GOD EATER The another story.   作:笠間葉月

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どーもど-も。終幕の余興です。いやあ…ここのSSも賑わってきましたねえウハウハ
今日はこれ一本のみの投稿でいきたいと思います。…これの後まで出すと収拾つけにくいので。主に投稿数で。
あ、ちなみにほとんど伏線回です。前回のやつが絡みまくりですが。


蠢き出すのは二つの歯車

蠢き出すのは二つの歯車

 

私が隊長になってから今日で一週間。その間だけで三つも特務が出るとは思っていなかった。暇を持て余しそうだから、と、別に義務ではないものでも行くという……自分でも辟易する。

そして今日はといえば……

 

「博士からミッション任されたんだけど。」

「確かにソーマさんと一緒に行ってくれという謎の任務が発注されていますが……何なんでしょう?」

「さあ……」

 

今朝、ターミナルに届いていたメールに気付きそれを確認。内容は博士からの頼み事だ。まあ別に変なものではないのだが……あの博士からごくごく普通の討伐任務……しかも禁忌種でも何でもないただのヴァジュラとそれに付き従っている小型種の討伐?明らかに怪しい。支部長が出張しているからってなにをやろうっていうのだろうか。

 

「えっと、どうしますか?ソーマさんももうすぐ降りてくる頃だと思いますけど……」

「……行くしかないんじゃないかな?すっごく嫌な予感がするけど。何かの片棒担がせようとしてるとかだと面倒だよねえ……」

「ありそうですね……」

 

と、そうやってヒバリさんと上司への愚痴りをしていたときだ。

 

「よう。元気そうだな。」

 

エントランスの二階からタツミさんが降りてきた。そういえば今日復帰だったんだっけ。

 

「おはよ。今日から復帰だよね。」

 

ヒバリさん?見るからに顔がほころんだよ?いやあ、しっかり恋人やってるなあ。

 

「一応な。ま、始めは軽めにってかんじだ。」

「そういうの以外は受注させないもんだ。」

 

にこにこしながら舌を出してって……これはなんだかんだ言ってタツミさんのこと大好きだったな。

 

「じゃあソーマが来たらすぐに行くから、その任務受注しておいて。」

「了解しました。お気を付けて。」

 

それで二階に上がったはいいものの……人がイチャイチャしてるのって……外から見てるとすごく恥ずかしいんだ……

 

   *

 

「……ふう……」

 

リンドウがいなくなって、アリサが復帰して、神楽ちゃんが隊長になって。周りはいろいろ変わっている。

そんな中で全く進展していないディスク探し。彼が残したというもう一枚のディスクの隠し場所のヒントがないかと思ったけれど……

 

「全く、どこに隠したのよ……」

 

ヒントの欠片すら見つからない。心当たりはだいたい探したし、神楽ちゃんに聞いてもそれらしいものは見つかってないって言ってるし……

ひとまずターミナルの電源を落としていろいろと考えていると、ちょっと控えめなノックの音が響いた。

 

「あの……私です。今いいですか?」

 

続いて声がした。

 

「あ、アリサ?いいわよ。入って。」

「失礼します。」

 

入ってきた彼女は若干緊張しているようだ。肩が固まっている。

 

「どうかした?」

「あ、えっと……」

 

……半分以上分かりきっている質問ね。そう自分を笑ってしまう。

 

「リンドウのことなら何も気にしないで。あの人ったら昔っから放浪癖があったから。」

 

冗談混じりに言うと、彼女の肩から若干力が抜けた。

 

「ありがとうございます……」

 

……と言っても、まだまだ申し訳ないですって全身で言ってるけど。

とりあえず紅茶でも淹れよう。そう思い立って部屋の奥を向いたときだ。

 

「あの!」

「?」

 

突然、アリサが強い口調で呼び止めてきた。ほんの少しだけ震えた声で、軽く握った手を腰の前で合わせて。

 

「あの、私にも……何かできることはありませんか?」

 

心に決めています。と、涙をたたえた目で語っていた。

だからそんなに気にしなくてもいいわ。いつもならそう言ったと思う。でも今は……なんだかアリサの覚悟を無駄にはしたくなかった。

リンドウに話を聞いたときに、手伝うと言えなかった自分を思いだしていた。

 

「……ちょっとこっちに来て。」

 

声をかけつつターミナルへと向き直る。話すよりもこの方が早いだろう。

ちらっと横目で彼女を確認すると、目元を手の甲でこすりながらこちらに来ているのが見て取れた。それから目を離しつつポケットへと手をやる。取り出したのは当然あのディスクだ。

 

「それは?」

「……彼が残していったもの。私へのメッセージよ。」

 

ターミナルでそのデータを開いて彼女に見せる。内容はもう見飽きたほどの彼の言葉。

そして最後まで送ったときに彼女が口を開いた。

 

「……文書データなのに……END?」

「え?」

 

言葉の意味を測りきれずに聞き返す。

 

「あ、いえ……この最後の行、メールならまだしも……」

 

最後に付けられていたENDの文字を指しながら言う。

 

「文書データ……それも手紙として送っているのにENDを入れるんでしょうか……」

 

と、アリサはおもむろにページを下にスクロールし始めた。……しかも、それが大正解。

 

『その隠し場所だが、ヒントはお前が初陣で一番驚いていたものだ。まあ、黒いしちょっと形違うけどな。とにかく誰かに見られても多少は何とかなるようにこうして書いておく。……回収には第一部隊で行けよ?ーリンドウよりーP.S.帰ったら、飯でも食いに行こうや。』

 

「……あらま。」

「いつものリンドウさんらしくない回りくどいやり方ですね……」

 

そんな場合ではないと分かっていながらもくすくすと笑ってしまう。本当に彼らしくない。出会ったころは、ただ無鉄砲だったというのに。

でも一番驚いたものねえ……なんか何もかもに驚いていたような……ちょっと時間かかるかしら。

 

   *

 

「さてソーマ、一つ質問があります。……この気配はあれですか?っていうかあれですよね?あれだよね?」

「……繰り返さなくてもそうだろ。こっちに来るつもりはなさそうだけどな。」

 

任務を終えた私が何で騒いでいるかと言えば、単純に近くに少女型アラガミの気配がしているからである。……コアを回収したあたりから恨めしそうな視線まであったりして……

 

「……帰るぞ。いちいち気にし過ぎてもどうしようもねえ。」

「むう……」

 

神機を肩に担いで歩き出すソーマ。それにただ付いていくのもしゃくなので彼の横に立って手の指を絡める。

 

「おまっ……まだ任務中……」

「堅いこと言わない!」

 

少女型以外の気配は全くない。今こうしているくらいなら大丈夫。

……とかなんとか理由を付けて彼にじゃれつく私であった。

 

   *

 

「♪~」

 

それからしばらくして、私は自室で料理本なんてものを読みつつ、流行のバラードを口ずさみながらコーヒーを飲んでいた。もう少ししたらまた任務に出るつもりだ。……神機の強化をしたせいでお金が……

 

「へえ。これみんな好きかなあ?」

 

飲み終えたコーヒーのカップをテーブルの上に置き、ビーフストロガノフという料理のページに目を止める。味もしっかりしていそうだし、何よりいっぱい作り易そうだ。一日くらいなら保つのもいい。

再来週、第一部隊のみんなで晩御飯を一緒に食べようと考えているのだ。ただ、何せこの物不足の時代だ。直前になって用意し始めたのでは材料が買えなかったなんてオチにもなりかねない。前は買い置きがあったから助かったけど、さすがに何回もそれでやっていくわけにもいかない。

 

「でもこの間も煮込み系だったし……別のも作ろうかな……」

 

置いたカップの横に積まれた数冊の料理本。ケーキの本も買ってある。そういえば昔は料理本なんて全く読まなかったなあ。

楽しく悩みつつ、再度手に取ったカップが空になっているのを思い出す。……とりあえずコーヒーのおかわりを淹れて……

 

「ん?メール?」

 

料理本から目を離して一番に気がついたのはターミナルのランプの点滅だった。

誰からだろうと思いつつそのメールを開く。

 

「サクヤさん?」

 

ちょっと珍しい人からのメールだな、なんて思いつつ本文を見ていく。

 

「黒いヴァジュラについて教えてほしい?」

 

サクヤさんも遭遇したのだろうか?でも今のところは私とソーマの前にしか現れていないはず……

 

「……午後の任務終わりかなあ……」

 

何にしても隠すようなことはないのだ。今日の内にサクヤさんのところに行って話しておこう。

……その今日の内というのが、後々ぎりぎりになったのは別の話だ。

 

   *

 

……一方エイジスでは……

 

「しかしまあ……よくここまでやったもんだな。あの支部長様は。」

「そりゃあこれは一大事業なわけだし、結構本部からも援助があるんじゃねえの?」

「技術者系はわんさか来てるらしいぜ?定期的にさ。」

「ああ、そういえばガーランド博士も来てたよな。ヨハネス支部長の弟なんだっけ?」

「だった……と思う。」

「おいおい……テキトーだな。」

 

通路を歩いていく二人の工員らしき者たちの会話。……それが上から聞かれているとは誰も考えるまい。

 

「ほうほう、ガーランド博士ねえ。たしかアラガミ進化論……っと。」

 

そろそろ偏食因子を投与する方がいいな。そう思ってねぐらに戻っていく。……いいかげんこの通気口生活とはおさらばしたいんだけどなあ……いや、通気口生活じゃないな。

食料は倉庫から掻っ払ってるわ寝床は工員の部屋からクッションを強奪してきてるわ……完全に泥棒生活だ。この家業でも食えんじゃ……いやいや、サクヤに殺される。

そんなどうしようもないことを考えつつ、ふと第一部隊へ残したディスクを思い出す。

 

「……そろそろあれを見つけてもいい頃だと思うんだけどなあ……」

 

特務中に見かけた黒いヴァジュラ……昔ロシアで見たあのアラガミが空母にいたのは驚いた。と同時に、第一部隊へ間違いなく、かつ支部長に見つかる可能性が限りなく低い状態で二枚目のディスクを受け渡す方法も思いついたのだからある意味ラッキーだったのだろう。

 

「……お?」

 

そんなことを考えながら通気口の中を進んでいると、下にいた支部長を見つけた。その横には……

 

「……誰だ?」

 

色はあまりはっきりとしないが……黄色っぽいシャツの上から白衣を着ている。にしても悪人面だ。もじゃもじゃの頭に布を巻き、メガネをかけ、不精髭に覆われた口でたばこをくわえている。

 

「ノヴァの様子は?」

「問題ありません。入れ物はほぼ完成です。あとはコアと特異点だけ、というところまできました。」

「ならいい。……それともう一つ。リンドウの始末に失敗したようだが……なにか問題が起きているということはないのだろうな?」

 

自分の名前が出て思わず苦笑する。いくらなんでもここにいるとは考えないだろう。

 

「リンドウの行方は現在も捜索中です。見つけたらすぐにアリサを行かせます。」

「使えるのか?」

「洗脳はそう簡単には解けませんから。」

 

……なるほど。あん時のはこいつの仕業か……

 

「……次はしくじるな。」

「もちろんです。」

 

その言葉を最後に別れた二人はそれぞれ別の方向へと向かった。……よくまあこんな場所で……ま、支部長の部屋は本部に監視されてるから妥当なのかねえ。

 

「ノヴァか……」

 

さっきの会話で出てきた言葉。終末捕食のトリガーの名前だったっけか……支部長たちが言ってるのが何のことかよくわかんないんだよなあ……やっぱ中心部か?

 

「……行ってみっか。」

 

本部にもさっさと伝えないとどうしようもない。とりあえず偏食因子の投与が済んだら中心部まで行くとしよう。

そのノヴァとか言う物が、今回の現況ともなるのを知るのはもう少しあとのことになる。




原作無視。…ここまでやっていいのかどうかはおいておこうと勝手に決めたりする。

私事ですが、今日は共闘学園の文化祭に行って来ました。なんとGE2ブースが一番でかいという…すばらしい。
今回はマルドゥークとコンゴウ堕天二体の同時討伐。そしてデミウルゴスと寒冷地適応型ザイゴート三体の同時討伐という若干初心者向けとは言い難くなっているミッションをやらせていただきました。
まあマルドゥークが弱いのはおいておいて(いやほんとガルムに毛が生えた程度っていう)、コンゴウ堕天は強くなってましたねえ。速度は上がってるしパワーも跳ね上がってるし。グボたんと同じくらいの超強化がされてました。
ザイゴートはまあいつも通りけったるい風船。
が、デミウルゴスの硬さがチートですね。のんびり動くのは良いんですが、一発一発がやっぱり痛いです。前足が露出するのも意外と短時間なので、破砕系で足を崩すか、ショートとかでこつこつ露出部を狙うのが基本戦術になりそうです。銃で狙うのも良さそうですね。
それと、どうやら「アバドン」というシステムが追加されているようです。発動条件、その内容共に不明ですが、レア報酬率が上がってくれる類のものみたいです。大吉効果付加って感じなんですかね?
BAもいろいろ公開されたんですが、ショートとバスター、それにスピアに関しては特筆する点は全くありません。それぞれ△ボタン攻撃、空中△攻撃、CC系統でした。全部その攻撃が強化されるのに留まるものが公開されただけでしたね。
特筆するならまずハンマーです。ブースト非使用時の攻撃でスタミナが回復するっていうブースター好きにはたまらないBAがあるみたいです。上手く使えば、半永久的にブースト攻撃ができるかもしれません。
それにロングが…ロングがちょっとチート過ぎやしないかいって感想がありましてですね…
いやあ、おそらくはゼロスタンス系からの派生だと思うんですが…□ボタン攻撃の斬撃が飛ぶんですよ。文字通り。射程はバレットの極短い弾丸くらいですが、近接武器でそれはないよって感じでした。
…私はショートばっかりなのでどちらも使いませんでしたが…

こんなところでレポートは終わりにします。何にしてもいろいろと公開されていて楽しい限りでした。マルドゥフルボッコが特に。
あ、もし会場にいた、とか、ニコ生とかで見ていた、って人がいたら分かるかもしれないんですが、このSS作者は二回目のクイズ大会で鞄貰いました。四問正解は楽しかったなあ。
それではまた次回。

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