ハイスクールD×D~英雄の力を使う者~ 休載 作:アゲハチョウ
僕は夢を見ていた。そこはあの少年と会った場所と同じ空間だった。
『こんばんは、マスター』
『また、会えたね』
そこには悪びれもしない笑顔を浮かべている少年が居た。
『さて、説明して貰うよ。君が誰なのか、そしてあの力はなんなのかをね』
『うん、そういう約束だからね。話すよ』
この少年から聞いたことはとても突飛な話だった。なんでも自分達は英霊、つまり過去に英雄と呼ばれた存在でしかも僕はそいつらを身に宿している。しかも神器として宿っているため英霊達の能力と宝具と呼ばれる生前自分と関わり深い武器と逸話がそれになったものが使えるとかマジファンタジーなんですけど。
『うん、まあ最初はそんな感じだよね』
『それで君は何の英雄なんだ?』
『僕かい?僕は彼の有名な英雄王 ギルガメッシュだよ』
『ギルガメッシュ?確かメソポタミア辺りの…』
『そうそう、マスターってもしかして歴史とか神話とか好きなの?いや、それなら堕天使のことも知ってるよね』
ああ、そういえばあの時は堕天使だってわからなかったんだった。
『初めて堕天使を見たからね。良くわからなかったんだよ』
『そうか。まあ、そうだよね』
ギルガメッシュも納得してくれたようだ。
『あ、それと僕のことはギル、もしくは子ギルでいいよ。大人の僕も存在するからね。紛らわしいでしょ』
『わかったよ、ギル』
そうか、子供も居るってことは大人も居るのか。
『それともうすぐ時間だから』
『うん、またこうして話し相手になってよ』
『あはは、マスターは変わってるね』
こうして僕の長いような短いような夢の時間が終わりを告げたのであった。
「う、うーーん。もう朝か」
ギルとの話でわかったことは自分に宿っている神器の名前とその能力だけか。
「
今はギルしか居ないけど、もっと増えるのかな?
「騒がしくなるね…」
主に僕の心の中が。まあ、それも楽しそうでいいんだけどね。
「そういえば、今日だったね。リアス先輩への返事」
そう、あれからちょうど二日たっていた。正直、今だに整理は喉ほどついていないけど、それでも決意した。
「おはよう、塔城さん」
「おはようございます、藤丸くん」
「塔城さん、今日オカルト研究部の部室に案内してくれないかな」
「え?」
予想外の言葉と言うよりかはいきなりの言葉だったため塔城さんは驚いた表情をしていた。
「もしかして、入ってくれるんですか?」
「うん、まあそうなるのかな?」
曖昧な返事だけど、まあ仕方ないよね。
「わかりました。それでは放課後案内します」
「うん、よろしくね」
約束の放課後。僕は塔城さんの後をついていく形でオカルト研究部の部室へと向かっていた。
え、なんでオカルト研究部にリアス先輩が居るのが分かるかって?一応、あの部と部員の人達は学園でも有名人だからね。僕も少しは知っているんだよ。
「あれ?ここって旧校舎?」
「はい、ここに部室があります」
「まあ、あまり人は近寄らないから丁度良いのかな?」
学園の本校舎から少し離れた場所にある旧校舎に部室があるみたいだ。
「?そこにいるのはアスカじゃねえか」
「ん、いち兄も呼ばれたんだ」
「ああ、この木場に案内されたな」
「どうも初めまして、二年の木場祐斗だよ。よろしく」
「一年の藤丸アスカです。よろしくです、木場先輩」
偶然会ったいち兄達と一緒に旧校舎の中へと入る。
「そういえば、藤丸くんは兵藤くんのことをいち兄って呼んでるけど兄弟じゃないよね?」
「ああ、つまるところの幼馴染みって奴だよ」
「うん、小さい頃から遊んでたからね」
「…そうなんですか」
部室に着くまでの雑談をしながら歩いていた。
「さて、着いたよ。ここが部室だよ」
「ここが…」
なんかいかにも悪魔が居そうな雰囲気だな~。いや、実際に悪魔が居るんだけど。
「部長、兵藤くんと藤丸くんを連れてきました」
「そう、入って来てちょうだい」
中にいってみるとそこには…。
「「うわー」」
いち兄と声が重なった。まあ、そりゃそうだよね。だって壁の至るところに魔法陣が描かれているんだもん。
「いらっしゃい、イッセーにアスカ。歓迎するわ、ようこそオカルト研究部へ」
そこにはリアス先輩ともう一人の先輩が居た。
「そして、悪魔としてもね」
はい、やはり悪魔なんですね。
「――という訳でここに至るのよ」
「そうなんですか」
リアス先輩から今に至る経緯を聞いた。かつて悪魔、天使、堕天使による三竦みの戦いに二天龍と呼ばれたドラゴンによる介入による休戦について、そして神器についてもだ。
「アスカにも神器が宿っているけど、イッセー貴方にも宿っているのよ」
「お、俺もっすか!?というか、アスカもなのかよ!」
「うん、あの時に覚醒?したみたいで」
正直驚いた。まさか、いち兄にも宿っていてしかもそれが原因で殺されたなんて。
「それで、俺も神器を出すんすよね?どうやって?」
「そうね、イッセー目を瞑ってイメージしなさい。貴方の中で最も強い存在を」
そう言われていち兄に某山さんの書いた漫画の主人公を思い浮かべたみたいで、技名まで言ってた。正直、笑える瞬間だった。
「うおお、なんか出てきた!!」
「これは
「とぅわいす・くりてぃかる?」
なんか発音の仕方が難しいな。
「ええ、量産された神器なのだけど…」
リアス先輩は何処か考え込んでいるみたいだけど、どうしたんだろう?
「それより、アスカの答えを聞かせてくれないかしら」
「はい、リアス先輩。僕も悪魔になります」
「あら、本当?」
「はい、いち兄と塔城さんも居るみたいですし。それに僕も神器を持っていることがバレてますから」
身の安全と知り合いが居るからって言うのは不純な動機かもしれないけどね。
「それに、塔城さんが何度も誘ってくるうちに興味が出ましたから」
「おお、なんだアスカが神話とか歴史、本とか以外で興味をもつなんて珍しいな」
「あらあら、そうなのですか?」
リアス先輩の隣に居る先輩がいち兄に問いかける。
「はい、アスカは変わり者で自分が興味持ったもの以外には極力無関心でいるんですよ。でも、何故か友達とかには恵まれてるんっすよ」
「それより驚きだね。まさか小猫ちゃんが他人をこの部活に誘うなんて」
「ええ、小猫にしては大胆な行動ね」
何故かリアス先輩達は塔城さんをニヤニヤしながら見ているけどどうしたんだろう?
「それで僕も悪魔になるんですよね」
「ええ、でもどの駒がいいかしら」
すると部長が取り出したのはチェスの兵士の駒に騎士の駒、戦車の駒、僧侶の駒だった。
すると、兵士の駒が急に赤く光出した。
「え?」
「な、
兵士の駒が赤い色が更に紅くなりそれが僕の中へと入っていった。
「これで、僕も悪魔になったんですか?」
「え、ええ。でも異例だわ。まさか、普通の
「うふふ、それほど藤丸くんの力が強いと言うことなんでしょうね」
なんだか良くわからないけど、これってすごいことなのかな?
「まあ、良いわ。それよりアスカの神器について教えてくれないかしら」
「あ、はい。僕の神器、
「「「え、英雄!!」」」
おお、なんか驚かれている。
「でも、英雄ばかりじゃなくて英雄じゃないけど結果的には平和をもたらした反英霊とか死後を世界に売り渡した守護者と呼ばれる存在の力も使えるってギルが言ってました」
「ギル?誰かしら」
「えっと、本人は英雄王 ギルガメッシュの子供の時の姿って言ってました」
うん?みんな絶句してるけどそんなに変かな?
「あの……」
「はっ、ごめんなさいね。あまりにも驚いていたから」
「そ、そうですか」
うん、やっぱ驚くよね。僕も最初は少し驚いたけどね。
「それじゃあ、改めて自己紹介するわね。私が貴方達の
「私は
「
「
これに続くように僕達も自己紹介する。
「
「同じく
こうして僕といち兄はリアス先輩改め