結城 創真の暗殺教室   作:音速のノッブ

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さーて、あいつらにも活躍してもらいますか!


気にいって貰えたら幸いです!



それではどうぞ!


第61話 女子の時間

創真side

 

 

さてさて、グリップを倒し、6階のテラスラウンジに着いた。この先の階は店の内側にあるため、店内に侵入し、裏口の鍵を開けなければならない。

 

 

「私たちが侵入して鍵を開けます。だから皆は待ってて」

 

 

片岡ら女子が名乗りをあげ、氷室さんも任せた。

 

 

「しかしながら女子だけでは不安が残ります。しかし、女子複数に男子1人では不自然。どうしたものか……」

 

 

「あ、それなら渚に任せれば良いんだよ、氷室さん。女装させれば問題なしでしょ?」

 

 

「女装なんて嫌だよカルマ君!」

 

 

「渚なら似合うし助かるわ」

 

 

女子も賛同の様子。

 

 

「渚君。後で土下座でもなんでもしますからお願い出来ませんか?」

 

 

「うう………分かりました………あと土下座はしなくて良いですからね……」

 

 

確かに土下座されたら困った反応をするのが目に見える。女子6人と渚も(渋々)、中に入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼等が入った直後。

 

 

「ホリー、デュオ、キバット。任務を与えるよ」

 

 

「お!何々?」

 

 

ホリーが待ってましたとばかりにストレッチを始める。

 

 

「目的はあいつらの護衛だろ?任せておけ」

 

 

デュオは察しが良い。

 

 

「ホリー、ナンパとかしないでちゃんと守るんたぜ~?」

 

 

「うるせーキバット!お前も人の事言えねーだろうが!」

 

 

「痴話喧嘩は後にしろ。行くぞ」

 

 

デュオ達は透明化のまま、他の客がラウンジに入ろうとドアを開けた瞬間を狙い、中に入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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その頃、中のテラスでは………

 

 

(なんてカッコ悪い夏休みだ。金目当てで来たクラスの女子共は外人にお持ち帰り。親のコネでこのホテルに来て……結局俺はボッチか。俺は葉っぱと酒でごまかすだけ)

 

 

心の中でそう呟くのは、皆さんご存じユウジ君である。そこへE組の女子達が。

 

 

(俺と同年齢だな………どーせ頭はカラッポなんだろーけどな……ん?もう一人居るな……)

 

 

彼の目に写ったのは渚。

 

 

(あの娘……慣れない感じが良いな……)

 

 

ユウジはE組の女子達に声を掛ける。

 

 

「君達どっから来たの?金は余るほどたくさんあるから俺と一緒に飲まねー?」

 

 

女子達は冷たい目を向けながら、渚を彼の前にすっと押し出す。

 

 

「渚、相手しといて」

 

 

「ええ!?」

 

 

片岡は渚の耳元で囁く。

 

 

「あんたなら1人で対処できるでしょ?必要になったら呼ぶから」

 

 

渚はユウジに連れてかれてしまった。

 

 

「おいどうする?渚は誰が見とく?」

 

 

「俺様が見とくぜ。いざというときに彼女等を守れるのはお前ら2人だろ?」

 

 

キバットはパタパタと飛んでいった。

 

 

「じゃ、僕らは女子の方を見てますか」

 

 

「そうだな……………早速、また絡まれているな…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ようお嬢達。今夜俺らとどうだ?」

 

 

(もう……きりがない……)

 

 

片岡がそう思うのはごもっとも。文句を言おうと思ったその時、矢田がスッと男達の前に出た。

 

 

「お兄さんたちカッコいいから遊びたいけど、今日はパパと来てるから………うちのパパ恐いからやめとこ?」

 

 

「ひゃひゃパパが怖くてナンパできっか」

 

 

「じゃ、紹介する?」

 

 

矢田が見せたのはヤクザのエンブレム。

 

 

が………

 

 

「それ偽物だろ?本当だとしたら護衛でもつけてるはずだ」

 

 

「そんなので騙されるほど甘くねーよ。早く遊ぼうぜ~」

 

 

男らが手を掴もうとしたときだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「残念だけど………いるんだよね~」

 

 

声の主は透明化を解除したホリー。横にはデュオが。

 

 

「う、嘘つけ!お前ら明らかにガキだろ!?」

 

 

「嘘だろうが本当だろうがどうでも良い……とっとと失せろ、屋根裏のゴミが」

 

 

デュオの言葉に男達はキレた。

 

 

「うっせーな!女の前だからってカッコつけようとしてんじゃねぇ!オラ!」

 

 

男達はホリー達に殴ろうとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「遅い遅い」

 

 

スピード命のホリーの制裁により、気付いたときには宙を舞っていた。目の前で見ていた女子達も何が起こったのか分からなかった。

 

 

「まだやるか……?やるなら、こっちも容赦しないが」

 

 

デュオはリンゴを胸元から取り出し、軽々と握りつぶして見せた。男達は真っ青な表情のまま、駆け足で逃げていった。

 

 

「あ、ありがとうございます!」

 

 

片岡が代表して礼を言う。

 

 

「礼には及ばない……ああ、それと俺の名はデュオだ」

 

 

「僕はホリー!」

 

 

「デュオさんにホリーさん………2人ってなんか対称的ですね」

 

 

岡野の言う通り、ホリーは全身白コーデ。デュオは全身黒コーデ。色の対称である。

 

 

「ふっ、よく言われるな。白黒コンビ、とかな」

 

 

「僕ら超仲が良いんだ!もうちょっと話してたいけど僕らはもう行かないと行けないからここらで失礼するね」

 

 

「助けていただいて本当にありがとうございました」

 

 

「良いの良いの、それくらい。それじゃ!」

 

 

ホリーとデュオは女子達から離れ、人目のつかない所で再び透明化の魔法を使った。

 

 

「ふ~。護衛って意外と疲れるね……」

 

 

「まだ終わってないぞ。お、渚が茅野さんに呼ばれて動き出したぞ。多分……あの店の奥の店員を退かすために呼んだのか?」

 

 

ホリー達も渚の後ろを付いて行く。

 

 

「待て待て彼女等!俺の十八番のダンスを見てけって」

 

 

ユウジがまだアピールするが、すでに彼は邪魔者と化している。

 

 

「いやぁ……こいつの話つまんなくてよ。男はカッコつけなきゃとか、男は生きづらいとか……もはやナンパじゃねーな」

 

 

キバットはつまらなさそうな表情で2人に報告する。そして、ダンスをしていたユウジの手が誰かにぶつかった。しかも相手はグラスの中に飲み物を持っていて、しかも恐そうな男だった。

 

 

「おい、ガキ。良い度胸だ。こっち来いや!」

 

 

「だ、誰か……」

 

 

「「((情けない…………))」」

 

 

もう一度透明化を解除し、助けるか………………ホリーとデュオがそう考えたその時だった。

 

 

「そうだ!ひなたちゃん……」

 

 

矢田が岡野に何かを囁き、岡野は首を縦に振る。岡野はユウジに絡んでいる男の頬にハイキックを喰らわせ、見事に意識を奪った。そして、矢田は立っている店員に声を掛ける。

 

 

「すみません。あの人倒れちゃったみたいなんで看てあげてください」

 

 

「は、はい」

 

 

その隙に通ると言う訳だ。片岡がドアの鍵を解除し、その隙に待機していた男子はVIPフロアへの階段を上る。

 

 

「なんか女子の方がカッコ良かったね。それでも男子はカッコつけなきゃいけないから……辛いよね男子は。また今度あったらカッコつけてよ」

 

 

「渚ちゃん……」

 

 

渚の言葉にユウジは頬がほんのり赤くなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして全員6階を突破した。

 

 

「ん?渚、どうした?」

 

 

創真が渚の表情が浮かないのに気づいた。

 

 

「いや、僕行く意味あったのかなって……」

 

 

「さーね。もしかしたら誰かの役に立ってるんじゃね?」

 

 

「創真君の言う通りだと良いけどね…………それとカルマ君、写真撮らないでよ!」

 

 

「アハハ、良いじゃん別に─」

 

 

「良くないよ!」

 

 

渚の悲痛な声に、創真はご苦労様です、と労りを込めて心の中で云うのだった。




THE NEXT story 1/22 PM 22:00

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