ハイスクールD×D~英雄の力を使う者~ 休載   作:アゲハチョウ

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3話

『あれ?ここって』

 

そこはギルと会った場所であった。

 

『こんばんは、マスター。今日は報告があるから僕から呼んだんだ』

『報告って、ギルの後ろに居るその子のこと?』

 

ギルの後ろには顔に手術あとのようなものがある少女が居た。

 

『うん、この子の名前は…』

マスター(おかあさん)初めまして。私達はジャック・ザ・リッパーだよ』

『え、切り裂きジャック(ジャック・ザ・リッパー)?』

『違うよ、ジャック・ザ・リッパーだよ』

『マスターって変なとこ博識だよね』

 

なんか間違えたみたいだけど、ギルはなんで呆れてるのかな?

 

『彼女達はジャック・ザ・リッパーって言う名前の反英霊だよ』

『彼女たち?』

『うん、私達はジャック・ザ・リッパーであって、ジャック・ザ・リッパーじゃないんだよ』

 

ジャック・ザ・リッパーであってジャック・ザ・リッパーじゃないか。

 

『まあ、ジャックはジャックってことだよね』

『ジャック?』

『うん、ジャック・ザ・リッパーじゃ長いし言いづらいからね。嫌だったら元に戻すよ』

『ううん、嫌じゃないよ!ありがとう、マスター(おかあさん)

 

喜んでもらえて嬉しいな。それに可愛いな。おい、誰だロリコンって言った奴は!!

 

『それで、ジャックはそのナイフで戦うんだね』

『うん、私達は解体が得意だからね』

 

うん、可愛い顔して怖いことを言うねジャックは。流石、イギリス史上最凶の犯罪者だよ。

 

『そろそろマスター、起きた方がいいよ』

『なんで?』

『教師がマスターの近くに来てるからね』

 

ギル、それはもう少し早く言ってほしいことだよ。

 

「お、やっと起きたか。藤丸」

「あ、あはは、おはようございます。先生」

 

スパーンと僕の頭に雷が落ちた。うう、暴力反対ですよ。

 

「自業自得ですよ、藤丸くん」

「あはは、ちょっとギルに呼ばれてね」

「はぁ、ほどほどにして下さいね」

 

アハハ、塔城さんにまで呆れられているよ。

放課後になって塔城さんと一緒に部室へ向かうことになった。

 

「それじゃあ、アスカもイッセーもチラシ配りはもうやらなくて良いわよ」

「「え!?」」

 

チラシ配りをやらなくていい。それはつまり……!!

 

「貴方達二人にもこれからは契約をとってきてもらうわ」

「「やったーー!」」

「あらあら、二人とも嬉しいみたいよリアス」

「うふふ、そうみたいね」

 

僕達の喜ぶ姿を見て微笑む二大お姉さま方。あ、二大お姉さまって言うのはリアス部長と姫島副部長のことだよ。

 

「それじゃあ、二人ともここに来てちょうだい」

 

そこには大きな魔法陣が描かれている場所だった。

 

「朱乃が貴方達二人に転移の魔法陣を刻むわ」

「あ、もしかして魔力と調べるとかですか?」

「あら、勘がいいじゃないアスカ。ええ、それも目的の一つよ」

 

なるほど、魔力か。僕って元人間っていち兄も元人間か。

 

「最初はイッセーよ。丁度、依頼の方も二件来てるし」

「はい、見てろよアスカ。俺はかっこ良く転移してやる!」

「いち兄、それはフラグって言うんだよ」

 

いち兄ってなんでフラグを立てるんだろう。もしかしてそう言う神器なのかな。

 

『考え事してる最中にごめんね、マスター』

「うわっ!!」

「?どうかしたの、アスカ」

「あ、いえ何でもないないです」

 

僕は誤魔化してギルと会話することにする。

 

『ギル、急に話しかけないでよ。と言うか夢じゃなくても話せるんだね』

『まあね。それでこうして話しかけた理由はね、僕以外にもアーチャーのクラスの英霊が、ジャック以外のアサシンのクラスの英霊が増えるかもしれないって話すの忘れてたからね』

 

え!他にも増えるの!しかもクラスってなに!

 

『あ、説明し忘れたね。クラスって言うのはね』

「次はアスカの番よ」

「あ、はい」

『ギル、ごめん。その話しはこの後にお願い』

『了解』

 

ギルとの話を一旦区切って魔力を調べることになった。

 

「あの、ところでいち兄はなんであんなに落ち込んでるんですか?」

「気にしないで下さい。兵藤くんは少しだけ自信がなくなっただけですから」

 

自信がなくなった!そんなことあり得ない。あのいち兄が。

 

「それじゃあ、調べますね」

 

うう、緊張する。こんな美人な女の人に見つめられると。

 

「すごいですわね。魔力量なら女王(クイーン)である私以上ですね」

「あら、凄いわね。イッセーは魔力量が赤子レベルだったのに」

「ぐはぁ!」

 

リアス部長ー!いち兄に止め刺してます!

 

「後輩に負けてるのか」

 

あ、最終的には僕が止め刺してた……?

 

『話して平気ですか、マスター』

『あ、ごめん。それでクラスって?』

『僕達英霊にはクラスがあります。クラスと言うのはセイバー、アーチャー、ランサー、ライダー、キャスター、アサシン、バーサーカーの七つと他にもあるんだけど、英霊はそのクラスに属してるんだ。決まる基準は基本的には生前での逸話や宝具とかかな?僕の場合はアーチャーで、ジャックはアサシンだよ』

 

なるほど、確かにクラスの数だけ英霊がいても不思議じゃないよね。

 

『あ、ちなみに同じ英霊でもクラスが幾つかある奴も居るよ』

『へぇー』

 

それって同じ英雄だけどクラスを複数持っている奴が居るってことか。

 

「それじゃあ、ジャンプするわよ」

「あ、はい。いち兄は…」

「イッセーなら自転車で依頼主のところに言ったわ」

 

なんと言うかかける言葉が見つかりません!

 

「召喚に応じました!悪魔です!」

「うわっ!本当に来た!」

 

そこにいたのはOL風の女性だった。

 

「えっと、お望みはなんでしょうか?」

 

うう、やっぱり初めては緊張するよね。

 

「そうね、とりあえず話し相手になってくれないかしら?」

「それだけでいいんですか?」

「ええ、だって私友達いないし」

 

な、なんか闇が深そうな人に召喚されちゃったかな?

それから僕は星喰 澪菜(ほしくい れいな)さんと話を聞いていた。と言うよりかは、咽ほどが会社に対する愚痴とか男性からの憧れの視線がうざいとかそう言う話だった。

 

「ふう、なんだか話を聞いてくれたお陰で楽になっわ。ありがとう、悪魔さん」

「い、いえ、お役に立てたのならいいです」

「お礼に貴方と契約してあげるわ」

「ほ、本当ですか!」

 

こんなことで契約がとれるなんて、なんだか悪い気がするけど…。

 

「はい、これで契約完了です」

「うふふ、また来てね。可愛い、悪魔さん」

 

か、可愛いって…。僕は男の子のなんだけど。

 

「お帰りなさい、アスカ。どうだったかしら」

「はい、契約取ってきました!」

「あらあら、それはおめでとうございますわ」

「えへへ」

 

姫島副部長に頭を撫でられました。結構気持ちがよかったです。

 

「お帰りなさい、藤丸くん」

「ただいま、塔城さん。塔城さんもお疲れさま」

「いえ、シュークリーム。一緒に食べましょう?」

「いいの?ありがとう」

 

こうして僕は塔城さんと一緒にシュークリームを食すことにした。

悪魔家業を終えた僕は再びギルとジャックがいるあの空間へと向かっていた。

 

『今日は何度もごめんね、マスター』

『良いよ、何気にこういう風に話すの中々楽しいし』

マスター(おかあさん)、お膝に座っていい?』

『いいよ、ジャック。おいで』

 

ジャックは喜びながら僕の膝や上にすわった。うん、やっぱり可愛いな。

 

『それでここに呼んだ理由だけど、僕やジャック以外の英霊も存在してくるって言ったよね』

『うん、たしか同じクラスでも違う英雄が現れるかもしれないんでしょ』

 

まあ、そうなるとみんなの名前を覚えるのって大変だよね。

 

『うん、それで初めて使っときの用にクラスで呼ぶと誰が答えるかわからないんだよ』

『ああ、そうか。今、アーチャーのクラスにはギルしか居ないけど増えるとそう言うわけにはいかないんだ』

 

うーん、となるとまた戦うときに不便に成るよね。

 

『今すぐって訳じゃないけど。成るべくクラスを言ったあとにその英霊のことを心の中で読んでほしいんだ。さっきまでみたいに』

『ああ、そうすれば良いのか。でも、真名を呼んだ方が早くない?』

『それだと、僕たちのことが相手にばれちゃうよ。最悪、僕たちのことを知っている敵だったら弱点とか突かれちゃうしね』

 

そうか、本名で戦うと対策をとられちゃうんだ。むずかしいな。

 

『それと成るべく僕たちを使っておいた方がいいよ。いきなりだと何が起こるかわからないし』

『うーん、まあ確かに急に新しいものを使うと最悪壊しちゃうこともおるもんね』

 

となると何処かで特訓しないとダメだよね。

 

『まあ、それは追々やっていくよ』

『うん、その方がいいかもね。それに幸いマスターは魔力量が多いから僕たちを一日中使ってても問題ないと思うしね』

 

そんなに僕の魔力量って多いんだ。

 

『それじゃあ、また話そう。マスター』

『ばいばい、マスター(おかあさん)

 

こうして僕の意識は覚醒していった。

 


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