マシントンボか、マシンドラゴンフライ………どっちが良いですか?
活動報告欄にお願いします。
それではどうぞ!
第73話 呪いの時間
隼が倒れてる間、花火が次々と上がっていく。創真や氷室を含め、皆はそれらの花が咲いていくのを眺めていた。
「……早い夏でしたね……」
「そうですね、氷室さん。ですが……二学期からはさらに面白くなる………そんな気がしてならないのです……」
「同感ですね。あぁ、それと創真様」
氷室はとある紙を創真に見せる。それを見た瞬間、創真の目の色が変わった。
「え、マジですか………………父さんから許可は?」
「勿論、貰いました」
「そうですかぁ…………烏間先生からスカウトされるとは、流石氷室さんだ。やはり、二学期は面白くなりそうですねぇ…………」
「ヌルフフフ……これでしばらくのおやつ代は大丈夫そうですね……」
殺せんせーは小銭が入った袋を見ながら満足そうに言う。そして、1人の生徒に近づく。
「君も楽しめましたか?明日からはまた……」
「先生……僕は………………ます」
「え……………………?E組を………………
抜ける?」
ついに終わった夏休み。そして、再び始まる学校生活。
「よう、創真」
「おはよう隼。………なんか良いことあった?」
「!?な、なんもねーよ。……特に」
「あっそ……」
そこへ
「久しぶりだな、E組共!」
五英傑の4人が登場。
「お前らも大変だと思うが、めげずに頑張るんだな」
そう言う瀬尾の肩を叩く男が1人──────創真がいた。
「それはこっちの台詞だよ、瀬尾くん。君こそ、得意の英語で中村さんや僕に負けないように、めげずに頑張るんだね…………いや、それ言ったら残りのおまけ3人にも同じこと言えるか。残りのおまけ3人も」
「お、おい。式が始まるから、とっとと行こうぜ」
創真が言い終えるよりも前に、逃げるように五英傑らは去っていった。
「創真もなかなか言うね~」
「でも、皆も油断してると足元救われるよ?」
「分かってるって!次も俺らがテスト対決を制してやるって!」
隼はやる気満々だ。
「さーて、早く並ぶか……」
創真は隼と一緒に後ろへ。そして、長ったらしい式が始まった。
創真side
30分後。
「隼、起きてるか?」
「んぁ?寝てないぞ?」
──────寝息が聞こえたんですがその件についてはどうなんです?。
そう訊ねようと思ったときだった。
「それでは最後に、今日からA組に仲間が加わります。彼は昨日までE組でしたが、再びA組に戻れるとになりました!それでは彼に喜びの声を聞きましょう!
竹林 孝太郎君です!」
おっと…………………竹林君?
檀上に立ち、竹林は話し出す。
「僕のいたE組は………地獄でした。そんな地獄から本校舎へと戻りたい。その一心で死ぬ気で勉強してきました。こうして戻ってこれたのを心底嬉しく思うと同時に2度とE組に墜ちることのないように頑張ります。以上です」
生徒達は何も言わず、黙っていた。すると、拍手の音が檀上の脇から聞こえてきた。
「おかえり、竹林君」
壇上の浅野がそう言ったの合図に、他の生徒も拍手や褒め称える声があちこちからした。その様子を、皆は何も言わず、ただ見ていた。
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「なんだよあいつ!100億のチャンス捨てるなんて信じらんねー!」
前原が感情を露にし、黒板を拳で殴る。しかし、その中で1人冷静な者がいた。
「別にそれは本人の勝手だろ?竹林はここを抜ける資格を得たから、抜けた……それだけだよ」
創真の冷静な声に、前原は食って掛かる。
「じゃあ、お前は竹林が抜けることになんとも思わねーのかよ!?」
「何とも思わない訳でもないけどさ……………でも、結局の所、それは本人の勝手でしょ」
「お前はお前で落ち着きすぎだろ!とにかく放課後、一言言いに行くぞ!」
「…………………」
放課後。
創真は面倒いと理由をつけ、帰ってしまったが、他の皆は竹林を待っていた。
そこへ、竹林がやって来た。竹林は皆を目に捉え、足を止める。
「説明してもらおうか、竹林。なんで相談も……」
「何か理由があるんですよね?」
磯貝を遮り、いつもは引っ込み思案の奥田が今回は前に出た。それでも竹林は黙ってる。
「無欲だね……竹林。賞金欲しくないの~?」
カルマもいつもの調子で問い掛ける。
「……10億」
竹林は初めて口を開いたが、皆は戸惑いの色を見せる。
「僕単体での暗殺は不可能。殺せたとして、僕の力で担える役割じゃ………10億が妥当と言ってるだけさ。
僕の親は代々病院を経営している。10億なんて容易く稼げる額なんだよ。だから、出来る家族の中で僕だけは家族としては扱われない。昨日初めて親に成績を報告できたよ。………僕が言いたいのは、地球の終わりよりも100億よりも家族に認められる事が大事なんだ」
皆は文句を言おうと思っていたのだが、竹林が一旦言葉を切った時には、何も言えなくなっていた。
「裏切りも恩知らずも分かってる。暗殺がうまくいくのを願ってるよ」
言いたいことを言い終わったのか、竹林は去ろうとする。
「待ってよ、竹ば」
「もうやめとけよ、渚」
渚の目の前にいきなりキバットが現れた。
「これ以上は言わない方が良いと思うぜ」
「でも……」
「渚君………親の鎖って……すごく痛い場所に巻き付いてるの。だから…キバット君が言う通り、無理に引っ張らないであげて」
キバットと神崎に言われ、渚達は竹林の背中を見詰めるしかなかった。
「………ん?」
「どうしたカルマ?」
「いや………でかいトンボっぽいのが上を通ったと思ったんだけど……気のせいか」
そのトンボは、信号待ちしているランボルギーニの上に静かに着地した。助手席に座っていた彼はパソコンをそっと閉じた。
「………さてと………」
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マシンドラゴンフライorマシントンボ?