ハイスクールD×D~英雄の力を使う者~ 休載   作:アゲハチョウ

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22話

木場先輩の方は決着がついたようだ。

 

「さて、残りはお前とバルパーだけだ。覚悟しろ!」

「下級悪魔ごときが意気がるな」

「な、何故だ。本来、聖と魔が混じり合うことはない。反発し合う力が一緒になるなど……まさかっ!?」

 

なんだ、バルパーの様子が可笑しい。木場先輩の禁手(バランス・ブレイカー)を見てからなにやらぶつくさと言っている。

 

「そうか…そう言うことなのか!あの大戦で死んだのは魔王だけではなく、神も。グハッ!」

「「「!?」」」

 

何をした?なぜ、コカビエルは仲間であるバルパーに光の槍を投げた。

 

「ふふふ、ふはははははは。流石はバルパーだ。その結論に至れたことは褒めてやろう。だが、貴様はすでに用済みだ」

「コ、カビ…え…、る」

「お前、仲間じゃなかったのか!」

「仲間?違うな、アイツは駒だ。俺の思い通りに動くな。まあ、ここまで来た以上役にはたたないがな」

 

役にならないから殺したって言うのか…?そんな理由で………。

 

「まあ、良いだろう。さて、そろそろ終わりにしよう。サーゼクスが来た瞬間に目に写るのは貴様らの無様な死体だけだ!」

 

コカビエルは光の槍を作り出して僕たちへと投げ飛ばす。

 

「く、ジークの状態だとさばききれない。changeランサー」

 

エルキドゥの力を使おうとすると髪が翡翠色に、服がマントをそのまま被ったようなものになった。

 

『前から何となく思っていたんだけど……。僕って性別が女性の英霊の力を使うと性別が変わるんだね』

『ふん、何を今さら言っているのだ。サーヴァントの力をそのまま使っているのだ。性別が変わることくらいで取り乱すではない』

『まあ、体の作りが変わるとうまく扱えないからね』

『大丈夫だよ、お母さん(マスター)。可愛いもん』

『気にすることはないとは言えないが諦めるしかないんじゃないのか?すまない、こんなことしか言えなくて』

『まあ、ボクには性別はないけどね』

 

なんてお気楽なんだ。この英霊たち……。

 

「行くよ」

 

僕は手を地面に乗せ、飛んでくる光の槍を土から作った槍や剣などをぶつけて破壊していく。

 

魔剣創造(ソード・バース)!」

「デュランダル!」

「私だってやれるのよ!」

「ドラゴン・ショット!」

「雷よ!」

「喰らいなさい!」

 

木場先輩やゼノビアさんに一兄に姫島副部長、リアス部長もうまく光の槍を破壊していく。

 

「無駄なことを。ならば、これでどうだ」

 

な、数を増やしやがった。

 

「死ねぇ!」

「まだまだ!」

 

僕は皆に光の槍が当たらないように武器を作り出してはそれを光の槍に当て破壊していく。

 

「雷よ!」

「ふん、俺の邪魔をするか。バラキエルの力を宿しものよ」

「私をあの者と一緒にするなぁ!」

 

バラキエル?確か神話ではコカビエルと同じくアザゼルと言われる堕天使の部下で幹部だったような。

 

「はぁ、はぁ…」

「ヤバイ…」

 

姫島副部長の魔力が限界に来てるんだ。

 

「ふははははは。悪魔に落ちるとはな。まったく愉快な眷族を持っている。リアス・グレモリー、赤龍帝、聖剣計画の成れの果て、英霊使い。そして、バラキエルの娘!」

「なっ!?」

「マジかよ…」

「なんだと!」

 

姫島副部長が堕天使の娘?でも、それならなぜ悪魔に?

 

「ふふ、リアス・グレモリー。貴様は兄であるサーゼクス同様ゲテモノ好きのようだな」

「くぅっ。兄の我らが魔王への暴言は許さない!何より私の下僕への冒涜は万死に値する!」

 

そうだ。今はそんなことはどうでもいい。

 

「ならば、俺を倒してみろ!お前達の目の前にいる相手はお前らの宿敵なのだぞ。ここで倒さなければお前の程度の低さが分かるぞ。それにしても滑稽だな。今だに神がいると信じている者がいるとはな」

「どういう意味?」

「ほう、知らないのか?神もあの大戦で魔王ともども死んだのだよ!」

 

神が死んだ?でも、それは聖書のなかでの神がってこと?

 

「そ、そんな…嘘、よ」

「主が死んでいるだと」

「そんなの……」

「ふ、ミカエルの奴も上手くやっている用だが、所詮は天使だ。神が扱うべき奇跡と言うシステムを完全に制御できるわけではない。故にバグが生まれる」

 

なるほど、だからアルジェント先輩の神器は悪魔をも癒し、木場先輩の聖魔剣が生まれたのか。

 

「まさしく滑稽だな」

「ふざけるなよ……。堕天使」

「アスカ?」

 

僕の怒りに呼応するかのように魔力があふれでる。

 

「これ以上、僕の仲間を、大切な人たちを悪くいってみろ」

「なにこれ」

「これはアスカ君の魔力なのか?」

「すごい力です」

「やべぇな。アスカの奴…」

「アスカ君、キレてる」

 

溢れ出た魔力が地面を回りを破壊しいく。

 

「姫島副部長は姫島副部長だ。堕天使の娘だろうと知ったことか。ここにいるのは姫島朱乃と言う一人の人物で僕たちの仲間だ。それに神様が居なくなったって信仰続けている人たちがいる。何より、そんな信者たちを絶望しないように手を打ったミカエルは悪魔の僕からでもよく分かるお人好しだ!何より、我らが主であるリアス・グレモリーへの冒涜は許さない!」

「ふ、ならばどうする」

「ここでお前を倒す。ついでにこの校庭を中心とした魔法も壊す」

「ほう。気づいていたようだな。」

 

コカビエルは驚いたような表情をしている。

 

『ふ、この程度の術式など我に掛かればいくら隠そうとも簡単に見つけることなどできる』

『まあ、破壊に関してはあの堕天使(カラス)を倒せば消えますしね』

『マスターが決めたことだ。付き合うのがサーヴァントの役目だ』

マスター(お母さん)が思うようにやればいいよ』

『ボクの状態で禁手(バランス・ブレイカー)するといいよ』

 

さあ、始めよう。本当の戦いを……。

 

使い魔との絆(ボーンズ・サーヴァント)mode Lancer(ランサー) Erukidu(エルキドゥ)禁手(バランス・ブレイカー)!」

 

翡翠色の髪が踵まで伸び、服が大きくなる。そして何より力が溢れてくる。

 

「ほう、禁手(バランス・ブレイカー)か。良いぞ、これこそが戦」

「黙れ、堕ちた天使」

 

僕は地面から無数の天の鎖(エルキドゥ)を作り、空中にいるコカビエルに巻き付ける。

 

「ふっ、こんなものでこの俺を拘束したつもり……!?な、何故だ!なぜほどけない!」

「無駄だよ。いくら堕ちたとはいえ元は天使であったお前にその鎖が簡単に壊せるわけないだろ?」

 

それにいくら堕天使とはいえ聖書にも名前を刻み、信仰されている神の子を見張る者(グリゴリ)の幹部ならある程度の神聖があるはずたからな。

 

「そのまま串刺しにしてやるよ」

「俺を、舐めるなぁ!」

「!!」

 

天の鎖を無理矢理壊した?いくら神聖が低いとはいえ天の鎖(エルキドゥ)を壊すなんて……。

 

「良くもこの俺を虚仮にしてくれたな」

「……」

「今度はこちらの番だ!」

「アスカだけにやらせるわけないでしょ!」

「邪魔だ!」

「リアス部長!」

 

リアス部長の滅びの魔力を消し去り、光の槍をリアス部長に投げる。それを僕が同化した地面で盾を作り何とか止める。

 

「はあ!」

「デュランダルの力を食らえ!」

「小賢しい、蝿どもが!」

「すきあり、です」

「甘いわ!」

 

光で剣を作り木場先輩とゼノビアの攻撃を受け止める。その隙を塔城さんが上から殴りかかろうとするが凄まじい力で三人とも吹き飛ばされてしまう。

 

「小猫ちゃん、今傷を癒しますね」

「よし、貯まったぜ!アスカ、受け取りやがれ!」

 

すると一兄が僕の肩に触れる。

 

赤龍帝の贈り物(ブースット・ギア・ギフト)

 

『Transter!!』

 

これは力の譲渡?

 

「ありがとう、一兄。そろそろ終わりにしようか、コカビエル」

「ふ、終わりだと?ふざけるな!この俺は貴様らごときにやられるようならあの大戦で死んでいる!」

 

最大規模の光の槍を作り出すコカビエル。だけど…ね。

 

『エルキドゥ、宝具使わせてもらうよ』

『ああ、良いよ。性能を競い合うんだね』

 

地面に手を乗せる。

 

「呼び起こすは星の息吹。人と共に歩もう、僕は。故にーー」

 

無数の天の鎖が空へと伸びていき僕が跳躍すると僕を中心として集まりだして、一つの大きな光の槍に、天の鎖(エルキドゥ)へと変わる。

 

「な、なんなんだ…それはぁ!!」

人よ、神を繋ぎとめよう(エヌマ・エリシュ)っ!」

 

コカビエルが投げた光の槍を破壊し、コカビエルはそれに驚き動けず宝具をまともに喰らったのであった。

 

「こんなところでええええええぇぇぇぇぇぇぇぇ、俺様がああああああァァァァァァァ!」

 

地面にめり込み、魔法陣ごと破壊した。

 

「終わったの?」

「どうなのかしら」

「アスカの奴が戻ってくれば」

「あれほどの威力の攻撃を受けて生きていられるか」

「無理だろうね」

「アスカ君、強かったんだね」

「当然、です」

「大丈夫でしょうか?」

 

メンバーが心配するなか、煙が晴れていく。

 

「はぁ、はぁ、はぁ…」

「アスカ!」

 

こちらへと向かってくる僕を見て、皆が駆け寄ってくる。


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