閻魔大王だって休みたい   作:Cr.M=かにかま

85 / 112
描写が上手いこと書けない(^^;;
もしかしたら意味不明な所あるかもしれません


Eightieth Judge

三途の川に舞い降りた厄災、ゴクヤマは静かに両の手の平を合わせる

そして目を瞑り力を集中させる

 

「大地を割く剣よ、雷鳴の如く走り去れ」

 

瞬間、ゴクヤマを中心に無数の青白い稲妻が三途の川に降り注がれる

一撃一撃が強力で大地を軽く抉るほどの威力はある

 

「ッ、親父ィ!」

 

「どういうことだ、おっさん!」

 

ヤマシロとゼストも雷を回避しながら驚きを露わにしている

急にやってきたと思えば敵意と殺意を剥き出しにして攻撃を仕掛けて来たのだから

ヤマシロは愛刀の鬼丸国綱を構えてゴクヤマに斬りかかる

 

「何のつもりだ、親父!」

 

「ヤマシロか。大人しくそこで寝てろ、現世には行かせはしない」

 

ドゴォォォォォォォォォン!とヤマシロがゴクヤマに攻撃を与える前に極太の雷がヤマシロに落ちて直撃する

 

「グォォォォォォォォォォ!!?」

 

「兄弟!」

 

ゼストは攻撃を受けたヤマシロの元に急ぐ、地面を凍結させてスケートをするように走る速度を一気に上昇させる

そして自身の影から一本の刀を取り出す

 

「天下五剣数珠丸恒次、か」

 

「お、おぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

ゼストは数珠丸恒次に冷気を纏わせ横薙ぎに構えてゴクヤマに近づく

現世にある日本刀の中でも最も価値と強度を誇るとも言われる天下五剣の一つ数珠丸恒次の斬れ味と硬度は本物である

平安時代の刀工である青江恒次の作り出した名刀

また、ヤマシロの持つ鬼丸国綱も天下五剣の一つである

 

ゼストの一撃がゴクヤマの首を狙い今まさに振ろうとしていた、瞬間

 

ガキィィィン!と何かによって防がれた音が響き刀と何かから火花が散る、勿論ゴクヤマに傷はない

 

「中々なやんちゃ坊主だな主も、悪く思わなんでくれよ」

 

黒い髪の盲目の鬼だった、どうやら先程の一撃は彼の持つ杖によって防がれたようだった

それを証拠に彼の杖に僅かに凍った跡が残っている

 

「邪魔すんなよジジィ、俺はおっさん倒して兄弟の無事を確認しなきゃならないんだからよ」

 

「口には気をつけるんだな若僧、年寄りは労って尊敬するモンだぞ」

 

「ヘッ、元気な爺さんだよ」

 

ゼストは再び数珠丸恒次を構え直す

対する人物、百目鬼雲山も杖を構え直し態勢を整え直す

暫しの睨みあいが続き、互いが同時に接近した

死神の能力を存分に使うゼストは斬撃と凍結の属性変換、影を器用に使い分けて百目鬼を翻弄する

対する百目鬼は目が見えない分脳波で相手の位置や攻撃手段を読みながら冷静に一撃一撃を対処する、時には回避で時には受け止めながら確実に防ぐ

 

「あんた、一体何者だよ。本当にその目見えてないのかよ...!」

 

「主こそ若僧にしては中々やる、それにその力は死神だな。なるほど、少々骨はあるようだ」

 

ガキィィィン!と百目鬼はゼストを弾き飛ばす

その力は老人が出す力とかけ離れたほど重いモノだった

 

「さて、そろそろ本気でいかせてもらおうか.....!」

 

百目鬼が杖を握り直した瞬間だった、脳波の質が一気に変わりゼストは凄まじい威圧感と殺気を目の当たりにすることになった

 

ゼストの目の前には百目鬼雲山という一人の盲目の老人ではなく、一人の歴戦の戦士が立っていた

 

「久々に血が滾るわ、この程度で潰れてくれるなよ?」

 

 

 

同時刻、三途の川の畠斑謡代の部隊は三途の川の空間の修復をしている途中、一人の老人が大量の鬼を薙ぎ払い作業は中断せざるを得ない状況になっていた

 

「フン、何故儂がお前らみたいなゴミの掃除をせねばならぬのだ」

 

老人、冨嶽厳暫はため息を一つ吐く

ヤマシロと戦ったあの日から持病の発作が激しく、何度も起こるようになり最近やっとのことで薬も少ない数で済むようになってきて運動もできる体にまで回復し、今回はそのリハビリがてらにゴクヤマに連れられたのだがどうもリハビリにもならなかったのだ

 

そう、何故かはわからないが数時間前にゴクヤマが急に血相を変えて天地の裁判所に行くとゴクヤマ邸宅にいた全員が連れ出されたのだ

 

(しかし、あやつまでが目を覚まして動くとはな...)

 

冨嶽は遠い目で空を眺めていた

 

「俺は、まだ諦めてないぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

棍棒を持った鬼、畠斑が冨嶽に向かって走ってきたのはその直後であった

そして二人は激突した

 

 

 

一方、麒麟亭の屋根の上では煉獄が全身に傷を刻み、息を切らしながらトンファーを構えていた

 

「ハァ、ハァ....!」

 

「オイオイしっかりしてくれよ、オレはまだここから一歩も動いてないぞ?」

 

体力を削っている煉獄に対して平欺は疲れる様子すらも見せない

煉獄の攻撃は当たっている、そこに間違いはなかった

だが、平欺にはダメージを負っているようにはとても見えない

 

「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉうりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「ヤレヤレ」

 

平欺は呆れるように肩をすくめため息を漏らす

煉獄は攻撃方法をトンファーではなく左脚の回し蹴りに変更した

新たに製作したトンファーは簡単に壊れないようにダイヤモンドに近い炭素の塊を用いて製作したのだが通用しなかった

いくら硬度があっても何度も叩けばさすがに限界がやって来る

ならば生身の、己の肉体で勝負に出たのだ

煉獄の蹴りは平欺の首を確実に捉えた、脳波で硬度も限界まで強化した左脚の蹴り

首が飛んでもいいほどの速度と威力を誇る自信があった

 

だが

 

「ぐ、ぅ、ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」

 

ボキッという音とともに煉獄の左脚が変な方向に曲がる、対する平欺は無傷であくびをしている

 

「悪いな、オレはちョッとばかし強さには自信があるんだ。ダメージはなかッたが筋は悪くなかッたぜ」

 

平欺は煉獄の頭を鷲掴みにする、そして自身の腕に脳波を集中させる

煉獄の頭がボキボキと嫌な音が軋み始める

平欺は査逆と同じ天邪鬼、脳は五つに分かれており常人よりも脳波の使い方に幅があり何重にも重ねて強化することも容易い

 

「が、ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

「どうやら鬼と死神の混血はそこまで強くなかったみたいだな!アルマァ、希沙邏ァ!!」

 

平欺が更に力を込めて煉獄の悲鳴も大きくなる

 

バンッと小さな音が響いた

 

「...............」

 

平欺は立ち上がり天地の裁判所とは逆方向をキッと睨みつける

何かが頭に当たった、彼としてはその程度の感覚でしかなかった

だが邪魔をされたことに嫌気が指してしまう

目に脳波を集中させ視力を補強する

 

「.....あいつか」

 

平欺が移動しようと足に力を入れ

 

「おらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ようとした時背後から怒号が迫ってくる

麒麟亭で負傷者の手当てをしていた紅亜逗子が拳を握りしめてやって来たのだ

亜逗子の拳は平欺の顔面を正確に捉える

 

「今だ、煉獄を回収しろォ!」

 

亜逗子が部下に合図する

煉獄はまだ頭を砕かれていない、煉獄の危機を感じ取った亜逗子はこの状況を確認してから加勢に来たのだ

地獄にいる麻稚に合図をして

 

「.....ッ!」

 

平欺が亜逗子を払い除けて攻撃態勢に入る

亜逗子はまだ態勢を整えられていない

 

「亜逗子、ここは俺たちが!」

 

「今の内に態勢を整え直せ!長くは持たせられねェ!」

 

「.....ここは俺たちで!」

 

金平貪欲、瀬野逸人、楠華本性、四天王の三人が戦闘態勢で平欺に立ち向かった

 

「あんたら...」

 

『おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』

 

「ウゼェよ」

 

しかし、一瞬で三人は倒れる

まだ平欺に触れてすらないのに、それどころかまだ十分に距離もある

本来ならば攻撃なんて不可能な距離である

 

「さァ、続きを始めようか」

 

平欺がそう言い両手を広げた瞬間だった、亜逗子は自身の体に重りでもついたような感覚を感じたのは

 

「な、んだ、コレ!?」

 

亜逗子が疑問に思っても平欺は止まらなかった

 

「こッからが本番だ、雑魚共ォ」

 




感想、批評、評価、罵倒、その他諸々お待ちしてます(^^)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。