結城 創真の暗殺教室   作:音速のノッブ

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クリボッチは回避したいな……。



ではどうぞ!



……また消えてた?


修正したはずの6話が何故かまたoutでした。
というわけで、思いきって新しくしました!

これで大丈夫……な事を願いたいです。





第37話 信愛の時間

鷹岡と名乗った男は、地面にスイーツを並べ始めた。しかもそこそこ高いものを。

 

 

「良いんですか?こんなに高級なものを……」

 

 

磯貝は思わず尋ねた。

 

 

「食え食え!遠慮するなって。俺はお前らと早く仲良くなりたいんだ!」

 

 

その言葉に皆は遠慮せずに、スイーツを手にとって食べ始めた。

 

 

「何か、烏間先生とは全然雰囲気が違いますね」

 

 

「近所の父ちゃんみたいですよ」

 

 

「ハッハッハ!良いじゃないか、父ちゃんで!同じ教室にいるんだから、俺達は家族当然だろ!よし、今日から俺達は家族だ!俺を父親だと思って、どんどん頼ってくれよ!」

 

 

完全に生徒の心を掴んだ鷹岡。皆も遠慮せずにケーキを手に取り、鷹岡に話し掛ける…………しかしその中でスイーツに手をつけようとしない奴が一人。その名は創真である。

 

 

「…………………………」

 

 

険しい顔を浮かべながら、生徒と話す鷹岡をじっと見ていた。

 

 

「どうしたのですか、創真様?」

 

 

「ん?創真は食べないのか?」

 

 

ケーキを手に取らず、険しい顔を浮かべる創真を不思議に思ったのか、氷室とケーキを手に持った隼が話し掛ける。

 

 

「いや…………あ、そうだ!氷室さん、大変だよ!あと30分で映画始まっちゃうじゃん!」

 

 

「は、はい…………?」

 

 

「もー、忘れちゃったの?しょうがないなぁ。今から飛ばせば間に合うかな?ほら、早く行かないと!あ、隼。聞いての通り、僕は今日映画に見に行く予定が入ってたから、お先に失礼するよ?」

 

 

「お、おう?」

 

 

「じゃ、甘いものを楽しめよ!」

 

 

創真はそう言って、氷室の手を付かんでさっさと教室に戻って行った。独り抜けていった創真を、鷹岡はチラリと見たがそれも一瞬で、すぐに皆の方を向いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「創真様今日はどうしたのです?私、色々考えましたが、昨日映画の約束をした覚えなどやはりないのですが……………それに、私意味も分からず新宿まで道路交通法ギリギリの速度でひとっ走りされたあげく、中々怖いホラー映画を観る羽目になったんですが…………」

 

 

家に帰り、早めの夕食を食べていると、氷室は疑問だったことを創真に聞いた。

 

 

「うーん…………理由としては、あの先生が嫌いだから。どーもヤバそうな感じがしたんですよねー」

 

 

「……あの人、とは鷹岡先生がですか?別に私からしたら、皆さんと仲良くなりたいからケーキの類いを持ってきたん太っ腹な方だと思いますが」

 

 

「ほんとにそうですかね……?あの人、自分を父親。我々生徒を家族と言う関係を植え付けようとしていたし、どうも笑顔も上辺だけ、要は作り笑いに見えますし…………兎に角、あの人はかなりヤバそうな奴だと、僕の第六感がそう言ってます」

 

 

「………なるほど。創真様が仰るならもしかしたら、その通りなのかもしれません…………と言うか、創真様はあの先生が嫌だったから先に帰ったんですよね?なら、映画見に行く必要ありました?」

 

 

「え、まぁ観たかったもんで。面白かったでしょう?まぁ、さほど怖くはなかったけど」

 

 

「いや、普通に怖かったんですが………」

 

 

「今日、隣の氷室さんの部屋に出るかもしれないですねー」

 

 

「やめましょう、そう言うオカルト系の話は!!」

 

 

氷室の反応を見た創真はクスクス、と笑う。思わず大きな声を出した氷室は気まずそうに咳払いをして、話を続ける。

 

 

「しかしながら、確実な証拠があるわけではないですから、創真様のただの思い込みと言う可能性もなきにしもあらず、と言うことも考えられますからね」

 

 

「………………まぁ、そうなんですよねー。物的証拠かぁ………………防衛省のコンピューターに侵入します?」

 

 

「捕まりますよ?」

 

 

「かもしんないですねー」

 

 

『それなら私がコンピューターに入り込みましょうか?』

 

 

声がした方を見ると、そこにあったのはスマホ。そのスマホの画面には、律がいた。

 

 

「あーうん。お願いしようかな……その前に何でスマホに?」

 

 

『皆さんとのコミュニケーションを円滑に行うためにスマホに入ってみました!モバイル律とお呼びください!』

 

 

「あ、そう…………じゃあ、鷹岡に関する資料を全部取り寄せて」

 

 

『終わりました』

 

 

「いや、早いですな」

 

 

画面に表示された画像やデータを、創真と氷室は丁寧に目を通していく。そして、彼らはとんでもない1枚の画像を見つけた。

 

 

「……これは……」

 

 

「なんだ、この写真は…………やはり、あの先生はヤバそうだ……………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

 

「よーし皆集まったな!じゃあ新しい体育を始めるぞ!終わったらまた良いもん食わせてやるからな!」

 

 

「どーせ自分が食いたいだけなんじゃないの?」

 

 

「あ、ばれたか」

 

 

中村とのやり取りに皆はクスクス笑う。しかし、隼だけは別だった。

 

 

(昨日から創真の様子がおかしい。しかも今日サボってるし…………あいつが授業をサボることなんてないはずだが……)

 

 

創真はお昼休みが終わったあと、いつの間にか姿を消していた。氷室と一緒に。

 

 

「さて…………訓練の内容の一新に伴いE組のカリキュラムも変わる。これを回してくれ」

 

 

回された時間割を見て驚愕した。なんと夜九時まで訓練までというカリキュラムだったのだ。

 

 

「これくらい当然さ。理事長にもちゃんと許可は貰ってる。では早速…………」

 

 

「ちょ、待ってくれよ!こんなんじゃ成績が落ちるよ!理事長もそれが狙いで許可してるんだ!こんなカリキュラムじゃ遊べないし……出来るわけねーよ!」

 

 

抗議の声をあげた前原に鷹岡は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

腹に蹴りを入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前原は崩れ落ちる。

 

 

「出来ないじゃない。やるんだよ。言ったろ?俺は父親だ。父親の命令を聞かない子供が何処にいる?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『出来ないじゃない。やるんだよ。言ったろ?俺は父親だ。父親の命令を聞かない子供が何処にいる?』

 

 

校舎裏で、上空にいるマシンカブトのカメラで、前原が蹴りを入れられるのを。そして、本性を現した鷹岡の声を創真と氷室は聞いていた。

 

 

「行きますか」

 

 

「勿論です」

 

 

2人は駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前は父ちゃんに着いてきてくれるか?」

 

 

次に鷹岡は神崎を標的にした。神崎さんは恐いのか、震えている。

 

 

「………………私は嫌です。烏間先生の授業を希望します」

 

 

従えば殴られなったのは分かっていたかもしれない。それでも神崎は鷹岡を先生として認めたくなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

バシ!!

 

 

 

 

 

 

 

「え……?」

 

 

殴られたと思ったが、それは神崎ではなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「隼君!」」」

 

 

間に入って吹き飛ばされたのは、隼だった。

 

 

「いってー……なんつーパワーだ………」

 

 

「お前らまだ分からないか?『はい』以外は無いんだよ。これでもう父ちゃんに着いてきてくれるよな………倉橋」

 

 

鷹岡は倉橋を標的にした。倉橋は烏間先生が教師として好きだ。だから鷹岡を絶対認めたくなかった。認めたら後悔する……そう思った。

 

 

例え殴られても、だ。

 

 

「嫌です!私も烏間先生が良い!」

 

 

「……お仕置きだな……」

 

 

鷹岡の拳が倉橋の目の前に迫ってきた。倉橋は思わず目を瞑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫、倉橋さん?」

 

 

目を開けるとそこには創真がいた。鷹岡の拳を手で受け止めたのだ。

 

 

「創真君!」

 

 

「なんだ?お前も父ちゃんの邪魔をするのか?」

 

 

「そうだね……………この教室に、あんたは不必要な存在だ。この教室の教官は、烏間先生だけで充分だ」

 

 

「このガキ……!!」

 

 

鷹岡は空いている手で創真を殴ろうとした。しかひ、拳が動かなかった。

 

 

「お前……確かこいつのお目付け役とか言う奴だったな……!!」

 

 

「ええ、その通りです。だからわざわざ私の仕事を増やす真似はやめてくれませんかね?私の任務の中には、創真様に危害を加える者の排除も含まれてますから」

 

 

今にも殴りあいが始まる………そんな雰囲気だった。

 

 

「やめろ鷹岡!氷室さんに創真君もだ!」

 

 

ここで烏間が止めにはいった。創真と氷室は素直に手を離した。

 

 

「前原君、大丈夫か?」

 

 

「だ、大丈夫っス」

 

 

「隼君は?」

 

 

「あー、全然大したことないですよ」

 

 

「ちゃんと手加減してるさ。俺の大事な家族なんだから」

 

 

「いいや、違う。私の生徒です」

 

 

いつの間にか殺せんせーがいた。無論、怒っている。

 

 

「ふん、文句があるのかモンスター。体育は俺に一任されてるんだ。今のも立派な教育の範囲内さ。それとも教育論が多少違うだけで危害を加えてない俺にまで攻撃するのか?」

 

 

「ふむ……………良いことを考え付きました。対決をしたらどうでしょうか?教師としてあなたと烏間先生が対決し、白黒はっきりさせたらどうですか?どちらが優秀なのか」

 

 

氷室の提案は都合が良かった……………鷹岡にとって。

 

 

「(……良いタイミングで言ってくれたな。横槍刺される前にアレを使うか……)良いだろう。ならこれで対決しよう!」

 

 

鷹岡は対先生用のナイフを取り出した。

 

 

「烏間、お前が育てたなかで一押しの生徒を選べ。そいつが俺と対決しナイフを俺に一度でも当てたら敗けを認め、出ていこう。男に二言はない!」

 

 

みんなの表情が明るくなった。

 

 

「だか、俺が勝てばこのあと一切口を出さない。それと………使うナイフはこれだ」

 

 

そのナイフは本物だった。

 

 

「そんなの使えないに決まっています!彼等は本物のナイフを使ってないし、人殺しの訓練をしてないんですよ!」

 

 

氷室が抗議するが鷹岡は余裕そうに云う。

 

 

「安心しな寸土目でも良い。俺は素手なんだ。ちょうど良いハンデだろ?さぁ、烏間一人選べ。選ばないなら俺に服従だ!」

 

 

烏間は鷹岡が投げたナイフを拾い……ある生徒の方へ向かった。

 

 

まるで最初から決めていたかのように……

 

 

「渚君、やる気はあるか?」




THE NEXT story 12/25 PM22:00

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