ハイスクールD×D~英雄の力を使う者~ 休載   作:アゲハチョウ

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9話

前回のあらすじ!使い魔を捕まえに来た僕たちオカルト研究部と生徒会のソーナ会長に匙先輩。幾つかの使い魔を見てきたが結局使い魔を捕まえることが出来たのはアルジェント先輩だけで、諦めて帰ろうとしたときに上空から現れたのは五大龍王の一角にして最強のドラゴンの天魔の業龍(カオス・カルマ・ドラゴン)ティアマットだった。

――――――――――――――――――――――

 

「ドライグはどうやら目覚めてはいないようだな」

「あれが龍王最強のドラゴン……」

 

蒼い。青よりもとても深く淡い蒼。こんなドラゴンがいるなんて…。

 

「それに珍しい神器使いもいるじゃないか」

「え?僕のことですか?」

 

ティアマットさん?は僕を見ながら何やら好戦的な笑みを浮かべていた。

 

「リアス、アスカくんの神器はいったいどう言うものなのかしら」

「確か、神器のなかにいる英雄や反英雄の魂が宿っていて武器とその能力が使えるみたいよ」

「英雄、ですか?よく悪魔になりましたね」

「まあ、反英雄、つまり英雄ではないけど平和をもたらした英雄もいるみたいだし、不思議ではないでしょ」

 

リアス部長がソーナ会長に僕の神器のことを説明していた。その隣で聞いていた匙先輩は驚いているけどね。

 

「そうだな。ドライグが目覚めていない以上、私は君に興味を持ったぞ」

「僕に?」

 

まさか五大龍王で最強のドラゴンであるティアマットさんが僕に興味を持つなんて。

 

「そこで提案なのだが、私と戦ってみてくれないか」

「ぼ、僕がですか!?」

「なに悪い話ではない。君が勝てば私は君の使い魔になろう。もし負ければ…」

「ま、負けたら…」

 

ど、どうなるのかな?

 

「負けたら私の命令をひとつ聞いてもらうことにしよう」

「わ、わかりました。それで条件みたいのは…?」

「そうだな、私に傷を一つでも負わせることが出来れば君の勝ち、そして私が君を戦えなくさせるまたは君が降参すれば君の敗けだ」

 

シンプルだろと笑顔でいってくるけど。じょ、条件が厳しいような。

 

「わ、わかりました。その勝負、受けてたちます!」

 

こうして僕とティアマットさんの決闘が始まるのであった。

 

「それではいくぞ!」

使い魔との絆(ボーンズ・サーヴァント)modeアーチャー」

 

僕はギルの力を最初に使うことにした。

 

『マスター、龍殺しの概念を持つ宝具なら少ないけどあるよ』

『ほんと!でも少ないんだ』

 

僕は空間を繋いで宝物庫にある龍殺しの概念をもつ宝具を射出する。

 

「ふん!こんな物では私には通用しないぞ」

「嘘!」

 

ティアマットさんが放った魔法で僕が射出した宝具は地面に叩き落とされた。

 

『まさか、全部叩き落とすなんて』

マスター(おかあさん)、私がやろうか?』

『いや、ジャックじゃ荷が重いよ』

 

どうしよう、龍殺しの概念ももつ武器は生半可な物だと叩き落とされちゃうよね。

 

「なら、これでどうです!天の鎖!」

「ほう、グレイプニルと同じような鎖か。だが、そんなもの当たらなければどうとでもないぞ!」

「くっ、まだまだ!」

 

速い。とにかく速すぎる。目で追えるけどそれでも天の鎖が追い付かない。

 

『マスター、俺に変わってくれ』

『ジーク。そうか!君なら!』

 

僕はあることを思い出す。僕のなかには居るじゃないか本家本元の龍殺しの英雄が……!

 

「changeセイバー!」

 

すると僕の手には剣がそしてマントと鎧が装着されていた。

 

「あれは新しい英雄の力かしら」

「あらあら、どうやらそうみたいですわね」

「見たところ、僕と同じ剣士みたいだね」

「新しいmode」

「あれがアスカくんの神器…」

「……!?」

 

匙先輩は驚きのあまりに声を出せていない。オカ研のメンバーは何か興味津々である。

 

「行くぞ!ティアマット!」

「ふん、見てくれだけが変わった程度では私には勝てないぞ!」

「見てくれだけじゃないぞ。プロモーション騎士(ナイト)!」

 

僕はジークの能力を使うためにプロモーションで騎士(ナイト)の駒の特性を使うことにする。

 

「はあ!」

「ほう、なかなか良い動きだ。だが、まだ甘い!」

「ぐぅ、そこだ!」

 

うう、やっぱりティアマットさんの攻撃は一撃一撃が重たい。まるで鉛の塊を受けてるみたいだ。

 

「しかし妙な体だ。本来なら致命傷を負っても可笑しくない攻撃をしているのだが」

 

なんか聞いちゃいけない言葉が聞こえてきたような気がするよ!

 

『マスター、ある程度は俺の宝具でダメージを軽減しているがあまり長引くとこちらが不利だ』

『わかったよ、ジーク』

 

ジークの言うとおり。こっちはドラゴンであるティアマットさんのように魔力量が膨大な訳じゃない。早めに決着をつけないと。

 

「これなら」

「ほう、撹乱するつもりのようだな」

 

僕は騎士(ナイト)の特性を最大限に活かして、まるで猛スピードで左右上下に跳ねるスーパーボールのような動きでティアマットさんを翻弄させる作戦にでる。

 

「ふん、小賢しい!」

 

するとティアマットさんは魔法で辺り一帯に攻撃をして来た。

 

「ぐがぁ!」

 

これもダメなのか。ならどうすれば……。

 

『マスター、俺の宝具を使おう』

『ジークの宝具って確か……』

『龍殺しの概念が宿っている宝具だ』

 

そうだ。でも、それではティアマットさんが……。

 

『死なないほどの威力に抑えてみよう。できるかどうかはわからないがな』

『わかった。こうなったら自棄だね』

『ああ、その意気だ。マスター』

 

僕は吹き飛ばされながらもなんとか空中で体制を立て直す。英雄たちの力を使えば簡単にできる。

 

「これで、決める!」

「ほう、なら貴様の全力。私が受けてたとう」

 

僕は魔力を剣に流す。すると一部の部分に魔力が溜まっていくがわかる。

 

「邪悪なる竜は失墜し、世界は今落陽に至る」

「ほう、魔力を剣に溜めて放つつもりか」

 

分かっていても避けるつもりはないみたいだ。なら、僕も遠慮なくいかせてもらう!

 

「撃ち落とす――『幻想大剣・天魔失墜(バルムンク)』!!」

 

放たれるは蒼い閃光。それはかつて龍殺しの英雄ジーク・フリートが邪龍ファブニールを撃ち落とした逸話が宝具となり昇華された姿。それがティアマットに襲いかかる。

 

「私も、私も貴様の心意気答えよう!」

「うおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

ティアマットさんはそのまま僕が放った宝具に対抗すべく魔法を放つ。

 

「な、なんて。戦いなの」

「これではこの辺り一体が更地になってまいますわね」

「…膨大な魔力のぶつかり合い」

「こんな戦いはなかなか見れないね」

「アーシア、飛ばされないように掴まってくれ」

「は、はい!」

「凄まじいですね」

「会長、アイツ本当に俺と同じ兵士(ポーン)なんですか!?」

 

両者の最高級の魔力をもって放つ技は辺りを巻き込み木々を吹き飛ばし、地を割るとてつもないものになっていた。

 

『くっ、このままだと押し負ける』

『マスター、大丈夫だ。それに宝具を使うときはそんな弱気になってはいけない』

『そうだよ、マスター。僕たちの宝具と言うのはね、魂みたいなものなんだよ』

『使い手がそんな弱気じゃなダメなんだよ、マスター(おかあさん)

 

魂……。そうなんだね。なら、こんな弱気になってたらダメだよね!

 

「剣よ!もっと満ちろ!」

「ぐぅ!」

 

僕は残りの全魔力を剣へと流し込み、うち放った。

 

「うおおおぉぉぉぉ!!!!」

「はあああぁぁぁぁ!!!!」

 

そのままぶつかり合った魔力は爆発した。

 

「くぅ、アスカ!」

「アスカくん!」

「アスカくん!」

「…返事をしてください、アスカくん!」

「アスカさん!」

「アスカぁ!」

「アスカくん……!」

「藤丸!」

 

リアスたちは爆発による余波に耐え、アスカくんの無事を確認すべく名前を叫ぶ。

 

「…僕の勝ちです……」

「ええ、そして私の敗けみたいね」

 

煙が晴れて見えてきたのは満身創痍のアスカと腕から血を流すティアマットの姿だった。

かくして僕とティアマットさんの勝負はギリギリのところで僕が勝利を納めました。

 

「まさか、私が負けるとはな」

「あの、大丈夫ですか?そのドラゴンであるティアマットさんには毒でしたよね」

「ふふ、なにこれくらいなら大丈夫だ。それより約束を果たそう」

 

約束……、あっ。

 

「使い魔になってくれるんですよね」

「ああ、そうだ。お前なら暇はしないだろ」

「あ、あはは」

 

暇しないかは別なんじゃとはけして言わなかった。

 

「うふふ、まさかアスカがティアマットと契約するなんて」

「ええ、予想外のことは起こりうるものですね」

 

なんだか、あっちの方でリアス部長とソーナ会長がなにか話しているけどどうかしたのかな?

 

「さて、私は少し支度をするから待っていてほしい」

「支度?」

「なに、これから主である貴様の拠点で過ごすことにしたのだよ」

「え、いやでもティアマットさんのその姿じゃ」

 

間違いなく騒ぎになる。というか最悪研究材料にされちゃないそうだよ。

 

「なに、心配ない。ここで待っていてくれ」

 

そういうとそのまま森へと入っていくと、数秒後に綺麗な蒼い髪の女性が現れた。

 

「ふむ、久々にすると少し違和感があるな」

「もしかして、ティアマットさん?」

「ああ、それとティアマットさんではなくティアで構わない。よろしく頼むぞ、アスカ」

「こちらこそよろしくね。ティア」

 

こうして僕は五大龍王の一角であるティアマットさんことティアを使い魔として仲良くしていくのであった。


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