今回も相変わらずのハチャメチャな話です。
楽しんで貰えたら幸いですby弟
隼side
「あ………?ここ何処だ……?」
確かシロと碧海に襲われれたあと、どうなったんだっけ………?
「!?なんだこの鎖………」
腕の自由が効かないと思ったら、これが原因か。
「やぁ、お目覚めのようだね~」
その声は、1番聞きたくない声だった。
「碧海…………!」
「フフ………じゃ、始めよっか」
碧海は例の注射器を取り出した。
「やめろ………!やめろって言ってんだろうが!」
「無駄だよ。彼女にもそれを注射してるからね……」
後ろにいたシロが小さな声で呟いたのを隼は聞き逃さなかった。
「おい、シロ!まさかこの薬……碧海にもやってんのか!?」
「ご名答。しかし、肉体強化の作用はなく、理性の崩壊と心理的なハードルを下げるのさ。今の彼女は君を連れ戻す為に、何だってやるだろうね」
「………ッ!」
「もう良いかな~?やって」
「!!やめろ!さっきからやめろって言って……」
ブスッ
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「ガ!グガァァァァ………!」
「さぁ、私の弟は強い………それを見せつけなさい!アハハハハハハハ!」
「ガァァァァァ!コロシテヤル!ミナゴロシだ!」
隼の表情は一変。理性は崩壊し、肉体は強化された。
そして……鎖を引きちぎる。
「おっと。まだ寝ててもらわないとね」
シロが何かを隼の首に刺し、昏睡に陥らせる。
「さぁ、来なさい、E組!友達の変わり果てた姿を見せてやるから!」
創真がワスプを使って戦っているとき、殺せんせー達は律から地図を組み合わせてみた結果を聞いていた。
「………横浜港?」
「はい。指定場所は横浜港周辺と思われます」
律が冷静な口調で報告する。
「………それで創真君は?」
殺せんせーが律に聞く。
「謎の敵と交戦中です。それと伝言ですが、とっとと横浜港行け、との事です」
「しかし、創真君を置いていく訳には……」
「あいつにはホリーやデュオ達がいるんだからそんな簡単に死なないでしょ。それに本人が早く行け、って行ってるんだから早く行こう」
カルマが殺せんせーに進言する。
「………仕方ありません。それでは皆さん、外に出てください。先生が全員運びます」
皆は外に出て、近くの空き地へ行くと、そこには2つのでかいバックがあった。これで運ぶのだろう。見つからないように、殺せんせーは急いでバックの中に皆を詰め込んでいく。
「それでは行きますよ。10秒以内につきます」
殺せんせーはバックを持って、飛び立った。
文字通り、ほんの数十秒後。皆は横浜港に着いた。
「さて………隼君は何処に……?」
変装した殺せんせーと生徒達はが辺りを散策する。
すると──────
「ん?お前達は椚ヶ丘の3年E組の連中か?」
後ろから黒服の男に話し掛けられた。
「あなたは……?」
殺せんせーの質問を男は無視し、言葉を続ける。
「早くこの船に乗れ。案内する」
「何処にですか……?」
「さぁな。行けばお前らが1番会いたい人がいるそうだ。元より、俺も詳しく知らん。乗るのか?乗らないのか?」
皆は顔を見合わせたが、乗ることに決めた。皆が次々に乗っていくなか、最後尾にいた氷室が乗ろうとすると………
「待て。お前はここに残れ」
「「え!?」」
「でなければ、船は出すなとの命令だ」
「…………………」
氷室は何も言わず、船から背を向ける。
「待ってください!なんで氷室さんだけ残すんですか?」
殺せんせーが食って掛かる。
「さぁな。さっきも言ったが、俺は知らん」
「あなたねぇ………!」
「お待ちください。殺せんせー、先を急いでください」
氷室が殺せんせーを諭す。
「しかし……」
「こんなところで時間を食ってないで早く先に行ってください。そしてあなたの生徒である隼君を助けてあげてください」
「氷室さん……………分かりました」
殺せんせーは船に戻る。男が運転席に乗り込み、エンジンをかけ、間もなく、船は出航。氷室の視界からどんどん遠ざかって行った。
約10分後、船が完全に視界から消えると、氷室は眼鏡(伊達)をつけ、後ろを振り返る。
「………これは何の真似ですかね?」
「そういう命令だ。奴に深い傷を残せとな」
別の男から、氷室は銃を突きつけられていた。
「なるほど。私を殺して、創真様に見せつけようとでも?」
「………………」
男は何も答えない。
「しかしながら、その命令は実行できないでしょう」
「………何故?」
ゴン!
「グハ!」
男の頭上から蜂の巣が降ってきた。衝撃の余り、男は頭を抑え、地面に膝をつける。後は前回と同じようにブスッと♪
「随分と遅かったですね。皆さんもう行ってしまいましたよ」
「それが京都に行って帰ってきた人に掛ける言葉ですか………?」
創真らが京都から帰還した。
「それで、皆は?」
「船で何処か行きました。隼君のいる所かと思われます」
「場所は?」
「創真様の作ったこの眼鏡が教えてくれますよ」
「早速使ったんですか……………やりますねぇ」
氷室は眼鏡を外してスマホに接続する。氷室が付けたこのメガネ………まぁ、色々機能があるのだが、その内の1つ『追跡』を今回は使った。氷室は船が出航する直前、ポケットから小型の発信器を船の船体に取り付けたのだ。誰もそれに気付いてないが。そして、小型の発信器が出す位置情報をこのメガネだけが拾えると言うわけだ。
「あぁ、これですね。恐らくまだ移動中かと」
創真は氷室のスマホを借り、地図の倍率を下げて広範囲を見渡す。
「恐らく、この島に向かっていますね。そして、黒幕もいる」
創真がそう指摘した島は、とてつもなく小さいものだった。
「それでどうします?」
「そうですね………ちょっと胸騒ぎがするので、武器を取ってから行きますか」
「武器………………あぁ、ホリー君達が作った」
「備えあれば憂いなし、ってね。準備が出来次第、ホリーの最強位に入る月1限定の『テレポート』使って奇襲を掛けます………………嫌な予感がする。早く行きましょう」
創真が指をパチンと鳴らす。瞬時に彼等の姿は港から消えた。
その頃、皆はとある島に着いていた。そこには巨大なタワー型のマンションがそびえ立っている。船に乗っていた男がマンションの中のエレベーターへと誘導した。そして、30階のボタンを押す。
「それじゃ、健闘を祈ってるよ」
心のこもってない激励の言葉を言ったあと、ドアが閉まり、エレベーターは動き出す。
「皆さん、心の準備は良いですか?」
「「「はい……」」」
みんなの声には不安が入り交じっていた。そして、エレベーターは最上階に。ドアが開き、皆は部屋へ足を踏み込む。
そこにいたのは───────
「随分と遅かったねぇ。コンビニでも寄ってたのかい?」
「シロ…………これ全部あんたがやったの?」
カルマが殺せんせーよりも前に出て聞く。
「まぁ、全部ではないが、ね」
「あと、映像に映ってた女は誰?ここにはいないの?」
「さぁ?」
答える気はない様子。
「それよりも……隼君はどこにいるんですか?答ええなさい、シロさん!」
「分かった分かった。教師の鑑だね。来なさい、隼」
ドーン!
壁が吹き飛んだ。
「嘘だろ………?」
そんな声が聞こえるのも無理もない。何故なら壊れた壁から出てきたのは………
……………目がいつもと違う隼だった。
THE NEXT story 2/10 PM 22:00
それと、今回氷室が使った眼鏡の名前を募集するので、活動報告欄に良かったらお願いします!