結城 創真の暗殺教室   作:音速のノッブ

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文豪の世界に、新たな異能力を追加することにしました!


ファンの方から4件要望が来まして。しかも、同じ異能力を。


次の話で登場します!


#8 コレクター

クローバーは、2人を隣の部屋にある……………『コレクションルーム』に案内した。

 

 

「!!」

 

 

ノーネームは一目見ただけで驚愕した。

 

 

天井、壁にずらりと赤い結晶が並んでいたのだ。

 

 

「どうかな?これが私のコレクションだ。この霧の中で、分離したもう1人の自分に殺されれば、結晶となってここに転送される。しかし、弱点もある。分離したもう1人の自分は霧の中でのみしか活動できない」

 

 

ノーネームはクローバーが話すのを上の空で聞いていた。

 

 

自分も相当な量の屍を築き上げてきたが、クローバーは同等以上だった。

 

 

「素晴らしいコレクションだ。悪魔も羨ましがるだろうね」

 

 

「ジャティス君にそう言われると妙に説得力があるね」

 

 

「どうだか…………………」

 

 

すると彼等の目の前で、結晶が転送されてきた。

 

 

「どうやら、この霧の中でまた誰か死んだようだね……………だが、私が求めている結晶ではない」

 

 

クローバーは結晶を手に取り、そして直ぐに戻した。

 

 

「つまらないね………………では、私は失礼するよ。魔物の増援を送らないといけない頃合いだろうしね。後は好きにした前」

 

 

「おい、待てよ」

 

 

去ろうとするクローバーの背中にノーネームは声を掛ける。

 

 

「あんた、そう簡単にこの国の魔術師が殺られると思ってんのか?」

 

 

「………………ノーネーム君」

 

 

クローバーは振り向き、不敵な笑みを浮かべながら言った。

 

 

「自分自身に勝てる者など…………いるのかね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやー……………強すぎるね」

 

 

珍しく弱音を吐く創真。

 

 

ルミアとシスティーナの偽者を相手しているのだが、超すばしっこい。

 

 

元々運動神経が良いのだろう。

 

 

絶体絶命……………………と、思いきや

 

 

(奥の手使うか?いや、アレはな……………疲れるし、ここで使うのも勿体ない…………なら、別の手を使うか)

 

 

まだ手がある様子。

 

 

そう考え、創真は2人に指示を出す。

 

 

「フィーベルちゃん、ルミアちゃん!10秒稼いで!」

 

 

「「え!?」」

 

 

「さっき渡した球体に押すとこあるでしょ?そこ押して投げて。5秒後にドッカーンってなるから!」

 

 

そして、創真は森の中に姿を消した。

 

 

「わ、分かった!」

 

 

「押して投げれば良いんだよね?任せて!」

 

 

ルミアとフィーベルは、先程渡された球体のスイッチを押した。

 

 

起動した爆弾は、ピッ、ピッ、と電子音を奏でる。

 

 

すぐさま偽者に向かって投げる。

 

 

残り4秒!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パシッ。

 

 

「「え?」」

 

 

まさかのキャッチ。

 

 

残り3秒

 

 

からの、投げ返された!?

 

 

残り2秒

 

 

「させぬ!」

 

 

「やらせない!」

 

 

タイミング良く、キョウヤとリィエルが間に割って入り、剣でバットの如く、打ち返した!

 

 

残り1秒…………………!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドコ────────────ン!!

 

 

大爆発。

 

 

リィエルとキョウヤは爆風で吹き飛ばされる。

 

 

「2人共大丈夫!?それと、偽者はどうなったの!?もしかして、あなた達が偽者!?」

 

 

「る、ルミア殿、一旦落ち着くのじゃ…………偽者はさっき漸く倒した。リィエル殿もな。そして、儂達は正真正銘本物じゃよ」

 

 

その言葉に、ホッとした表情を浮かべるルミア。

 

 

「しかし………………………………」

 

 

キョウヤは爆発で出来たクレーターを見つめる。

 

 

すると、偽者の2人が出てきた。

 

 

「………………簡単には殺られぬか」

 

 

キョウヤはガーベラストレートを握りしめ、2人と対峙する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………君達、下がりたまえ」

 

 

そんな声が聞こえたかと思えば、いつの間に現れたのか、創真がいた。

 

 

しかし、その姿は異様だった。

 

 

足は虎化し、さらに布化した黒獣が形成した黒い外套を身に纏い、手も布で覆われ、強大な禍禍しい爪が特徴的だった。

 

 

「これが奥の手。月下獣羅生門…………《黒虎絶爪》」

 

 

そう云うと、虎の足の瞬発力を活かして一気に接近する。

 

 

『───────────────!!』

 

 

偽フィーベルは慌てる素振りを見せず、詠唱をする。

 

 

どうやら、本物より肝が座ってるようだ。

 

 

手の平の魔方陣から高エネルギーの光が放たれる。

 

 

イクスティクション・レイ。光線みたいな物だ。

 

 

破壊力抜群の高度な呪文だ。

 

 

「危ない!!避けて!!」

 

 

その魔術を知っていたフィーベルが声をあげる。

 

 

「避けるまでもないよ、あんなの!」

 

 

そう言って、創真はそのまま突っ込んでいく…………!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………………え!?」

 

 

目の前で起こっていることが、誰も信じられなかった。

 

 

なんと、光線を真っ二つに裂いたのだ。

 

 

月下獣の虎の爪には、魔術を切り裂く効果がある。

 

 

さらに羅生門の布化させた黒獣をまきつけ、その効果を拡張させれば……………防御不能の神刃となる。

 

 

「……………創真殿、お主は何者なんじゃ………」

 

 

呆然としたキョウヤがポツリと呟く。

 

 

「ちょっと頭の回転が早い……皆は私を天才と呼ぶ」

 

 

光線を完全に受け流した創真は、腕を大きく振った。

 

 

その瞬間、近くの木も巻き添えに偽者を切り裂く。

 

 

切られた偽者は霧散し、粒子となった。

 

 

そのまま、淡い光を放ちながらフィーベルとルミアの身体の中に入っていった。

 

 

「…………これで魔術が戻ったの?」

 

 

「試してみなよ。ショックボルトとかで。それが手っ取り早い」

 

 

「「『雷精の紫電よ』」」

 

 

フィーベルとルミアは同時に詠唱をする。

 

 

すると、2人の手のひらの魔方陣から電撃が放たれた。

 

 

「や、やった!魔術が戻った!!」

 

 

「よ、良かった……………」

 

 

反応はそれぞれ、2人は喜びの声をあげる。

 

 

「ねぇ、2人とも。前を見て」

 

 

リィエルに促されて2人が前を見ると……………………そこには、禍禍しい雰囲気の城が立っていた。

 

 

「ここが目的地……………?」

 

 

「そう。骸砦、と呼ばれてる廃棄された高層建築物…………ここにルーク君がいるはず…………ねぇ、皆。仮にルーク君がこっちを殺そうとしたらさ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

殺すから」

 

 

「……………ッ!!ダメ!そんな事許さない!!」

 

 

フィーベルが大声をあげる。

 

 

「何より……………お主では殺せぬ。お主に魔術が効かぬとしても、あいつにはまだ切り札がたくさんある……………『神』とかのう」

 

 

「………………ハハッ」

 

 

しかし、創真は余裕そうな笑みを浮かべる。

 

 

「悪いけど、その神を以てしても……………勝てるかな?あの異能力に」

 

 

創真には恐るべき秘密兵器が隠されている。

 

 

最強の異能力……………………『天衣無縫』

 

 

そして……………………あの、『重力の化身』

 

 

「……………兎に角、あいつは殺すな。あいつが敵側につくなどあり得ん」

 

 

「……………それは良いよ。今でもよく分からないんだよね。ルークは敵か?味方か?………もし完全に敵側だと分かったら………………容赦しない」

 

 

そう言って、創真は独り骸砦に向かっていく。

 

 

その創真の後を少し距離を取りながら、キョウヤ達もついていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………………どうやら、お客が来たようですね」

 

 

クローバーは紅茶の入ったティーカップを静かに置く。

 

 

そして、通信機に向かって話し掛ける。

 

 

「ノーネーム君、お客さんが来たので手厚く歓迎してあげてください」

 

 

『……………分かった』

 

 

「あと20分程でアレが完成するんですけどねぇ。あぁ、それとですね」

 

 

『なんだよ』

 

 

「皆殺しでお願いします」

 

 

『…………………了解』

 

 

そして、通信は切れた。

 

 

「フフフ…………皆殺しと言ったはものの、彼は本当にするのですかね………………?まぁ、どちらにせよ私の計画通りです……………それにしても、彼は面白い人です。何故なら……………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼が『龍』を目覚めさせる鍵なのですからね」




文ストファンの心境?『織田作──────!!』


artisanさんは恐らく知らないであろう、謎の異能力。調べん方が楽しみは増しますよ?


誰も『未来』は読めませんよね?


THE NEXT story 6/15 PM 22:00


14日は模試なので、すみません!

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