結城 創真の暗殺教室   作:音速のノッブ

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第25話 再会の時間

創真side

 

 

「もうすっかり梅雨ですね」

 

 

運転席の氷室さんが話し掛けてきた。

 

 

「そうですね……………じめじめするからあんま好きじゃないんですよねー」

 

 

「私も同じくです……………そう言えば創真様はクラスにすっかり溶け込んでますね」

 

 

「ま、あそこは良い連中ばかりですから。前の学校とは大違いだ」

 

 

「前の学校では友達と呼べる人は居なかったのですか?」

 

 

うーん……あ、いたな。

 

 

「いましたよ。月城 隼って言う奴が。しかも今椚ヶ丘にいます。テストのランキングに載ってて驚きましたよ」

 

 

「………………それはとんでもない偶然ですね」

 

 

「偶然にも程がありますよ……………氷室さん、ちょっとそこのコンビニ寄ってくれますか?」

 

 

「お?もしや、噂の隼君がいたのですか?」

 

 

残念ながら──────

 

 

「いや、ここに美味しいケーキがあると倉橋さんから紹介してもらったことがあるので……」

 

 

──────隼じゃない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとうございました!」

 

 

店員の良い声が店内に響いた。

 

 

「ふむ、美味しそうだな…このケーキは。明日倉橋さんにお礼を言わないと」

 

 

しかし、500円とは意外と高い。

 

 

「お待たせしました氷室さん。行きましょう」

 

 

「創真様、あれは神崎さんでは?あそこの路地裏で誰かに絡まれてませんか?」

 

 

氷室さんが指した方向を見ると……ああ神崎さんだね、うん。

 

 

───────なんて呑気に言ってる場合じゃない!

 

 

「助けるのならお任せあれ。私がボコボコにしてきましょう」

 

 

「いや、流石にボコボコは不味いですって………」

 

 

その時、僕はある人物が路地裏に入っていったのに気付いた………………噂のあいつだ。

 

 

「いや……どうやら僕らが手を下す必要は無さそうですよ」

 

 

「ほう?」

 

 

「噂のあいつの、おでましです…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

====================

 

 

「俺らと遊ぼうぜ~姉ちゃん」

 

 

「いや…あの…」

 

 

神崎は帰ってる途中手を掴まれ、この路地裏で男二人組に口説かれていたのだ。

 

 

「絶対楽しいって!さ、行こ行こ!」

 

 

手を掴み、停めてある車へ入れさせようとする。

神崎も抵抗してるのだが、力が強いため、どんどん引っ張られていく。

 

 

(誰か助けて……!!)

 

 

そんな願いが通じたのか、誰かが近寄ってきた。

 

 

「やめな、お兄さんら。そんな強引じゃ、モテないぜ?」

 

 

「あ?中防は黙ってな。女の前でカッコつけようとすんなよ!」

 

 

「言いたいことはそれだけか?」

 

 

彼はみぞにパンチをお見舞いした。男は声にならない悲鳴をあげ、倒れた。

 

 

「最近の中学生は……いろいろ習ってんだよ。お前もやるか?」

 

 

恐れをなしたのか、もう一方の男はうずくまってる仲間を連れて車で逃げていった。

 

 

彼は神崎に声をかけた。

 

 

「大丈夫?」

 

 

「は、はい。それよりありがとうございました。私は神崎 有紀子と言います」

 

 

「え、あ……………お、俺は月城 隼。あ、お、同じ椚ヶ丘なんだ。また会うかもね。じゃ、き、気を付けてね」

 

 

噂の隼は颯爽と(?)去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほほう。かっこいいですね、彼は」

 

 

「ま、あいつこういうのは得意だからな」

 

 

その時、フェラーリの車の窓がノックされた。創真はけだるそうな様子を見せながら窓を開ける。

 

 

「どちら様ですかー?田中さんですかー?」

 

 

「田中じゃねーよ!そもそも誰だよ田中って?ったく…………久しぶりだな創真」

 

 

「精々3ヶ月位だろ。まぁ、良い。久しぶり、隼」

 

 

「おう。てか、お前見てただろ?」

 

 

隼の追及に創真は笑みを浮かべながら答える。

 

 

「あぁ、見てたとも。うちのクラスメートを助けてくれてどーも、田中さん」

 

 

「なんで田中の名前が出てくるんだよ!ほんと、誰だよ田中って!?……………あーお前と話してると疲れる疲れる。俺はそろそろ帰るわ。じゃ、また今度な」

 

 

弄られて疲れたのか、隼は手をヒラヒラ振りながら去っていった。

 

 

「彼は中々戦闘力が高いですね?」

 

 

氷室の問い掛けに創真はええ、と言って続ける。

 

 

「彼は色んな武術を習ってましたからね。まぁ、いくら強いと言えども、僕には及びませんね」

 

 

相変わらずのNo 1アピールの創真に、氷室は苦笑した。

 

 

「さて…………帰りますか」

 

 

「そうですね。帰ったらケーキを食べよっと♪」

 

 

to be continue……




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