GOD EATER The another story.   作:笠間葉月

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お久しぶりでございます。
今回は番外編。時系列としてはジャヴァウォックの出現前となります。
…いい加減神楽の弱点でも書いておいたほうが良いかなあ…という…


Other side's story. No.2

 

弱点?

 

アリスを追いながら欧州を転々……とする中、たまたま本部を拠点とすることになった。

本部、と言うだけあって、ここには各地の支部の最新の情報が届いている。当然その中には極東支部の情報もあるわけだ。

 

「皆さん。極東の情報、持ってきましたよ。」

 

彼は真壁テルオミ。神楽達がグラスゴー支部で会ったというハルオミの弟だそうだが……そのハルオミっからして私は知らないわけで。何かものすごく似てるらしいけど……

 

「……またずいぶんと……」

 

とにかくそのテルが持ってきた資料……まず驚いたのはその量。一年ぶりに仕入れた情報とはいえ、これほどとは思ってもいなかった。

サテライト拠点、感応種、赤い雨……大きなものはこんなものだけど、その他の小さな部分まで考えたらかなりの数だ。特に新型アラガミはずいぶん確認されているらしい。……さすが激戦区……あなどれないなあ……

 

「……うっ……」

 

その新型の情報を見ながら呻く神機使いが一名。神楽である。

 

「何?」

「これ……」

 

彼女が示したのはドレッドパイクと呼ばれる新型アラガミのレポート。角を持った甲殻類のようなアラガミで、戦闘力はかなり低いとのこと。

……その程度のアラガミに対して彼女が懸念する理由は……

 

「……角のある虫みたいだな。」

 

……あった。

 

「何だ?何かあったのか?」

「おう。姉上。いやもうけっこう面白いことが……」

「リンドウさん!ネタにしないでくださいってば!」

 

角のある虫型……それがすでに、神楽には地雷だった。

 

「もうかなり前だよな?」

「神楽がソーマと結婚してすぐの頃だったし……三年前じゃない?」

 

……そういえばあの時はかなり笑ったなあ……

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ある日のアナグラベテラン区画。

何人かが集まってちょっとした座談会が開かれていた。まあ自販機の前のソファーに座ってわいわいしながら、比較的弱めの新型アラガミであるヤクシャ対応策を練る、っていうラフなものだけど。

私とソーマとタツミとヒバリ。まあ、メンバーからしてあまり会議に向かないメンツだ。ソーマは一人黙々とその新型のデータを読みつつ会話に入る程度だし、タツミとヒバリは今度のデートはどこに行くかの相談を始めようとすらしている。

 

「きゃあああああ!」

 

そんなとき、アナグラの外にまで聞こえそうな悲鳴が響いた。……が、その声の主が分からない……というより、声には聞き覚えがあるものの……はっきり言ってさっきの悲鳴を上げるような人物とは思われなかったのだ。

その四人の中で、ソーマだけがさらっと……

 

「……ったく……」

 

彼の声に続くかのように奥の扉が……神楽の部屋の扉が開かれ、涙目の第一部隊隊長殿がすっ飛んできた。

……当然、ソーマの背中にに張り付いて喚くわけだ。

 

「虫!虫ぃ!」

 

……

 

「「「……え?」」」

「だから虫っ!」

「……はあ……」

 

ぶんぶんと自分の部屋を指さしつつ腕を上下に……って、たかが虫で叫ぶような玉じゃあないはず……

 

「何だあ?」

 

頭を掻きつつ神楽の部屋へ入ったタツミ。間もなく出て来た彼が持っていたのは……

 

「珍しいなあ……カブトムシだぞこれ。」

 

長短一本ずつの角を持った分厚くて黒い虫。紛れもなくカブトムシだ。

アラガミの出現以降外で見ることはほとんどなくなったが、今でも一応絶滅はしていない。

……でもって、普通は騒がれない虫である。

 

「どっかやって!外!外っ!」

 

……普通は、騒がれない。

 

「お、おう……」

 

エレベーターのボタンを押したタツミ。仲良くにその横に付いたヒバリとこそこそ話しているのを見る限り……うん。察しようか。

到着したエレベーターにコウタとすれ違いで乗り込みつつくすくす笑い続けている……のも察しよう。

で、降りてきたコウタはといえば……

 

「おっす。……て、どしたの?」

 

……腕にカマキリを止まらせていた。

 

「コウタ……それ隠した方が……」

 

嫌な予感しかせず、彼にカマキリを隠すよう伝えたものの……それより神楽の方が早く気付いて……

 

「あ、カマキリ……どこにいたの?」

 

あろうことか彼の腕から手に乗り移らせ、威嚇する姿を見て笑い始めた。

 

「……分からない……」

「えっと……ど、どしたの?」

 

この日、私は神楽の謎の生態を発見したのだった。

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「で、後でソーマに聞いたところ……昔寝起きにカブトムシの角が耳に入ったことがトラウマになっていたとか何とか……」

「言わないで!ほんとにトラウマだから!」

「……意外な弱点だな。」

 

しかもカブトムシはアウトでクワガタは大丈夫と言う……角のある虫、がトラウマなのが良く分かる例だ。

 

「俺は後でタツミから聞いたんだが……アナグラの全員が知ってるんじゃないか?」

「……たぶん。」

「ひっ、広めたの!?」

「そりゃまあ……ねえ。」

 

世界最強の神機使いに勝つためにはカブトムシの一匹があればいいなんて……こんな面白い話はない。ネタにするなと言う方が無理な話だ。

 

「つーより……コウタが広めてたよな?」

「と思うよ?いつの間にかみんな知ってたし。」

 

とは言え……二日後には誰もが知っていたみたいだし、コウタからネズミ算式に広まったのだろう。

 

「あの……そのドレッドパイクなんですが……」

「どうかしたのか?」

 

テルがどこか言いにくそうに切り出した。……予想はつくけど。

 

「あまりの弱さに新人教練の際の討伐対象アラガミにしようという動きがありまして……」

「で、でもまだ極東にしかいないんだよね!?ね!?」

 

神楽が慌てて聞く。何が何でも出会いたくないのだろう。しかも彼女は各地で新人教練を任される身……心中お察しする、とでも言ったところだ。

ただ……

 

「……小型って増えやすいんだよねえ……」

「はい。その例に漏れず、極東から全世界へと爆発的に増加中です。昨日はヒマラヤ西端で確認された、と。」

 

目が虚ろな神楽。……彼女の“角のある虫嫌い”の克服は急務になるようだ。




さて、私事になりますが、21日のTGS2014に行って参りました。目的は当然GE2RBの試遊rom。
十五分の時間制限の中、新要素であるブラッドレイジの練習用であるガルム単体討伐ミッション、新骨格パッケージアラガミであるクロムガウェインとの戦闘ミッション、新武器ヴァリアントサイズでのクロムガウェイン討伐を試して参りました。

では、まずはクロムガウェインから。
ものとしてはカリギュラとガルムを足して二で割り、そこに若干世界を拓く者を混ぜ込んだ感じでしょうか。
背中に付いた腕から刃を出しての攻撃や、回転しつつ飛び跳ねるなどの範囲攻撃などが印象的でした。刃はそこまで長くありませんから、けっこう楽に避けられますね。試遊romということもあってか、攻撃はゆるかったように思います。今のままなら突進以外は気を付ける必要がなさそうです。

次にブラッドレイジです。
画面左にゲージが追加。攻撃するとそのゲージが上昇し、四段階まで溜められるようです。
一段階まで溜まれば、そのゲージの更に左にあるトリガーと呼ばれる部分を下にスワイプ出来るようになり、操作が完了すると画面中央に文字がでかでかと表示されます。これかなり邪魔でした。
その文字が消えると、今度は画面右からアラガミの選択を要求するような表示が。それを左にスワイプすると、また画面中央に文字がでかでかと(ry
またまたそれが消えると、ブラッドレイジ開放のための追加条件を指定するように促されます。選び方は、上と同じ操作の後、右下に表示される決定ボタンを押すというもの。
そこまで終了すると、三秒のカウントダウンが始まります。ゼロになると同時にブラッドレイジ開放のための時間が始まり、アラガミ固有の与ダメージ要求値に加え、先に選択した条件の達成が求められます。
それらを全て達成して初めてブラッドレイジが発動。発動中はスタミナが減らず、アラガミの攻撃のほとんどを無効化。攻撃力の劇的な増加に加え、ある程度の肉質無視が入っているようにも感じました。
何と言うか…いろんなところで改善の余地があるシステムですね。

最後にヴァリアントサイズ。
新キャラのリヴィも使うこの刀身ですが、これまで以上に癖のあるものとなりそうです。
□攻撃はショートとロングの間ほどの速度での四連撃。△攻撃は少しリーチが伸びての前方薙ぎ払いが主体。こちらはバスターより少し速いくらいでした。
そして、Rと□を押したあとの攻撃は、元のそれから全て変化します。
まずリーチが尋常ではありませんでした。だいたいCCの1.5倍ですかね。
そのまま□ボタンを押すと、スタミナを消費しつつ無制限に回転攻撃。△ボタンを押せば真上からの振り下ろしとなります。振ったあとに少し硬直があるようです。
速度はバスターの7割ほど。かなり遅くなりますが、その分威力は高そうです。
あ、ちなみにジャンプ攻撃はあまり使い勝手が良くないですね。正直バスターより扱いづらい点があるように思いました。私がショート使いだからかもしれませんが…

以上でTGSレポートとします。PVを見る限りではこの冬発売のようですし、期待が高まりますね。
それでは、また次回お会いしましょう。

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