秋瀬直也
LP8000
手札6→4
《ゴヨウ・ガーディアン》星6/地属性/戦士族/攻2800/守2000
《ゴヨウ・キング》星8/地属性/戦士族/攻2800/守2000
《ワイトキング》星1/闇属性/アンデット族/攻4000/守0
《エルシャドール・ネフィリム》星8/光属性/天使族/攻2800/守2500
《エルシャドール・ミドラーシュ》星5/闇属性/魔法使い族/攻2200/守800
魔法・罠カード
永続魔法『生還の宝札』
伏せカード2枚
『シスター』
LP8000→1200
手札3
無し
魔法・罠カード
無し
いやぁ、壮観壮観。相手モンスターを根刮ぎ寝取って勝ち誇るとか、これが権力ってヤツか。病み付きになる効果である。
「……ねぇ、直也君。その『ゴヨウ』モンスターが酷い効果なのは解ったけどさ――《ゴヨウ・ガーディアン》出さずに《氷結界の龍 ブリューナク》の方を出して《エルシャドール・ミドラーシュ》を戻していれば前のターンで終わったんじゃ?」
「……え゛?」
……あれ、柚葉に言われてみれば――《氷結界の龍 ブリューナク》で《エルシャドール・ミドラーシュ》をバウンスさせ、裏側守備表示の《シャドール・ファルコン》を《ゴヨウ・キング》で破壊し、その効果で《エルシャドール・ネフィリム》を寝取り――。
《氷結界の龍 ブリューナク》攻撃力2300
《ワイトキング》攻撃力4000
《エルシャドール・ネフィリム》攻撃力2800
のダイレクトアタックで合計ダメージ9100で終わってたじゃねぇか!?
オ レ は 正 気 に 戻 っ た ぞ !
って、あああっ、何でみすみす倒せる状況なのに逃しちまったんだ!?
「これが権力の力だー!」ってお前が一番必要無かったじゃねぇか! 《ゴヨウ・ガーディアン》の方を向けば首を傾げて見てる――って、ソリッドビジョンなのに器用だな!
い、いや、なんかこう、《ゴヨウ・キング》を出したのなら元祖の《ゴヨウ・ガーディアン》も出さなければという謎の使命感が湧いて……!?
「……っ! 貴方は何処まで私を愚弄するのですかぁ……!」
ぎゃあああっ! 『シスター』の両眼に血色の魔法陣が浮かんでいらっしゃる!? あ、明らかにマジ切れしてるんですが、どどどどうしよう!?
『――まぁまぁ落ち着いて落ち着いて『もう一人の私』。秋瀬君も本来のデッキじゃないから持て余してるんだよ、きっと、多分』
「セ、セラ……?」
……おや、オレを擁護する声? 一体何処から――?
と、思いきや、突然目の前の『シスター』が謎の光を放ち――え? 何? 何この演出!? 混乱するオレを置いてきぼりにして光が収まると、『シスター』の眼から血色の魔法陣が消え去り、まるで別人のように柔らかな表情になった?
「こ、これはまさか――あれ、もしかして『千年アイテム』とか持ってたり?」
「残念ながらそれは持ってないよ。でも、こうして実際に話すのは初めてだね、秋瀬君。初めまして、私はセラ・オルトリッジ。よろしくね」
やはり二重人格? これはまさしく『もう一人の僕』なのか!?
「『もう一人の私』はちょぉっと『魔術師』さんの事になると感情的になりすぎるから――此処からは私が相手だよ! 私のターン、ドロー!」
『シスター』→セラ・オルトリッジ
LP1200
手札3→4
無し
魔法・罠カード
無し
なんて王道的な展開――あれ、これ完全な負けパターンじゃね? 絶対的なピンチに代打が訪れ、圧倒的不利を覆されて『罰ゲーム』コースじゃね?
「まずは『もう一人の私』の子達を返して貰うよ! 手札を1枚捨て、速攻魔法『超融合』発動っ!」
「――なっ、『超融合』だとォッ!?」
これはまずい。思わず身構える。
「――このカードの発動に対して魔法・罠・モンスターの効果は発動出来ない。手札を1枚捨てる事で自分・相手フィールドから融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地に送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する! 私は君の場の《エルシャドール・ネフィリム》と《エルシャドール・ミドラーシュ》を融合!」
ああっ、2体とも『ゴヨウ』の縄を引き裂き、融合素材として消える……!?
「再びフィールドに降臨せよ! レベル8《エルシャドール・ネフィリム》!」
そして再度現れた《エルシャドール・ネフィリム》、だが、これを着地させる訳にはいかない!
「『超融合』はカードの効果にチェーンさせない絶対無敵の力、だが、その力によって融合召喚されたモンスターは別だ! 罠カードオープン! 『奈落の落とし穴』! 相手が攻撃力1500以上のモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚した時、その攻撃力1500以上のモンスターを破壊して除外する!」
破壊されて墓地に行かず除外されるなら、墓地に送られた場合に発動する厄介な効果も使えまい!
「けれどもそれは召喚を無効にするものではない、召喚に成功した時の効果は発動出来る! 《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動! このカードが特殊召喚に成功した場合、デッキから『シャドール』カード1枚を墓地に送る――私は《シャドール・ビースト》を墓地に送る」
ぐっ、確かにその通りだ。『奈落の落とし穴』は『神の宣告』や『神の警告』とは違って召喚自体を無効にするものではない。
「墓地に送られた《シャドール・ビースト》、『超融合』によって墓地に送られた《エルシャドール・ネフィリム》と《エルシャドール・ミドラーシュ》の効果発動、『エルシャドール』モンスターが墓地に送られた場合、自分の墓地の『シャドール』魔法・罠カード1枚を手札に加える共通効果を持っている。その効果で墓地の『影依融合』『神の写し身との接触』を回収、そして《シャドール・ビースト》の効果でデッキから1枚ドローする!」
セラ・オルトリッジ
LP1200
手札4→3→2→4→5
無し
魔法・罠カード
無し
《エルシャドール・ネフィリム》の再臨を防いだものの、手札は5枚まで回復される。うち2枚は融合魔法カード、また融合召喚される布石は整ってしまったか……!
融合テーマなのに立て直しが容易とか反則過ぎね!?
「まずは魔法カード『影依融合』を発動! 『影依融合』は1ターンに1枚しか発動出来ない。けれども『影依融合』の真の効果は――相手フィールドにエクストラデッキから特殊召喚されたモンスターが存在する場合、自分のデッキのモンスターも融合素材にする事が出来る!」
「なんだとォッ?! インチキ効果もいい加減にしろ!?」
1ターン目はオレの場に何も居なかったから手札融合だったが、エクストラデッキから召喚されたモンスターがいればデッキから融合可能だと!? なんだそりゃぁ!?
「――デッキの《シャドール・ドラゴン》と地属性モンスター《グローアップ・バルブ》を融合! レベル10《エルシャドール・シェキナーガ》!」
セラ・オルトリッジ
LP1200
手札5→4
《エルシャドール・シェキナーガ》星10/地属性/機械族/攻2600/守3000
魔法・罠カード
無し
そして出てきたのは若干色が違うが《エルシャドール・ネフィリム》に酷似した超巨大なモンスターであり、背後に同程度の巨大モンスターを影糸で束縛している……?
「墓地に送られた《シャドール・ドラゴン》の効果発動! このカードが効果で墓地に送られた場合、フィールドの魔法・罠カード1枚を破壊する。私は君の伏せカードを選択するよ」
「――っ、『ミラーフォース』がぁ!」
ぐぬぬ、相変わらず仕事出来ないな『ミラーフォース』!
というか、おいおい、デッキから墓地に送って『サイクロン』効果かよ!? 本当に『シャドール』はとんでもねぇな!
だが、手札は4枚、残りの融合カードは速攻魔法なれども、今の『影依融合』みたいなデッキ融合は出来ないだろう。あと1体ぐらい融合モンスターを出すのが精一杯だろう。
「――って考えてるだろうね。残念、『私達』のデッキは『純シャドール』じゃないんだよ」
なん、だと? だが、今の処、全部『シャドール』に統一されて――。
「手札から魔法カード『光の援軍』発動! 自分のデッキの上からカードを3枚墓地に送り、デッキからレベル4以下の『ライトロード』と名のついたモンスター1体を手札に加える! 私が加えるのは《ライトロード・サモナー ルミナス》!」
セラ・オルトリッジ
LP1200
手札4→3→4
《エルシャドール・シェキナーガ》星10/地属性/機械族/攻2600/守3000
魔法・罠カード
無し
なっ、此処に来て『ライトロード』だと!?
『ライトロード』はデッキを自分から墓地に送る事で様々な効果を発動するカード群、って、あ――。
……これはやばい。『シャドール』と『ライトロード』、共に墓地に落ちた時に効果を発揮するモンスター達だから、その相性は抜群どころの話じゃない!
「更に手札から魔法カード『ソーラー・エクスチェンジ』発動! 手札から『ライトロード』と名のついたモンスター1体を捨て、デッキから2枚ドローし、デッキの上からカードを2枚墓地に送る」
セラ・オルトリッジ
LP1200
手札4→3→2→4
《エルシャドール・シェキナーガ》星10/地属性/機械族/攻2600/守3000
魔法・罠カード
無し
げぇっ、『ライトロード』が誇る手札チェンジ&墓地肥やしカード!
「墓地に落ちた《シャドール・ヘッジホッグ》の効果発動! このカードが効果で墓地に落ちた場合、《シャドール・ヘッジホッグ》以外の『シャドール』モンスターをデッキから手札に加える。私は《シャドール・ファルコン》を手札に」
『光の援軍』の場合、墓地に送るカード3枚はコストだから効果は発動しないが、『ソーラー・エクスチェンジ』の場合は効果で2枚墓地送りなので発動する。
似ているようで違うので注意しよう! さっきの場合だと『超融合』の手札1枚を捨てるのがコストだ。
「手札から《ライトロード・アサシン ライデン》を通常召喚、効果発動。《ライトロード・アサシン ライデン》は1ターンに1度、メインフェイズ時に自分のデッキの上からカードを2枚墓地に送り、その効果で墓地に送ったカードの中に『ライトロード』と名のついたモンスターがあった場合、このカードの攻撃力は相手のエンドフェイズ時まで200ポイントアップする。落ちたカードは《ライトロード・アーチャー フェリス》と《ライトロード・ビースト ウォルフ》、《ライトロード・アサシン ライデン》の攻撃力は200アップする」
セラ・オルトリッジ
LP1200
手札4→5→4
《エルシャドール・シェキナーガ》星10/地属性/機械族/攻2600/守3000
《ライトロード・アサシン ライデン》星4/光属性/戦士族/攻1700→1900/守1000
魔法・罠カード
無し
……あれ、『ライトロード』のデッキからカードを墓地に落とす効果は常にエンドフェイズ時の効果、なのにコイツは2枚だけだがメインフェイズ時に撃てる、だと!?
あと落ちたモンスターがやべぇ! どうしてこうピンポイントに落ちてくれやがったの!?
「墓地に送られた《ライトロード・アーチャー フェリス》と《ライトロード・ビースト ウォルフ》の効果発動、このカードがデッキから墓地に送られた場合、墓地から特殊召喚する。《ライトロード・アーチャー フェリス》の効果もモンスターの効果でデッキから墓地に送られた場合、墓地から特殊召喚するもの。おいで、私のモンスター達」
セラ・オルトリッジ
LP1200
手札4
《エルシャドール・シェキナーガ》星10/地属性/機械族/攻2600/守3000
《ライトロード・アサシン ライデン》星4/光属性/戦士族/攻1900/守1000
《ライトロード・アーチャー フェリス》星4/光属性/獣戦士族/攻1100/守2000
《ライトロード・ビースト ウォルフ》星4/光属性/獣戦士族/攻2100/守300
魔法・罠カード
無し
あ、これアカンパターンだ。
「レベル4の《ライトロード・アサシン ライデン》と《ライトロード・ビースト ウォルフ》でオーバーレイ! エクシーズ召喚! ランク4《ライトロード・セイント ミネルバ》!」
セラ・オルトリッジ
LP1200
手札4
《エルシャドール・シェキナーガ》星10/地属性/機械族/攻2600/守3000
《ライトロード・アーチャー フェリス》星4/光属性/獣戦士族/攻1100/守2000
《ライトロード・セイント ミネルバ》ランク4/光属性/天使族/攻2000/守800 ORU2
魔法・罠カード
無し
現れるは白い梟を片手に従える女神の如き守護天使、って何それ、古くから存在する『ライトロード』にエクシーズモンスターだとォ!?
「《ライトロード・セイント ミネルバ》の効果発動! 《ライトロード・セイント ミネルバ》の効果は1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、自分のデッキから3枚墓地に送り、その中に『ライトロード』カードがあった場合、その数だけ自分はデッキからドローする! 墓地に落ちたカードは《ライトロード・ハンター ライコウ》《ライトロード・マジシャン ライラ》《ライトロード・ビースト ウォルフ》、よって私は3枚ドロー! そしてデッキから墓地に落ちた《ライトロード・ビースト ウォルフ》を特殊召喚!」
セラ・オルトリッジ
LP1200
手札4→7
《エルシャドール・シェキナーガ》星10/地属性/機械族/攻2600/守3000
《ライトロード・アーチャー フェリス》星4/光属性/獣戦士族/攻1100/守2000
《ライトロード・セイント ミネルバ》ランク4/光属性/天使族/攻2000/守800 ORU2→1
《ライトロード・ビースト ウォルフ》星4/光属性/獣戦士族/攻2100/守300
魔法・罠カード
無し
当然3枚ドロォー! 何て強運だ、これが真の『決闘者』の力……! そして2体目の《ライトロード・ビースト ウォルフ》が特殊召喚される。
こ、これでまたレベル4のモンスターが2体……!? 来るぞ、柚葉っ!
「レベル4の《ライトロード・アーチャー フェリス》と《ライトロード・ビースト ウォルフ》でオーバーレイ! ランク4《No.39 希望皇ホープ》、更にランクアップ・エクシーズチェンジ! 《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》!」
セラ・オルトリッジ
LP1200
手札7
《エルシャドール・シェキナーガ》星10/地属性/機械族/攻2600/守3000
《ライトロード・セイント ミネルバ》ランク4/光属性/天使族/攻2000/守800 ORU1
《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》ランク5/光属性/戦士族/攻2500/守2000 ORU3
魔法・罠カード
無し
ぎゃああああぁっ! 本当に来たァ! しかも絶望の化身《ホープ・ライトニング》じゃねぇか! 今の攻撃力4000の《ワイトキング》じゃ殴り殺される上に蘇生も出来ねぇ!
だ、だが、もうこれで展開は終わった、筈――。
「――自分の墓地にモンスターが10体以上存在する場合のみ、このカードは特殊召喚する事が出来る。レベル10《究極時械神セフィロン》!」
セラ・オルトリッジ
LP1200
手札7→6
《エルシャドール・シェキナーガ》星10/地属性/機械族/攻2600/守3000
《ライトロード・セイント ミネルバ》ランク4/光属性/天使族/攻2000/守800 ORU1
《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》ランク5/光属性/戦士族/攻2500/守2000 ORU3
《究極時械神セフィロン》星10/光属性/天使族/攻4000/守4000
魔法・罠カード
無し
此処で《究極時械神セフィロン》だとォ!? アニメ『遊戯王』シリーズ3作目『遊戯王5D's』のラスボス『Z-ONE』の最後の切り札というべきカード、だが、その効果はアニメ版が余りにもぶっ飛んでいた為、OCG版になった折に弱体化した筈だが――。
「《究極時械神セフィロン》の効果発動! 1ターンに1度、自分の手札・墓地からレベル8以上の天使族モンスター1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、攻撃力は4000となる。再度降臨せよ、『もう一人の私』の魂のカード《エルシャドール・ネフィリム》!」
あ、やばい、《エルシャドール・ネフィリム》はレベル8の天使族モンスターだ! これを通したら死ぬ……! このタイミングしかねぇ!
「手札から《幽鬼うさぎ》の効果発動! フィールドのモンスターの効果が発動した時、自分の手札・フィールドのこのカードを墓地に送り、フィールドのそのカードを破壊する!」
「むっ、速攻魔法『神の写し身との接触』発動! 手札の《シャドール・ファルコン》と《究極時械神セフィロン》を融合して3体目の《エルシャドール・ネフィリム》を融合召喚! ――そして解っていると思うけど、《幽鬼うさぎ》は効果を無効化する類のカードじゃない。効果を無効化にして攻撃力4000で《エルシャドール・ネフィリム》を特殊召喚する!」
ああ、解っているとも。《幽鬼うさぎ》の効果は透かして無駄に終わったが、4000打点のモンスターを1体排除する事には成功した……!
「融合召喚した《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動、デッキから永続罠『影依の原核』を墓地に送り、効果発動、このカードが効果で墓地に送られた場合、『影依の原核』以外の自分の墓地の『シャドール』魔法・罠カード1枚を手札に加える。私は『神の写し身との接触』を手札に」
ぐっ、また速攻魔法の『神の写し身との接触』を手札に戻したが、あれは1ターンに1度しか発動出来ない。このターンのバトルフェイズに使われて追撃される事は無くなった。
セラ・オルトリッジ
LP1200
手札6→4→5
《エルシャドール・シェキナーガ》星10/地属性/機械族/攻2600/守3000
《ライトロード・セイント ミネルバ》ランク4/光属性/天使族/攻2000/守800 ORU1
《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》ランク5/光属性/戦士族/攻2500/守2000 ORU3
《エルシャドール・ネフィリム》星8/光属性/天使族/攻2800/守2500
《エルシャドール・ネフィリム》星8/光属性/天使族/攻2800→4000/守2500
魔法・罠カード
無し
秋瀬直也
LP8000
手札4
《ゴヨウ・ガーディアン》星6/地属性/戦士族/攻2800/守2000
《ゴヨウ・キング》星8/地属性/戦士族/攻2800/守2000
《ワイトキング》星1/闇属性/アンデット族/攻4000/守0
魔法・罠カード
永続魔法『生還の宝札』
「――バトル! 《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》で《ワイトキング》を攻撃! ダメージ計算時にエクシーズ素材を2つ取り除き、ダメージ計算時のみ攻撃力5000となる!」
「ぐっ、戦闘破壊なのに《ライトニング》の効果で自己蘇生出来ねぇ……!」
誰だよ、アイツに戦闘行う場合、ダメージステップ終了時までカードの効果を発動出来ないって一文をつけたヤツぅ!?
秋瀬直也
LP8000→7000
無情にも《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》の一閃で《ワイトキング》が破壊され、自己再生出来ずに墓地に送られる。
「攻撃力4000の《エルシャドール・ネフィリム》で《ゴヨウ・ガーディアン》を攻撃!」
秋瀬直也
LP7000→5800
何か恨みの篭った一撃で《ゴヨウ・ガーディアン》が遥か彼方に吹き飛んで星となる。ああ、権力のモンスターはより強い暴力に葬られるか、いと哀れ。
「2体目の《エルシャドール・ネフィリム》で《ゴヨウ・キング》を攻撃! ダメージステップ開始時、特殊召喚されたモンスターと戦闘を行う場合、そのモンスターを破壊する!」
そして特殊召喚されたモンスター絶対殺すマンの効果が発動し、ダメージ計算を行わずに同じ攻撃力の《ゴヨウ・エンペラー》が破壊される。すっごい理不尽だ……!
これでオレの場は完全にがら空きとなる……!
「そして《エルシャドール・シェキナーガ》と《ライトロード・セイント ミネルバ》でダイレクトアタック!」
「ぐおぉっ!?」
秋瀬直也
LP5800→3200→1200
な、何とか生き延びた! 《究極時械神セフィロン》が残っていたらぴったりライフ0で死ぬ処だったぞ……!
「ちぇー、仕留め損なったかぁ。カードを2枚セットしてターンエンド」
セラ・オルトリッジ
LP1200
手札5→3
《エルシャドール・シェキナーガ》星10/地属性/機械族/攻2600/守3000
《ライトロード・セイント ミネルバ》ランク4/光属性/天使族/攻2000/守800 ORU1
《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》ランク5/光属性/戦士族/攻2500/守2000 ORU3→1
《エルシャドール・ネフィリム》星8/光属性/天使族/攻2800/守2500
《エルシャドール・ネフィリム》星8/光属性/天使族/攻4000/守2500
魔法・罠カード
伏せカード2枚
「オレのターン、ドロー!」
秋瀬直也
LP8000→1200
手札4→3→4
無し
魔法・罠カード
永続魔法『生還の宝札』
「スタンバイフェイズ時、速攻魔法『神の写し身との接触』を発動! 効果が無効化されている《エルシャドール・ネフィリム》と手札の《シャドール・ドラゴン》を融合! レベル5《エルシャドール・ミドラーシュ》!」
そしてまた《エルシャドール・ミドラーシュ》が来たァ!? また特殊召喚を1ターンに1度の封殺効果かよ!?
「墓地に落ちた《エルシャドール・ネフィリム》と《シャドール・ドラゴン》の効果発動。《シャドール・ドラゴン》の効果で『生還の宝札』を破壊、《エルシャドール・ネフィリム》の効果で『影依融合』を手札に加える」
セラ・オルトリッジ
LP1200
手札3→4
《エルシャドール・シェキナーガ》星10/地属性/機械族/攻2600/守3000
《ライトロード・セイント ミネルバ》ランク4/光属性/天使族/攻2000/守800 ORU1
《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》ランク5/光属性/戦士族/攻2500/守2000 ORU3→1
《エルシャドール・ネフィリム》星8/光属性/天使族/攻2800/守2500
《エルシャドール・ミドラーシュ》星5/闇属性/魔法使い族/攻2200/守800
魔法・罠カード
伏せカード1枚
そして『生還の宝札』も破壊され、本当にフィールドががら空きとなる。
「《ミドラーシュ》の効果で特殊召喚は1ターンに1度、更には《シェキナーガ》の効果で特殊召喚されたモンスターの効果発動を無効にして破壊、壁を立てても特殊召喚されたモンスターなら《ネフィリム》が粉砕する。さぁ、どうする? また《ワイトキング》を立てられたら私の負けだけど」
「いいや、このターンで《ワイトキング》を出す事は出来ないな」
この執拗なまでに特殊召喚メタの『シャドール』にとって、通常召喚された《ワイトキング》こそ天敵だろうが、生憎とこのターンに用意する事は出来ない。
「――だが、その条件ならば簡単だ。1度の特殊召喚で決着を付けれるカードを出せば良いんだろ?」
だが、勝利の方程式は既にッ! オレの掌に収まっている!
「オレは手札から魔法カード『ミラクルシンクロフュージョン』を発動! 自分のフィールド・墓地から融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを除外し、シンクロモンスターを融合素材とする融合モンスターをエクストラデッキから融合召喚する!」
「なっ、そんなカードを……!?」
そう、使い辛い事この上無く、手札に腐りやすいカードだが、これを握っていたからこそ『ゴヨウ』モンスター2体を出したんだ! ……まぁ、そのお陰でこの窮地に陥った訳だが。
「墓地の戦士族・地属性シンクロモンスター《ゴヨウ・ガーディアン》と《ゴヨウ・キング》を除外し、融合召喚! 古の守護者の魂と新しき王の魂が今1つとなりて昇華する! いでよ荘厳なる捕獲者の血統を受け継ぎし者! レベル10《ゴヨウ・エンペラー》!」
そして出現するは『ゴヨウ』達と同じように白化粧で、大きな椅子に座る中華風の少年皇帝、『ゴヨウ』モンスターで唯一の融合モンスターである。
秋瀬直也
LP1200
手札4→3
《ゴヨウ・エンペラー》 星10/地属性/戦士族/攻3300/守2500
魔法・罠カード
無し
「あちゃー、まさかそっちが来るとはなぁ……!」
「――バトル! 《ゴヨウ・エンペラー》で《ライトロード・セイント ミネルバ》を攻撃!」
《ライトロード・セイント ミネルバ》の攻撃力は2000、《ゴヨウ・エンペラー》の攻撃力は3300、セラの残りライフは1200なのでこれで終わりだァー!
セラ・オルトリッジ
LP1200→-100
《ゴヨウ・エンペラー》の攻撃が無事通り(つーか、口から炎みたいなの吹き出して攻撃するんかよ)、デュエル終了のブザーが鳴る。
ふぅ、『シャドール』+『ライトロード』、恐ろしい相手だった。
「《ワイトキング》が来たら『ブレイクスルー・スキル』で効果を無効化して、返り討ちにする予定だったのになー。ごめんね『もう一人の私』」
「いいえ、セラ、謝るのは私の方です。少しばかり、冷静じゃなかったようです……」
……そしてあっぶねぇ。勝敗はまさに薄氷の如しという事か。肝に銘じておこう。
「秋瀬直也、手間を取らせてすみません。貴方自身の本来のデッキが取り戻せるよう、心から祈っております。――あと『代行者』のド腐れ野郎は遠慮無く容赦無く屠っていいので悪しからず」
い、いや、最後の部分だけ笑顔で言われても怖いのだが……!?
――そしてパンパンパン、と、やる気無い拍手が響き渡り、振り向いてみると赤髪の少年、確か八神はやてから『悠樹』って呼ばれていたか――って、コイツ、服装違ったし、雰囲気も何か違ったから今の今まで気づけなかったが、オレと柚葉が一緒にいる時にビル一棟ふっ飛ばした超危険な野郎じゃないか!
「面白い『決闘』だった。駄賃ついでだ、――『足』は必要無いか?」
その意味深な提案に、オレと柚葉はお互い見合って首を傾げるも――八神はやての方は「おぉ! 悠樹さんがついにやる気に!」と感動した様子であり、余計脳裏に疑問符が途切れないのだった。