モンスターハンター 閃耀の頂   作:生姜

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第七話 雪獅子の群山 - 集う

 

 フラヒヤに音が満ちる。

 山間を駆ける風の音。吹き付け積もる雪の音。ブランゴの叫声。ドドブランゴの怒声。猟団員のかけ声。

 そして ―― 巨獣と相対する、書士隊の声。

 軋む音がする。音源は足。決して軽くは無い、全身装備のハンターを遙かに超える質量だ。ただ1つあるだけで雪を圧し地を砕き敵対者を振り払うそれが、4つ揃って地に根ざしている。巨獣と呼ばれるに相応しい生物 ―― ガムートが、緩慢だが揺るぎない動作で振り向いた。

 視線が此方を捉えた瞬間に、えも言われぬ威圧感に包まれる。ダレンは半身に向かい、腰に佩いた『斬破刀』の鯉口を切る。

 

「つぇあっ!!」

 

「ブォォオオオオ!」

 

 圧力を伴う吐息がガムートの周囲に雪風を巻き起こす。振り回された牙と鼻と風音の霧中、ダレンは冷静に務めて順に受け流しては柔の剣を放つ。芯をくわなければこの太刀に負けは無い。ダレンの技量の見せ所である。

 刀身の先で逸らし、腹を滑らせ ―― 巻き打ち。潜り、逆袈裟、喉元を目掛けて放つ。

 身体を覆う毛の流れに逆らわず。押し付け、太刀の長さを活かして、引き斬る。欲張らず。太刀を引いたまま、任せて思い切り横へと飛び退いた。鞭のようにしなった鼻が叩きつけ、ダレンが立っていた地面を圧壊する。

 細く、それでいて、短く白い息を吐く。

 

(動作は見切り易くはある。だが、質量が質量だ。巨獣にとっての一動作が私達の致命打になるのでは、慎重に成らざるをえないか)

 

 クエスが幹の様な四つ足に剣を突き立て、ヒントが後ろから十分な距離を保ちつつ砲を放つ……その姿を横目に捉えながら、ダレンはこの迎撃の行く末を予測する。

 隊が管轄地の外側を駆けた本来の理由は、既に達成されていると考える。「馬鹿者」の3人が居たことを視認したのだから。

 猟団とドドブランゴの狩猟は未だ決着がついていない。鑑みて、ダレンはこのガムートの「相手をする」と決めた。討伐ではなくて良い。この個体の闘争心が尽きるまで、根比べをしよう。それだけでも十分に、猟団にとって助けとなる事は出来る。

 故に。考えるとすればこのガムートを撒く(・・)方法であるが……それについては算段がついている。

 

「かーたーい! ねぇ、ねぇねえヒントっ! 分厚くない!?」

 

「確かに硬いけれど、傷を付けられないという理不尽はないよ。……とはいえこの生物に、体力勝負を挑むのは無謀だろうね」

 

 ヒントとクエスが交互に、前後しながらガムートの足を切りつけてゆく。ヒントの砲は狙いが付けづらい。弾丸径によって威力を高めてはいるが、砲身の長さがないからだ。

 爆斧(アクセルアックス)の砲において、射撃機構はあくまで「ついで」でしかない。炸薬の反動を利用した刀身の加速こそが本筋である。砲身には、弾丸を十分に回転させる程の機構もない。狙いのままならない射撃。つまり本来、連携はし辛いのである。

 ヒントの場合はこれを、小型生物への威嚇や、無用な争いを避けるための「獣避け」として活用する事が多い。しかし山ほどの巨体を持つガムートであればこそ、中距離からは狙い易いようで、音のうるささもあってかようく気を惹いている。敵意が向くと直ぐに引く、という立ち回りも徹底しているため、ダレンが指示を飛ばす必要は未だ無い。

 

(助かる。……いや。そもそも私が決めるのは方針だけ。それで十分に稼働するからな、この隊については)

 

 役目役割が決定しているというのもある。元々、書士隊での活動で協同した経験も数多い。急造のチームではない、というだけでも頭の負担は減るものだ。

 かくいうダレンも、ガムートは資料でしか知らない生物。手探りなのはそもそも、ウルブズが経験のない相手という時点で確定事項である。

 

「―― ブォオオ!」

 

 苛烈さを増した巨獣は自らの身体をこそ猛威と化し、暴れる。轟音空を鳴らして牙を振り。圧雪地を慣して鼻を吹かし。フラヒヤに在り、身体という質量をこそ武器とする巨獣だからこその驚異。常ならば温厚であればこそ、怒り荒ぶるその姿は人々の記憶に深く焼き付けられる。そうして語り継がれてきたのが、ガムートという生物なのだから。

 

「後ろ足。また雪を剥がすよ、クエス!」

 

「やってる! もう、もう! きりが無いけど、仕方ないっ!!」

 

 ダレンとウルブズが注視されている内に、ヒントがクエスを引っ張ってくれている。ガムートの挙動ひとつひとつが天を揺るがし地を震わす程の衝撃をもたらすが、重さを含むからこそ前駆動作が読み易い。当然、振り向くのにも時間はかかる。討伐しなければならないのであれば兎も角、足止めこそが最善の今、比較的安全に傷を付けられる後ろ足を狙い続けるのは有効だ。体力さえ削れば、それで良い。

 

「ダレン隊長、そちら行ったよ!」

 

「了解した!」

 

 ウルブズの周囲が狙われる。クエスの声を受けて、ダレンは背走する。ガムートの牙、鼻全てが此方を衝いている。雪上を駆け滑り、ダレンは範囲から逃れゆく。ガムートが狙いを定めるその隙に、クエスとヒントは再び後ろ足を狙い始めた。ウルブズはカルカと2人、周囲を取り囲む形で陣形を組み直す。

 カルカが構えた楯で雪塊を弾き、太刀を腰に佩いたままのダレンを見やる。

 

「継戦か、ニャッ!」

 

「そうだ……しぃっ!」

 

 ガムートの牙を捌いて、太刀を再び鞘へ。ただでさえガムートという強大な生物を相手にしている。長丁場だというのに猶予はない。

 ダレンは観測気球をちらりと見やる。隣接した管轄地の宙。球皮に熱を受け、星空の只中に浮いた2機。

 

 ―― ひとつ。(バスケット)から突き出た電信部が輝いた。光信号だ。

 

 ただでさえない猶予を振り絞って、ダレンは足を止める。

 端的な信号だった。内容を理解するのに時間はかからない。

 ダレンの足は、止まったままだ。

 

「……観測部隊の皆様は、なんて言ってんニャ、ダレン?」

 

 ガムートを注視したまま、荒い息の合間を縫ってカルカは尋ねる。巨獣は待たず、前方にいたクエスを右後ろ足で吹き飛ばした。ヒントが足場を確かめながら援護に入り……その顔を見て、ぎょっと表情を崩す。

 ダレンは額に皺を寄せ眉を(ひそ)め。(しか)めた顔を微動だにせず ―― 警告。

 

「ドドブランゴ1頭(・・)の討伐に成功。そして ―― 」

 

 強い視線を感じた。ダレンの見つめる先 ―― 隣の山からだ。

 ダレンが、そして気配を察したウルブズが身を引いたのと同時。フラヒヤの天頂、星の運河を横切って影が降る。

 ガムートが後ろ背にする岩山。強く濃く、砲弾が着弾したかと思うほどの衝撃。

 書士隊員は二度(ふたたび)、見上げる。

 

 現れたる白毛赤面獅子の長。手負いの、大型の牙獣種。

 雪山の主 ―― ドドブランゴが、其処に現れて居た。

 

「ドドブランゴ。向こう(・・・)で争っていた番の、片割れか……!」

 

「こいつ今、隣の山から飛んで来やがった……ニャッ!?」

 

「ぬうん! 乱入という訳か!?」

 

 他方(あちら)の山から飛び移るという、埒外の脚力。両手を前に付き、赤面でハンターらとガムートを睥睨する、雪獅子。既に牙の片方が焼き折られた跡は見えるが、その威容にも美髭にも ―― 書士隊員が感じる脅威も敵意も。いやに澄んで、明瞭だ。

 つまりは、包囲網は、失敗した。猟団《蠍の灯》は番の片方を取り逃がしたのだ。観測気球が慌てて観測鏡を振り回し、此方の山へ。ダレンが其方を見る猶予は既にない。観測は任せる他にない。

 乱入。統計が出ている。採取、討伐、捕獲のいずれも問わず(闘技は除外できるかも知れないが)。常からして依頼(クエスト)が失敗となる原因の、最たるものだ。それが今、よりにもよって最も重要な局面で起こった。猟団側も対策はしていたに違いないが、予測を超えて余りあるのがこれら大型生物である。そうでなければ、驚異とはよばれまい。

 一概に猟団を非難するつもりはない。とはいえ、現状は打破しなければならない。

 ダレンは視点(・・)を引いて俯瞰する。観測気球……引いては内部に居るギルドマネージャーから下されるであろう依頼指示(クエスト&オーダー)は、信号を汲まずとも予測は容易。ガムートは撃退。ドドブランゴはより厳重に、最低限討伐かそれに準ずる無力化が望ましい。隣村や通商路に被害を及ぼす、その前に。

 

「―― オオオォォォォ、オオオオン!!」

 

 人を待たず。待つ者も既に亡く。岩山の天辺に前足をかけ、雪獅子は雄叫ぶ。

 感情に塗れたその叫び。緩くも呼応したガムートが振り向き、相対する。

 混沌に混迷を重ねて。一転した戦況が、またしもここから、転じ始める。

 巨獣と雪獅子。視線が交わされ、感情のままに飛び掛かる。

 

「―― ドォォオ!!」

 

「―― ブォォオ! ォォーン!!」

 

 衝突音。雪獅子の膂力と巨獣の質量とがぶつかり、波となって伝播する。

 ガムートの封じ込めは順調だった……が、それも過去。それら算段は、この乱入によって脆くも崩れさっている。

 かつて修行の最中、年若い……火の国の第三王女に下された、無理難題のふられぶりを思い出す。考えろ。順路を探れ。再計画が必要だ ―― この程度。猟繁期の火の国での大連続狩猟よりは、まだ肉体的に何とかなる。そう自らを鼓舞し、獣と獣のぶつかり合いに負けず通る声で、ダレンは叫んだ。

 

「クエスは別隊、拠点に伝令走れ! ヒント、ウルブズはガムートを! 私とカルカで、ドドブランゴを相手取る!!」

 

 打てば、声は返り来る。

 

「りょっ、了解! ……じゃあね、頑張ってよ、ヒント!」

 

「頼んだ。道中気を付けてよ、クエス。……やろう、叔父貴!」

 

「おうさ! どうれ……!」

 

 ウルブズが舌なめずりをして、雪獅子と巨獣の応酬を観察する。隙を伺っているのだ。

 飛び掛かったドドブランゴ。流石に体格差がある。ガムートは余裕を持って受け止め ―― 否、牙を掴んだ雪獅子に頭部を振り回され、地面に叩きつけられた。人のそれに近い構造をしているドドブランゴの前足は、精緻かつ、強大な握力を有している。ぶつける、殴打する、投げる。様々な攻撃方法を採る事が出来るのが利点と言えよう。

 お(あつら)え向きに正面にいる。ガムートが地べたに顎を付けたまま、膂力だけでドドブランゴの腹を突き上げる。立ち上がり、浮き上がった身体を、首を思い切り振る事で放り投げ……突進。岩山との間に挟まれ、ドドブランゴが暴れ叫ぶ。正面押し合った鼻と牙を、力づくに押し退けた。雪獅子は岩壁を蹴って大きく飛び退く。殴打された左側腹部が腫れ始めるが、同時にガムートの牙も先が折れた。投げられる直前に、脇に挟んで捻じ曲げられた様だった。

 

(クエス。離脱は……成ったか?)

 

 ぴーい、と甲高い音が響いた。これら激突と呼ぶに相応しい攻防の間に、クエスが伝書鳥を伴って猟場を離れた合図である。

 山岳地帯は鳥や狼煙など、空を使った通信の手段が著しく制限される。低所から高所は視認し辛い。拠点は高い位置が好ましいが、遠ければ遠いほど守るにも維持するにも手が必要となる。拠点を麓に作成することが多いのは、そういった理由からだ。

 しかしここフラヒヤ雪山では、下りの路は雪車を使えば短縮できる事も多い。切迫した場面では、人を飛ばした方が早い場合もままあろう。

 

(無論、ジラバとフシフが猟場に出辛いというのも大きな理由ではあるがな)

 

 武器の整備のためにはジラバは近隣にいた方が有利。書士隊としての資料のやり取りも、フシフが居れば捗る。だが猟場が不安定になればなるほど、拠点の戦力が乏しいのもまた事実。フシフは身重で、ジラバは生来筋力量に乏しい。クエスを伝令として走らせたのは、彼らの護衛という意味合いも大いに含んでいる。飛甲虫の甲殻を鎧として使っている事もあり、隊で最も身軽でもある。

 分断を。この場に残ったダレンとカルカ、ウルブズとヒントの思考は一致している。混沌とし始めたこの場を、せめて人がコントロール出来る環境に。そのためにはこの巨大生物同士の激突に何処かで割り入り、引き離さなければならない。

 

「―― なればこそ、我の出番よなぁ」

 

 忙しなく眼球を左右させ、2頭の激突をじっと観察していたウルブズが言う。

 斧形態のままの『精鋭討伐隊剣斧』を片手に、飛び込んだ。

 

「どぉっせえい!!」

 

 地を震わせる踏み込み、巨躯をしならせ、一部の隙もなく力を伝え。唸る剣斧が ―― ドドブランゴへ、放たれる。

 首元へ鈍い音。毛皮でもって阻まれる。打撃として振る舞われた一撃を難なく受け止め、雪獅子は睨む。万力の左掌に、剣斧の刀身を掴まれる。雪獅子の吐息は、生臭い血臭に満ちていた。

 

「ドォオオ、オオン……オオオォォーーッ!」

 

「ざっつぐれえと……よなぁぁぁぁっー!!」

 

 叫びながら押し合う。圧し合う。巨漢のウルブズですら、体躯はドドブランゴの腕にも満たず。

 しかしそれ程の質量差がありながら、ウルブズは状況を覆す。

 ドドブランゴの右手が地面を離れた瞬間。首筋に剣斧を当てたまま身を内に返し入れ、足を支点に。土砂竜の鎧の肩当でもって体重をかけると、ドドブランゴが奥へと転げた。勢いは強くは無い。が、雪獅子と巨獣との距離が大きく開けた。

 

「ゆけえい!」

 

 数歩前進すれば、そこは剣斧の間合い。横薙ぎ、かち上げ、変形、斬り叩く。

 ドドブランゴは身を傾け引いたまま、殴打を受けたまま、腕を高く振り上げる。

 ダレンが低く、駆けた。

 

「こちら、引き受けましょう!」

 

「だっはは! 頼んだぞう、ダレン! カルカ!!」

 

「まっかせるニャァー!」

 

 前後を入れ替わる。雪獅子の巨腕が降る。身の小ささを利用しその初撃を受け流したカルカ、真横をすり抜け『斬破刀』をあてた。雷奔るその前に、守勢に回った雪獅子が前脚を蹴って、大きく後ろへ飛び退いた。

 会釈の代わりにヒントとウルブズに目配せを残した。このまま距離を開けてゆく。ダレンの方針は先ほど示している。ドドブランゴを、引き受けなければならない。

 正面息を荒げるは手負いの雪獅子。その赤面から放たれる強大な害意を……この場において受け止め、多少なりとも「興味」を持たれなければならない。かつての仮面の狩人の様に。つなぎ止めるだけの何かが、必要だ。

 

(面に立つための役目を、ウルブズ殿ばかりに頼っているのは ―― いただけない(・・・・・・)

 

 何より自分が、そうしたいと思う事が出来る(・・・・・)。なにせ彼や彼女らに追いつくべく、ダレンは研鑽を積んだのだ。

 書士隊長……一等書士官として学びつつ、業績を重ね……隙を縫っては修行を続けた日々。それら積み重ねの結実を証明しよう。ならばと腹に力を入れる。寒気と一緒くたに息を吸う。(ふいご)を吹いて、燃え出して。そうしてやっと生まれた熱を身体で循環させ、剣を覆うイメージを広げてゆく。

 先の『見切り』にしろこれ(・・)にしろ、ダレンにとっては新たな一歩。

 例え、崖の端を踏み切り空の端を目指すような意思の力が必要だとしても。

 

「やったれニャ、ダレン!」

 

 察したカルカが、隣で小さく力こぶを作ってみせる。彼が前にどっしり構えた橙色の大楯は、名高きユクモの堅木と火の国鋳造の鉄板を重ねて作られた、軽くも強く、柔軟で、幾度となくダレンを守ってきた物。故に、全幅の信頼を置いている。背中を押されるに、勢いづいて十分だ。

 

「どっしゃあ!!」

 

 後方に戻り、ガムートの正面に躍り出たウルブズが猛る。片手で振り抜いた剣斧が火花を散らす。巨獣の白地の牙ががつりと大きな音をたててしなり、衝撃をいなすべく ―― その巨躯が僅かに揺れる。敵意が傾く。ウルブズはあえて視界の内から攻撃し、ガムートを煽っているのだ。

 唇を吊り上げ牙を覗かせた彼に頷きを返し、ダレンは踏み出す。

 狙いは顔面、出来れば、派手に出血する額。横合いから。『斬破刀』が手掌に吸い付く。雪獅子は両の前足を前に突き出し、向かいうつ。

 

 一歩右袈裟、削いでいく。二歩左袈裟、斬り砕く。三歩細かく切り上げ、左右腕をこじ開ける。

 四歩脳天、大上段から地面まで。五歩顔面巻き打ち、息を吹き込む ―― 鋼は燃える。

 大きく、大きく踏み侵す。主体は既に身体には無く、刀身にこそ。

 柄を把持する掌、擦れ合った他方の熱をも受けて、柄から剣尖までが熱を帯び。

 雷光先奔り、空がはじけて焼け爆ぜる。水平果てまで振り抜いた斬線は余韻に(なび)き、赤く儚い弧を描いた。

 

 ―― 鮮血。

 皮を超えて血管に届いた証左。ダレンの連撃が、ドドブランゴの硬皮を斬り裂いたのだ。

 

「しぃっ……はっ、はっ。……何とか、通ったか」

 

 残心間もなく、太刀を鞘へ。息を細切れに吐き出しては整える。燃えるような感覚から意識を必死に手繰り、寄せる。

 気を練ると書いて『練気』。練られた刃をして『気刃』。ハンターが自らとその得物を強化する術法(・・)のひとつ。シキ国など(・・)の刀剣使いを通して一部のハンターに広まった「不可思議な力」の、珍しくも一般化にまで到った用法である。

 純然な体術たる『見切り』とは、源流からして異なる術法である。その大元は東方とも西方とも諸説存在し、術理の探索は困難を極めた。ペルセイズら双剣使いが扱う「鬼人化」なる気の用法の順路を長く遡り、気丈に辿り……故フェン・ミョウジョウの道場員や家族の力も借りて、繊細に理論を組み立てること1年。それだけの時を用法の確立だけに費やした。そこから更に修行を経て何とか形にしたものが、現在のダレンの型となっている。

 修行の内容は感覚的なものから身体を鍛え抜くものまで、兎にも角にも手当たり次第。強走薬やマカ壷で強化された鬼人薬等々、代謝に異常を来たすものを服用し、神経系に負荷をあたえながらの組み手や狩猟は茶飯事。多岐に渡る修行苦行荒行の数々によって、只人たるダレンはようやっと「熱」を扱えるようになったのだ。

 最終的には扱えるようになったものの ―― 確かに、この感覚を言葉にするのは難しい。ダレンの脳内においては、「気」なるものは複数種類があり……神経伝達物質などを、自らの意思や何かしらの引き金を経て「意図的に分泌」する事でハンターとしての技能を(主として)長じるものである、と解釈してみてはいる。感性に拠り過ぎているため、決して書面には残すことはないだろうが。

 

(この解釈が正しいのかは兎も角、私がこれを扱えるようになった事には自信を持たねばな)

 

 武器得物も相応の物を用意された。銘を『斬破刀』という、雷を纏う機構を組み込まれた「絡繰太刀」だ。ジラバが言うには幾つかモンスターの希少素材を採用した、実験的な刀剣であるらしい。

 希少素材。『逆鱗』や『玉』などの、種族に共通しない……生物固有の希少部位に生成される物を指した単語だ。ハンターの武器も素材も、使い古され目減りする物。どちらかと言えば消費される物だという認識がダレンにはあった。それは始めに師事したのがヒシュという実利的な狩人であるのも、理由ではあるのかも知れない。彼は武器も防具も重用はするが、修繕や使い易さを基準に選んでいる節があったからだ。

 そのため、始めはダレンも理由を図りかねていたが、ジラバに言わせれば上位のハンターであればあるほど、希少素材を武器に組み込むというのは理に適った選択であるらしい。ハンターが扱う武器はどうやら、生物の中核素材を盛り込む程にこの「気」の通しが潤滑に行えるようになるらしい事が、かつてジラバが行った研究調査によって判明している。

 文献にはダレンも目を通した。そうなる理論理屈は他として、結論、武器の類が硬さ鋭さ共に優れた数値を示す。先行的で実践的な研究だった。今こうして実感も出来ている。否定する理由はないだろう。その心算も、元よりない。

 これら研究結果によって、一部界隈では素材が精査および高騰し始めたりもしているが、市場の活性化であろうと前向きに捉えている。そも希少素材など、求めたとて現れないからこそ「希少」と呼ばれるのだから。人のエゴ ―― ただの一事によって生態系を崩そうという動きには、なるはずもないのである。

 

「ウォオ゛ーッ! オオォーーッ!」

 

 額が裂け、滴った血に視界を覆い塞がれたドドブランゴは、その巨体に似合わぬ敏捷さで手当たり次第に駆け回り……ガムートとは別の区画へと駆け込んで行く。狙いの通り、分断である。ガムートが其方を向こうとするのを、ウルブズとヒントが身体を張って食い止めている。

 残す2人へ向けて首肯。ダレンとカルカはふたり、雪獅子の後を追った。

 

「しぃー、ふぅ……」

 

 雪道を駆ける最中、息を吹いて『斬破刀』に気を向ける。先よりもぼうっと、燃えるような熱が刀身から身体までを循環しているのが判る。刃に気を練り込むための一連の動き。これは体系づけたダレンが弟子であったため、図らずも故フェン・ミョウジョウが開祖となった。円を根幹として連続し、終に放たれる気の刃。止めの巻き打ちには「大回転斬り」なる名称が付けられたらしいが、ダレンとしてはしっくりこない点もある。体術としての面よりも、自らの身体が燃えている様な感覚が強く印象に残るからだ。

 

(いつかノレッジが語ってくれた所感、そのものなのだがな)

 

 感覚はそれとして。この「練気」という技術(・・)は、ノレッジやヒシュの言う所の「気炎」とは、近くはあれども別の……扉で隔たれた他区画にあるものだろうとも考えている。

 落胆は全くもってない。つまり自分はかつて彼ら彼女らに語られるだけだった「扉」なるものの存在を、こうして知覚出来るようになったのだ。遅れはとったが、あの3者の背くらいは見える立場になったのやも……という嬉しさと充足感がある。今思えば大剣の修行として最初に行った座禅なども、これらを知覚できるか否かを判断するための材料だったのかも知れない。

 

(息乱し走った道は、確かに此処へ繋がっていた。これ以上に嬉しいことは無い)

 

 相手は特級(マスタークラス)。体長体高からして当然、循環血液量は豊富であろう。ダレンが与えた程度の傷、出血など取るに足らず。しかし確かに届くのだと証明して見せた事に意味がある。立ち向かうため。ドドブランゴをここに繋ぎ止めるため、だ。

 

(ここにヒシュが居れば、真っ先に引き受けていた役目 ―― 大型生物を煽る、敵役。私では力が不足しているかも知れないが)

 

 先ほどの気刃は、ドドブランゴの興味と敵意を大いに惹いてみせたようだ。

 地面に身体をこすりつけ、全身を掻き毟り、額を執拗に腕の毛で拭い……ようやくと晴れた視界。雪獅子は確たる敵意と害意をもって、ダレンを睨み据えている。

 

「やる気ニャァよ!」

 

「ああ。迎え打つ……!」

 

 ダレンが左へ。カルカが右へ。ドドブランゴの咆吼が、雪風を裂いた。

 風はゆるやかに乱れ、ひらひらと雪が舞う。行き着いたここは岩山の裂け間、急斜面に囲まれた区画である。本来であれば伏兵……ブランゴ達を潜ませていることを警戒しなければならないが、今ここに関しては必要ない。ドドブランゴは向かいの山の管轄地に、番の亡骸だけでなく配下の全てを置いて敗走したのだから。

 距離がある。全身を捻り、砲弾の様に雪獅子が跳ぶ。ダレンは歩幅を緩やかに小刻みに、予測された順路を崩すことでそれを避ける。

 地面を転がった所を追撃。尾と、先ほどガムートにぶたれていた左脇腹を責め立てる。振り向きざまに右の裏拳。カルカが『大楯』でもって受け逸らす。

 

「……早い、ニ゛ャッ!」

 

 宙返りの後に器用に四つ足で着地し、ちりんと楯の鈴が鳴る。確かに早い。当然である。ドドブランゴとの遭遇経験がないため比較は出来ないが、相対し膂力を持って地を駆け宙を跳ねる目前の個体は、ハンターズギルドの見立てでもって「特級」と位置づけられたドドブランゴの片割れなのだ。

 拳を地に着いた状態でも目算6メートルはくだらない。通常の個体とは一線を画す巨大さ、強大さ。

 

「―― オォ゛ンッ」

 

「ふっ ―― ふぅっ!」

 

 間近、交差させて打ち下ろされる左右の拳。捌いて捌いて、払い胴の斬り下がり。

 この場合の特級とは。種として年数を重ね成熟し、闘争によってハンターを退けた経験を持ち、縄張りを他生物と争い……勝利して。そうして自然の中でのカーストの上位に食い込んだ個体であるという意味合いを強く持つ。加えてこのドドブランゴの場合には、かつての番の存在や肥大化した群れという驚異をも要素として含んでいる。

 今、ダレンがカルカと2人で最低限の攻防を繰り広げられているのは、それら要素の幾分かが失われていること。ガムートとの争いによる傷や……先の山から飛び移った大跳躍によって、手足の骨(・・・・)に異常をきたしている事。そういった要因が重なっているからなのだろう。

 

「しぁっ! ……っ」

 

「フウッ! フウッ! オ゛ォー!!」

 

 見るからに関節のずれた拳を血が出るほどに握り、ドドブランゴは暴れる。右拳の殴打で地を崩す。ダレンが見切り、後に放った踏み込み斬りを、残る左手で押さえつけようと試みる。すぐさま太刀を引いて薙ぎ払う。雪獅子の右の掌の下を辛うじて滑り、潜り。

 ―― しかし追い打ち。長い、左の張り手。避けきれず。

 

「っふはっ! ……大事はない!」

 

 対角線上、僅かに目を剥いたカルカに無事を伝えて再び太刀を握る。受け身は取れた。膂力に差がある。接近戦を凌ぎきれるとは考えておらず、初めから衝撃をいなす心算で飛び退いたのが功を奏していた。『斬破刀』にも歪みはない、と考え間もなくダレンは駆ける。

 現状は僅かに優勢である。ただ、決定打がない。このドドブランゴは討伐または捕獲すべき対象である。ガムートを少人数で相手取るにはウルブズの力が必要で、しかし1人で行動をしてもらう訳にはいかず、ヒントもそちらに割いた。現在地が管轄地内でないというのも大きく響く。傷つけたドドブランゴを追い込むための順路や、利用するための設備に乏しいのである。

 

(興味を惹けているに。逃げという手をうたれる前に、ケリをつけるべきなのだが)

 

 だがダレンの体術はあくまで受けに軸を据えたものであって、自ら攻勢を仕掛ける立ち回りは(自身の性根もあるが)不得手である。今はまだ「気刃」による一撃が後を惹いて(・・・)いるとしても、あの集中力を随時発揮するには……いささか悔しいが、人数が不足している。気を練るための大きな隙を見繕う余裕がダレンにはない。ドドブランゴが、与えてはくれない。

 雪に迷彩する白い身体が横へ跳躍 ―― 壁を蹴る。三角飛び。

 

「フゥオオ゛ーーッッ!!」

 

「……つぁっ!」

 

 ぎりぎり眼で追えていた。反応。身体を限界まで捻り、刀身で逸らす。後ろ。再び拳が跳ぶ。そして前方壁からは、雪塊が雪崩れてきていた。雪獅子が壁を跳躍に利用する際、強く蹴り上げているのだろう。意図して行っているのは明らかで、ダレンを挟撃出来るよう立ち回っているのが理解できる。雪山に手慣れているのは雪獅子の側なのだ。

 足場が崩されると悟るや否や、ダレンは身体を投げ出した。辛うじて足元を掬われる範囲を抜け出し、カルカと合流する。

 

「厄介だニャァ……」

 

「攻め手を考えるよりも、この動きに対応するのに時間をかけなければならないな」

 

 足元で雪塊を退けながら、カルカの呟きに同意する。腕をぐるりと回して勢いをつけ、飛び込んできたドドブランゴの突進を別れて避ける。

 四足。そして前足を腕としても使う事の出来る生物だ。飛竜や走竜と比べると動きに統一性はなく、機敏で予測もし辛い。

 狩猟経験の無い相手。今までの知識も活かせない。雪獅子は生息環境が寒冷地なだけに、地肌が炎熱に耐性が無い事は知っているが、ダレンとカルカの今の装備品では小さな爆発物を用意するのが関の山。本来であれば武器道具で補うべきなのだろうが、ダレンが持つ『斬破刀』が発する瞬間的な雷では、熱を産むほどの威力は無い。通らない訳では、ないだろうが。

 

「……ニャァ。先に立たず、ニャけども。爆弾を積んでけば良かったかニャ?」

 

 大楯を持つために小さくした背嚢を、カルカは後悔する。彼が爆発物ではなく楯持ちという珍しい役職を選んでいるのには理由がある。ダレンが太刀という武器を選んだ際に捨てた、守りの能力を代替するためだ。

 ダレンとカルカは、ノレッジの紹介によって出会った。彼女を率いていた書士隊長だという触れ込みはあれど、メラルーとして警戒はしていた。ギュスターヴ・ロンというとびっきりの変人から紹介され、ネコートという獣人には珍しい政に長けた輩に仲介された。特殊な経緯で採用に到ったのは十分に理解している。

 

「いや。衝撃を起こす物は、そもそも雪山に差し障る。それに……今回の騒動を一層面倒にさせた原因が爆発音であることを鑑みても、カルカの選択は正しかった(・・・・・)だろう」

 

 真面目くさった顔で、ダレン・ディーノはこう言うのだ。そういう、人と形なのだ。

 ……この実直で真面目ながらに隊長という重職を務めるダレン・ディーノという人物を信用するに到るに、大して時間はかからなかった。これはカルカとフシフにとって、これ以上無い幸運だった。しかもよりにもよって王立古生物書士隊の一等書士だという。このような人物が取り立てられている時点で、ドンドルマという街の懐の深さが窺えるというものだ。……ギュスターヴという者が狙って作り上げた環境なのかもしれないが。

 書士隊という役に就いた時点で、カルカとフシフの目的は果たされている。新たな知見を求めて大陸を駆け回る日々。あの日見た、彼の少女の様に。

 今以上は無い。後は役に立つのみ。なんとか狩人として狩猟討伐、捕獲するための手立てを探る。しかしカルカには、この状況を……維持であればまだしも、打破する方法が思い浮かばなかった。

 

「ダレン、手はあるニャ?」

 

「あるとも」

 

 カルカにとっては予想外の即答であった。

 そうだ。憂慮はない。顔を合わせたことの無いカルカは未だ知る由もないが、ダレンは確信を抱いている。

 雪獅子を引き離すという策を選ぶその前から。ポッケ村へ着く前から。……この任務を受ける際、かつての隊員各々の所在地を確認したその時から。

 必ずしや()はここへ辿り着く。そう、確信を抱いている。

 

 ―― 雪野原の上を、滑るように駆ける。

 

 雪獅子は拳を槌に、吐息を吹雪に、ダレンとカルカの体力を削り取る。

 合間合間に「見切り」を合わせ、ダレンは反撃を叩き込む。互いに傷つけ、傷ついてゆく。

 

 ―― 視線は真っ直ぐ。目的地はぶれず。

 

 吼える。部下たるブランゴ達は現れる事もない。滴る血を振り払って、自分はここに居るのだと指し示す。それだけの行為。

 張り付いていた壁を蹴って、雪獅子が跳ぶ。避ける。地に指を突き立てて向きを強引に切り替え、地面を捲り上げる。掘り出した氷塊を、放り投げた。

 

 ―― 飛び降りる。獲物の位置は把握できている。腰の『呪鉈』を引き抜いて、渾身。

 

 星月に照らされ影が降る。数は、ふたつ。

 ひとつはそのまま闇夜に雪色の尾を引いて直下、するりと雪獅子の剣域にまで入り込む。

 

「―― んっ!!」

 

 がすり。青紫の液体毒を盛大にぶちまけながら、大鉈が再び雪獅子の額を割った音。降って沸いた彼の者はそのまま顔に張り付いて、刺突用途の小剣を突き立てて追撃。暴れた雪獅子の掌に掴まれるその前に、顔を蹴っては飛び退いた。

 宙で身を捻りアイルーに勝って身軽く、四肢を着いては獣の如く衝撃をいなす。

 ()の腰に着けられた仮面が音無く笑っている。その様に、見えた。

 

「ああ。よく来てくれた ―― ヒシュ」

 

「ん。手伝うよ ―― ダレン隊長」

 

 これこそが最大にして最優の援軍。フラヒヤに長らく逗留していた知人にして、書士隊の同僚。

 鉈と小剣とを左右に構え。いつかのジャンボ村で見た時より、背丈も風貌も成長した仮面の狩人 ―― ヒシュが、そこに立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俯瞰する。

 龍の文様に球皮を彩られ、気球は変わらず雪荒ぶ空の只中に在る。

 狩人の猟場。フラヒヤフィールドの状況は、この視点から見ても混迷を極めていた。

 

 猟団《蠍の灯》は、ドドブランゴの番の片割れを獲り逃した。予想外の出来事 ―― 管轄地内で、爆発が相次いだのだ。

 仕掛けた罠を作動させに行ったグエンの隊が巻き込まれ、負傷。機を合わせてドドブランゴ達の体力を削っていたニジェもそれに足を取られ、同時に拘束するつもりであった雌のドドブランゴを……彼女は番を守るためにあえてニジェの軽弩の射線に立ち塞がり、飛びついて拘束した……討伐。番の死を見届けた雄の雪獅子は、決死の形相でハンター達に飛びかかるブランゴ達に道を先導される形で管轄地の嶺に辿り着き、隣の山へ飛び移ったという顛末である。

 番の、片割れを喪った彼がどういう心境に在るのかは判らない。ただ、想像は出来る。痛みがこの身を引き裂くようだ。「この身の片割れ」もまた、かの雪山の中に在る。

 

「―― 否、狙い通り」

 

 猟場は不協和音に乱された。それすらも織り込んで狂騒を成すには、金管の音色は孤高だったのだ。

 双眼鏡を、外へと向ける。

 

「―― 星」

 

 ついに現れた彼の者が、猟場で爪を振るっている。書士隊の隊長の援護に駆けつけたようだ。あの黒い3者と出会さなかったのは、幸か不幸か。

 ただでさえ手負いのドドブランゴにとって、飛び退いた先に彼らが居たのは、間違いなく悪運である。それもまた、彼が持つ巡りの良さであるのかはさておいて。

 

 いずれ……もうひとつ。

 分断されたガムートの側にも、星は(いず)る。

 夜に映える、白き星が。

 

「―― 見ゆる、届く」

 

 管轄地の側。《蠍の灯》らは、残ったブランゴ達の掃討に着手し始めた。その後は引き上げを検討しているようだ。

 気球の連絡によって、書士隊が逃げた雪獅子および巨獣と闘争を繰り広げている事は知った。そちらに応援も出すつもりだが、再編成にも管轄地外への往来にも時間はかかる。まずもって狩猟の決着がつくまでには間に合うまい。猟団もそれは理解しているようで、あくまで人手としての応援をという形にまとまるだろう。編成に悩む時間も減るため、現状の最優ではある。

 

 こうして。

 一夜に渡る激闘が、間もなく結末を迎えようとしている。

 始まりの結末。待ちわびた開幕の狼煙。転がり出した物語は、もう留まることは無い。

 

 魔剣を求めた者達は、逃れ。

 赤き灯らは、傷を負い。

 綴る者は幾つか集い。

 新たな星が、出る。

 

 この身は今日もまた、フラヒヤを観測する。

 それが彼らにとっての使命であるからには。

 それが彼らにとっての天命であるからには。

 ほの暗い路をひた行く狩人ら、その先を、何を賭しても見届ける。

 

 





 やっと主人公を出せた……。
 最近毎回この切り方(とぅーびーこんてぃにゅーど)なのですが、まぁこの初戦編は最初っからフルアクセルで行くための入りなので……ひと通しのひと括りにしておくのが良いかなと思っています。雪山①、②、③とか上下中編に改題するかちょっと迷っていたり。その場合は4話から変わります。
 でもあんまり捻った出し方を続けるのはあれですからね。というか多分、初戦編はあと1話で〆られるかなぁ……とも思ってますが。



・乱入
 実際にモンスターをフィールドから取り逃がしたパターン。ほんとに避けたい展開。
 一章ではこれを避けたい旨を連呼していた印象がある。自分私が。いっかい逃がしちゃうパターン挟めば良かった気もするけれども、展開のために何かが被害を被るのも、ちょっと私の感覚からは避けたかった(逃がしちゃう野良ハンターを滑稽に描写したり、とか)。
 せめて逃がすのならば、狩人らが必死にそれを避けようと努力した上で、それでもモンスター達の想像を超える何かで凌駕して欲しい。そんな願望が込められた展開でした。はい。説明がくどい(罵倒。


・ドドブランゴ
 同じモンスターを連投はしたくない。でもこのお方は書きたい。そんな願望が込められた以下略。
 ゲーム中でのエリア移動のジャンプを見ると、隣くらいには移れそうだなーと思っていました。実際にやって手足を痛めていただきましたすいません。

 三人称だと、どうなんでしょうね。猟団側にはあくまでがっつりとは視点おかないつもりなので(主人公はあくまで主とした彼らである)、あっさり書いておきたいという……?
 でもそれだと多人数出している意味はあるのかという。あるんですけどね。つまりは技量不足です。はい。


・練気、気刃斬り
 ついったにあげてたものの完成稿。
 具体的には相手側ドドブランゴの描写と、語句のバランスをちょっととった気分。どちらの方が良いかはよく分からない(戒め。
 モーションは携帯機verの比率が高い。こういうゲージ管理がアクションゲームにとって良いのか悪いのかは、本当によく分からない(戒め。 

 漫画版(エピック)の主人公が太刀使いだったり、氷上さん版の妹さんが描写をしてくれていますが、私のはもっと不可思議なイメージにしています。
 気は使えないと大変困ったりする(システム及びモンハンの原作ゲームに沿いたい)ので、まぁ私的な解釈は入れてでも登場させてもらおうかなぁと。


・闘技は除外できるかも知れないが
 ストーリー的には依頼種別は「闘技」ではなかったですけど、闘技場も安心とは限らない(アイスボーン感)。
 だからワールドの炎王龍さんは凄いイケメン。
 だので王妃様も凄いイケメン(語彙。

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