創真side
「さて、今日から転校生が来るのは聞いてますね?」
どうせ殺し屋だろう。これで三人目か。一人はスーパー天才─────自分で言うな?事実を言っただけですけど何か?(煽っていくスタイル)
二人目は進化する固定砲台。
さて、三人目はどんなやつだ?
「律、何か情報ある?」
「はい、少しだけ。彼は近距離での暗殺をして、私は射撃で援護する予定でしたが……彼の調整に時間が掛かった事と、私の力が彼をサポートするのに不足しているという理由でキャンセルになりました。そこで重要度の下がった私から送り込まれたのです」
律がその程度の評価か………てことは今回の転校生はただ者ではないな。その時、教室のドアが不意に開いた。皆が注目すると……全身を真っ白の服で包んだ人が現れた。
この人が転校生なのだろうか……?
「あ、私は転校生じゃないよ。転校生の保護者さ……全身真っ白だし……シロとでも呼んでくれ」
皆の疑問に気づいたのか、説明してくれた。声からして男か。
「それでシロさん。肝心の転校生は?」
殺せんせーが聞くと───────
「彼は何分特殊なものでね。私が直に紹介するよ」
そう言って殺せんせーに贈り物の羊羮をあげた。
「…………??」
ん……………渚の方を見てるのか?
「なにか?」
「…………いや、皆良い子そうだなぁ。これなら馴染みやすそうだ。では紹介します。おーいイトナ!入っておいで」
イトナって名前なのか。どんな人なんだろうな…?
ドカン!!
壁が崩れ落ちる音と伴に、転校生が入ってきた。
そして椅子に座った。うん。ちゃんと入り口から入ろうか。
「俺は勝った。この教室の壁より強いことが証明された」
そんなものを証明して楽しいか?楽しくないよ、少なくとも僕にとっては。
「堀部イトナだ。名前で呼んであげてくれ。それと私過保護でね。しばらく彼を見守らせてもらいますよ」
………………なーんか今のシロさんの発言に引っ掛かる感じがした。気のせいかね?
「ねぇ、イトナ君。外は雨降ってるのにどうして濡れてないの?傘も持ってなさそうだし」
ん?あぁ……………確かに。イトナ君は回りを見渡して立ち上がった。
「お前はこのクラスの中ではかなり強い。だが俺より弱いから俺はお前を殺さない」
「………」
……………それ、答えになってます?
「俺が殺したいと思うのは俺より強い奴だけ。殺せんせー、あんたがそうだ」
「ヌルフフフフ、先生と力比べですか?私と同じ土俵にはたてませんよ?」
「いや、立てるさ。俺達兄弟だから」
ふーん。兄弟か。兄弟……兄弟………きょう…だい…?
「「「兄弟!?」」」
嘘だろ………このタコとイトナ君が兄弟?えぇ……(困惑)
「お前を殺し、俺の強さを証明する。放課後に勝負だ。兄さん」
言いたいことは全て言ったのか、イトナは壁の穴から出ていった。その後、皆は殺せんせーに質問を浴びせていたのは言うまでもない。
昼休み
僕は1人廊下で考え事をしていた。
「どうしたのですか?皆さんとご飯を食べないのですか?」
氷室さんが不思議そうに聞いてきた。
「気になる点があるんですよ……」
「雨に濡れてない、とかですか?」
「それもそうですけど……殺せんせーとイトナ君を見比べてください」
イトナと殺せんせーの机の上には大量の甘いおかし、そして二人ともグラビアの本を読んでいた。
「確かに共通点が多いですね」
「堂々とマッハ20のタコを殺す宣言をしたんだ。何かしらの隠し兵器を持ってるはずですよ」
「ふむ……………例えば触手ですかね?」
「触手……………」
「触手なら雨も弾くことも出来そうな気がしますし、同じ触手を持つ殺せんせーとの共通点が多いですし。だから触手……いや、それはないですね。あんな子供が触手を持っているようには見えませんし、根拠もない滅茶苦茶な予想ですね。すみません、今のは忘れてください」
氷室さんはそう言って去っていった。でも……あり得るかもしれない。
整理してみよう。
・イトナは壁を壊し、雨に濡れてない。壁を壊すなら何らかの兵器が必要。
・傘は持ってなかった。
・そして、殺せんせーと共通点がある。
「イトナ君が触手を持っている、か………………案外、あり得そうだね」
触手が水も弾き、破壊力もあると仮定すれば全部当てはまる。殺せんせーと特徴が似てるのも納得がいく。
「………………………アレ、用意しておくか」
to be continue……………
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