結城 創真の暗殺教室   作:音速のノッブ

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皆さんは人を見る目が………ありますか?




では、どうぞ!


第83話 見る目の時間

6時ぴったりに創真は起きた。

 

 

「……………隼、起きてるかな?」

 

 

「行きますか?」

 

 

氷室が着替えながら尋ねる。

 

 

「勿論行くに決まってますよ」

 

 

「なら急いで行きましょう。神崎さんも呼ばなければ。今日も学校はありますからね」

 

 

「じゃ、起きてるかだけ見て、神崎さんと学校に行くか」

 

 

ホテルを出て、受付の人に聞くと、ちょうど今起きたと言う報せを創真らは受け取った。隼の部屋に行くと、ちょうど氷室の友達の医者と鉢合わせた。

 

 

「あれ?創真君、学校は?」

 

 

「ちょっと様子を見てすぐに行くので大丈夫です」

 

 

「そっか。ちょうど今様子を見てきたんだけど、なかなか元気そうだよ。それじゃ、僕は他の人の診察の準備があるから失礼」

 

 

そう言い残して、足早に去っていった。

 

 

「じゃ、失礼します、っと」

 

 

創真が勢いよくドアを開ける。隼は神崎と話している最中だった。

 

 

「………創真?」

 

 

「そうだが。やれやれ、朝から阿呆面をかましてんじゃないよ」

 

 

「俺は阿呆じゃねぇ!」

 

 

「そのツッコミを入れれる辺り、元気そうでなりよりだ」

 

 

「だが、1週間も入院だぜ。暇ったらありゃしねぇ」

 

 

「どーせ暇なら勉強でもして、少しは賢くなれ」

 

 

「へいへい、言われなくてもそうしますよーだ」

 

 

テンポの良い会話をする2人。それを氷室は楽しそうに。神崎は少し妬け気味の表情を浮かべていた。

 

 

「さーて、隼が通常運転通りだった所で、そろそろ家に戻って学校の支度しなきゃ」

 

 

「…………あ!」

 

 

神崎は学校の事をすっかり忘れてたパターンのようだ。

 

 

「ホリーが運ぶので、1分以内に着くよ。氷室さんはデュオが。僕はホリーにもう一度来てもらって行く。ちなみにキバットはさきに学校に行ってる。暇だから、だそうで。神崎さん、準備したりする時間は足りる?」

 

 

神崎に創真は尋ねる。

 

 

「それなら大丈夫………ホリー君、よろしくね」

 

 

「うんうん、任かせといて!」

 

 

なお、ホリーの心は今、幸福に満たされている。神崎と言う美女を運べるからだ。

 

 

「じゃ、僕らは学校に行くんで」

 

 

「そうか。じゃ、また来いよ」

 

 

「暇だったらね」

 

 

その時部屋のドアがノックされた。

 

 

「おはよう…………隼」

 

 

訪ねてきたのは碧海だった。

 

 

「碧海……………!今さらなにしに来た?」

 

 

敵意丸出しの隼に、碧海は少し戸惑ってたが─────

 

 

「ごめん!あんなことしちゃって!」

 

 

頭を下げて謝った。当の隼は謝られるのは意外だったのか、暫く言葉がでなかった。

 

 

「ら…………らしくねぇな。てめぇが謝るなんて………………頭打ったか?」

 

 

「んな!?失礼しちゃうなぁ!べ、別に変じゃないでしょ…………」

 

 

──────────なんだこの微妙な会話?

 

 

不思議な会話を聞いた創真は胸の内でそう思った。

 

 

「じゃ…………失礼するね」

 

 

碧海は出ていった。

 

 

「…………なんだ、あいつ?あ、待てよ。もしや創真、なんか言ったの…………ってもう居ねぇじゃねーか!いつの間に行きやがったんだよ!」

 

 

「月城さん、声が大きいです!」

 

 

「す、すんません……………」

 

 

看護師にも怒られ、独りぼっちになった隼君は、出された朝食を3分で完食したらしい。やけ食いである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

創真side

 

 

家に帰り、身支度を済ませ、氷室と定刻通りに家を出た。

 

 

「はぁ…………行ったら質問攻めかな?」

 

 

「ありえますね…………それとさっき本人に聞いたのですが、碧海さんは今日退院の方向だそうで」

 

 

「もうこれ以上、ややこしいトラブル持ってこなきゃ、それで良いですけどね……ま、本人も懲りただろうから、無いとは思うけど」

 

 

そう言いながら、座席に大きくもたれかかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、創真!隼はどうだった!?」

 

 

「大変元気ですよ」

 

 

「お前、神崎さんと寝たのか!?」

 

 

「寝ねぇよ」

 

 

「創真君、観光してきた~?」

 

 

「あ、いや………そんな時間ないけど……」

 

 

陽菜乃は能天気すぎる。

 

 

「て言うかさ、あの女…………隼のお姉さんなんだよね?」

 

 

「………その通りだよ、カルマ君。彼女は隼のお姉さんだ」

 

 

「あの女、どうなるの?殺せんせーを知ってるっぽいよね?」

 

 

「…………さぁね。ここに来るんじゃない?」

 

 

「はぁ!?冗談じゃねぇよ!なんであんな危険な女をここに来させるんだよ!?逆に俺らが危ねぇよ!」

 

 

前原君の意見に皆が同意する。

 

 

「確かに…………私も信用ならない」

 

 

「実の弟を利用するなんて、酷すぎるよ」

 

 

片岡さんと矢田さんが言うことはごもっとも。しかし、ね。

 

 

「でもさぁ、根はいい人だろ彼女。多分ね」

 

 

「………それは何を根拠に言ってるんだ?」

 

 

「実際、昨日話してそう感じた。彼女はただ、弟が好き過ぎた余り、道を外れた行為に出てしまっただけだよ。ま、本人はかなり反省しただろうし、良いんだけど」

 

 

「ケッ、どーだかな」

 

 

寺坂がアホか、と言いたげな様子。

 

 

「自分で言うのもアレだが、僕の人を見る目はかなり正確だとは思ってる。だから、彼女の本質は優しいと言うのもあながち間違いじゃないだろうし、もしこのクラスに来ることになったとしたら、僕は歓迎するけどね」

 

 

「けどな………」

 

 

前原が反論しようとしているところに、殺せんせーが来た。

 

 

「おはようございます。どうしたのですか、皆さん?何やらピリピリしてますねぇ」

 

 

「人を見る目について話してただけ」

 

 

「…………そうですか。では、出席を取りますかね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

==================

放課後

 

 

「おい、創真。お前、大丈夫なのか?」

 

 

「あ?」

 

 

帰りのフェラーリの中で経済新聞を読んでいると、鞄に入り込んでいるキバットが話し掛けてきた。

 

 

「大丈夫って、何がよ」

 

 

「朝の事だよ。お前が彼女を庇おうとしてたから、皆お前の事を不信がってたぜ」

 

 

「別に庇ったんじゃなくて、事実を言っただけなんだけどねぇ。まぁ、僕の言葉を信じるか否か当人達の勝手だろうし、別に気にしてもないけど………………ん?」

 

 

スマホからメールの着信音が聞こえて来た。確認してみると─────────

 

 

「何?ふーむ……………………氷室さん。横浜駅へ行ってもらっても良いですか?」

 

 

氷室さんはチラッと僕の携帯に表示されているメールを読む。

 

 

「まぁ、このあとは特に予定はありませんし、構いませんよ」

 

 

「ありがとうございます……………一体何の用だ…………?」

 

 

『今日、学校が終わったら横浜駅に来てくれないって、碧海が言ってたぜby 隼』

 

 

果たして、碧海は何故にメールを送ったのか………?




THE NEXT story 2/15 PM 22:00

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