ハイスクールD×D~英雄の力を使う者~ 休載 作:アゲハチョウ
どうも初めまして僕の名前は藤丸アスカ。駒王学園の一年生です。
「おーい、アスカー!」
「あれ、いち兄?今日は随分早いね」
この人は僕の幼馴染み?でいいのかな?兵藤一誠。小さい頃からよく遊んでいた。
そして、学園でも有名人である。悪い意味で。女子更衣室を覗いたり、卑猥な話を堂々とするなどといった行動を松田、元浜先輩方と合わせて変態三人組って言われてる。
「今日はいつもの二人と一緒じゃないんだね」
「松田と元浜のことか?あの二人なら先に学校行ってるぜ」
「ふーん。で、なんでいち兄は朝からそんなに機嫌がいいの?また、厭らしい物でも手に入ったの?」
そう、機嫌がいいのだ。もう気持ちが悪いほど顔がにやけている。
「くふふ、なんだ知りたいのか?」
「な、なんだよ。気持ち悪いぞ」
「そうか、そうか。知りたいか」
「話すら聞いていない」
「実はなぁ~」
「あ、やっぱいいや。興味ないし」
「おい!」
いや、実際興味ないし。まあ、予想はつくしね。
「どうせ、彼女ができたとかでしょ」
「な、なんでそれを!?」
「昨日、たまたまその瞬間を見ただけだよ」
校門の前であんな堂々と告白が行われていたら嫌でも目に入るからね。
「おはよう、藤丸くん」
「おはようございます、先輩」
「藤丸くん、今日勉強教えてよ」
「また、ですか?まあ、別にいいですけど」
上から先輩と同級生から挨拶された。
「くっ、お前は相変わらずモテモテでいいよな!」
「は?何言ってんの?俺がモテるわけ…」
「おはようございます、藤丸くん」
「おはよう、塔城さん」
さっき挨拶してきたのはその容姿から学園のマスコット的存在である塔城小猫さん。クラスも一緒であまり話す人じゃないけど僕にはそれなりに声をかけてきてくれる。なんでだろう?
「あのー、小猫ちゃん。俺も居るんだけど」
「それじゃあ、また教室で」
塔城さんはそのままいち兄を無視する形で教室に行ってしまった。
「いち兄、塔城さんに何かしたの?」
「ちょっと待て!俺が何かしたって決めつけるのは良くないぞ!」
「普段の言動を考えてみなよ」
無視される理由が本当にないなら、そんな苦い顔はしないよね?
「それじゃあ、ここでさよならだよ」
「おう!ああそれとデートって何処行けばいいと思う?」
「今、そんなこと聞くの?というか何時行くの?」
「今日だ!!」
前準備の悪いな。これじゃあ、折角告ってくれた彼女に逃げられちゃうんじゃないかな。
「はあ、映画とか最後に公園とかでもいいんじゃないの」
「なるほど、ありがとな!」
そのままいち兄は走って自分の教室へと向かって行った。
「さっきぶりだね、塔城さん」
「はい、さっきぶりですね。これ食べますか?」
渡されたのはコンビニとかで売っている小さい羊羮だった。
「こしあん、か。うん、貰うよ。ありがとう、塔城さん」
「いいえ、喜んでもらえて嬉しいです」
僕達はそのまま先生が来るまで羊羹を食べていた。
「それじゃあ、さよなら塔城さん。部活、頑張ってね」
「はい。あの、藤丸くんは部活動はやらないんですか?」
「うーん、僕は特にそういったことに興味ないから。もし、興味が出たら塔城さんが所属するオカルト研究部だっけ?それに入らせてもらえると嬉しいな」
「はい。部長に相談してみます」///
ん、なんか塔城さんの頬が赤くなっていたような気がするけど気のせいだよね。クラスのみんなもすごい顔が赤いぞ?
「さて、そろそろ帰らないと夕飯が作れなくなるかな」
ゲーセンで遊んだ後、気晴らしに公園を歩いていると。
「ん?あそこに居るのは、いち兄?」
遠くで見えにくいけどあれは間違いなくいち兄だ。
「面白そうだし、着いて行こう」
この時、素直に家に帰っていれば平穏に暮らせたかもしれない。
「ここからだと聞きにくいけど…」
僕は少し離れた場所でいち兄のデートを見ていた。すると、
「嘘…だろ」
彼女さんの背中から黒い翼が生えていた。
「危ない、いち兄!」
「アスカ!」
「あら、目撃者が居たのね。大丈夫、貴方を殺した後にあの子も同じところに送ってあげる」
「アスカ、逃げろ!」
彼女さんの手には光の槍が握られていて、それがいち兄の胸を貫いた。
「いち兄!しかっりして!」
「ハハ、ヤバイな。俺、死ぬのかな?」
「何言ってんだよ!」
俺は彼女、いや目の前の化け物を睨んだ。
「良くも、良くも、いち兄を!」
「あら、何かしらその目付き。気にくわないわね!」
僕に向けて光の槍を飛ばしてきた。
「うわっ!」
その瞬間、僕の目の前が真っ暗になった。
『すごい魔力だね。まあ、当然だよね。僕達が宿っているんだから』
『え?』
そこは真っ暗な空間だった。そして一人の金髪に紅い瞳の少年が立っていた。
『初めまして、マスター。僕は君に宿っている神器の一人かな?表現の方法が難しいな』
『君はいったい…』
『おっと、詳しい話しは後。今は目の前に居る雑種を倒さないと』
そこに写りだしたのは先程の化け物だった。
『あれはこの世界に存在する堕天使だよ』
『堕天使?』
『そう、邪な罪や人との間に恋を芽生えさせてしまった憐れな天使の堕ちた姿』
その子はたんたんの物事を説明してくれる。
『それより、早くあいつを倒さないとマスターもマスターの幼馴染みも死んじゃうよ?』
『ど、どうしろって言うんだ!』
『簡単なことだよ。僕を使えば良い。正確には僕の能力と宝具だけどね』
宝具?なにそれ意味分かんない。
『説明は僕達を紹介する時にするからと言いたいけど今は僕一人だからね。僕だけの説明になっちゃうか』
『いいから!早く力を貸してくれ!』
『まったく、せっかちだなマスターは。でも、気を付けてね。使い方を間違えるとマスターも死にはしないけど死ぬほど辛いことになるから』
そのまま、僕の意識はまた暗くなった。
「
すると、僕の手から腕にかけガントレットが装備されたと思ったら、僕を守るかのように先に槍尻が付いた鎖が現れた。
「な!神器ですって!こんなところで覚醒するなんて」
「天の鎖!」
僕が指示すると鎖がそれに従うかのように相手に襲いかかる。
「くっ、厄介ね。退かせてもらうわ。目的も達成したことだしね」
「な、逃がすか!」
「さよなら、憐れなガキ!」
そのまま堕天使は何処かへと消えてしまった。
「はあ、はあ、はあ、くっ。解除」
そう言うとガントレットと鎖も消えてしまった。
「いち兄…!?」
急いでいち兄の所へ駆けつけるとそこには紅色の髪をした女性が立っていた。
「いち兄に、何をした!」
「え?」
僕は無意識にガントレットを喚び起こしていた。
「あら、貴方は確か一年生の。それにそれは神器?」
「良いから、答えろ!」
「落ち着いてちょうだい、貴方の幼馴染みは助かったわ。人間は辞めてしまったけどね」
人間…を…やめた?
「それにしてもその神器見たこと無いわね?レア物なのかしら」
「人間を辞めた?いち兄が」
「ええ、悲しいことでしょうけどそれしか助ける方法がなかったのよ」
いち兄は人間をやめた。でも、生きている?
「いち兄は生きてるんですか?」
「ええ、そうよ」
「部長、帰りが遅いので迎えに来ましたよってあらあら見られてしまったのねリアス」
「ええ、でも彼は神器所持者よ。それも珍しいね」
変な紋様が表れたと思ったらまた女の人が現れた。
「ねぇ、貴方。悪魔にならないかしら?」
「悪魔?」
「ええ、私、リアス・グレモリーの眷属としてね」
グレモリー?確か何処かで見聞きしたような…?
「…もしかしてソロモン王が従えてたソロモン七十二柱の悪魔?」
「あら、私のことを知っているのね」
「でも、たしかグレモリーってらくだが近くに居たような?」
「うふふ、あれは人間が後から考えたものなのよ」
し、知らなかったー!!
「それで、悪魔に成る気は在るかしら?」
「少し考えさせて下さい」
「ええ、明後日までには答えを聞かせてね」
こうして僕は初めて人外との会合と神器の覚醒が起きたのでした。