頑張ります!
それではどうぞ!
創真side
さて、1番は木村か。ん?僕はどの役割か、だって?ベンチにいるんだよね……今は。別に打席に立ってどんどん打っても良いんだけど、僕も別に毎度本塁打打ってるわけではないから、見極められて僕専用の守備を敷かれると点はとれなくなる可能性があるので、取り敢えずは様子見。
そんな感じの説明は皆にしてあり、承諾もしている。ま、事が有利に進めば僕の出番はないかもしれないが。それと一応投手の杉野の代わりでもある。
………お、木村君がセーフティバントを成功させ、一塁に出た。
『2番潮田君』
渚君もまた、バンドを繰り出す。
『またもバントだ!三塁手が抜かれてしまった!』
ここの野球部そんなに強くなくね?大阪にいたときの学校の方がバントの処理うまかったけど?これでノーアウト一二塁だ。
さて、そろそろ紹介するか。どんな特訓だったのか。
殺投手は時速300㎞の球を投げ、殺内野手は鉄壁の布陣を敷き、殺捕手は囁き戦術で集中を乱す。
「創真君、この前ゲームセンターでいろいろやってましたねぇ。全部見てましたよ」
「ったく見てるんじゃない……よ!……ファールか」
時速300㎞の弾をバットに当てれる俺氏って凄くない(自画自賛)
「さて、私の野球に慣れたところで、次の段階に行きましょう」
偵察に行っていた竹林君が口を開いた。
「進藤の球速は140㎞が最高だね。練習もほとんどストレートだったよ」
ま、140㎞もあれば大抵の敵は手が出せないだろうね……………僕は例外だが。ここで氷室さんがグローブを持って現れた。
「と言うわけで今から練習は私がストレートのみ投げます。きっちり140㎞で。さっきの殺せんせーの球速より遥かに遅いでしょうから………………この球は止まって見える。バンドだけなら、十分なレベルで修得出来ます……………」
このような特訓を重ねたので皆はバントなら余裕というわけだ。磯貝もバントを決め、ノーアウト満塁になった。
『や、野球部は調子でも悪いのでしょうか?塁が全て埋まってしまったぞ!?』
次は杉野だ。進藤とは因縁の対決である。
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杉野もバントの構えだ。そして進藤は杉野の目を見てゾッとした。
(な、なんなんだこいつら?こいつらの目はまるで獲物を狙う……そんな目だ。これは……野球なのか?)
進藤は落ち着きがないまま、ボールを投げた。その瞬間、杉野は打撃の構えに変えた。
(!!これが狙いか!)
気づいたときにはもう遅い。
『打った!ボールは外野へ伸びる!!」
この間に走者が全て帰った。
『この一打で先制!E組が3点先制した!(なんだよ……想定外だぞ……)』
これ勝った。1回で3点は相当大きいな…………と、創真は感じた。
突然、野球部のベンチに理事長が現れた。
「どうやら具合が悪いようですね。すぐに休んでください、寺井先生」
「い、いや私は……」
「こんな醜態をさらすはずがありませんからね……この学校の先生は」
恐怖の余り、寺井は泡を吹いて倒れてしまった。
「彼を担架で保健室へ運んでください。私が代わりに指揮を取ります」
「い、一体……何を……?」
「……教育をするだけですよ。軽く……ね」
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