閻魔大王だって休みたい   作:Cr.M=かにかま

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中々ギャグを入れれない...


Twentiesecond Judge

 

死神...

死後の世界に住む閻魔とも鬼ともまた違う種族...

一説では地獄に堕ちた魂が力を持ち過ぎた者が死神になったという伝説もある

生の世界と死後の世界を自在に行き来できる唯一の種族で人並外れた暗殺術を使いこなす

主に影や暗闇を利用する術が多くあり、死神独特のスキルを持ち合わせている

 

 

「し...死神...との...ハーフ...だって...!?」

 

「そうさ、父親が死神で母親が鬼だった...」

 

煉獄は淡々と語る

種族間のハーフはそこまで珍しくはないが、死神とのハーフはあまり聞くことはない

何故なら死神はかなり謎の多い種族であるからだ

 

「だが俺は死神の血は2割程度しか受け継ゐでゐなゐ、術も潜影術を体得するだけが精一杯だった」

 

潜影術は死神独特のスキル、つまり煉獄の様なイレギュラーでない限りは死神以外は使うことはできない

そして同時に彼は血を見ると興奮する、殺人衝動までも父親から遺伝したため、闘争本能は純粋な鬼や死神以上かもしれない

 

「そろそろお喋りはゐゐだろ?」

 

煉獄は再びトンファーを構え直す

亜逗子もゆっくりとだが後頭部を抑えながら立ち上がる

 

「もう一回同じ場所当てれば流石に気絶くらゐしてくれるよな?」

 

煉獄は再び潜影術を使いながら影から影に高速で移動する

亜逗子はその場から動く素振りも見せずに警戒する

煉獄の居る場所は僅かだが影の部分が濃くなっているため位置の特定は容易だが問題はそのスピードである

亜逗子の目で追うのも困難な速度だ、いや他の者でも目で追うのは至難の技かもしれない

ましてやここは室内、影や暗闇などは屋外に比べ遥かに多い

 

そして、亜逗子の背後に煉獄がトンファーを構えながら姿を現す

 

狙うは彼女の後頭部!

今までにないぐらいの殺気を放ちながらトンファーに力を込める

 

それを亜逗子は.....

 

「......ゑ?」

 

すぐさま回れ右をして、煉獄の顎に全力の拳を叩く!

煉獄は亜逗子がこちらに気がついた事実と攻撃を受けた事実に驚き防御をすることができずにモロに喰らってしまう

 

「やっぱり、あんたならあたいの後頭部をまた狙うと思ったよ!」

 

「グゥ.....ギィ.....ィ!!?」

 

そう、亜逗子は煉獄が攻撃する箇所をわざわざ丁寧に教えてくれたため警戒する箇所は自身の背後だけで他に視点を当てる必要はなかった

つまり、彼女は初めから煉獄がいつ背後に接近するかを見計らっていただけでわざわざ移動そのものは見ていなかった

 

「さて、そろそろ全開でいかせてもらいますか!」

 

亜逗子は煉獄にこれでもかと言わんばかりに連撃を与える

煉獄もトンファーを使いながら応戦する

 

「やっぱりな、あんたの潜影術は体が影か暗闇に触れていないと使えない!」

 

煉獄は応えないかわりに虚をつかれた表情をする

どうやら図星のようだ

僅かだがトンファーの一撃が鈍り、その一瞬を亜逗子は逃さずにトンファーの棒部分を掴む

そのまま力を腕に集中させて、

 

「...なっ!?」

 

トンファーの棒をそのまま握力だけで粉々に粉砕する

煉獄がもう一方のトンファーで殴りかかってくるが、亜逗子は臆することもなく拳で反撃する

拳とトンファーがぶつかり合い、トンファーが拳の力に耐えきれずにバキバキッ!と音を立てて崩れて行く

 

「う、嘘....だろ!?」

 

「これが鬼本来の力さ!」

 

煉獄の驚きも余所に亜逗子の攻撃は止まらない

トンファーを砕き、亜逗子の全ての力が濃縮された拳が煉獄の顔面を撃ち抜いた

 

 

 

その頃、天地の裁判所...

 

「フゥウォォォォォォォォォォォォォォォ!!!」

 

「...っ!たく元気な爺さんだ...」

 

冨嶽の万は越えるであろう拳の雨にヤマシロは丁寧に受け流しながら応戦する

百目鬼が参加してこない分まだ余力は残っているが、冨嶽もかなりの長い年月死闘に死闘を重ねた達人、いくら老いて引退したとしても決して油断できる相手ではない

 

「考え事とは余裕よの、若僧よ」

 

「...ッ余裕なんか、ないっつの」

 

実際本当に余裕はない

今は鬼丸国綱を使いながら拳の雨を防いでいるが反撃の余裕も手段も全くといっていいほどない

ヤマシロの切り札とも言える閻魔帳を取り出す余裕もない

 

「仕方ないか、一か八かだ!」

 

ヤマシロは鬼丸国綱に力を込め直し、冨嶽の拳を受け流しつつ構えを変える

そして、そこから集中して鬼丸国綱を一振りする

 

「むぅ...!?」

 

冨嶽は思わず攻撃を止める

ヤマシロがしたことは単純である

いくら拳が何発来ていると言っても実際に拳が増えたわけではない

つまり、どれでもいいので拳に斬撃を入れることができれば拳の雨を止められる、そう思った

しかし、これはかなり危ない賭けであった

斬撃による一撃が通用しなければそこまでである

 

「なるほど、少しは闘い方を知っておるようじゃて」

 

冨嶽は拳から出る血を気にする様子もなく、ヤマシロとの距離を一瞬で縮める

そして、拳をヤマシロの顔面目掛けて全力で放つ

 

「うぉ!」

 

ヤマシロは危機一髪で避け、瞬時に閻魔帳を取り出し目的のページを開く

 

「冥府から出でし悪竜の群れよ、邪な力を振るう汝を討て!」

 

ヤマシロが指を下から上にかざすと、地獄よりももっと深い場所から黒と紫の火柱が冨嶽を襲う

 

「ぬぅ、中々やりおろうて」

 

しかし、冨嶽はそれを防ぐ

 

「......マジですかい?」

 

「さて、準備運動はそろそろ良かろうて...」

 

冨嶽は全身に力を込める

それに呼応するかのように大気が震える

ヤマシロもその圧倒的な力を肌で感じ取る

 

「....これはマジでヤバイかな」

 

ヤマシロはそう言いながらも笑みを浮かべる

ヤマシロは昔から自分の力を昔から自負していたこともある

しかし、それは父のゴクヤマの前では一切通用しなかったことも覚えている

まさにデジャヴを感じさせるかのようにあの時と似たようなシチュエーションが出来上がっている

ヤマシロはそのことに対して笑う

 

「どうした若僧よ、諦めるならば今の内じゃて」

 

ヤマシロは冨嶽の言葉を無視して突っ込む

そして、冨嶽の肉体に不意の一撃を全力で与える

 

「ぐぬぅ...!」

 

「お断りだ、こんなトコで諦めたら親父に合わす顔がないからな!」

 

ヤマシロはそのまま拳に光を放ち冨嶽の体を貫いた

 

 

 




戦闘描写が滅茶苦茶難しいです!

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