに……なぜ、よりによって不良中年が……あれ? 不良中年のこと、判明するの早過ぎるような……

 

 三十年近くも前に亡命した貴族と、その亡命者が属していた本家の盟主たる侯爵家。その侯爵家の娘が嫁いだ先で産んだ娘に、なんの罪があるのか? どのような罪に問えるのか?

 彼女が支配者ならば、無罪放免にするような事例だが、帝国というのはそのような社会構造ではない。

「今朝、リヒテンラーデ公から連絡がありました」

 彼女は自らの処遇について身構えて、耳を澄ます。

「ジークリンデさまは、なにも知らないで通すように、とのことです」

 ファーレンハイトの言葉に、彼女は脱力する。

「えーと……でしたら、私に説明しなくとも」

「侍従武官長である以上、攻略方法は聞かなくてはなりませんので。その流れで、シェーンコップ家についても知っておいた方がよいと、リヒテンラーデ公の判断です」

 彼女は空になったカップをソーサーに置き、違和感に首を傾げた。

「どうなさいました?」

 ファーレンハイトがフェルデベルトに、紅茶を運んで来るよう指示を出し、不思議そうにしている彼女に問いかける。

「調べがつくのが、早すぎるような気がするのです」

 昨晩、ローゼンリッターという亡命貴族の子弟が中心となり構成される、白兵戦の一個連隊がイゼルローン要塞攻略に関わっていると判明し ―― そこから三十年前の亡命事件を調べ上げたとすると、少々早すぎる。

「実はワルター・フォン・シェーンコップについては、数年前に調べがついておりました」

「どういうことですか?」

「リューネブルク大将が亡命してきた際に、ローゼンリッターについて覚えていることを、洗いざらい話したのです。証言がまとめられた書類にシェーンコップの名を見つけた、当時内務次官であったフレーゲル閣下(フレーゲル男爵の父親)がリヒテンラーデ公に連絡をし、既にシェーンコップ家自体なくなっております」

 内務省の次官(じきに尚書)と国務尚書が手を組んで、ラング属する社会秩序維持局の職員総出で、下級貴族を全力で消したのだ。

―― なくなってるって……えっと……世に言う、物理的に消去というものですか……

「なくなった……詳細は聞かないほうがいいかしら?」

 褒められたことではないが、リヒテンラーデ公は先見の明があったようで、シェーンコップ家の末流がローゼンリッターになったと聞いた時点で、家を取り潰し、憂いとなる存在を消してしまった。

「聞かないほうがよろしいかと。なくなりました、で納得してくださると、私としても嬉しいです」

 昨晩からの徹夜が原因ではない、別種の疲労を滲ませたファーレンハイトの表情に、

「分かりました」

 彼女は無理強いはしなかった。彼女自身、とくに聞きたいとは思わないので。

 

―― シェーンコップは遠い遠い親戚にあたるのですね……キャラとしては嫌いではありませんが、現状では全く嬉しくない親戚です

 

 シェーンコップがヤンのために動けば動くほど、彼女の立場は悪くなる可能性がある ―― まさか同盟にいる当代最強の男が、トマホークと共に、自分の死亡フラグらしきものを掲げているとは、彼女はこの時まで思いもしなかった。

「イゼルローン要塞の攻略は、機密文章扱いになることでしょうから、フライリヒラート家の方々やクルーグハルト侯爵の耳に入ることはないでしょう」

―― 機密ですか……ああ、そうなのですか

 イゼルローン要塞攻略法など、誰でも知っている ―― それは原作を知る彼女の思い違いでしかない。落とされたのは事実だが、その正々堂々とは程遠い方法といい、亡命貴族が関わっている点といい、帝国としては公表できないものであった。

「それは良かった……と言っていいのかしら?」

 これが正面から打ち破られ、ローゼンリッターが関わっていなければ公表したかもしれないが。

 もっとも公称では一度も叛乱軍に負けたことのない銀河帝国としては、そうであっても公表しなかった可能性のほうが大きい。

「同じ方法で取り返すことは不可能でしょうから、公表されなくとも問題はないでしょう。詳細はまだ分かりませんが、どうも要塞司令官が所定の手続きを取らず、司令部に自ら招き入れてしまったようです」

―― はい、知ってます。知らないはずなんですけれど、知っています

 彼女の脳裏には血糊メイクをしたローゼンリッターたち、慌てふためく部下たち、要塞司令官を盾にして降伏を求めるシェーンコップなどが、ありありと浮かんできた。

「IDをチェックしなかったとか、そういうのですか?」

「はい、ほとんどチェックしないで司令部まで通したようです。それで、今回帰還する捕虜に、シュトックハウゼンも含まれておりまして……シュトックハウゼンとは、イゼルローン要塞を陥落させた司令官のことです」

 フェルデベルトが彼女の前に、シュトックハウゼンに関する書類を並べる。

―― トーマ・フォン・シュトックハウゼン。五十歳で、大将だった……と。イゼルローン要塞陥落の咎により大将位は剥奪……ですか。ゼークトは玉砕しても特進しなかったとは言え、大将のままであったのは、温情なのでしょうね

 まさに五十代の貫禄ある、いかにも武人らしい男の顔写真と、彼の経歴。家族構成と、四親等までの血縁関係まで記載されている書類を読みながら、

「……えーと。彼のこれからのことを考えると、良かったとは言いづらいですね」

 彼の惨憺たる行く末を考えると、生きていて良かったとは言えないものである。

「そうですね。シュトックハウゼンは帰還後、陛下にイゼルローン要塞陥落の報告をすることになります。ですが陛下はお若すぎるので、代理として侍従武官長が聞くことになるそうです」

 どう考えても、絵本を読んでもらって手を叩いて喜んでいる、父親譲りのくすんだ金髪と、母親譲りの灰色の瞳を持つ一歳にも満たない赤子が、玉座で聞く話ではない。

「分かりました」

 前もって言われただけで、気が重くなりそうな話だが、それは侍従武官長として仕方ないこと ―― ヤンではありませんけれど、給料分の仕事はしますよ ―― 彼女は頷く。

「その際に刑を軽くしてくれるよう、嘆願してくる可能性が考えられます」

「刑は既に決まっているのですか?」

「死刑です」

「……そ、そうですよね。シュトックハウゼンも知っているのですか?」

「死刑になることくらいは、分かっているでしょう。それで、ジークリンデさまにお話し辛いのですが、シュトックハウゼンの一族も連座になります。それに関しての嘆願も充分に考えられます」

 シュトックハウゼンの罪状は、彼一人では購いきれるものではない。だが家族は関係ない ―― そうはならないのが銀河帝国。

 帝国は血によって支配され、血によって栄達し、血によって罪が与えられる。彼の栄達が貴族に生まれたことによるものである以上、貴族の法に従わねばならない。

 それがどれ程不条理なものであろうとも、血統により支配される世界において、特権を持ったものが負うものである。

「私はそのような嘆願を、陛下に報告するつもりはありませんよ。それにシュトックハウゼンも貴族。無意味な嘆願などしないとも考えられます」

 家族を助けてくださいと言われれば、彼女としても思うところはあるが、貴族社会というものがどのようなものか、分かっているので ――

「分かっております。前もって知っていたほうが、よろしいかと思いまして」

 死にたくないという気持ちや、家族を死なせたくないという願いは、彼女にも痛い程分かる。

 彼女がいままで生きてきたのは、自分が流刑、もしくは処刑されないためであり、出来る事なら父と兄を助けたいがため。

 そのために貴族社会について調べ、自分の罪で一族も同様に罪に問われることも知っている。

「気を使ってくれて、ありがとう。あ、そうだ。ファーレンハイトにちょっと甘えていいかしら」

 だから戦死しろとは彼女も思わないが  ―― 彼女よりも長く貴族として生きてきたシュトックハウゼンが知らないはずもない。

「なんなりと」

「シュトックハウゼンの報告を聞く際に、控えていていてくれない。シュトライトも同席させますけれど、要塞司令官が要塞を落とされた経緯を説明するとなると、戦闘の専門家にも聞いてもらったほうが良いと思いますので。それに後で説明もしてもらいたいので」

「かしこまりました。手続きをしておきます。他になにかありますか?」

「そうですね……シュトックハウゼンが捕まった経緯を、詳細に調べてください。彼の説明とそれを見ていた者たちの証言をつきあわせて、本当のことを言っているかどうかの材料にしたいので」

「捕まった経緯、ですか?」

 死刑が確定している相手からの報告を受けるという、なんとも気が滅入る仕事を前に、事前調査をしておくことに。

 どのように捕まったのか??

 司令部に招き入れたのは、本当にシュトックハウゼンであったのか?

 自分の記憶だけでものを見ないようにするために、捕虜から情報を集めるよう指示を出した。

「ええ」

「分かりました、調べておきます。他に捕虜から聞き出したいことなどありますか?」

「他は……特にないです」

「そうですか。では、そろそろ新無憂宮へ行きましょうか、ジークリンデさま」

 

**********

 

 彼女のアルバムを消去してしまうという大失態をおかしたケスラーは、復元作業と平行して、ブラウンシュヴァイク公邸へと足を運び、残っているデータを譲り受け再構築していた。

 公邸に足を運ぶ際は、私用であるデータ収拾の他に、憲兵隊の内部調査をオーベルシュタインと共に行っており、かなり忙しい日々と言えよう。

 職務中に無駄口を言うような男ではない ―― ケスラーはオーベルシュタインをそのように評価しており、それは事実であった。

「イゼルローン要塞奪還方法?」

 だから、無駄口ではなく深刻な問題なのだろうと。

「そうだ」

 オーベルシュタインはイゼルローン要塞の奪還方法について、ケスラーに意見を求めた。

「いきなり言われてもな」

「思いつくものだけでいい」

「……そうだな。司令官をなんらかの方法で、要塞から遠ざけるべきだろうな」

「なるほど」

 それ以降、オーベルシュタインは口を閉ざし。あとは無言のまま二人は仕事を続けた。

 

 ケスラーが帰り、入れ違うように彼女を北苑の離宮に送り届けてきたファーレンハイトが公邸にもどってきた。

 

「ジークリンデさまにご報告してきた。シュトックハウゼンが報告する際に、控えるよう命じられた。届け出のほう頼む」

「了解した……どうしたのだ? 提督。疲れているのなら、休んだほうが」

 目の下に隈があるわけでもないのだが、ファーレンハイトの表情は、見るからに疲れを感じさせた。

「ジークリンデさまを北苑にお連れする途中で、リューネブルクに会ってな」

 気遣われたほうは、首を軽く振り、溜息を吐いてから、疲労した原因の名を挙げた。

「昨日の謝罪か?」

 本当に謝罪されるべきはフェルナーであろうが、そこは貴族社会。貴族が平民に謝るなど、まして、大事になる前に無事に収拾がついたのだから ――

「そうだ。だが、俺はどうもあの男が苦手でな。ジークリンデさまに言われて、あいつも注意するようにはなったが……ジークリンデさまの前では変わらない。ジークリンデさまがお許しになるから……」

「リューネブルク大将が嫌われている理由か」

「ああ」

 リューネブルクが嫌われている理由は、逆亡命者であることや、性格が若干悪いことなどが上げられるが、その最たるものは、話す時の動き。

 彼は同盟での生活が長く、また亡命先の同盟に馴染もうとした結果、話す時のリアクションがやたらと大きく、その癖のまま逆亡命してきたため ―― リアクションが少ない帝国軍人たちからすると、見ていて苛々する存在であった。

 ”あいつ、腕を縛ったら喋れないのではないか?”などと陰口を叩かれていたくらい、彼は全身で喋る。特に不評なのは、両手を広げて近寄ってきながら話すところ。彼としては敵意がないことを表現しているのだろうが、もともと白兵戦の達人。

 その動きは攻撃に転じる寸前のようであり、さらに隙がなく。顔は整っているが、決して人に好かれるような親しみやすいものではないため、それらが合致して非常に嫌われていた。

 彼女はリューネブルクがそのような人だとは知らないが「覚えて」はいたので、同盟について知りたいという下心から、リューネブルクに近付こうとして、彼がオーバーリアクションのあまり嫌われていることを知って、心を痛める……というほどではないが、悩んだあげく、柔らかく言葉を選び、オブラートにつつんで教えることにした。

 正直、十七歳も年上の男性に「会話する際、動きが気持ち悪いと言われています」というのを伝えるのは、言葉を選んでも勇気のいることだったが、このまま陰口を言われ馴染めないままでは死んでしまうのではないか? そう考えて教えることに決めた ―― もっとも、彼女が会話をした時点で、リューネブルクは本来ならば戦死しているのだが、いつも通り知らない。

 そんな彼女の勇気と、彼女が大好きで少々病み気味の妻を野放しにするな……という理由で、生き延びたリューネブルク。

 彼は彼女の忠告に感謝し、話す際に気を付けるようになり最近は随分と動きが小さくなり、以前のように「殴りたい」と言われることは減った。

 ただ彼女はリューネブルクの派手なリアクション会話は気にならなかったので「私の前では気兼ねせずにどうぞ」と微笑み……夫婦揃って立派なジークリンデ信奉者となっていた。

「……あの御仁も苦労するな」

 オーバーなリアクションとは程遠いオーベルシュタインは以前、ミュッケンベルガーの参謀を務めていた時のことを思い出し、目を閉じる。

 その瞼にはオーベルシュタインにすら「殴らざるを得ない」と思わしめた、リューネブルクの動きが甦ってくる ―― 発言もしているのだが、動きのほうが気になって、なにを言っていたのかあまり覚えていない……オーベルシュタインですらそうなのだかから、凡人には辛いものである。

「まあ、な。それで、リューネブルク大将の部下であった、ワルター・フォン・シェーンコップをどうするか決まったか? パウル」

 彼女には特に問題はないと語ったファーレンハイトだが、リヒテンラーデ公がいなくなれば、この問題が再燃する可能性がある。

 そしてリヒテンラーデ公は排除方向で話がまとまっている。そうでなくとも、公の年齢からすると、対処方法を考えていたほうが良い。

 彼らは遠く離れた場所から、血統で彼女を脅かしかねない、シェーンコップ家最後の一人・ワルターを排除する必要があった。

「視点を変えさせようと思う」

「視点を変える?」

「シェーンコップ家とクルーグハルト侯爵家だから問題になるのだ。もっと大きな家系を巻き込めばよい」

「もっと大きく、ジークリンデさまとは無関係の家柄? そんな家柄、あったか」

「いいや、ジークリンデさまと無関係でもない。むしろ銀河帝国の全てに関係する家系、ゴールデンバウム王家」

「大きく出たな」

 

 彼女の体内に流れるゴールデンバウムの血は、父方の曾祖母から受け継いだもの。

 曾祖母は三十二代皇帝エルウィン・ヨーゼフ一世の庶子で、異母兄オトフリート四世在位一年目に、フライリヒラート伯爵と結婚した。

 すでに故人となっている曾祖母の、残っている映像を見る分には、十人中十人が「まあ、美女……で、す……ね」程度の顔立ちだが、高祖母(曾祖母の母親)が公爵家の庶子という出自の良さが結婚の決め手となった。

 血筋優先で決まったこの結婚だが、夫婦仲は良く、またこの結婚はフライリヒラート家を非常に助けた。

 曾祖母が嫁いで四年目、オトフリート四世が在位五年目にして、ベッドの上で頓死。

 残された六二四人の庶子 ―― 最年長者が四歳 ―― が残される。宮中の何者かが、これを貴族に高値で売りつけるのだが、フライリヒラート伯爵家は先帝の異母妹を娶っていたことと、更新料を支払っていたことで、押し売りまがいのセールスから逃れた。

 この更新料というのは、庶子が皇帝の子であるという証明書の更新にかかる費用で ―― 帝室の収入源の一つでもあった。

 毎年三万帝国マルクを宮内省に納めることで「誰々は何々陛下の庶子であることを、宮内省が認める」という証明書が発行される。

 この証明書は手続きさえ取れば、庶子が産んだ子にも、その孫にでも発行される。宮内省としては、財源なので末まで許可を出すのだ。

 ただ一応、希少価値を持たせなくてはならないため、一度でも更新料を納め忘れると、権利が喪失してしまうようになっている。

 彼女の実家は裕福であったので、エルウィン・ヨーゼフ一世の庶子を娶って以降、手続きを取り更新料を支払い、その権利を所持している。

 フライリヒラート伯爵家が宮内省に支払っている更新料は年、九万帝国マルク。この更新料は一人一人に三万帝国マルクずつかかり、フライリヒラート伯爵家では伯爵と兄、そして彼女が該当するため上記の金額となる。

 平民からすると信じられないような更新料だが、伯爵家としては、帝室への寄付のつもりで更新を続けていた ―― こうすることで、宮内省との関係も良好になるのだ。

 そして、これこそが彼女がゴールデンバウム王家の血を引いている証明であり、リッテンハイム侯はこの証明書が発行されている貴族たちを道連れにしなくてはならない。

 

 話は少々逸れたが、この王家の血は、貴族が犯罪を犯した場合でも連座は適応されない。適応させると際限がないためだ。

「フリードリヒ四世の落胤にでもするのか?」

 シェーンコップの年齢と、話題性を考えるとフリードリヒ四世が妥当だが、それには問題があった。

「私も最初はそう考えたが、その場合、リヒテンラーデ公がシェーンコップ家を潰す理由が弱い」

「言われてみればそうだな」 

「なのでリヒャルト皇太子の落胤」

 フリードリヒ四世の兄で、弟のクレメンツに謀られ、死を賜った悲劇の皇子。

 リヒテンラーデ公はフリードリヒ四世の元、権力を拡大した人物ゆえに ―― これならばシェーンコップ家を破滅させる理由となりえる。

 死体がない分、クレメンツのほうが足は付きにくいのだが、彼は兄を死に追いやった過去があるため、その落胤ならばリヒテンラーデ公は恐るるに足らずと思われることも。

「非業の死を遂げた皇太子の落胤か。だがどうやって真実味を持たせる? ただ年の頃が合う、亡命貴族というだけでは、誰も取り合ってくれないだろう」

 オーベルシュタインは頷き、画面にヤンの映像を出して人差し指で叩く。

 

「その為に、彼の上司であるヤン・ウェンリーを陥れる。方法だが……」

 

 オーベルシュタインは大まかな説明をし ―― 

「これはリッテンハイム侯の乱が終了してから、実行に移す。現段階では、リヒャルト皇太子の落胤説を流すのみ」

「本当だったら、どうする?」

「それはそれで構いはしない」

「分かった。フェザーン行路のほうは任せてくれ」

 方向は決まった。

 


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