この小説の、今後の執筆についての事を活動報告の方で書きました。
結構重要な事だと思うので、出来れば読んで欲しいです。
先程まで修正を加えていたので、既に読んだ読者様も出来れば目を通して欲しいです。
上記の報告をしたいが為に、少し短めで投稿します。
side ハジメ
現在僕たちは、【オルクス大迷宮】の正面入口がある広場に集まっていた。
"大迷宮"と聞いていたので、何となく薄暗い陰気な入口を想像していたのだけど、まるで博物館の入場ゲートのようなしっかりした入口があり、受付窓口まであった。
そして制服を着た女性が、笑顔で迷宮への出入りをチェックしている。
なんでも、ここで《ステータスプレート》をチェックし出入りを記録することで、死亡者数を正確に把握するのだとか。
入口付近の広場には露店なんかが所狭しと並び建っており、それぞれの店の店主がしのぎを削っている。
まるでお祭りみたいだ。
浅い階層の迷宮はいい稼ぎ場所として人気があるようで、人が自然と集まる。
そうすると、馬鹿騒ぎした者が勢いで迷宮に挑み命を散らしたり、使われなくなった倉庫のごとく迷宮を犯罪の拠点とする人間も多くいたらしく、『戦争を控えながら国内に問題を抱えたくない』という事で、冒険者ギルドと協力して王国が設立したのだとか。
入場ゲート脇の窓口で、モンスターの落とした素材の売買をしてくれるので、迷宮に潜る者は
僕たちは、メルド団長の後をカルガモのヒナのように付いていきながら、大迷宮に足を踏み入れるのだった。
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迷宮の中の縦横五メートル以上ある通路は、明かりもないのに薄ぼんやり発光しており、松明や明りの魔法具がなくてもある程度視認が可能だ。
それは《緑光石》という特殊な鉱物が多数埋まっているからなのだとか。
【オルクス大迷宮】は、巨大な緑光石の鉱脈を掘って出来ているらしい。
この迷宮には数多くの階層が存在し、現在の最高到達階層は六十五層らしい。
しかしそれは百年以上前の冒険者がなした偉業であり、今では超一流で四十層越え、二十層を越えれば十分に一流扱いだか。
しかし僕たちは、戦闘経験こそ少ないものの全員がチート持ちなので、割りかしあっさりと問題もなく、何度か交代したりしながら戦闘を繰り返して、二十層にたどり着いた。
もっともメルド団長曰く、迷宮で一番怖いのはトラップであるらしい。
なんでも、致死性を持ったトラップも少なくないらしく、それは確かにかなり怖い。
このトラップの対策として、《フェアスコープ》というものがある。
これは特殊な魔力の流れを感知しする事で、トラップを発見することができるという道具だ。
迷宮のトラップはそのほとんどが魔法を用いたものであるらしく、八割以上はフェアスコープで発見できるらしい。
しかし索敵範囲がかなり狭いので、スムーズに進もうと思えば使用者の経験による索敵範囲の選別が必要なのだとか。
それ故に、僕たちが素早く階層を下げられたのは、クラスメイトたちのチートに加えて、騎士団員さんたちの誘導があったからだとも言える。
メルド団長からも、「トラップの確認をしていない場所には、絶対に勝手に行くな」と強く言われていた。
「よし……お前たち!ここから先は一種類の魔物だけでなく複数種類の魔物が混在したり連携を組んで襲ってくるぞ!今までが楽勝だったからと言ってくれぐれも油断するな!今日はこの二十層で訓練して終了だ!気合入れろよ!」
大迷宮に、メルド団長のかけ声がよく響く。
ここまで僕は、特に何もしていない。
一応、騎士団員さんが相手をして弱った魔物を相手に訓練したり、地面を錬成して落とし穴にはめて串刺しにしたりして、一匹だけ犬のような魔物を倒したけど、それだけだ。
基本的には、両儀さんと二人きりで、騎士団員に守られながら後方で待機していただけである。
何とも情けない事で……。
それでも実戦で錬成を多用して、魔力が上がっているのだから意味はある……と思う。
魔力の上昇によりレベルも二つほど上がったのだから、実戦訓練は間違いではないらしい。
ただ、これじゃあ完全に寄生型プレイヤーだよね……。
でもまぁ、錬成の精度は徐々に上がっているし……地道に頑張ろう……。
ちなみに両儀さんは、短剣を上手く使いこなして、的確にモンスターの急所を突いていた。
檜山たちとのいざこざの後にも思ったけど、いつの間にそんな風に使いこなせる様になったんですか……。
再び、騎士団員さんが弱った魔物を僕の方へ弾き飛ばしてきたので、溜息を吐きながら接近し、手を地面に突いて錬成。
地面を変形させて動けない様にしてから、魔物の腹部めがけて剣を突き出し串刺しにした。
これは、何もない自分の唯一の武器は錬成しかないと考えていたので、(鉱物を操れるなら地面も操れるんじゃない?)と思い付き、鍛錬した結果生み出された戦法だ。
なのだけど、一匹相手にするので精一杯なのでやはり僕は役立たずだろう。
そう思いながら、魔力回復薬を口に含み、額の汗を拭った。
今話はこんな感じで。