転生者の魔都『海鳴市』   作:咲夜泪

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17/蘇るトラウマ、全盛期『征竜』! vs豊海柚葉(2)

 

 

 

『――『デュエル』!』

 

 ……さて、これで通算何度目になるだろうか。割りと真面目に数え切れないぐらい柚葉と『決闘』している。

 今の処はまだ負けていないが、一つ前の『決闘』で柚葉は勝利を捨ててまで自身のデッキで出来る事の把握に専念していた。

 そして今回――『決闘者』としての勘が猛烈に危険信号を告げている。柚葉の顔に漲る自信に、邪悪な笑顔に見惚れる。

 確信する、相手はもうデッキに振り回されるだけの素人ではないと……!

 

「――私の先行ッ! 魔法カード『七星の宝刀』を発動! 『七星の宝刀』は1ターンに1度、手札または自分フィールドの表側表示モンスターの中からレベル7モンスター1体を除外し、デッキから2枚ドローする! 除外した《焔征竜-ブラスター》の効果発動、このカードが除外された場合、デッキからドラゴン族・炎属性モンスター1体を手札に加える事が出来る。私はドラゴン族・炎属性モンスターの《炎征竜-バーナー》を手札に加える。《焔征竜-ブラスター》の効果は1ターンに1度しか使用出来ない!」

 

 豊海柚葉

 LP8000

 手札5→4→3→5→6

  無し

 魔法・罠カード

  無し

 

 ……っ、除外するカードが『征竜』に限れば、手札交換どころかサーチ効果によって1枚のハンド・アドバンテージを獲得出来るドローエンジン!

 

「更に魔法カード『封印の黄金櫃』の効果発動! デッキからカードを1枚選んでゲームから除外し、発動後2回目の自分のスタンバイフェイズ時にこの効果で除外したカードを手札に加える。私が除外するカードは《瀑征竜-タイダル》、除外された事で効果発動! デッキからドラゴン族・水属性モンスターを1枚手札に加える。私は《幻水龍》を手札に加える!」

 

 うわ、デッキから『征竜』を除外して即座にサーチ効果を発動させる『封印の黄金櫃』……!

 しかも、それから『子征竜』ではなく《幻水龍》をサーチという事は、ランク8エクシーズモンスターを立てる気か……!?

 

「手札から《炎征竜-バーナー》の効果発動、ドラゴン族または炎属性のモンスター1体とこのカードを手札から捨てる事でデッキから《焔征竜-ブラスター》1体を特殊召喚する! この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン攻撃出来ない。私は《嵐征竜-テンペスト》を墓地に」

 

 豊海柚葉

 LP8000

 手札6→5→6→4

 《焔征竜-ブラスター》星7/炎属性/ドラゴン族/攻2800/守1800

 魔法・罠カード

  無し

 

「更に手札から《巌征竜-レドックス》の効果発動! このカードと地属性モンスター1枚を手札から墓地に捨てる事で、自分の墓地のモンスター1体を特殊召喚する。私は《幻木龍》を墓地に捨てて《幻木龍》を特殊召喚する!」

 

 んな、《幻木龍》を捨てて《幻木龍》を特殊召喚だと!? 教えてないプレイングを次々と……!

 あ、これはやばい。通常召喚権を温存したまま《幻木龍》を立てるだと。1ターン目から数多の『決闘者』を絶望においやったあの布陣が来る……!?

 

 豊海柚葉

 LP8000

 手札4→2

 《焔征竜-ブラスター》星7/炎属性/ドラゴン族/攻2800/守1800

 《幻木龍》星4/地属性/ドラゴン族/攻100/守1400

 魔法・罠カード

  無し

 

「自分フィールド上に地属性モンスターが存在する場合、《幻水龍》は手札から特殊召喚出来る! この方法による《幻水龍》の特殊召喚は1ターンに1度しか出来ない」

 

 豊海柚葉

 LP8000

 手札2→1

 《焔征竜-ブラスター》星7/炎属性/ドラゴン族/攻2800/守1800

 《幻木龍》星4/地属性/ドラゴン族/攻100/守1400

 《幻水龍》星8/水属性/ドラゴン族/攻1000/守2000

 魔法・罠カード

  無し

 

「《幻木龍》の効果発動! 1ターンに1度、自分フィールド上のドラゴン族・水属性モンスター1体を選択し、そのカードと同じレベルになる! 私はレベル8の《幻水龍》を選択!」

「これでレベル8のモンスターが2体……!」

 

 当然、これで出てくるのは『親征竜』全て制限になって死に絶えたと思った時代に宇宙の果てから現れた大いなる闇の力ッ!

 

「私はレベル8となった《幻木龍》と《幻水龍》でオーバーレイ! エクシーズ召喚! ランク8《No.107 銀河眼の時空竜》! 更にエクシーズ・チェンジ! ランク8《ギャラクシーアイズ FA・フォトン・ドラゴン》! 更にランクアップ・エクシーズチェンジ! ランク9《No.95 ギャラクシーアイズ・ダークマター・ドラゴン》!」

 

 そのエクシーズモンスターは余りにも異形のドラゴンだった。

 胴体が流体として蠢いている、これまでの正統派のドラゴンだった『ギャラクシーアイズ』系列からかけ離れた異端過ぎるフォルムは、全ての能力を攻撃に特化させたが故の弊害か――。

 

「このカードは自分フィールドの『ギャラクシーアイズ』エクシーズモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚する事も出来る! このカードはエクシーズ召喚の素材に出来ない」

 

 これを見るのは本日2度目、1回目は『代行者』との『決闘』の時だ。その時との最大の違いは――。

 

「このカードがエクシーズ召喚に成功した時、自分のデッキからドラゴン族モンスター3種類を1体ずつ墓地へ送って効果発動、相手はデッキからモンスター3体を除外する! 私は《エクリプス・ワイバーン》《伝説の白石》、そして2枚目の《瀑征竜-タイダル》を墓地に送る」

「『代行者』の時はデッキに3種類もドラゴン族モンスターがいなかったから、その効果は発動出来なかったが……! ぐっ、オレは《相克の魔術師》《法眼の魔術師》《EMシルバー・クロウ》の3枚を除外する……!」

 

 きっつぅ……3枚も任意のドラゴン族モンスターが墓地に行ってしまう上に、こっちは3枚除外。除外するカードをオレ自身が選べるが、痛すぎる……!

 この『デッキ』はペンデュラム召喚主軸のデッキ、ペンデュラムモンスターはフィールドから離れた時、墓地に行かずにエクストラデッキに行くが故に、このデッキは前のデッキと比べて墓地利用するカードに乏しく、除外されたカードに至っては活用方法が皆無なのである……!

 

「墓地に落ちた《エクリプス・ワイバーン》《伝説の白石》の効果発動! 《伝説の白石》が墓地に送られた時、デッキから《青眼の白龍》を手札に加える。《エクリプス・ワイバーン》が墓地に送られた場合、デッキから光属性または闇属性のドラゴン族・レベル7以上のモンスター1体を除外する。その後、墓地の《エクリプス・ワイバーン》が除外された場合、このカードの効果で除外したモンスターを手札に加える事が出来る。私はデッキからレベル8のドラゴン族・光属性モンスター《光と闇の竜》を除外する!」

 

 ……ああ、やっぱりそっちが来るか……!

 

 豊海柚葉

 LP8000

 手札1→2

 《焔征竜-ブラスター》星7/炎属性/ドラゴン族/攻2800/守1800

 《No.95 ギャラクシーアイズ・ダークマター・ドラゴン》ランク9/闇属性/ドラゴン族/攻4000/守0 ORU4

 魔法・罠カード

  無し

 

「墓地の《嵐征竜-テンペスト》の効果発動! 墓地のドラゴン族モンスター《エクリプス・ワイバーン》《伝説の白石》を除外し、このカードを特殊召喚する!」

 

 そしてあっさりと《エクリプス・ワイバーン》が『征竜』の効果で除外されてしまい――除外したカードがあっさりと柚葉の手に……!

 

「《エクリプス・ワイバーン》が除外された事で、このカードの効果で除外した《光と闇の竜》を手札に加える!」

 

 豊海柚葉

 LP8000

 手札2→3

 《焔征竜-ブラスター》星7/炎属性/ドラゴン族/攻2800/守1800

 《No.95 ギャラクシーアイズ・ダークマター・ドラゴン》ランク9/闇属性/ドラゴン族/攻4000/守0 ORU4

 《嵐征竜-テンペスト》星7/風属性/ドラゴン族/攻2400/守2200

 魔法・罠カード

  無し

 

「レベル7の《焔征竜-ブラスター》と《嵐征竜-テンペスト》でオーバーレイ! エクシーズ召喚! ランク7《幻獣機ドラゴサック》!」

 

 現れるは『征竜』に魂を売った――思いっきり風評被害だが――『幻征竜』……! ああ、見慣れた悪夢がまた此処に……!

 

「《幻獣機ドラゴサック》の効果発動! 1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、自分フィールド上に『幻獣機トークン』(機械族・風・星3・攻/守0)2体を特殊召喚する!」

 

 ちなみにこの『幻征竜』は自分フィールドにトークンが存在する限り戦闘及びカードの効果では破壊されないという強固な耐性を得る。

 『征竜』のお供で初手で出てくる《幻獣機ドラゴサック》はトークン2体を破壊した後じゃなければ破壊出来ない。この1体だけで強固な壁なのである。

 そして、今回に至っては……!

 

 

「速攻魔法『超再生能力』発動、そして私は『幻獣機トークン』2体をリリースし、手札から《光と闇の竜》をアドバンス召喚する!」

 

 

 豊海柚葉

 LP8000

 手札3→2→1

 《No.95 ギャラクシーアイズ・ダークマター・ドラゴン》ランク9/闇属性/ドラゴン族/攻4000/守0 ORU4

 《幻獣機ドラゴサック》ランク7/風属性/機械族/攻2600/守2200

 《光と闇の竜》星8/光属性/ドラゴン族/攻2800/守2400

 魔法・罠カード

  無し

 

 うわぁ、『超再生能力』最初から握ってやがったのかよ……!

 そして現れるは半身が純白で、半身が漆黒の、神々しいまでに邪悪なドラゴン――!

 ぐぬぬ、もう二度と見たくない布陣がまた眼下に再現されやがった……!

 

「私はこれでターンエンド――エンドフェイズ時、『超再生能力』の効果でこのターン、自分が手札から捨てたドラゴン族モンスター及び手札・フィールド上からリリースしたドラゴン族モンスターの枚数分だけデッキからドローする。手札から捨てたドラゴン族モンスターの数は4枚、よって4枚ドロー!」

 

 既に発動している効果に対しては《光と闇の竜》の効果は発動しない……!

 

 豊海柚葉

 LP8000

 手札2→1→5

 《No.95 ギャラクシーアイズ・ダークマター・ドラゴン》ランク9/闇属性/ドラゴン族/攻4000/守0 ORU4

 《幻獣機ドラゴサック》ランク7/風属性/機械族/攻2600/守2200

 《光と闇の竜》星8/光属性/ドラゴン族/攻2800/守2400

 魔法・罠カード

  無し

 

 あ、あ、あっ。これは完全にあかんパターンだ……!

 

「ぐっ、自力で『サック・ライダー』に辿り着いたのか……!?」

「ふっふっふ、突破出来るものならしてみなさいっ!」

 

 《光と闇の竜》、その効果は効果モンスターの効果・魔法・罠カードの発動を無効にし、無効にする度に攻撃力・守備力を500ポイントダウンするという強制効果。

 《光と闇の竜》の攻撃力は2800・守備力は2400なので、最高4回まで無効に出来る。それ以降は守備力を500ポイント下げれないので無効に出来なくなる。

 

 ――無効にされた分だけ此方のアドバンテージが削られて不利になるのは、もはや言うまでもあるまい。

 それが最強最悪の『征竜』相手ではカバーの出来ない致命傷となろうし、速攻魔法『超再生能力』で5枚まで手札を戻した今は尚更だ。

 

 

「オレのターン、ドロー!」

 

 

 秋瀬直也

 LP8000

 手札5→6

  無し

 魔法・罠カード

  無し

 

 《光と闇の竜》の無効効果は『発動を無効にする』であり、破壊ではない。……まぁ魔法と罠の発動を無効化されたら結果的に墓地に行くので、先行1ターン目にそれをやられてはペンデュラムゾーンにセットしても即座に破壊されて墓地に行ってしまうので、ペンデュラムにとってはナチュラルに天敵だ。

 1ターン中に回数制限のない起動効果を持っているモンスターがあるなら、瞬く間に攻撃力と守備力を限界まで下げれる。例えば《レベル・スティーラー》や《ライトロード・マジシャン ライラ》などが該当し――そのどれもオレの『デッキ』には入っていない……!

 だが、発動に対して強制的に効果発動する事こそ《光と闇の竜》の最大の弱点でもある。過去の遺物よ、時代の違いを思い知れェ!

 

「オレは《EMドグロバット・ジョーカー》を通常召喚し、効果発動! この瞬間、《光と闇の竜》の強制効果が発動して無効にされるのだが――手札から《幽鬼うさぎ》の効果発動! フィールドのモンスターの効果が発動した時、またはフィールドの既に表側表示で存在している魔法・罠カードの効果が発動した時、自分の手札・フィールドのこのカードを墓地に送る事でフィールドのそのカードを破壊する!」

 

 ……ふぅ、《幽鬼うさぎ》が手札にあったお陰でこれ1枚で処理出来たぜ。

 

 和服で白髮ツインテールのロリ幼女は無感情に幽霊の如く忍び寄り、持ってる鎌で一閃し、効果を発動しようとしていた《光と闇の竜》を無造作に破壊する。

 

「え? その《幽鬼うさぎ》にも《光と闇の竜》の無効効果発動しないの?」

「テキストには書いてないが、同一チェーン中では複数回発動しないんだよ。自身の効果にチェーンする事による無限ループを防止する為の措置で――ちなみに効果処理時に既に破壊された《光と闇の竜》は場にいないから《EMドグロバット・ジョーカー》の効果は無効化されない。さぁ破壊された時の強制効果を処理するんだ!」

「このテキストでそれを読み取れって無理難題過ぎない?」

 

 KONMAI語だから致し方無し!

 とは言え、《光と闇の竜》が破壊されて墓地に送られた時の効果も、こっちにとって愉快なものじゃないんだけどなぁ。特に『征竜』にとってはプラスにしかならない。

 

「このカードが破壊されて墓地に送られた時、自分の墓地に存在するモンスター1体を選択し、自分フィールド上のカードを全て破壊してから選択したモンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する。私は墓地の《巌征竜-レドックス》を選択し、フィールドが全壊してから守備表示で特殊召喚する」

 

 豊海柚葉

 LP8000

 手札5

 《巌征竜-レドックス》星7/地属性/ドラゴン族/攻1600/守3000

 魔法・罠カード

  無し

 

 破壊された《光と闇の竜》の効果で自分フィールドが全破壊されて焼け野原となり、《巌征竜-レドックス》だけになるが――これ、墓地に《炎征竜-バーナー》《瀑征竜-タイダル》《焔征竜-ブラスター》《嵐征竜-テンペスト》《No.95 ギャラクシーアイズ・ダークマター・ドラゴン》《ギャラクシーアイズ FA・フォトン・ドラゴン》《No.107 銀河眼の時空竜》《幻木龍》《幻水龍》《光と闇の竜》と、3種類の『親征竜』に他のドラゴン族モンスターが7体、更には風属性の《幻獣機ドラゴサック》が落ちて墓地が肥えただけである。

 言うまでもないが、次のターンを跨げばまた『親征竜』の効果は使用可能になるので、平然と墓地から復活してくる。

 

 ……次のターン回したら絶対死ぬな、これ。

 

「……っ、オレは《EMドクロバット・ジョーカー》の効果発動、デッキから《EMモンキーボード》を手札に加え、ペンデュラムゾーンにセッティング! 《EMモンキーボード》のペンデュラム効果でデッキから《EMペンデュラム・マジシャン》を手札に加える!」

 

 秋瀬直也

 LP8000

 手札6→5→4→5→4→5

 《EMドクロバット・ジョーカー》星4/闇属性/魔法使い族/攻1800/守100

 魔法・罠カード

  無し

 ペンデュラムゾーン

 《EMモンキーボード》1→4

 

「むぅっ、それサーチ連打でずるい~! インチキだぁ~!」

「除外してサーチ連打するインチキ『征竜』使ってるヤツが言う事かよ!?」

 

 全くもって心外である。サーチ出来る範囲はドラゴン族限定だが、そっちの方が広いだろうに……!

 

「オレは《ペンデュラム・マジシャン》をペンデュラムゾーンにセッティング!」

「……あれ? それじゃスケール1と2で……むむ?」

「ああ、間の数字なんてないから、何も出せないぞ――だからこうだ、速攻魔法『揺れる眼差し』を発動! お互いのペンデュラムゾーンのカードを全て破壊し、その後、破壊したカードの枚数によって以下の効果を適応する。1枚以上だと相手に500ダメージを与える、2枚以上だとデッキからペンデュラムモンスター1体を手札に加える事が出来る。オレは《慧眼の魔術師》の手札に加える」

「あいたっ!? ……むぅ、何でカードゲームなのにダメージ食らったら痛いのよ!?」

 

 だって『遊戯王』だし、ダメージ食らったら痛いのは当然だよな、うん。

 

 豊海柚葉

 LP8000→7500

 

 秋瀬直也

 LP8000

 手札5→4→3→4

 《EMドクロバット・ジョーカー》星4/闇属性/魔法使い族/攻1800/守100

 魔法・罠カード

  無し

 ペンデュラムゾーン

  無し

 

「ペンデュラムゾーンに《竜穴の魔術師》と《慧眼の魔術師》をセッティングして《慧眼の魔術師》のペンデュラム効果発動! もう片方の自分のペンデュラムゾーンに『魔術師』カードまたは『EM』カードが存在する場合、このカードを破壊し、デッキから《慧眼の魔術師》以外の『魔術師』ペンデュラムモンスター1体を自分のペンデュラムゾーンに置く。オレはデッキから《賤竜の魔術師》をセッティング!」

 

 秋瀬直也

 LP8000

 手札4→2

 《EMドクロバット・ジョーカー》星4/闇属性/魔法使い族/攻1800/守100

 魔法・罠カード

  無し

 ペンデュラムゾーン

 《竜穴の魔術師》スケール8

 《賤竜の魔術師》スケール2

 

「――これでレベル3~7のモンスターが同時に召喚可能! ペンデュラム召喚! エクストラデッキからレベル6《EMモンキーボード》レベル4《EMペンデュラム・マジシャン》レベル4《慧眼の魔術師》、そして手札からレベル6《マジェスペクター・ユニコーン》!」

 

 秋瀬直也

 LP8000

 手札2→1

 《EMドクロバット・ジョーカー》星4/闇属性/魔法使い族/攻1800/守100

 《EMモンキーボード》星6/地属性/獣族/攻1000/守2400

 《EMペンデュラム・マジシャン》星4/地属性/魔法使い族/攻1500/守800

 《慧眼の魔術師》星4/光属性/魔法使い族/攻1500/守1500

 《マジェスペクター・ユニコーン》星6/風属性/魔法使い族/攻2000/守2000

 魔法・罠カード

  無し

 ペンデュラムゾーン

 《竜穴の魔術師》スケール8

 《賤竜の魔術師》スケール2

 

 いつものメンツに混じって、一人だけ違うカテゴリーの、先端の一本角に風を纏う麒麟みたいな四足モンスター《マジェスペクター・ユニコーン》が暴風を撒き散らしてペンデュラム召喚される。

 このターンでどうやっても仕留めれないので、今特殊召喚した全てのモンスターを守備表示に、と。通常召喚した《EMドクロバット・ジョーカー》だけは攻撃表示だが、これは問題無い。

 

「《EMペンデュラム・マジシャン》の効果発動、《EMペンデュラム・マジシャン》のモンスター効果は1ターンに1度、このカードが特殊召喚に成功した場合、自分フィールドのカードを2枚まで選択して破壊し、破壊した数だけデッキから《EMペンデュラム・マジシャン》以外の『EM』モンスターを手札に加える。この効果で手札に加えれる同名は1枚までだ」

 

 使ってるオレもあれだが、これ、本当に頭おかしい効果だよな。……あ、『魔術師』に《Emヒグルミ》に使われて制圧された最新のトラウマががが――!

 

「オレはペンデュラムゾーンの《竜穴の魔術師》《賤竜の魔術師》を破壊し、デッキから《EMドクロバット・ジョーカー》《EMモンキーボード》を手札に加える!」

 

 ペンデュラム主軸のデッキにとって、ペンデュラムゾーンにセットしたカードがある限り、ターンを跨げば幾らでもペンデュラム召喚が可能――逆を言えば、これを壊されてしまうと機能停止して動けなくなる。

 相手に壊されるぐらいなら自分から壊して次に備えよう。

 ……まぁ速攻魔法の『サイクロン』があるとそれが仇になるかもしれないが、それはそれ、出された時に考えよう。

 これで次のターンもペンデュラム召喚がほぼ確実に可能となり、更にはレベル6のモンスターも2体用意出来る。逆転への布石は打った。……次のオレのターン、あればいいなぁ。

 

 秋瀬直也

 LP8000

 手札1→3

 《EMドクロバット・ジョーカー》星4/闇属性/魔法使い族/攻1800/守100

 《EMモンキーボード》星6/地属性/獣族/攻1000/守2400

 《EMペンデュラム・マジシャン》星4/地属性/魔法使い族/攻1500/守800

 《慧眼の魔術師》星4/光属性/魔法使い族/攻1500/守1500

 《マジェスペクター・ユニコーン》星6/風属性/魔法使い族/攻2000/守2000

 魔法・罠カード

  無し

 ペンデュラムゾーン

  無し

 

 ……うーむ、だが、あの『征竜』の猛攻に耐えれるか心配だ。此処で出し惜しみして殺されるのは本末転倒だし、少し勿体無いが――。

 

「更にレベル4の《EMペンデュラム・マジシャン》と《慧眼の魔術師》でオーバーレイ! エクシーズ召喚! ランク4《フレシアの蟲惑魔》!」

 

 貴様等『征竜』が禁止入りになって環境から消えた後に弾けたランク4エクシーズの脅威を喰らえェ!

 

 秋瀬直也

 LP8000

 手札3

 《EMドクロバット・ジョーカー》星4/闇属性/魔法使い族/攻1800/守100

 《EMモンキーボード》星6/地属性/獣族/攻1000/守2400

 《マジェスペクター・ユニコーン》星6/風属性/魔法使い族/攻2000/守2000

 《フレシアの蟲惑魔》ランク4/地属性/植物族/攻300/守2500 ORU2

 魔法・罠カード

  無し

 ペンデュラムゾーン

  無し

 

 よし、これで相手ターン中に妨害2回出来る……って、うわっと!? 《フレシアの蟲惑魔》達?――本体は真ん中の際どい衣装のピンク髪の幼女だよな?――が一斉に擦り寄ってきた? 一体何事……? 近いよ、アンタ等。というかどういう原理で自律行動してんの?

 ……何かドイツもコイツも外見は可愛いけどさ、基本的に皆の眼が死んでいて、肉食系の捕食者的な笑顔に寒気を覚えるんだよなぁ。

 

 

「――ねぇ、直也君。それは何の茶番なのかしら? 《幽鬼うさぎ》といい《貴竜の魔術師》といい、そういう小さくて可愛い女の子のカードが趣味なの?」

 

 

 まぁ眼の前にもっと怖い生き物がいるんだけどな! それにしても酷い言い掛かりである。

 

「知らん、そんな事はオレの管轄外だ! 『決闘者』たる者、効果が良ければ《増殖するG》だって平然と使う人種だ! そういう文句はこのソリッドビジョンを開発した海馬社長に言ってくれ! オレはこれでターンエンド」

「相手エンドフェイズ時、特殊召喚された《巌征竜-レドックス》は自身の効果で私の手札に戻る」

 

 豊海柚葉

 LP8000→7500

 手札5→6

  無し

 魔法・罠カード

  無し

 

 ……さて、どう出てくる? 果たして狂乱の第九期のテーマは、史上最悪と名高い『征竜』に打ち勝てるのか――!

 

 

 

 




 本日の禁止カード

 《巌征竜-レドックス》
 効果モンスター(禁止カード)
 星7/地属性/ドラゴン族/攻1600/守3000
 自分の手札・墓地からこのカード以外のドラゴン族
 または地属性のモンスターを合計2体除外して発動できる。
 このカードを手札・墓地から特殊召喚する。
 特殊召喚したこのカードは相手のエンドフェイズ時に持ち主の手札に戻る。
 また、このカードと地属性モンスター1体を手札から墓地へ捨てる事で、
 自分の墓地のモンスター1体を選択して特殊召喚する。
 このカードが除外された場合、
 デッキからドラゴン族・地属性モンスター1体を手札に加える事ができる。
 「巌征竜-レドックス」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

 《瀑征竜-タイダル》
 効果モンスター(禁止カード)
 星7/水属性/ドラゴン族/攻2600/守2000
 自分の手札・墓地からこのカード以外のドラゴン族
 または水属性のモンスターを合計2体除外して発動できる。
 このカードを手札・墓地から特殊召喚する。
 特殊召喚したこのカードは相手のエンドフェイズ時に持ち主の手札に戻る。
 また、このカードと水属性モンスター1体を手札から墓地へ捨てる事で、
 デッキからモンスター1体を墓地へ送る。
 このカードが除外された場合、
 デッキからドラゴン族・水属性モンスター1体を手札に加える事ができる。
 「瀑征竜-タイダル」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

 《嵐征竜-テンペスト》
 効果モンスター(禁止カード)
 星7/風属性/ドラゴン族/攻2400/守2200
 自分の手札・墓地からこのカード以外のドラゴン族
 または風属性のモンスターを合計2体除外して発動できる。
 このカードを手札・墓地から特殊召喚する。
 特殊召喚したこのカードは相手のエンドフェイズ時に持ち主の手札に戻る。
 また、このカードと風属性モンスター1体を手札から墓地へ捨てる事で、
 デッキからドラゴン族モンスター1体を手札に加える。
 このカードが除外された場合、
 デッキからドラゴン族・風属性モンスター1体を手札に加える事ができる。
 「嵐征竜-テンペスト」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

 説明? もはやいらんっしょ。ちなみに柚葉は全征竜3積みです。
 それだけで禁止カード12枚という最多賞、というか『親征竜』入りの『子征竜』とか最速記録の禁止カードですから、彼女のデッキには最低でも24枚の禁止カードが入ってる事に。どっかの『隠しボス』と同レベルの禁止カード混入具合ですね。

 あっちの人?が十二次元の闇(笑)相手に使った時は1ターンキルしかしてなかったですが、『征竜』の本当に恐ろしいのは簡単に1キル出来る瞬間火力だけではなく、異常なまでの戦線維持能力です。
 

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