転生者の魔都『海鳴市』   作:咲夜泪

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15/ヤツをデュエルで拘束せよ! vs『代行者』(3)

 

 

 

 

 秋瀬直也

 LP5100

 手札0

  無し

 魔法・罠カード

  無し

 

 何とか生き残って次のターンを迎えれる事が出来たが、手札は0枚、フィールドにモンスターは無し――スタンバイフェイズ時に《PSYフレームロード・Ω》が帰還してくるが。

 それに対してヤツは――。

 

 『代行者』

 LP8000

 手札1

 《No.93 希望皇ホープ・カイザー》ランク12/光属性/戦士族/攻2500/守2000 ORU1

 《No.30 破滅のアシッド・ゴーレム》ランク3/水属性/岩石族/攻3000/守3000 ORU0

 《No.85 クレイジー・ボックス》ランク4/闇属性/悪魔族/攻3000/守300 ORU0

 魔法・罠カード

  伏せカード2枚

 

 万全の状態で待ち構えている。次のターンが回れば、奴の手札に通常召喚出来る『甲虫装機』が舞い戻ってしまい、また再びインゼクター共の大量展開が行われ、高確率でこのライフを0にされるだろう。

 ヤツの言う通り、これが文字通り、オレのラストターン。この状況からヤツのライフ8000を0にしろとはかなり厳しい状況だぜ。

 

(墓地には《馬頭鬼》2枚、《グローアップ・バルブ》を蘇生させる時にデッキトップから落ちた《ゾンビキャリア》1枚あるから、シンクロ召喚は確実に出来る、だが――)

 

 奴の場を一掃するなら《ブラック・ローズ・ドラゴン》をシンクロ召喚して全て破壊すれば……いや、耐性持ちの《No.93 希望皇ホープ・カイザー》が残るし、それで此方が力尽きて何も出来なくなる。

 つまりは、墓地の《ゾンビキャリア》を蘇生させるだけにしか使えないカードをドローした瞬間、オレの敗北は決定する訳か。

 

「――さぁ、どうしたのです? 早く最後のドローをしたらどうです? それとも怖気づきましたか?」

「――何を言ってんだ。逆だろ、逆」

 

 そう、限り無く追い詰められ、必定の敗北が目の前に立ち塞がろうとしている。絶体絶命の窮地とはまさにこの事だろう。

 ああ、だからこそ――!

 

 

「――もし、此処から奇跡の大逆転、世紀のどんでん返しを出来るなら、それは最高なまでに愉快痛快だろうさ! なら躊躇う理由もねぇッ! オレのターン、ドロオオオオオオオオオォ――ッ!」

 

 

 来い、オレのデッキに眠る勝利に繋がるカード――!

 全身全霊をもって引いたカードは黄金に光り輝いていたような気がし――ちらりと見る。

 

「……!」

 

 ……来た、本当に来た。『希望』に繋がるカードが! 此処から先は全て未知の可能性を追い求める引き頼りだッ!

 

「スタンバイフェイズ、オレの場に除外された《PSYフレームロード・Ω》が帰還し、同じく除外していた《甲虫装機 センチピード》もテメェの手札に戻る!」

「――罠発動! 『強制脱出装置』! フィールドのモンスター1体を対象とし、そのモンスターを持ち主の手札に戻す! 当然、私が選択するのはその厄介な《PSYフレームロード・Ω》です! それの自身と相手の手札1枚を除外する効果はメインフェイズにしか使用出来ませんからねぇ!」

 

 ぐっ、フリーチェーンの汎用罠カード! 回避不能のタイミングで《PSYフレームロード・Ω》を除去されたか……!

 フィールドからエクストラデッキに戻ってしまい、オレの場は本当にまっ平らとなる。が、奴の伏せカードも1枚となる。

 

 秋瀬直也

 LP5100

 手札0→1

  無し

 魔法・罠カード

  無し

 

 奴の残り1枚が速攻魔法『サイクロン』、カウンター罠『神の宣告』なら完全に詰みだが、そうじゃない可能性に賭けるしかねぇ!

 

「――オレの引いたカードはッ! 永続魔法『生還の宝札』! 自分の墓地に存在するモンスターが特殊召喚に成功する時、自分のデッキからカードを1枚ドローする事が出来る!」

 

 やっと来てくれた! これで墓地からモンスターを復活させる度に1ドローしてアドを稼げる!

 あの異常なアド稼ぎを出来るインゼクターどもに匹敵するぐらいの瞬間爆発力を得たぞッ!

 

「――ッッ、この土壇場で『生還の宝札』を引き当てただとォ!?」

「さぁテメェをぶちのめすカードを引き当てれるか――勝負だッ!」

「望む処ですよォッ! 来いッ!」

 

 さぁ後は展開しながら祈るだけだ! 今度は前のデュエルとは違って全く終点の見えない、純粋な運否天賦の勝負だァ!

 

「まずは墓地の《馬頭鬼》を除外し、《ゾンビ・マスター》を特殊召喚。『生還の宝札』の効果で1枚ドロー!」

 

 秋瀬直也

 LP5100

 手札1→0→1

 《ゾンビ・マスター》星4/闇属性/アンデット族/攻1800/守0

 魔法・罠カード

  永続魔法『生還の宝札』

 

 引いたカードは――《ワイト》、よし、モンスターカードなら《ゾンビ・マスター》の効果のコストに出来る!

 

「オレは《ゾンビ・マスター》の効果発動! 手札のモンスターカード《ワイト》を捨て、自分または相手の墓地のレベル4以下のアンデット族モンスターを特殊召喚する。オレは――」

「残念ですが、通しませんよ! カウンター罠『神の通告』発動! ライフを1500ポイント支払い、モンスターの効果が発動した時、その発動を無効にして破壊する!」

 

 秋瀬直也

 LP5100

 手札1→0

  無し

 魔法・罠カード

  永続魔法『生還の宝札』

 

 なっ、何だそのカウンター罠!? 『神の宣告』や『神の警告』でもない『神』の罠!? 1500程度のライフでやって良い事じゃねぇぞ!?

 しかも何だ、テキストを読んで見ると――。

 

 『神の通告』

 カウンター罠

 (1):1500LPを払って以下の効果を発動できる。

 ●モンスターの効果が発動した時に発動できる。

 その発動を無効にし破壊する。

 ●自分または相手がモンスターを特殊召喚する際に発動できる。

 その特殊召喚を無効にし、そのモンスターを破壊する。

 

 魔法・罠の効果は無効にして破壊に出来ないが、モンスター効果が発動しても特殊召喚しても無効にして破壊出来る上に『神の宣告』や『神の警告』よりライフコスト優しいのかよ!? 便利過ぎないかそれ!

 

 『代行者』

 LP8000→6500

 

「……っ、まだだッ! 2枚目の《馬頭鬼》を除外し、再び《ゾンビ・マスター》を墓地から特殊召喚! 『生還の宝札』の効果で1枚ドロー!」

 

 これで墓地に《馬頭鬼》は無くなり、展開予定を大きく狂わされたか……!

 だが、この最終局面でライフコスト1500は決して小さくないだろう!

 

 秋瀬直也

 LP5100

 手札0→1

 《ゾンビ・マスター》星4/闇属性/アンデット族/攻1800/守0

 魔法・罠カード

  永続魔法『生還の宝札』

 

 そして更にドローしたカードは――魔法カード!? モンスターカードではないので《ゾンビ・マスター》の効果のコストには出来ない。が――。

 

「魔法カード『生者の書-禁断の呪術-』を発動! 自分の墓地に存在するアンデット族モンスター1体を選択して特殊召喚し、相手の墓地に存在するモンスター1体をゲームから除外する!」

 

 墓地から特殊召喚出来るカードで、何とか首の皮一枚で繋がったか……!

 

「オレは墓地から《ユニゾンビ》を特殊召喚し、お前の墓地から3枚目の《甲虫装機 ダンセル》を除外する! そして『生還の宝札』の効果で1枚ドロー!」

 

 秋瀬直也

 LP5100

 手札1→0→1

 《ゾンビ・マスター》星4/闇属性/アンデット族/攻1800/守0

 《ユニゾンビ》星3/闇属性/アンデット族/攻1300/守0

 魔法・罠カード

  永続魔法『生還の宝札』

 

 これで『甲虫装機』のメインエンジンである《甲虫装機 ダンセル》は3体とも除外したが、ランク3のエクシーズモンスターには除外されたレベル4以下のモンスターを特殊召喚出来る《虚空海竜リヴァイエール》がいるので、気休め程度にしかならない。

 そしてドローしたカードは《ワイトキング》、まだ通常召喚権が残っているが、墓地の《ワイト》は《ワイト》《ワイト夫人》《ワイトメア》の3体だけであり、召喚しても攻撃力3000。相討ちして1枚除外すれば攻撃力2000のモンスターとして追加攻撃出来るかもしれないが――。

 

 いや、このままじゃ届かない。ならば――オレは今引いた『希望』をコストに、更なる可能性に手を伸ばす……!

 

「オレは《ゾンビ・マスター》の効果発動! 手札の《ワイトキング》を墓地に捨て、墓地のレベル4のアンデット族モンスター《ゴブリンゾンビ》を特殊召喚する! 『生還の宝札』の効果で1枚ドロー!」

 

 秋瀬直也

 LP5100

 手札1→0→1

 《ゾンビ・マスター》星4/闇属性/アンデット族/攻1800/守0

 《ユニゾンビ》星3/闇属性/アンデット族/攻1300/守0

 《ゴブリンゾンビ》星4/闇属性/アンデット族/攻1100/守1050

 魔法・罠カード

  永続魔法『生還の宝札』

 

 そして引いたカードは《デビル・フランケン》……? 今のオレのライフは5100だからぎりぎり支払えるか。

 5000ライフ払えばエクストラデッキから融合モンスター1体を特殊召喚出来るカード。このデッキでこの効果で特殊召喚出来る融合モンスターは《ゴヨウ・エンペラー》のみ。

 確かに《ゴヨウ・エンペラー》の効果は強力だし、攻撃力は3300もある。

 だが、ヤツの場にいる攻撃力3000の《No.30 破滅のアシッド・ゴーレム》と《No.85 クレイジー・ボックス》は《No.93 希望皇ホープ・カイザー》の効果で特殊召喚されたものであり、正規の手順でエクシーズ召喚されてないので蘇生制限に引っ掛かり、戦闘破壊しても墓地から特殊召喚出来ない。折角破壊したモンスターを寝取れないのだ。

 むしろ貴重なモンスターカードの5枠の内、攻撃力700程度の《デビル・フランケン》で消費してしまっては、とてもこのターンのうちに6500のライフを削れない……!

 

 ――いや、待てよ? あれ……? これは――あれがああなって、こうなってああいって、そしてそして……!?

 行けるのか? 間違ってないよな? いや、逆だ。間違えなければ――!

 

「オレは墓地の《ゾンビキャリア》の効果発動! 手札を1枚デッキの一番上に戻し、墓地のこのカードを特殊召喚する! この効果で特殊召喚したこのカードがフィールドから離れた場合、除外される! 『生還の宝札』の効果で1枚ドロー!」

 

 秋瀬直也

 LP5100

 手札1→0→1

 《ゾンビ・マスター》星4/闇属性/アンデット族/攻1800/守0

 《ユニゾンビ》星3/闇属性/アンデット族/攻1300/守0

 《ゴブリンゾンビ》星4/闇属性/アンデット族/攻1100/守1050

 《ゾンビキャリア》星2/闇属性/アンデット族/攻400/守200

 魔法・罠カード

  永続魔法『生還の宝札』

 

「《ゾンビキャリア》……!? 一体いつの間に――いや、一度だけそのチャンスがあった。まさか《グローアップ・バルブ》を墓地から蘇生する時のコストでデッキトップの1枚で落ちていたのか……!」

 

 その通りさ……! それがこの局面に来て役立つとはな!

 

「レベル4の《ゴブリンゾンビ》にレベル2のチューナーモンスター《ゾンビキャリア》をチューニング! シンクロ召喚! 《氷結界の龍 ブリューナク》!」

 

 そして呼び出すはシンクロ時代の最強シンクロモンスター、フィールドに舞い降りた《ブリューナク》は歓喜の咆哮を三千世界に轟かす……!

 なお、このシンクロ召喚に使った《ゾンビキャリア》はフィールドから離れた事によりゲームから除外される。

 

「墓地に落ちた《ゴブリンゾンビ》の効果発動、このカードがフィールドから墓地に送られた場合、デッキから守備力1200以下のアンデット族モンスター1体を手札に加える。オレは守備力200のアンデット族モンスター、2枚目の《ゾンビキャリア》を手札に加える」

 

 秋瀬直也

 LP5100

 手札1→2

 《ゾンビ・マスター》星4/闇属性/アンデット族/攻1800/守0

 《ユニゾンビ》星3/闇属性/アンデット族/攻1300/守0

 《氷結界の龍 ブリューナク》星6/水属性/海竜族/攻2300/守1400

 魔法・罠カード

  永続魔法『生還の宝札』

 

 これで手札が2枚あり、《ブリューナク》の効果で2枚までバウンス出来るが、それでは奴にトドメを刺せない。

 故に、このカードが必要だったのだ……!

 

「そしてオレは手札から《デビル・フランケン》を通常召喚! 効果発動! ライフを5000支払い、エクストラデッキから融合モンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する! 来い! 荘厳なる捕獲者の血統を受け継ぎし者! レベル10《ゴヨウ・エンペラー》!」

 

 秋瀬直也

 LP5100→100

 手札2→1

 《ゾンビ・マスター》星4/闇属性/アンデット族/攻1800/守0

 《ユニゾンビ》星3/闇属性/アンデット族/攻1300/守0

 《氷結界の龍 ブリューナク》星6/水属性/海竜族/攻2300/守1400

 《デビル・フランケン》星2/闇属性/機械族/攻700/守500

 《ゴヨウ・エンペラー》星10/地属性/戦士族/攻3300/守2500

 魔法・罠カード

  永続魔法『生還の宝札』

 

 《デビル・フランケン》の効果でライフをギリギリまで支払い、正規の召喚じゃない方法で《ゴヨウ・エンペラー》が特殊召喚される。

 

「――此処で《ゴヨウ・エンペラー》……!? 正規召喚されていないエクシーズモンスターを『ゴヨウ』出来ない以上、一体何を――!?」

 

 まだまだ! これからだっ!

 

「オレはレベル2の《デビル・フランケン》にレベル3のチューナーモンスター《ユニゾンビ》をチューニング! レベル5《TG ハイパー・ライブラリアン》!」

 

 秋瀬直也

 LP100

 手札1

 《ゾンビ・マスター》星4/闇属性/アンデット族/攻1800/守0

 《氷結界の龍 ブリューナク》星6/水属性/海竜族/攻2300/守1400

 《ゴヨウ・エンペラー》星10/地属性/戦士族/攻3300/守2500

 《TG ハイパー・ライブラリアン》星5/闇属性/魔法使い族/攻2400/守1800

 魔法・罠カード

  永続魔法『生還の宝札』

 

 純白の外套纏う鬼畜魔導師が登場し、最後の仕上げだ!

 

「そして《氷結界の龍 ブリューナク》の効果発動! 手札を任意の枚数墓地に捨て、捨てた数だけフィールドのカードを選択して持ち主の手札に戻す! オレは手札を1枚捨て――オレの場の《ゾンビ・マスター》を手札に戻す!」

「な、自分の場のモンスターを戻しただと……!?」

 

 秋瀬直也

 LP100

 手札1→0→1

 《氷結界の龍 ブリューナク》星6/水属性/海竜族/攻2300/守1400

 《ゴヨウ・エンペラー》星10/地属性/戦士族/攻3300/守2500

 《TG ハイパー・ライブラリアン》星5/闇属性/魔法使い族/攻2400/守1800

 魔法・罠カード

  永続魔法『生還の宝札』

 

 展開の為なら自分のモンスターさえバウンス出来るのが《氷結界の龍 ブリューナク》の利点さ!

 

「《氷結界の龍 ブリューナク》の効果で墓地に落ちた《ソンビキャリア》の効果発動、手札1枚をデッキの一番上に置いて《ゾンビキャリア》を特殊召喚する! 『生還の宝札』の効果で1枚ドロー!」

 

 秋瀬直也

 LP100

 手札1→0→1

 《氷結界の龍 ブリューナク》星6/水属性/海竜族/攻2300/守1400

 《ゴヨウ・エンペラー》星10/地属性/戦士族/攻3300/守2500

 《TG ハイパー・ライブラリアン》星5/闇属性/魔法使い族/攻2400/守1800

 《ゾンビキャリア》星2/闇属性/アンデット族/攻400/守200

 魔法・罠カード

  永続魔法『生還の宝札』

 

 《ゴブリンゾンビ》の効果で持ってきた2枚目の《ゾンビキャリア》を特殊召喚し――これで全ての条件は揃った!

 

 

「――レベル6の《氷結界の龍 ブリューナク》にレベル2のチューナーモンスター《ゾンビキャリア》をチューニング! シンクロ召喚! 捕縛者の王よ! 厚顔無恥な盗人をお縄せよ! レベル8《ゴヨウ・キング》!」

 

 

 満を喫して、今のテメェに一番相応しい法と秩序の番人モンスターの登場だ! 生粋の悪人相手とあって《ゴヨウ・キング》の気合は天を衝く勢いだ。ヤツをデュエルで拘束せよッ!

 

「《TG ハイパー・ライブラリアン》の効果発動、このカード以外のシンクロ召喚が成功した場合、デッキから1枚ドローする」

 

 秋瀬直也

 LP100

 手札1→2

 《ゴヨウ・エンペラー》星10/地属性/戦士族/攻3300/守2500

 《TG ハイパー・ライブラリアン》星5/闇属性/魔法使い族/攻2400/守1800

 《ゴヨウ・キング》星8/地属性/戦士族/攻2800/守2000

 魔法・罠カード

  永続魔法『生還の宝札』

 

「――バトル! 《ゴヨウ・キング》で《No.30 破滅のアシッド・ゴーレム》を攻撃! 効果発動! このカードが相手モンスターに攻撃する攻撃宣言時、このカードの攻撃力はダメージステップ終了時まで自分フィールドの戦士族・地属性のシンクロモンスターの数×400アップする! オレの場にその条件に合うモンスターは《ゴヨウ・キング》一体のみ、よって400アップして攻撃力3200となる!」

 

 これで奴の攻撃力3000を上回った!

 《ゴヨウ・キング》は十手を模した巨大な剣を振り下げ、自分以上に大きい《アシッド・ゴーレム》を一刀両断して破壊する!

 

「《No.30 破滅のアシッド・ゴーレム》を粉砕ッ! そして《ゴヨウ・キング》が相手モンスターを破壊して墓地に送った時、破壊したそのモンスターを自分フィールドに特殊召喚するか、相手フィールドの表側表示モンスター1体を選んでコントロールを得る! オレは《No.85 クレイジー・ボックス》のコントロールを奪う! さぁ神妙に『ゴヨウ』だ!」

 

 『代行者』

 LP6500→6300

 

 四角形の奇妙なオブジェみたいなモンスターをぐるぐる巻きにして拘束し、一気に釣り上げて此方のフィールドにコントロールを移す!

 

「ぐっ……!」

 

『代行者』

 LP8000→6500→6300

 手札1

 《No.93 希望皇ホープ・カイザー》ランク12/光属性/戦士族/攻2500/守2000 ORU1

 魔法・罠カード

  無し

 

 秋瀬直也

 LP100

 手札2

 《ゴヨウ・エンペラー》星10/地属性/戦士族/攻3300/守2500

 《TG ハイパー・ライブラリアン》星5/闇属性/魔法使い族/攻2400/守1800

 《ゴヨウ・キング》星8/地属性/戦士族/攻3200→2800/守2000

 《No.85 クレイジー・ボックス》ランク4/闇属性/悪魔族/攻3000/守300 ORU0

 魔法・罠カード

  永続魔法『生還の宝札』

 

「続いて《No.85 クレイジー・ボックス》で《No.93 希望皇ホープ・カイザー》を攻撃!」

 

 何か四角形のモンスターの一つ目からビームみたいなのが射出、ナンバーズが居なくなった事で破壊耐性を失った《ホープ・カイザー》を撃ち貫き、破壊して一網打尽にする。

 

 『代行者』

 LP6300→5800

 

「元々の持ち主が相手となる自分モンスターが戦闘で相手モンスターを破壊して墓地に送った時、《ゴヨウ・エンペラー》の効果で破壊したそのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する! オレの場に来い! 《No.93 希望皇ホープ・カイザー》!」

 

 秋瀬直也

 LP100

 手札2

 《ゴヨウ・エンペラー》星10/地属性/戦士族/攻3300/守2500

 《TG ハイパー・ライブラリアン》星5/闇属性/魔法使い族/攻2400/守1800

 《ゴヨウ・キング》星8/地属性/戦士族/攻3200→2800/守2000

 《No.85 クレイジー・ボックス》ランク4/闇属性/悪魔族/攻3000/守300 ORU0

 《No.93 希望皇ホープ・カイザー》ランク12/光属性/戦士族/攻2500/守2000 ORU0

 魔法・罠カード

  永続魔法『生還の宝札』

 

 《ホープ・カイザー》は正規にエクシーズ召喚され、また特殊召喚に関する制限は何も無い。よって《ゴヨウ・エンペラー》の効果で寝取る事が可能ッ!

 これでヤツの場は完全にがら空きとなった!

 

「――《ゴヨウ・エンペラー》と《TG ハイパー・ライブラリアン》でダイレクトアタック!」

「ぎっ……!?」

 

 『代行者』

 LP5800→2500→100

 

 《ゴヨウ・エンペラー》の謎ブレスと《TG ハイパー・ライブラリアン》の電撃魔法が炸裂し、『代行者』はのたうち回る。

 ……が、ったくよう、何で自分の敗北が決定的になったのに、嬉しそうに笑ってるんだか。気色悪いったらありゃしない!

 

「これで最後だァッ! 《No.93 希望皇ホープ・カイザー》でダイレクトアタック!」

 

 最後に決めるのはヤツ自身が召喚した『希望』――「……やはり、慣れない事はするもんじゃありませんねぇ――」と、静かに自嘲しながら満足気に最後の一撃を受け入れたのだった。

 

 『代行者』

 LP100→-2400

 

 

 

 

「――それが直也君の本来の『デッキ』なの?」

「……ああ、多分そうだと思う。まさか気絶間際にハズレを掴ませたりは――あ、コイツならやりそうで怖いな」

 

 大の字で気絶する『代行者』を横目に、ようやく取り戻した、この世界でのオレの『デッキ』を確認する。

 ペンデュラム召喚が主体のデッキだろうか? という事は自動的に第九期のテーマであり、必然的にオレの知らないカードばかりだった。

 

「どんな感じ? すっごい強い『デッキ』なの?」

「んー? どうなんだろ? 一通り見た感じ、禁止カードは1枚も無いな。ペンデュラム・エクシーズ・シンクロ・融合・儀式、全部の召喚法がある感じ」

 

 こればかりは一回回して見て把握しない事には何とも言えないだろう。

 ただ、今日はもう日が暮れてしまい、夜の時間帯になってしまった。『デッキ』を取り戻すだけで一日終わってしまうとは、この『異変』解決、結構長引くかもしれない。

 

「赤坂を待たせてるし、とりあえず帰ろうか。――この『異変』の黒幕の手掛かりを探すのは明日からかなぁ?」

 

 

 

 


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