結城 創真の暗殺教室   作:音速のノッブ

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夏休みの島編はあと2話の予定です!


それでは、どうぞ!


第67話 肝試しの時間

「ホリー君!皆で海行かない?」

 

 

「良いね!レッツゴー!」

 

 

女子達は水着を着ていたので、海に向かって行った。

 

 

「あいつは早いな………溶け込むのが」

 

 

デュオが創真と砂で城を作りながら呟いた。

 

 

「いや~どうなるかと思ったけど……意外と溶け込めそうだね」

 

 

「そうだな。これで透明化を常時しなくてすむ。魔力の節約になる」

 

 

「………そこ?」

 

 

そこへ倉橋が来た。

 

 

「創真君!こっちに来て遊ぼうよ!デュオ君も!」

 

 

「良いよ。じゃ、行きますか」

 

 

創真とデュオもホリー達の元へ。

 

 

「3人に水掛けちゃえ!それ!」

 

 

着いた途端に、矢田達が手で水をすくってホリー達にかける。水滴が創真らに掛かろうとした時、ホリーは全ての水を目にも止まらぬ速さで弾いた。

 

 

「ならこっちも……」

 

 

ホリーは水鉄砲を取り出し、お返しとばかりに水をかける。

 

 

「うわ!すごい……早くて全然見えなかった……」

 

 

「掛けれたら、ジュース奢っても良いよ~。創真の財布で」

 

 

「ホリー………わざと当たったりするなよ?」

 

 

創真が事前に釘を刺しておく。それを聞いたホリーは何かつまらなさそうな表情を一瞬浮かべたのに気づいたのは創真だけだった。

 

 

「よーし!なら皆で掛けちゃうよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな女子とのじゃれあいを見つめる男が1人。

 

 

名は岡島。

 

 

「くぅー!これこそ夏だ!俺も行くぞ!」

 

 

着ていた服を脱ぎ、女子に近づく。

 

 

「おーい!俺も混ぜ……」

 

 

最後まで言い切る前に、いつのまに砂浜に作ってあった落とし穴へと落ちていった。

 

 

(悪いな岡島君。君は邪魔なのだよ)

 

 

ホリーのダークな心の声が聞こえたのは、デュオのみだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

創真side

 

 

「さて、日も暮れた所ですし、先生が考えた企画、暗殺肝試しを開催します!」

 

 

殺せんせーが皆を集めると、そう宣言した。

 

 

「お~!もしかして殺せんせーがお化け役か?」

 

 

「勘が鋭いですねぇ、キバット君。勿論お化けは殺しても構いませんよ~。この洞窟を男女のペアで抜けてもらいます」

 

 

ふむ………意外と面白そうではないか。

 

 

「えー。でも怖いのやだな……」

 

 

陽菜乃はお化け屋敷とかは苦手なのかな?

 

 

「そんなことないと思うよ。殺せんせーのコスプレお化けはどうせ低予算だから大したもの来ないでしょ」

 

 

「言ってくれますねぇ、創真君。びびって腰を抜かさないで下さいね。ヌルフフフ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ベタと言えばベタなのだが、抽選により、創真は倉橋とペアとなった。

 

 

そして洞窟に1番最初に入っていく。

 

 

「やっぱり怖いね……」

 

 

「そう?」

 

 

「創真君は怖くないの?」

 

 

「別に~。小一の時に行ったお化け屋敷では……展開がベタで悲鳴上げなかったよ」

 

 

「しょ、小学一年生で……?やっぱ凄いね、創真君は」

 

 

その時、三線の音が聞こえてきた。

 

 

「ここは血塗られた悲劇の洞窟。戦いに敗れた王族達が悲劇の死を遂げた場所です……」

 

 

突然の殺お化け襲来に、倉橋は創真の腕に抱きつく。

 

 

(ふん………ここの島の歴史は調べてある。全部作り話だろ?)

 

 

心の声が伝わったのか……殺せんせーは後ろに回り込む。

 

 

「嘘だと思っていると……霊に取り憑かれますよ?」

 

 

既に僕は聖霊と元死神に取り憑かれてますんで……なんとも思わない。殺お化けは消えていった。

 

 

「こ、怖かった~。早く行こ!」

 

 

「あ、うん……………にしても、次のペアへの同じ語りが聞こえてくるのがリアルだな……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、ご存じだと思うが

 

 

(君たちは本当に強くなった。それを痛感しました。が、君達には足りないものがある。それは……恋愛!足りないものを埋めるため、先生が恐怖で背中を押してあげます!これぞ担任教師の粋な計らい!!)

 

 

タコの企みは果たしてうまくいくのか……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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変わって、こちらは2番目に洞窟へ入った隼と神崎のペア。

 

 

「渚君が……怖い?」

 

 

「そ。あいつは鷹岡と言う強敵を倒した。でも、いつものあいつと話してると怖いとか強そうなんて感じない。なんつーか……警戒できない。怖くないのが1番怖い……俺はそう思ったよ」

 

 

「…………」

 

 

「それでも俺が殺す。タコを殺すのは俺さ。渚や特に創真よりも……俺が早くな」

 

 

「うん。創真君に勝てると良いね。応援してるよ」

 

 

「あ、ありがと……(なんかキュンとしちまった……)」

 

 

隼達が洞窟をどんどん進んでいき、ゴールまであと少しと言ったところで………

 

 

「ギャー!ガチの幽霊出たァァ!」

 

 

「「!?」」

 

 

後ろから突然の殺せんせーの悲鳴。

 

 

「な、なんだ……?」

 

 

すると、殺せんせーが隼達の目の前に再来した。

 

 

「ギャー!日本人形!?」

 

 

そう叫び、来た道を引き返す。

 

 

「日本人形?何言ってんだ……?早く行こうぜ、神崎さん」

 

 

「うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隼side

 

 

全員が洞窟から出ると、何故か1番ビビった殺せんせーは色々白状した。

 

 

「カップル成立?しょうもねー事狙ってんだな、殺せんせー」

 

 

「しようもねーとは何ですか、キバット君!だっていちゃつくカップルとか見たかったもん!」

 

 

いい大人が情けないぜ。

 

 

「殺せんせー。ここは1人の大人として焦らず見守りましょう。恋愛とはつり橋効果で成立するのではなく、時間を掛けて成立するのです」

 

 

「そうそう。うちらの年代じゃ、恋ネタを嗅ぎ回されるの嫌な人も多いよ。皆が全員ゲスな訳じゃないんだから」

 

 

「氷室さんに中村さん……分かりました……」

 

 

やれやれだな。

 

 

「全く徹夜明けにはいいお荷物だ」

 

 

「何よ!エスコート位しなさいよ!こんな美女がいたら」

 

 

声のした方を向くと、そこにはお化けのいない洞窟を抜けてきた烏間先生とビッチ先生がいた。ビッチ先生は視線に気づき、すっと離れていく。

 

 

「氷室さん……」

 

 

創真が氷室さんに話しかけた。

 

 

「ええ……薄々気付いてました……なお、私のスケジュール表によれば、この後は皆さんは特にすることはありません……」

 

 

「じゃあ……皆………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「くっつけちゃいますか……!!」」」

 

 

氷室さんも含め、皆、ゲスかった。




まさかの氷室もゲスかった(ちょっと)……!!


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