こうして、事件は終息した。
幸い、一般人には怪我1つなかった。
だが、創真の汚濁や龍の攻撃により、町の建造物には被害があったものの、ホリー達が超高速修理を行ったので、問題ない。
首謀者は死亡した、と表向きではそうなった。
そして、この事件の解決に大きく貢献した創真は表彰された。
本人曰く、大したことをした覚えはないんだが、と表彰を辞退しようとしたのだが、ルミア達が是非表彰されて来なさい、と強く言われたので表彰を受けたとの事。
ルークの体は衰弱していたが、2、3日の安静で回復との事。
それを聞いた創真は、あと1年引っ込んでれば良いのに、と挑発。
単純なルークは体に鞭を打ち、突っ掛かったが、10秒後にはこてんぱんにされ、ベットに戻されたとか。
まぁ、色々あったが人々はまた、平和な日々を過ごしていた。
ちなみに、今回の事件は《Dead apple事件》と命名された。
しかも、この名にしてくれと言ったのがクローバーだった。文豪の世界のカードが喋りだしたときは、グレンとフィーベルは幽霊が出た、とか騒いだりめんどうだった。
クローバー曰く、龍の力で霧の色を赤くして星を覆えば、宇宙から見たら赤いリンゴに見えるだろ、との事。
まぁ、正直どうでも良いんだが………………結局、歴史の一ページにこの名前で残りそうだ。
──────Dead apple事件から2週間後。
「……………今日で最後か」
「なんだいルーク君。もしかして、寂しいとか?」
「なわけあるか」
今日で創真らはここを去るそうだ。ルミア、フィーベル、リィエル、グレン、セラ、キョウヤ、そして、ルークは見送りにきた。
「しかし、いざとなると少し寂しいのう。のう、ルーク?」
「だから、なわけねぇよ!」
───────声を荒らげる時点で何か怪しい。
皆は心の中でそう突っ込む。
「ったく、お前らは寂しそうにしてるけどよ、創真がいた1ヶ月、お前ら結構振り回されただろ?うんざりしてないのかよ?」
「「「……………まぁ」」」
自由奔放な創真に結構振り回された………結構大変だったとでも言っておこう。
「でも、魔術の事たくさん教えてくれたよね~」
と、ルミアは云う。
「うん!私も執筆の基礎を教えてもらったからね!今度会うときは最高傑作を見せるよ!」
「楽しみにしてるよ、フィーベルちゃん」
創真は微笑みながら云う。
「私も………………これ、大事にする」
リィエルは………………プレゼントを所望してきた。その物は『ビームサーベル』。リィエルは女に弱いホリーにせがんで、ホリーはあげてしまった。
まぁ、別に良いかと創真も了承はしてくれたのだが。
「また遊びに来いよ、創真にホリー達も」
「うん、君達はここの生徒なんだからね!」
「嬉しいことを言ってくれるね、グレン先生にセラ先生」
「うんうん!セラ先生は本当に良い先生だよ~」
褒めまくるホリー。
「ホリー、俺は?」
「グレン?テメェは地獄に落ちろ」
「んだと!?」
何なのだろう、この評価の差は。解せぬ。
「ほんと俺には厳しいな。やれやれだ」
「まぁ、元々ダメ人間だったんだからな」
「デュオまでそんな事言う!?」
グレンの突っ込みに、ドッと笑いが起こる。
「おい、創真。そろそろ行かねぇと………」
「キバット?あ、もうこんな時間か…………じゃ、名残惜しいがお別れだ。楽しかったよ、この1ヶ月」
「そうか………………元気でな」
グレンめ、立派な教師面しやがって、とホリーは悪態を内心つく。しかし、悪い気分ではない。何故か嬉しさも感じる。
「1つ忠告しておこう。これから色んな厄災が押し寄せる。それらを押し退けるために、強くなれ…………………特にキョウヤとノーネーム。おまえらが鍵…………………かも?まぁ、もしかしたら僕の助けが必要になるかもね」
『私の、もね』
誰だ、と思えばクローバーだった。ちなみに、彼の異能力の名前は、『ドラコニアルーム』との事。
「まぁ、クローバーは要るかは分からんが…………ま、精進しなよ」
「分かった分かった。次に会うときにはお前に勝つぜ」
「そんな日が来ると良いがね………………」
「最後の最後までウゼェ!!」
ルークが声を荒げて云うのを、創真は不敵な笑みで返す。
「それでは、See You NEXT illusion」
洒落た英語で別れを言うと、創真らを青い光が包み、消えて行った。
「…………じゃあな、創真」
ルークは笑みを浮かべながら別れの言葉を呟いた。
創真side
「お久しぶりでございます、創真様」
本来の世界に戻ると、自宅にはまさかの氷室さんがいた。本編最終回以来の登場だ。
「いやはや、夏休みは楽しかったですよ。沖縄でダイビングしてきました」
へー…………ダイビングはさぞ良いだろうね。
「所で、魔術の世界はどうでした?」
「表彰されました。街を救って」
「ほう。詳しく聞きたいものですね」
「長いですよ……………まず、ノーネームとキョウヤって言う奴と会ってね……………………」
暫く、魔術が存在する世界での体験談の語りに花を咲かせたのだった。
オマケ
「おい、今回俺の扱い酷かったよな?」
何か問題でも、ルーク君?
「ありありだろ!!何だあの扱いは!?度が過ぎてんだろ!」
だって、artisanさんもOKしてたよ?
「………………そうか」
……………………………うん。
「ちょっと潰してくる」
行ってらっしゃーい。
さて、罪をartisanさんに擦り付け、僕への危害は避けれた。