創真side
ん?タイトルからして僕がサボるんだろ、だと?
うん、そうです。
カルマ君から聞くとこによると、行ったってろくなことないらしい。ただ、E組いじりの洗礼を受けるだけだと。そんなわけで今はカルマ君とゲーム中。…………別に僕もゲーム位するんだぞ。
「んー創真相手だとなんか勝てないなー」
「当然さ。僕は大抵なんでも出来るからな。ねぇ、集会でのE組いじりってどんなもんなの?」
「そーだね…………まぁ、校長とかから結構嫌みを言われるんだよね。それに、E組は本校舎の奴等より先に並んどかないといけないから、凄くダルい」
「うわー、そう言うのやだな………逆に、どんな感じなのか見てみたくなった」
「まさか今から行くつもり?」
「そんなわけない。このマシン使うんだよ」
「あーそれマシンカブトって言うんだっけ?渚君から聞いたよ」
電源を入れ、コントローラーを操作して本校舎へ向かわせた。3分後、本校舎の体育館に到着した。バレないように開いていた窓からこっそり侵入し、体育館の天井にあるバスケットボールのゴールに着地した。そして音声伝達システムを起動させる。
『…要するに君達は全国から選ばれたエリートです。この校長が保障します。ですが、油断は大敵です。油断してると……どうしようもない誰かさん達見たいになっちゃいますよ!』
校長の発言に本校舎の生徒が笑う声が聞こえてきた。ちなみにこのマシンカブトに搭載しているマイクはどんなに小さい音でも聞き取れるヤバイ物だ。だから、この後、烏間先生が本校舎の先生に挨拶してたのとか、渚君がビッチ先生にセクハラ喰らってたのも全部分かる。……渚君のはちょっと可愛そうだ。
「なるほど。よーく分かった。こんなのに耐えなきゃいけないなんてねぇ…………サボったこっちがなんか申し訳ない」
ここでカルマ君が興味深そうにコントローラーを見てるのに気付いた。何となく次に何を言うか分かった。
「ねぇ、創真。それ俺にも操縦させてよ」
ほら、やっぱり。
「別に良いが……墜落させると面倒いから気を付けろよ」
「オッケー。操作方法は見てて分かったから安心してよ」
どうだかね……ま、体育館は狭いし、飛行するときに音はほとんどないから誰も気づかないだろう。
「凄いね~このメカ。距離があってもちゃんと命令通り動くね」
父さんの会社のパーツはチート級にヤバイからな。この程度の距離なら余裕…………なのにはびっくりさせられるよ。確かに分かってはいたが、いざ出来ると驚きだな。
『はいっ、今皆さんに配ったプリントが生徒会行事の詳細です』
ん?生徒会の発表か。
「カルマ君、ちょっとそこでストップ。1回カメラの角度を替える」
「ん?分かった」
ここでマシンカブトはホバリングを開始した。そこでちょっとカメラの角度を下にした。
これで全体が見える。
『すみませーん。E組の分がまだ来てないんですけど』
この声は磯貝君だ。
『え、ない?おかしーな……ごめんなさーい、3ーEの分忘れちゃたみたい。すみませんが全部暗記して帰って下さーい!』
当然、また本校舎の奴等は笑い出す。今喋ってる奴、絶対ウケを狙ったな……………あの喋ってるメガネ野郎、ぶん殴りたい。
そう思ったときだった。
ブワッ!
「!?」
画面を見ると、E組の皆は生徒会のプリントを持っていた。
『問題ないようですねぇ、磯貝君。手書きのコピーが全員分あるので』
──────────殺せんせーナイスだ。
『……はい。プリントあるんで続けてくださーい』
『え?あ……嘘、なんで!?誰だよ笑い所潰した奴!!あ………いやゴホン、では続けます」
まさかマッハ20の怪物の仕業だとは思うまい。もうちょっと見ていたかったが、エネルギー切れまであと少しだったので、引き上げた。
「ハハ、やるねぇ殺せんせー」
「でも国家機密が行っていいのかね?」
「さーね。後で烏間先生に怒られるんじゃない?変装下手だったし」
ちなみにこの後怒られたのは僕たちだった。マシンカブトが烏間先生には気付かれてたらしい。無念。
集会後の本校舎では渚が二人組のモブキャラに絡まれていた。
「何とか言えよ、E組!殺すぞ!!」
(殺す……?殺す……殺す…か)
渚はクスッと笑って言い放った。
「殺そうとしたことなんてないくせに」
ゾクッ!!
怯える二人を置いて渚は去っていった。渚の才能に気付くのは……まだまだ先の話。