「まずは三村君の作った映像を見てもらって、それが終わったらテストで1位を取った8人が触手を破壊し、暗殺を始める。それで良いですか、殺せんせー」
「勿論です、磯貝君」
余裕の表情で答える殺せんせー。
「殺せんせー、先ずはボディーチエックを。あの水着持たれてたら逃げられちゃうからね」
「仮に逃げでも……サメとかシャチが先生を待ってるよ?」
「色々対策しているようですが、そんな事はしませんよ?」
渚にボディーチエックされながら、殺せんせーは答える。チエックが終わり、殺せんせーは椅子に座る。
「それでは……楽しみにしていますよ……君達の暗殺の創意・工夫を見るのを」
「勿論さ。じゃ、上映開始だ」
岡島が照明を消し、映像が再生される。創真は一旦席を立って外に出た。殺せんせーから見えない場所で静かにマシンタコ、メテオ、フレアを上空に放つ。
なお、マシンタコはカメラ付きだ。そして、フレアとメテオの脚には小型のカメラを付けているため、上空からパーティールームの状況がスマホで皆や烏間先生やビッチ先生、氷室さんにも色んな角度から分かるようになっている。準備を終え、創真はパーティールームへと戻ってきた。
(ヌルフフフフ……皆さんしきりに外に出たりしていますね……人数を把握されないためでしょう。しかし、千葉君と速水さんの臭いがありませんねぇ。そして、創真君も先程外に出ましたね……果たして何をしたのか……2人のスナイパーと創真君の警戒を怠らなければ問題なし。…………しかし、この映像作品は良いですねぇ。さすがマスコミ志望の三村君。ついつい取り込まれ……)
『それではご覧いただこう。我々の担任の恥ずかしい姿を』
画面にはカブト虫のコスプレをした殺せんせーがエロ本を読んでいる姿があった。
「にゅやー!?ちょ、アイスあげたじゃないですか?!」
「殺せんせー……買収は失敗したのです。残念でしたねぇ」
「し、失敗!?」
創真の嘲笑うような声に動揺する殺せんせー。他にも女装して女限定のケーキバイキングに参加していた事や、ティッシュ食ってた事がバレた。
『こんなものでは終わらない。あと1時間、たっぷりこの教師の醜態をご紹介していこう』
「あと1時間も!?」
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1時間後
「し、死んだ……もう生きていけません……あんなの知られて……先生死にました」
殺せんせーは精神的なダメージを負った。
『さて、ここまでおつきあいしてもらいましたが……まだ何か変わったことに気づかないだろうか?』
殺せんせーは自分の足下でチャプ、チャプと水の音がしているのに気づいた。
(!?いつのまに床に水が………満潮か!)
「さぁ、殺せんせー。殺しの時間だ。精神的にも殺られて、水吸って……動きが大分鈍ったね」
創真の言葉を合図に他の7人も立上がり、狙いを触手に定めた。
「約束だ。避けんなよ?」
寺坂の言葉に殺せんせーは僅かに冷や汗をかく。
(く……やりますね。だが、創真君とスナイパーに注意すれば……)
創真達は引き金を引き、触手が8本吹き飛ぶ。引き金を引くのと同時に、創真はスマホを取り出してタップした。
その瞬間、海の中で待機していた、マシンシャーク、マシンオルカが一斉に起動した。2体はウォータージエットのパワーで前へと泳ぎ始める。2体の胴体にはロープが繋がっていた。繋がっている先はパーティールームの壁。ロープが限界まで伸び、ピーンと張る。マシンシャークとマシンオルカの目が赤く光り、さらに出力を上げた。すると、壁がミシミシと音を立て始め───────────
────────パーティールームの壁が崩れた。
それと同時に一部の生徒が水中から水圧で空を飛ぶフライボードに乗って飛び出した。
(これは………水圧の檻………!)
「さぁ、クライマックスだよ、殺せんせー!」
創真がそう言った同時に律が水中から出現した。同時に残りの生徒も銃を構える。
「射撃開始。目標、殺せんせーの周囲」
殺せんせーの周囲を弾が飛び交い、殺せんせーは明らかに動揺している。
殺せんせーは自分を狙う弾に敏感。なら、その周りを撃ってやるのが得策と言う訳だ。
────────そして、トドメは
スナイパーコンビだ。
殺せんせーは
匂いも発砲音も全て水がかき消す。
((もらった!))
速水と千葉は引き金を引き、殺せんせーの死角から弾が襲いかかる!!
(!!よくぞ……ここまで……!)
次の瞬間、殺せんせーの周囲に閃光と大きな爆発音が響き渡った。
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