結城 創真の暗殺教室   作:音速のノッブ

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次から本格的にケイドロです!今回は始まる直前まで。


では、楽しんでください!


第88話 ケイドロの時間

「さて………烏間先生から聞いてたかと思いますが、私もついに教鞭を取る事になりましたので、よろしくお願いします」

 

 

挨拶をする氷室さんに緊張しているようには見えず、堂々としている。

 

 

「それで、私が今日教える体育の内容は、『フリーランニング』です」

 

 

その言葉に、教室屋根の上でテストの採点をしていた殺せんせーがにやりと笑う。

 

 

「そうですね…………では、三村君。今からあの一本松まで行くとしたら、君ならどんなルートで行きますか?所要時間も考えてみてください」

 

 

三村は少し考えてから喋り出す。

 

 

「そうですね………まずこの岩を降りて、そこの小川は幅が小さいところを飛び越えて、茂みのない右の方から回り込んで、あの岩をよじ登ってゴール。まぁ、大体1分位ですかね?」

 

 

「なるほど。普通に行けばそんなものでしょう。が……………フリーランニングを使ったらどうか?ちょっと時間を計ってみてください」

 

 

氷室は三村にストップウオッチを渡して、崖に背を向ける。

 

 

「フリーランニングで必要なのは身体能力の把握や、受け身の技術、距離や危険度を正確に計る力…………………それでは見ていてください。スタート」

 

 

氷室は崖を飛び降り、地面に着地すると同時に走り出す。小川の壁を伝って越え、近くの木にジャンプし、岩と岩の間を壁キックで上り、氷室の手は一本松の枝を掴んだ。

 

 

「三村君、タイムは?」

 

 

「じ、10秒です…………」

 

 

皆は氷室の運動能力の凄さを知っているが、ここまでの芸当の技を見せられ、驚いたようだ。

 

 

「これを極めれば、どんな場所でも忍者の如く行動できますが……………同時に危険な物でもあります。かつて私の友達もこれに手を出し………………亡くなりました」

 

 

その言葉に、皆は表情を堅くする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………って言うのは冗談ですが」

 

 

(((冗談かよ!!)))

 

 

氷室は付着した枯れ葉を払い、言葉を続ける。

 

 

「まぁ、それほど危険なんです。幸い私の友達は亡くなってませんが、本当に亡くなった人もいますからね。この裏山なら地面も柔らかいため、訓練に向きます。でも、ここ以外で技を試したり、私や烏間先生が教える技術以上の事はしないように」

 

 

「「「はーい!!」」」

 

 

「では、基礎中の基礎である受け身のおさらいをしましょう」

 

 

皆が受け身の復習をしているのを見ている殺せんせーが何かを思い付いた顔をしたのに気づいた者はいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

 

「ジャンプなくて探しちゃった………」

 

 

遅刻して教室に入ってきた不破の手に手錠がかかる。

 

 

「遅刻の容疑で逮捕する」

 

 

「朝っぱらからなにしてんだか…………」

 

 

デュオは呆れ気味で云う。

 

 

「てか、その格好はなんだ殺せんせー?」

 

 

キバットが聞くと、その質問を待ってましたとばかりに殺せんせーが喋り出す。

 

 

「皆さん、フリーランニングを習い始めましたね?それを活かしたゲームを考えてきました」

 

 

「そのゲームとは?」

 

 

「ケイドロに決まってるじゃないですか、氷室さん!もう、それしかないでしょう!!」

 

 

ちなみに創真はドロケーと呼ぶ。氷室はケイドロ。

 

 

「今日の一時間目、この裏山を舞台に、泥棒役を皆さんが。警察は烏間先生と氷室さん………じゃなくて、氷室先生と私がやります。皆さんが勝てば烏間先生の財布でケーキを買ってきます」

 

 

最後の言葉に氷室がホッとしたのは誰も知らない。

 

 

「ただし、警察が勝てば、宿題二倍!」

 

 

「………でもさ、殺せんせーが警察なら一瞬で終わりじゃね?」

 

 

確かにホリーの言う通り。皆もブーイングを浴びせる。

 

 

「先生はラスト一分まで、牢屋に待機します。最初は氷室先生が追いかけ、制限時間の半分を過ぎたら烏間先生にバトンタッチです。私が動くのはラスト一分からです。これなら勝機もありますよ」

 

 

「それならなんとかなるか……」

 

 

皆も納得し、やる気が出てきた。

 

 

「よし、やるか!」

 

 

「「「おー!!」」」

 

 

本当にいい遊びを考える。これなら楽しいし、緊張感もあって良いと、氷室は思う。

 

 

(ただ、烏間先生は殺せんせーと同じ側なのは嫌なんでしょうね………その気持ち、分からなくもないですが)

 

 

嫌そうな感じの烏間を見て、氷室は心の中で苦笑した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベタな展開だが、創真は倉橋とペアを組んで行動することになった。

 

 

「追ってくる鬼の人数は一人だけで、この広い裏山だし………警戒するのはラスト一分位だよね~」

 

 

「甘いねぇ…………相手は超人。そう簡単に逃げ切れるとは思えない。あ、陽菜乃。足跡と植物の乱れに気を付けて」

 

 

「え?」

 

 

「それを警察が見て、場所を特定するからね。僕が警察側だったらそうするし」

 

 

「なるほど~。流石創真君!」

 

 

間もなく、ゲームが始まった。

 

 

鬼の人数は1人だが、逃〇中のハ〇ターの何倍も手強い事を皆は直ぐに知ることになる……………!!

 

 

to be continue………




THENEXT story 2/21 PM 22:00


次回ハ〇ター………じゃなくて、先ずは氷室さん放出(?)

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