「……しっかし、この世界のオレは一体何したんだろうな? 説明出来ない微妙な違和感を覚えるんだが――」
「……さーねー? きっと沢山の女の子の純情な気持ちを弄んだりしてたんじゃないのー?」
……うっ、さっきから柚葉の反応が怖い。あ、あれは事故のようなものだ、ノーカンだノーカン!
ちなみにあの後、フェイトが泣き止むまでオレは背後から柚葉の殺意を浴び続け、胃に深刻なダイレクトアタックを受けたのだった。
……その後? いや、何もないぞ? 手掛かりがあったら連絡すると、笑顔で別れたんだが――。
何故かは知らないが、柚葉の呆れ顔が心苦しい……。
いや、多分、この世界特有の事であって、元の世界とは若干以上に違うのだとオレは思うぞ!?
「も、もし、万が一そうだとしてもオレがやったんじゃないからなっ!?」
「どーだか? ……私だけじゃ物足りない?」
妙にやぐされたような顔で柚葉はそんな事を聞いてくる。
……うん、此処ははっきりと言わねばなるまい。
「――いや、柚葉だけでオレは満足だよ。また生まれて来て良かったって思えるぐらい」
ああもう、こんな恥ずかしい事、言わせんなよ……!
「~~~っっ、っっっ!? いつから直也君は、そんな恥ずかしい言葉を抜け抜けと……!」
オレだって自覚して顔真っ赤だこんちくしょう!
お互いに真っ赤にした顔を見せれず、顔を背ける事、十秒ぐらい。何だか時間の流れが非常に遅く感じる……!
「……それじゃ行動で示して」
「行動で?」
「次の目的地に行くまで少し時間あるでしょ。その間に――このデッキの動かし方、教えて?」
「お邪魔しまーす」
そして次の目的地、『教会』の門を叩いたのは少し後の事だった。
「――お、直也じゃねぇか。それに彼女さんも一緒か。『教会』に来るなんて珍しいな、また何かあったのか?」
「クロウも元気そうだな。……うん、例の如くまた巻き込まれたんだ」
真っ先に話しかけてきたクロウの笑顔が眩しい。同じ苦労人、苦労を分かち合ってくれるか。
それにしても、此処も随分と大所帯となったものだ。クロウの隣には『シスター』とアナザーブラッ――いや、大十字紅朔、八神はやての隣には何か疲労感漂っている赤髪の少年――コイツだけは見た事無いな。あと守護騎士達(ヴィータ、シグナム、シャマル、狼状態のザフィーラ、リインフォース)、そして『神父』が暖かい笑顔で迎えてくれている。
……あれ? 誰かいないような? 『竜』の騎士と『全魔法使い』はたまに訪れる勢だから今居ないのは不思議じゃないが、もっとこう、脳裏に粘りついて離れない、キッチンの汚れ並にうざい奴の事を忘れているような――?
「……あれ? 『代行者』の野郎は? いや、出来る限り見たくない顔だけど」
どうせ出遭っても生産性の無い腹立たしい嫌味しか言って来ないだろうが、姿形も無いとなると逆に不信感が募る。
「……え? 『代行者』の野郎? あれ、今日見た記憶がねぇな……?」
クロウが首を傾げながら自身の記憶を辿る。が、結論は変わらなかったようだ。
「……そういえば朝から見てませんね。お陰様で今日は精神的に晴れ晴れと、健やかに過ごせてますが」
続いて『シスター』、酷い言い草である。
「あぁ、そういう事ぉ。今日は朝から良い妖気だったのはぁ、あれの顔を見てないからだわぁ!」
そして大十字紅朔はすっげー良い笑顔でもっと酷い事を――って、このどんな事もエロ方面に持って行きがちなエロ本娘に此処まで毒吐かれるまでに嫌われてるのかよ。
「いやいや、皆酷いなぁ」
「だって……はやて、実際そうだろ?」
「この場に居ない者の事を陰口のように言うのもあれだが、かの御仁は普段の行いからあれだしな……」
「え、えーと、その、ノ、ノーコメントで……」
「……シャマル、時として無言は言葉にする事よりも残酷な行為だぞ……?」
「……自業自得かと」
上からはやて、ヴィータ、シグナム、シャマル、ザフィーラ、リインフォースからの率直な意見でした。
「んー、悠樹さんはどう思うー?」
もはや話の趣旨が『みんな『代行者』の事をどう思っているか』にすり替わっている気がするが、最後にやる気の欠片も無い赤髪の少年にはやてが尋ねると――。
「……昨夜未明に寝静まった頃にコソコソ出て行った完全武装状態の奴の姿なら、一応確認している……」
と、最後の最後に超有力な証言が飛び出しやがった!
あー、うん、間違いない。この世界での本来のオレのデッキを奪ったのは奴の仕業か。
「えーとだな――」
と、例の如く「かくかくしかじか」とデッキが奪われた旨を伝えていると――。
「――へぇ、私の呼び出しにも応じないとはね。随分と偉くなったものね……!」
『デュエルディスク』に内蔵された通信機能を使った柚葉からの呼び出しに出ない当たり、今回の奴は本気で行方を眩ませているみたいだ。
「……ふぅむ、現状では限り無く『黒』に近いようですね。すまない、秋瀬直也君。また彼が迷惑を――」
「いえいえ、『神父』さん。貴方のせいじゃないですよ。それに奴が他人に迷惑を掛けるなんていつもの事じゃないですか。奴にとっちゃ呼吸をするぐらい自然の行為ですよ」
吸血鬼と相手していない状態の『神父』にさえ「それもそうですね」と納得される当たり、他人からの理解が恵まれていると喜ぶべきなのか……?
「これで犯人の正体を掴めたが、一体何処にいるやら」
「あ、それなら大丈夫。それぐらいは感知出来るよ」
お、此処で『遊戯王』次元へと改変されていたせいで働かなかった柚葉の『シスの暗黒卿』としての直感が復活したようだ。
カードの方には発揮しなくても対人には発揮するのか。
よし、これでデッキ盗犯の方の解決の目処は付いたと思った矢先――唐突に『シスター』は無感情な顔でこう言ったのだった。
「ああ、そういえば。秋瀬直也、『代行者』の糞野郎に『デッキ』を奪われたのなら、今の貴方のデッキは?」
「『魔術師』から貸して貰っているが――」
「悠陽から――!?」
え? 何この反応? 何か無感情が板についている『シスター』から感情の色、それも何とも言い難い色の勢いを感じる……!?
というか、悠陽? あ、『魔術師』の本名か。最近というか最初から今までずっと『魔術師』呼称だったせいで違和感しか無いが――あれ? 何で『シスター』が奴の名前で呼称を……?
「――ならば、秋瀬直也。『代行者』を探しに行く前に私と『決闘』です!」
うん、自然な流れで『決闘』に……って何処が自然だ、何故だよ!?
「うぇ!? あの、『シスター』さん? 一体どういう訳でそういう結論に至ったんだ!?」
「貴方に戦う理由が無くとも、貴方が悠陽のデッキを持っている以上、私にはあるのですよ……!」
なっ、これは『魔術師』の仕業か!? アイツ、一体何しやがったんだ!? 奴の邪悪な笑顔が脳裏に鮮やかに浮かびやがったぞ……!
「……へぇ、ふぅーん、そうなんだぁ。妬けちゃうわね、クロウ? 昔の男にまだ熱心なんだぁ。尽くしたのに捨てられちゃった、あんなにあっさり無情に捨てられちゃったのにねぇ……!」
「……あー、いや、シスターの名誉の為にノーコメントで。つーか、紅朔、頼むからシスターの耳に届かないようにしてくれよ!?」
『――『デュエル』!』
『教会』の外に出て、皆が観戦する中、オレは『シスター』と『決闘』する。
思えば、彼女と此処まで喋っている事すら初の体験ではないだろうか? オレの知る『シスター』は14歳ぐらいの金髪少女だが、『歩く教会』という絶対防御を持つ『禁書目録』で無感情で怖い印象しかない。
うん、思えば彼女と『魔術師』との因縁なんて知る由も無かった――と、むこうの先行か。
「私の先行! 私は手札から魔法カード『影依融合』を発動! 『影依融合』は1ターンに1度、自分の手札・フィールドから『シャドール』融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地に送り、その融合モンスターをエクストラデッキから融合召喚する!」
シャドール・フュージョン? 早速専用『融合』か。……『融合』、場を埋め尽くすデストーイ、うっ、頭が……。
しかし、ユーリの使う『魔玩具融合(デストーイ・フュージョン)』はフィールド・墓地から除外して融合出来たが、今聞く説明だけだと種族縛りがあるだけの『融合』? 何かあるのか?
「私は手札の《シャドール・ヘッジホッグ》と光属性モンスター《超電磁タートル》を融合! ――無窮の空より来たれ、運命の糸を操りし半神半人の巨人よ! 融合召喚! レベル8《エルシャドール・ネフィリム》!」
黒いハリネズミのようなモンスターと、フェイト戦でも見た厄介な亀が融合し、それはもう、『デモンベイン』もかくもというような超巨大なモンスターがフィールドに顕現する。
『シスター』
LP8000
手札5→4→2
《エルシャドール・ネフィリム》星8/光属性/天使族/攻2800/守2500
魔法・罠カード
無し
「デ、デケぇ……!? 何て巨大なモンスターだ……!」
紫色の衣を纏う、球体関節が目立つ超巨大な人形は何処か神々しくも禍々しい雰囲気であり、背中から天使の羽根のように無数の影糸が展開される。
攻撃力は2800程度だが、間違いなく何かを秘めていると確信する……!
「《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動! このカードが特殊召喚に成功した時、デッキから『シャドール』カード1枚を墓地に送る! 私はデッキから《シャドール・リザード》を墓地に送ります」
特殊召喚時に種族専用縛りつきの『おろかな埋葬』効果か。普通に強いが、やはり『融合』は手札消費が激しすぎるなぁ、とこの時は思っていたよ。
「墓地に落ちた《シャドール・ヘッジホッグ》と《シャドール・リザード》の効果発動、まずは《シャドール・リザード》の効果処理から。このカードが効果で墓地に送られた場合、デッキから《シャドール・リザード》以外の『シャドール』カード1枚を墓地に送る。私はデッキから《シャドール・ビースト》を墓地へ」
ん? 更に墓地肥やしだと? まさか効果で墓地に送られたら効果発動というのが共通効果なのか!?
「《シャドール・ヘッジホッグ》の効果、このカードが効果で墓地に送られた場合、デッキから《シャドール・ヘッジホッグ》以外の『シャドール』モンスター1体を手札に加える。私は《シャドール・ファルコン》を手札に加えます」
あ、これ絶対第九期のテーマだろ。サーチに次ぐサーチ、怒涛のサーチ力である。
「更に墓地に落ちた《シャドール・ビースト》の効果発動、このカードが効果で墓地に送られた場合、デッキから1枚ドローする」
『シスター』
LP8000
手札2→3→4
《エルシャドール・ネフィリム》星8/光属性/天使族/攻2800/守2500
魔法・罠カード
無し
ちょっと待てェ!? 『融合』による損失がまるで無くなってないか!?
圧倒的な1キル率を誇った『ファーニマル』とは違った意味で嫌な予感がするぞ!
此処は落ち着いて、あの《エルシャドール・ネフィリム》のテキストを読もう。
《エルシャドール・ネフィリム》
融合・効果モンスター(禁止カード)
星8/光属性/天使族/攻2800/守2500
「シャドール」モンスター+光属性モンスター
このカードは融合召喚でのみエクストラデッキから特殊召喚できる。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから「シャドール」カード1枚を墓地へ送る。
(2):このカードが特殊召喚されたモンスターと
戦闘を行うダメージステップ開始時に発動する。
そのモンスターを破壊する。
(3):このカードが墓地へ送られた場合、
自分の墓地の「シャドール」魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。
例の如く禁止カードで、2800打点の癖に戦闘時に対特殊召喚モンスターメタみたいな効果だとぉ!?
というか、何だよこのガバガバな融合素材指定は! もしかして他の融合モンスターも属性縛りだけなのか!? あ、こっちのモンスター使って『超融合』する未来が見える……。
しかもコイツ、融合召喚でのみエクストラデッキから特殊召喚出来るって、一回正規の融合召喚した後は普通に蘇生可能なのかよ。更に特殊召喚に成功したらシャドールモンスター限定の『おろかな埋葬』効果? 更に更に破壊されて墓地に送られても『影依融合』回収出来るのかよ!? 何か色々とおかしくね?
「魔法カード『天使の施し』を発動、3枚ドローして2枚捨てる」
そして皆大好き『天使の施し』、何でオレのデッキに入ってないんだ『魔術師』、このデッキにとっても相性最高だろうに……。
って――!?
「《処刑人-マキュラ》が墓地に落ちた事で、このターン、手札から罠カードを即時発動可能――私はモンスターを裏側守備表示でセットし、手札から罠カード『堕ち影の蠢き』を発動! デッキから『シャドール』カード1枚を墓地に送り、その後、自分フィールドの裏側守備表示の『シャドール』モンスターを任意の数だけ選んで表側守備表示に出来る」
また《処刑人-マキュラ》かよ!? そして専用『おろかな埋葬』にリバースオープン効果だと?
「私は《シャドール・ハウンド》を墓地に送り、その効果を発動しません。そして裏側守備表示の《シャドール・ファルコン》を表側守備表示に変更し、効果発動! このカードがリバースした場合、《シャドール・ファルコン》以外の自分の墓地の『シャドール』モンスター1体を裏側守備表示で特殊召喚する。私は《シャドール・ビースト》を裏側守備表示で特殊召喚します」
あ、リバース効果と効果で墓地に落ちた時に発動効果、これが共通効果なのか。一応1ターンに1度、2つの効果のうち1つしか発動出来ないという縛りがあるか。
「カードを1枚セットし、ターンエンドです」
『シスター』
LP8000
手札4→3→6→4→3→2→1
《エルシャドール・ネフィリム》星8/光属性/天使族/攻2800/守2500
《シャドール・ファルコン》星2/闇属性/魔法使い族/攻600/守1400
裏側守備表示のモンスター1枚(《シャドール・ビースト》)
魔法・罠カード
伏せカード1枚
異質な動きに戸惑いつつも、1ターン自体は他の『決闘者』と比べて短い内容となっている。
「オレのターン、ドロー!」
「スタンバイフェイズ時、速攻魔法『神の写し身との接触』を発動! 『神の写し身との接触』は1ターンに1度、自分の手札・フィールドから『シャドール』融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地に送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する!」
エルシャドール・フュージョン!? 速攻魔法の『融合』カードだとぉ!?
い、いや、速攻魔法の『融合』でも相手モンスターを素材として使えないからまだ有情……?
「《シャドール・ファルコン》と闇属性の《シャドール・ビースト》を融合! 融合召喚! ――影糸から解放されし闇の探求者よ、運命を支配する楔となれ! レベル5《エルシャドール・ミドラーシュ》!」
漆黒の梟と漆黒の獣が融合し、現れるは空舞う異形のドラゴンの人形を駆る緑髪のポニーテールの、魔導師風の少女の人形、無感情の顔で漆黒の杖を片手に振り翳す。
「融合素材として墓地に落ちた《シャドール・ファルコン》と《シャドール・ビースト》の効果発動。まずは《シャドール・ビースト》の効果処理から、デッキから1枚ドロー。続いて《シャドール・ファルコン》の効果、このカードが効果で墓地に送られた場合、このカードを墓地から裏側守備表示で特殊召喚する」
『シスター』
LP8000
手札1→2
《エルシャドール・ネフィリム》星8/光属性/天使族/攻2800/守2500
《エルシャドール・ミドラーシュ》星5/闇属性/魔法使い族/攻2200/守800
裏側守備表示のモンスター1枚(《シャドール・ファルコン》)
魔法・罠カード
無し
おかしいな、錯覚か、『融合』したのにアドが増えているような気がする。
攻撃力は2200と控えめだが、テキストはっと――。
《エルシャドール・ミドラーシュ》
融合・効果モンスター
星5/闇属性/魔法使い族/攻2200/守800
「シャドール」モンスター+闇属性モンスター
このカードは融合召喚でのみエクストラデッキから特殊召喚できる。
(1):このカードは相手の効果では破壊されない。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
その間はお互いに1ターンに1度しかモンスターを特殊召喚できない。
(3):このカードが墓地へ送られた場合、
自分の墓地の「シャドール」魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。
予想通りのガバガバな融合素材指定、『シャドール』モンスターが融合モンスター以外全部闇属性故にどれでも満たせるという。
そして相手効果に対する破壊耐性に、1ターンに1度しか特殊召喚出来なくなるまさかの特殊召喚縛り効果だとぉ!? え? これってデッキ次第じゃ《エルシャドール・ミドラーシュ》出された時点で詰むのもあるんじゃ……?
(……やばいぞ、これ。制圧系じゃねぇか!)
……まずいぞ、今の手札ではどうしようもない。
特殊召喚を1回まで制限した上で2200打点を超えろ、だと? 一回だけしか特殊召喚出来ないなら1ターンのうちにシンクロ召喚や――このデッキにはないが――エクシーズ召喚に繋げれないじゃないか!?
例え特殊召喚1回で2200打点を超えても、後続には特殊召喚されたモンスター絶対殺すマンの《エルシャドール・ネフィリム》が控えているだと?
つまり、攻撃力2800以上の《ワイトキング》を用意しても、特殊召喚で出した時点で無情にも破壊されるだけになるって訳か。このデッキで対処方法あるのか……?
いや、とりあえず動いてから考えよう。
「――っ、オレは《ユニゾンビ》を通常召喚し、魔法カード『手札抹殺』を発動! 互いの手札を全て捨て、捨てた枚数分だけカードをドローする。オレが捨てた枚数は4枚、よって4枚ドローする」
「私は2枚、2枚ドローします」
秋瀬直也
LP8000
手札5→6→5→4→0→4
《ユニゾンビ》星3/闇属性/アンデット族/攻1300/守0
魔法・罠カード
無し
「墓地に落ちた《ワイトプリンス》の効果発動、このカードが墓地に送られた場合、デッキから《ワイト》《ワイト夫人》を1枚ずつ墓地に送る」
墓地を肥やしつつ、新たに引いたカード4枚を見て――まさかのサイドから投入したこのカードが役立つとは思ってもいなかった。
「速攻魔法『月の書』を発動、フィールドの表側表示モンスター1体を裏側守備表示にする! オレは《エルシャドール・ミドラーシュ》を選択! これで特殊召喚を1ターンに1度だけと封じる効果は消え去ったな!」
「んなっ、《エルシャドール・ミドラーシュ》の破壊耐性を無視出来るカード……!?」
表側表示を裏側守備表示にする、昔からの速攻魔法『月の書』はボードアドバンテージを稼ぐ事は中々出来ないが、例えば自身のモンスターが効果の対象になった時にチェーンして裏側守備表示にする事で効果を不発させる事が出来る。
または相手モンスターの攻撃宣言時に裏側守備表示にする事で、メインフェイズ2で表示形式変更を出来なくし、裏側守備表示のまま次のターンに回させて無力化する事が出来る。
更にはリバース効果の再利用、誓約効果のリセット、そして今のように永続効果の遮断など、その汎用性は多岐に渡る。
テクニカルな使い方だと、召喚時にモンスター効果が発動する起動タイプを、罠カード『ブレイクスルー・スキル』で封じられそうになった時、チェーンして『月の書』でそのモンスターを裏側守備表示にする事で『ブレイクスルー・スキル』の効果だけ不発に終わらせて効果発動を成功させたり出来る。――同様に、永続罠『スキルドレイン』でフィールドの全ての効果モンスターの効果が無効化される環境下でも、『月の書』があれば《氷結界の龍 トリシューラ》の最強除外効果を相手にぶちかます事が可能になるのだ。
単純な破壊除去では得られない利点がこのカードにはあり、『月の書』の使い方が『決闘者』としての腕の見せ処とは良く言ったものである。
「そして永続魔法『生還の宝札』を発動! 自分の墓地に存在するモンスターが特殊召喚に成功した時、デッキからカードを1枚ドローする事が出来る!」
今回も来てくれた『生還の宝札』に思わず笑顔になる。まぁ今回は『早すぎた埋葬』は無いが――。
「《ユニゾンビ》の第一の効果発動! 手札を1枚――《ゾンビ・マスター》を墓地に捨て、フィールドのモンスターのレベルを1上げる。オレはレベル3の《ユニゾンビ》のレベルを4にする」
第二のデッキからアンデット族モンスターを落とす効果は使わない。
この効果は確かに便利なのだが、使うとアンデット族モンスターしか攻撃出来なくなるというデメリットがある。
これを忘れていて、シンクロモンスターを展開し終わって「あれ? 攻撃出来ない?」なんて『魔術師』の屋敷で何度も経験した事か。
「そして魔法カード『生者の書-禁断の呪術-』を発動! 自分の墓地に存在するアンデット族モンスター1体を特殊召喚し、相手の墓地に存在するモンスタ-1体をゲームから除外する。――オレが墓地から特殊召喚するのは《ワイトプリンス》、そして除外するのは《超電磁タートル》だ! 『生還の宝札』の効果で1枚ドロー」
厄介な《超電磁タートル》は除外しようねぇ。あの効果は絶対使わせねぇ。
秋瀬直也
LP8000
手札4→3→2→1→0→1
《ユニゾンビ》星3→4/闇属性/アンデット族/攻1300/守0
《ワイトプリンス》星1/闇属性/アンデット族/攻0/守0
魔法・罠カード
永続魔法『生還の宝札』
「レベル1の《ワイトプリンス》にレベル4となったチューナーモンスター《ユニゾンビ》をチューニング! シンクロ召喚! 現われろレベル5《TG ハイパー・ライブラリアン》!」
そして現れるは皆大好き電子の魔導師、鬼畜司書と名高い魔法使いモンスターである。
秋瀬直也
LP8000
手札1
《TG ハイパー・ライブラリアン》星5/闇属性/魔法使い族/攻2400/守1800
魔法・罠カード
永続魔法『生還の宝札』
「墓地に落ちた《ワイトプリンス》の効果で2枚目の《ワイト》《ワイト夫人》を墓地に送る」
これで墓地に《ワイト》達は5枚か。まだまだ行くぞぉー!
「墓地の《グローアップ・バルブ》の効果発動! デュエル中に1度だけ、デッキの一番上のカードを墓地に送り、墓地に存在するこのカードを自分フィールド上に特殊召喚する――『生還の宝札』の効果で更に1枚ドロー!」
秋瀬直也
LP8000
手札1→2
《TG ハイパー・ライブラリアン》星5/闇属性/魔法使い族/攻2400/守1800
《グローアップ・バルブ》星1/地属性/植物族/攻100/守100
魔法・罠カード
永続魔法『生還の宝札』
初期手札にあって、『手札抹殺』の効果で墓地に行った《グローアップ・バルブ》を蘇生し、墓地を肥やしつつ1枚ドロー。
「そして墓地の《馬頭鬼》を除外し、墓地のアンデット族モンスター《ワイトプリンス》を特殊召喚し、『生還の宝札』の効果でドロー!」
秋瀬直也
LP8000
手札2→3
《TG ハイパー・ライブラリアン》星5/闇属性/魔法使い族/攻2400/守1800
《グローアップ・バルブ》星1/地属性/植物族/攻100/守100
《ワイトプリンス》星1/闇属性/アンデット族/攻0/守0
魔法・罠カード
永続魔法『生還の宝札』
まぁ『遊戯王』において墓地とは『第二の手札』、もとい控室である。くっくっく、まだまだ動けるぞー!
「レベル1の《ワイトプリンス》にレベル1のチューナーモンスター《グローアップ・バルブ》をチューニング! レベル2のシンクロチューナー《フォーミュラ・シンクロン》!」
さぁて、もう毎度恒例の出場となっている《フォーミュラ・シンクロン》のお通りだー!
「効果発動、《フォーミュラ・シンクロン》のシンクロ召喚に成功した時、1枚ドローする。更に《TG ハイパー・ライブラリアン》の効果発動! このカードがフィールドに存在し、自分または相手がこのカード以外のシンクロモンスターのシンクロ召喚に成功した場合、デッキから1枚ドローする!」
秋瀬直也
LP8000
手札3→4→5
《TG ハイパー・ライブラリアン》星5/闇属性/魔法使い族/攻2400/守1800
《フォーミュラ・シンクロン》星2/光属性/機械族/攻200/守1500
魔法・罠カード
永続魔法『生還の宝札』
見よこの爆アド! シンクロ召喚すればするほど手札が増える、これが絆パワーだ!
「更に墓地に落ちた《ワイトプリンス》の効果で3枚目の《ワイト》《ワイト夫人》も墓地に」
これで《ワイト》モンスターが7体、3体除外してデッキから《ワイトキング》を出しても攻撃力4000だ。
だが、今回の主役は《ワイトキング》ではない。不確定だった道筋に光が迸り、光差す道となる。あとはその終点に向かってただひたすら加速するのみ!
「手札から2枚目の『生者の書-禁断の呪術-』発動! 墓地の《ゾンビ・マスター》を蘇生し、そっちの墓地にある《シャドール・ビースト》を除外、『生還の宝札』の効果で1枚ドロー!」
秋瀬直也
LP8000
手札5→4→5
《TG ハイパー・ライブラリアン》星5/闇属性/魔法使い族/攻2400/守1800
《フォーミュラ・シンクロン》星2/光属性/機械族/攻200/守1500
《ソンビ・マスター》星4/闇属性/アンデット族/攻1800/守0
魔法・罠カード
永続魔法『生還の宝札』
手札が豊富になった事で、最初の頃に捨てた《ゾンビ・マスター》をフィールドに戻す。
「《ゾンビ・マスター》の効果発動、1ターンに1度、手札のモンスター1体を墓地に送り、自分または相手の墓地のレベル4以下のアンデット族モンスター1体を特殊召喚する。オレは《ユニゾンビ》を蘇生し、『生還の宝札』効果で1枚ドロー」
秋瀬直也
LP8000
手札5→4→5
《TG ハイパー・ライブラリアン》星5/闇属性/魔法使い族/攻2400/守1800
《フォーミュラ・シンクロン》星2/光属性/機械族/攻200/守1500
《ソンビ・マスター》星4/闇属性/アンデット族/攻1800/守0
《ユニゾンビ》星3/闇属性/アンデット族/攻1300/守0
魔法・罠カード
永続魔法『生還の宝札』
『生還の宝札』のお陰で《ゾンビ・マスター》の効果での手札消費が単なる墓地肥やしと化している。全くもって素晴らしいシナジーである。
――さて、これで全ての準備は整った! 見せてやろう、このデッキの真の力を!
「――レベル4の《ゾンビ・マスター》にレベル2のシンクロチューナーモンスター《フォーミュラ・シンクロン》をチューニング! 艱難辛苦乗り越えて、見せてやろうか男意気! 出遭え! レベル6《ゴヨウ・ガーディアン》!」
そして現れるは白化粧の傾奇者といった具合の御用モンスター、シンクロ時代に登場して環境を激変させた禁止モンスターであり――。
「アイエエエエェ!? ゴヨウ!? ゴヨウなんで!?」
「ク、クロウ兄ちゃん落ち着いて!?」
今尚このモンスターにトラウマを抱いている『決闘者』は数多い。レベル6のシンクロモンスターの代表格であり、あの《氷結界の龍 ブリューナク》の頼もしき相棒である。
「シンクロモンスターがシンクロ召喚された事で《TG ハイパー・ライブラリアン》の効果で1枚ドロー!」
秋瀬直也
LP8000
手札5→6
《TG ハイパー・ライブラリアン》星5/闇属性/魔法使い族/攻2400/守1800
《ユニゾンビ》星3/闇属性/アンデット族/攻1300/守0
《ゴヨウ・ガーディアン》星6/地属性/戦士族/攻2800/守2000
魔法・罠カード
永続魔法『生還の宝札』
「レベル5のシンクロモンスター《TG ハイパー・ライブラリアン》にレベル3のチューナーモンスター《ユニゾンビ》をチューニング! お上の威光の前にひれ伏せ! レベル8《ゴヨウ・キング》!」
そしてチューナ+チューナー以外のシンクロモンスター1体という重い縛りで出てきたのは《ゴヨウ・ガーディアン》の進化系と言うべきシンクロモンスターである。
秋瀬直也
LP8000
手札6
《ゴヨウ・ガーディアン》星6/地属性/戦士族/攻2800/守2000
《ゴヨウ・キング》星8/地属性/戦士族/攻2800/守2000
魔法・罠カード
永続魔法『生還の宝札』
「《ゴヨウ・キング》……!? そんなモンスターまで……!」
流石の『シスター』も動揺が激しいようである。……まぁ、『魔術師』から貸して貰ったデッキがこんなんだった、なんて予想出来る奴は居ないだろうな。
コイツはシンクロ素材から見ての通り、非常に出し辛いが、その分、それに相応しいほどの強力な効果を持っている。……まぁ、初代の《ゴヨウ・ガーディアン》はレベル6で出しやすい上に攻撃力2800打点なんだが。
「墓地の《ワイトプリンス》の効果発動、自分の墓地から『ワイト』2体とこのカードを除外し、デッキから《ワイトキング》1体を特殊召喚する。オレは《ワイト》《ワイト夫人》を1枚ずつ除外し、いでよ《ワイトキング》!」
まだまだ終わらない。ついでと言わんばかりにデッキから《ワイトキング》を特殊召喚する。
「墓地には《ワイト》2枚、《ワイト夫人》2枚、よって《ワイトキング》の攻撃力は4000となる!」
秋瀬直也
LP8000
手札6
《ゴヨウ・ガーディアン》星6/地属性/戦士族/攻2800/守2000
《ゴヨウ・キング》星8/地属性/戦士族/攻2800/守2000
《ワイトキング》星1/闇属性/アンデット族/攻?→4000/守0
魔法・罠カード
永続魔法『生還の宝札』
「《ゴヨウ・キング》で裏側守備表示の《シャドール・ファルコン》を攻撃! 攻撃宣言時、効果発動、このカードの攻撃力はダメージステップ終了時まで自分フィールドの戦士族・地属性のシンクロモンスターの数×400アップする! オレの場にいる戦士族・地属性のシンクロモンスターは2体、よって《ゴヨウ・キング》の攻撃力は800アップして3600になる!」
……まぁ、あのシンクロ素材でこの限定的過ぎる攻撃力アップしか持たなかったら単なる産業廃棄物カードだったが、『ゴヨウ』モンスターの真骨頂はモンスターを戦闘で破壊した後である。
守備力1400、更には既に墓地からの蘇生効果を使った《シャドール・ファルコン》はリバース効果を使えず爆発四散――さぁ、此処からが数多の『決闘者』を絶望に陥れた効果の発展型だ!
「このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し、墓地に送った時、以下の効果から1つ選択して発動出来る。――破壊したそのモンスターを自分フィールドに特殊召喚するか、相手フィールドの表側表示モンスター1体を選んでコントロールを得るか」
そう、これが『ゴヨウ』モンスターの真骨頂、戦闘破壊した際に発生する相手モンスターの寝取り効果である……!
「当然、オレは2つ目の効果を発動し、《エルシャドール・ネフィリム》のコントロールを奪う! さぁゴヨウだぁー! 権力の前にひれ伏せぇい!」
「あああっ、ネフィリムぅぅぅ!」
『シスター』の無表情が一瞬にして悲痛の顔に歪み、あの巨体に縄が雁字搦めとなって《ゴヨウ・キング》が物凄い良い笑顔で一本釣りしてオレのフィールドに来る。
ははは、敵ならば脅威だが、味方なら頼もしすぎる! そのモンスターはオレが有効的に使ってやるとしよう!
秋瀬直也
LP8000
手札6
《ゴヨウ・ガーディアン》星6/地属性/戦士族/攻2800/守2000
《ゴヨウ・キング》星8/地属性/戦士族/攻2800/守2000
《ワイトキング》星1/闇属性/アンデット族/攻4000/守0
《エルシャドール・ネフィリム》星8/光属性/天使族/攻2800/守2500
魔法・罠カード
永続魔法『生還の宝札』
「更に《ゴヨウ・ガーディアン》で裏側守備表示の《エルシャドール・ミドラーシュ》を攻撃! ゴヨウ・ラリアット!」
更に続いて『月の書』で裏側守備表示にした《エルシャドール・ミドラーシュ》を攻撃、その守備力は僅か800なので簡単に粉砕する。
この時点で『シスター』のフィールドはがら空きとなる。
「ぐっ、破壊された事で《エルシャドール・ミドラーシュ》の効果発動! このカードが墓地に送られた場合、自分の墓地の『シャドール』魔法・罠カード1枚を手札に加える。私は『影依融合』を手札に戻す!」
『シスター』
LP8000
手札2→3
無し
魔法・罠カード
無し
本当に墓地に行ってもアドを取るとか厄介極まりないが――。
「そんなの関係ねぇ! 《ゴヨウ・ガーディアン》の効果発動! このカードが戦闘で相手モンスターを破壊して墓地に送った時、そのモンスターを自分フィールド上に表側守備表示で特殊召喚する! これが権力だ! オレの場に来い《エルシャドール・ミドラーシュ》!」
「うぅぅぅっ、私のミドラーシュまでも……! 悠陽ぃぃぃ!」
……いやまぁ、このカードを入れたのは『魔術師』だが……怒りの矛先がオレに向いてないから別にいいか。
紐付十手の縄で、墓地から《エルシャドール・ミドラーシュ》を束縛して一本釣りして我がフィールドに揃う。
……無感情な人形だったと思ったが、変な拘束の仕方(亀甲縛り?)になったせいか、やや頬を赤く染め、恨めしそうな眼で此方を見ているのは気のせいだと信じよう。
秋瀬直也
LP8000
手札6
《ゴヨウ・ガーディアン》星6/地属性/戦士族/攻2800/守2000
《ゴヨウ・キング》星8/地属性/戦士族/攻2800/守2000
《ワイトキング》星1/闇属性/アンデット族/攻4000/守0
《エルシャドール・ネフィリム》星8/光属性/天使族/攻2800/守2500
《エルシャドール・ミドラーシュ》星5/闇属性/魔法使い族/攻2200/守800
魔法・罠カード
永続魔法『生還の宝札
《ゴヨウ・ガーディアン》の効果では表側守備表示で特殊召喚なので奪ったモンスターでは追撃は出来ない。
とても有情と感じる当たり、時代の流れをひしひしと感じるが、おそらく第九期出身であろう《ゴヨウ・キング》が奪ったモンスターは攻撃表示のままだ。
「更に《エルシャドール・ネフィリム》と《ワイトキング》でダイレクトアタック!」
『シスター』
LP8000→5200→1200
あの巨体からの拳が直接『シスター』を殴りつけ、更には《ワイトキング》もアグレッシブに疾走して直接蹴って追撃する――って、お前、そんな攻撃方法もするんかよ。バリエーション豊かだな。
それにしてももうちょっと女の子に優しくだな、と思ったが、『歩く教会』装備だから問題無いか。
2体のモンスターによる攻撃自体は大した事無かったようだが、『シスター』は呆然と奪われたモンスターを眼にし、誰の眼から見ても明らかに動揺の色を強く浮かべる。
「カードを2枚伏せてターンエンド」
本日の禁止カード
《エルシャドール・ネフィリム》
融合・効果モンスター(禁止カード)
星8/光属性/天使族/攻2800/守2500
「シャドール」モンスター+光属性モンスター
このカードは融合召喚でのみエクストラデッキから特殊召喚できる。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから「シャドール」カード1枚を墓地へ送る。
(2):このカードが特殊召喚されたモンスターと
戦闘を行うダメージステップ開始時に発動する。
そのモンスターを破壊する。
(3):このカードが墓地へ送られた場合、
自分の墓地の「シャドール」魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。
『シャドール』が誇る特殊召喚されたモンスター絶対殺すマンにして『シャドール』から失われたメインアタッカー。
第九期の中では融合モンスターで唯一の禁止カード。制限に戻しても良いんだよ?
融合素材がシャドール+光属性なので『超融合』が捗り、尚且つその効果で即座に損失を補うどころかアドを増やせる最高のカード。あ、作者はリアルでも『シャドール』持っているので贔屓全開だよ。仕方ないね。
ただし、相手がどんなに攻撃力が低くても特殊召喚されたモンスターならダメージ計算を行わずに破壊してしまってダメージを与えれないから注意だ。
今の環境では《ホープ・ライトニング》で5000オラァで屠られるので、復帰させても大丈夫ですよ(ダイレクトマーケティング)
1月改定で復帰してエクシーズ狩りさせて下さい黒咲さんが何でもしますから。
《ゴヨウ・ガーディアン》
シンクロ・効果モンスター(禁止カード)
星6/地属性/戦士族/攻2800/守2000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、
そのモンスターを自分フィールド上に表側守備表示で特殊召喚できる。
シンクロ初期に大暴れしたシンクロモンスター、同じ縛り無しで属性・同じ戦士族の《大地の騎士ガイアナイト》が泣いている。
攻撃力2800以下はもれなくゴヨウされるという事で、当時はまじめに打点2800をゴヨウラインとして環境で強く意識されていた。
新しき召喚法、シンクロ召喚により環境は加速し、数多の『決闘者』達が新しいエースを迎える中、当時ほぼあらゆるデッキに投入された《ゴヨウ・ガーディアン》は数多のモンスターをゴヨウし、数多くの『決闘者』を絶望させた。
最終的には自分がゴヨウされて禁止カードとなり、伝説へ――と思ったら海外の方では釈放されている。そのうちひょっこり帰ってくるかもしれない。
……しかし、今の環境から見ると、レベル6からの2800打点でついでに守備表示で相手モンスターを奪えるだけであり、若干物足りないと思うのは『決闘者』が異常な環境に慣れすぎたせいである。