閻魔大王だって休みたい   作:Cr.M=かにかま

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今回は少し短めです




Twelfth Judge

ある日、何事もない平和な日に、事件は何の前触れもなく突然発生した...

 

燃え盛る大地、暗雲渦巻く漆黒の空、目の前に次々と積み上がる死体の山...

あまりに現実離れした光景に俺は言葉を失ってしまった

 

そして...!

 

「何なんだお前は!?何故こんなことを!」

 

突然現れた、謎の装束を纏った男

男は不気味に笑う

 

「我か?我はこの世を浄化するためにここまで来た」

 

「浄化...だと!?」

 

「この腐り切った世の中を徹底的に壊滅に追い込むために二世紀先の次元より、時を超越しこの時代に来た!」

 

男が両手を天に掲げると地響きが起こる

まるであの男を中心に世界が動いてるように

 

「我の名は刹那、全てをやり直し世を創り変える神となる存在だ」

 

刹那が叫ぶと同時に世界が光に包まれた

今ここに世界が...

 

 

 

「はい、閻魔様、マジな勢いで手が止まってますよ〜」

 

「あ!ここからがいいトコなのに!」

 

なんてことにはならない

此処は天地の裁判所の地下に広々と広がるベンガディラン図書館館長である鬼、月見里 査逆[やまなし さがみ]が上司である現閻魔大王のヤマシロに注意する

 

「てかさ、俺じゃなくて部下使えよ、査逆一応この図書館の責任者なんだしさ」

 

「マジ今更なんてことを、ウチの信頼度の低さウチのマジ上司の閻魔様なら知ってんでしょ?」

 

「ダメだ、この館長!」

 

査逆は口調は聞いての通りなんちゃってギャルみたいな微妙な口調と髪の毛盛ってて染めてるくせに何故か目もとは隠しているという

しかも、部下からの信頼は紙のようにとても薄い

「という訳でマジお願いしますね〜この前資料室貸したのチャラにしますから、マジで」と意味不明なことを言いながら黙々と作業に戻る

閻魔権限で彼女を降格することも可能なのだが、この図書館はただでさえ就職率が少なく、彼女の後任になるような人物がいないため中々手を出せないでいる

仕方なくヤマシロは先ほどまで読んでいたライトノベル、「セレモニー・カルドセプト」のクライマックスバトルシーンを読むのを諦め、渋々本棚に戻す

 

麒麟亭で行われていた宴会から逃げ出し、さっさと裁判所に戻り今までにない程のスピードと丁寧さで仕事を終わらせ、羽を伸ばしているところで彼女に見つかり、ベンガディラン図書館まで連れてこられたのである

 

「査逆ー!次はどこやる?」

 

「マジ疲れて来たんで一旦休憩でもしますかね」

 

「唐突だな、オイ!」

 

彼女のマイペースさにはついてはいけない...

仕方なくヤマシロは査逆に促されるがまま、骨休めを始めた

 

 

 

「.....こんなトコに喫茶店なんてあったんだな」

 

「え?閻魔様まさか知らなかったとか?マジ驚きなんですけど〜」

 

「う、ウゼェ...!」

 

プルプルと震えながら青筋を浮かべつつ、拳を握り締めるが正論を言われているため、殴るわけにはいかなかった...

対して、査逆は腹を抱えて、周りに迷惑なくらい大爆笑している

 

物陰喫茶「MEIDO」

.....多分漢字で書くと冥土だと思う

決して女子が着るメイド服のことではないと断言することができる

ちなみに女子店員は誰一人としてメイド服を着ていない

 

「んで、どんなメニューがあるんだ?」

 

滅多に来れない場所のため、この際ゆっくりしようと決断しメニュー表を見てみる

 

・パパイヤソーダ 150円

・練乳コーヒー 230円

・マンゴースカッシュ 250円

・ドラゴンソーダ 200円

・そら豆と枝豆の炭酸水 240円

・餓鬼の血ティー 400円

・ゴーヤのワイン 550円

 

「あ、ウチのオススメはドラゴンソーダね」

 

.....何か聞いたこともないメニューばかりだった

もし、この喫茶店が現世であるならば天下のゲテモノ店として君臨するであろう

 

「...他にメニューってないの?」

 

「マジ残念ですが、ないですわ」

 

「そ、そうか」

 

「まぁ、モノはマジ試しっていいますから、全部チャレンジしてみます?」

 

「パパイヤソーダお願いしまーす!」

 

何やらとんでもないチャレンジをしいられそうだったので、この中で一番安くマトモそうな物を選ぶ

...何やら査逆が舌打ちした気がするが気のせいと信じたい

 

「んじゃ、ウチドラゴンソーダで」

 

査逆も注文する

ドラゴンソーダとはドラゴンフルーツの果汁を炭酸飲料にしたものらしい

.....毎度疑問に思っているのだがどうやって現世の物資をこっちの世界に持って来ているのだろうか?

 

「お待たせしましたー、パパイヤソーダとドラゴンソーダです!」

 

注文した品が届き、査逆と雑談して時間を過ごす

パパイヤソーダは、まぁうまかったな...

 

全くの余談だが、店内のBGMとして麻稚の歌が流れた気がした

.........ものすごい棒読みだったことが記憶に残ったのも一応伝えておこう

 

 

 




次回もよろしくお願いします

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