それでは、どうぞ!
ビッチ先生の告白はとりあえず幕を下し、就寝時間までは自由時間だ。夕食が終わり、隼はすぐにある場所へ行く。
「ビッチの告白なんかよりも、俺はずっとここに行きたかったんだよ……」
その場所は、ホテル内のゲームセンター。お忘れだろうか、彼はゲーマーだ。
「さーて、どれから遊び尽くして行こうか……」
まず隼の目に入ったのは、格闘ゲーム。すこし昔のタイプだが、面白いとは聞く………とゲーマーの隼は分析。
「よっし、やってみますかね……」
「…………なんとか全ランククリアできたな」
easyやnormal位のレベルは簡単だったが、hardからいきなり難しくなった。easyやnormalは2分以内にクリアできたが、hardには4分掛かった。
「でも、このスコアじゃ俺が1番じゃね?」
スコアランキングを見てみると
「……………」
1位の所には………どう見ても、どう考えても異常なスコア。2位との差がヤバイ。ちなみに隼のスコアは3位だ。
────────1位のスコアは創真だったりしてな。
「………まぁ、良い。さーて次だ次」
どうでも良い想像をやめ、さらなる面白ゲームを探していると………誰かが遊んでいるのか、コントローラを操作する音が聞こえた。
「誰か遊んでんのか……?」
音がする方へ行くと
「神崎さん?」
「隼君?」
そこにいたのは同じくゲーマーの神崎。別の格ゲー(格闘ゲーム)をやっていた。
「へー……神崎さんもゲーム好きなんだ……」
「うん。折角だから一緒にやらない?ゲーム好きだよね?」
それを聞いた隼はニヤリと笑う。
「良いぜ。先に言っとくけど、俺結構強いよ?」
「そうなんだ……でも私も負けないよ……」
「ここがゲームセンター?」
「うん、そうだよ」
ゲーセン初体験のホリーは渚、杉野、中村と伴に、ゲームセンターにきた。
「このクラスでゲーマーとかいるの?」
「えーっと………隼に神崎ちゃんかな?」
中村が答える。
「…………その2人、いるんじゃね?なんかコントローラを高速操作している音がする」
「ほほう……隼と神崎ちゃんが一緒にゲームか~。ちょっと見に行ってみよ!」
中村を先頭に音がする方へ行くと
「お~やっぱり」
そこでは神崎と隼がとんでもない速さで手を動かしている。
「強い………!!」
「隼君もね」
おしとやかにそう言う神崎だが、手の動きは普通じゃない。
「すげぇ!どっちが勝つんだ?いや、神崎さんに決まってる!神崎さん、頑張れー!」
「うっせぇ、杉野!引っ込んでろ!」
結果 神崎友希子win
「神崎さんが勝った!隼、神崎さんに喧嘩売るなんて一万年早いぜ!」
「ギャーギャーうるせぇ、杉野!」
「でも、楽しかったよ。また東京に帰ったらゲームセンターに行かない?」
「勿論だ!次は勝つ!」
(う~ん………隼が勝つのは難しそうだな。何か神崎さんから凄いオーラを感じる………)
口には出さないが、ホリーは本能的にそう思った。
「ホリー、何してるの?ゲームか?」
そこへ創真が来た。
「あ、そうだ!ねぇ、ゲームセンターが初めての僕でも簡単に遊べるゲームって何?」
「ん?………あれじゃね?」
創真が指差した先には………もぐら叩きのゲーム。
「どういうルール?」
「出てくるもぐらを叩けば良いんだよ。簡単だろ?」
隼がルールを説明する。
「よし、やってみる……」
ホリーは創真の財布から100円を取り、ゲーム機に投入する。
「人の財布から取りやがって………1回だけだぞ」
創真が優しい一面を見せる。間もなく、画面にスタートと出た。
もぐらが出て─────────
─────────こない。
「ありゃ?故障してるのか?」
しかし、ホリーはもぐらが出てくる穴を目にも止まらぬ速さで叩きまくっている。
「あー……ホリー。それ故障してると思うぞ。もぐらは出てない。だから叩いても疲れるだけだ」
「?ちゃんともぐら出てるよ?」
「「「???」」」
皆はホリーの言ってる意味が分からなかった。
「早すぎて見えないだけだ」
ヌッと現れたのはデュオだった。
「いや、叩くのが早いのは分かるけどさ、まず肝心のもぐらが出てないんだって……」
「中村さん……と言ったか?あいつはもぐらが君達には見えない位、ほんの少し出てきた瞬間に叩いている」
「え!?それ普通の人の技じゃないよね……」
「……………そもそも人じゃないからな。あいつはスピード自慢。今のもぐらを叩いてる時の速度は……マッハ1は超えてるだろう。ちなみに、あいつの最大速度は計測不能らしい。ま、早すぎて自分でもコントロール出来ないと言ってたがな。要は……叩くのが早すぎて、もぐらが出てくるのすらも見えないと言うことだ」
「終わったー!結果はどうかな?」
結果は……………180匹。確かこのゲームのもぐらの総出現数は180………即ち。
「ホリーの奴………全てのもぐらを取り零しなく叩きやがった」
「マジか!スゲーじゃん!」
ホリーは口々に褒められ、照れ臭そう。そこへ烏間先生が来た。
「そろそろ就寝時間だ。部屋に戻った方が良いぞ」
「「「はーい!」」」
創真side
「なぁ、創真。お前にとって今回の旅行はどうだった?」
キバットが聞いてきた。
「ん?楽しかったね。色々ハプニングがあったが」
「まぁ、そうだな。お前が怒った時はすこしビビったが………しかし、トラブルは付き物。新たなトラブルがすぐにやって来たりしてな……」
「やめてよデュオ。しばらくトラブルはごめんだね。じゃ、おやすみ」
夏休みの島編 完
「フフ……もうすぐ会えるね………隼」
薄暗い部屋でパソコンの光りに照らされながら………彼女は……………微笑んでいた。ホリーの言う通り……トラブルはすぐにやって来る。
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最後の人は誰だろー?(棒読み)