結城 創真の暗殺教室   作:音速のノッブ

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どうぞ!!


第166話 登校の時間

「創真!無事だったか!」

 

 

指定された場所に着くと、先客の磯貝に声をかけられる。

 

 

「あれ、ホリー達は?」

 

 

「キバットはとある物を治しに。ホリーとデュオは別行動をしたいって言うから、好きにさせた。所で、他の皆は?」

 

 

「今、装備を取りに行ってる。あと20分後に集まる予定だ」

 

 

すると、創真が事前に持っていたトランシーバーから声が聞こえてきた。耳を傾けると、声の主は自分の父親だった。

 

 

『創真、予定通り全部解き放ったぜ。あと5分で全部そっちに着く』

 

 

「あざっす」

 

 

『俺らは対柳沢用の武器をもって行く。ただ、中にいる傭兵部隊を倒してもらわないと辿り着けないからよろしく~』

 

 

「やれやれ。面倒い仕事だよ…………………了解」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

20分後、全員集合した。

 

 

「最後の任務は、全員無事に登校すること!」

 

 

磯貝の言葉に、皆はコクりと首肯く。

 

 

「それと………………創真。後ろにいるアレは何だ?」

 

 

磯貝の指差す方向には、20体程の狼と猿型のマシンがいた。

 

 

「ん?見ての通り狼と猿だよ。夜の森の中で赤く目を光らす狼と猿が大量に追ってきたら、恐怖に陥るかな…………って思いまして」

 

 

「た、確かに………………よし、行くぞ!」

 

 

E組の面々は、校舎に向けて走り出した…………!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ………………」

 

 

傭兵部隊の男は走っていた………………いや、逃げていた。後ろからは、木から木へと跳び移る暗殺者達と猿、赤い目を光らす狼が追ってきているからだ。

 

 

「な、何なんだよ……………数が違いすぎんだろ!糞!!」

 

 

男は追ってくる彼等に銃口を向けようと振り向いたら瞬間、前原と磯貝の肘打ちを喰らい、ダウンする。ナイス連携~、と言いながら近づいてくるのはカルマだ。そして、倒れて痙攣している男を見て、ニヤッと笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………B隊との連絡が途絶えた。常に回りを警戒しろ」

 

 

小隊長である男が言うが他の者からは返事がない。

 

 

「おい、どうした……………?」

 

 

振り向くと、何と同じ小隊の男が2人倒れていた。

 

 

「な……………………!?」

 

 

男が連絡しようと通信機に手を掛けた時には、既に遅し。創真と碧海のダブルキックが男の意識を奪った。

 

 

そして、創真が一言呟く。

 

 

「こいつら…………………弱くね?」

 

 

その言葉に、碧海は苦笑いを浮かべるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボキボキグシャア!!

 

 

そんな音がして、隼が振り向くと岩を抱えた原が男の背中の上にのし掛かっていた。

 

 

「………………死んだか?そいつ」

 

 

「柔らかく包んだだけ。そんなわけないわよ」

 

 

「柔らかく包んで、さっきの音はなるのか……………………?まぁ、今はそんなことよりも、カルマ。こっちは片付いたが…………そっちの状況は?」

 

 

『ん?今ね………………………』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ギャアアアアアアア!!辛い、苦い、染みる!!amgpwjpmtamxm5のげ揶(以下略)」

 

 

カルマは先程倒した男に拷問していた。

 

 

「うげぇ………………えげつない……………」

 

 

来たばかりの創真も表情を苦くする。

 

 

「で、悲鳴を餌にさらにおびき寄せる…………いけるよね、律?」

 

 

『はい。尾ねづたいに3人ほど接近していますもみの木の高台に固定機銃が配備されています』

 

 

「そこは狼ロボと猿ロボに襲撃してもらうか…………山葡萄の茂みからマテバシイ密集地に抜けるルートは?」

 

 

『そちらなら大丈夫です!』

 

 

「オッケー。なら………………」

 

 

カルマはスマホを通して、指示を出していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの山はE組のホームグラウンド。今では目をつぶっても動ける。この場所に限れば、例えプロ相手でも遅れを取らない……………と、言うかプロ以上。それに気付かされるのは、群狼の面々がグルグル巻きにされてからだ。敵もどんどん排除していき、校舎まであと僅かとなった………………その時。

 

 

「危ない!!」

 

 

誰かの声が聞こえたかと思うと、木と木の間を飛び交う影が現れた。男の手には、小銃。そして、威圧的な雰囲気。ホウジョウだった。

 

 

「これより………………本当の私を教授しよう」

 

 

そう言うと、眼鏡を取り外

 

 

ピッ、ピッ。

 

 

それを遮るように、麻酔針が飛んできたが難なく手で挟む。

 

 

「………………では、行くぞ」

 

 

そして、眼鏡を取り外………………そうとする彼に、カルマと隼が襲い掛かる。

 

 

「フン……………」

 

 

難なく攻撃を避け、2人を弾きとは増すホウジョウ。すると、今度は石が顔めがけて飛んでくる。飛んできた方向を見ると、神崎の携帯電灯による、眩しい光に照らされ、目を細める。

 

 

その隙に、一斉に襲い掛かる。

 

 

(こいつら………………戦いを始めさせない気か!?)

 

 

(……………そう、その通り)

 

 

創真はニヤリと笑って飛び出す。

 

 

敵の体勢が整う前に、カタをつける作戦だ。創真がホウジョウの持ってる銃を蹴り飛ばし、その隙に律が操るドローンから麻酔針が放たれる。

 

 

「チイッ!!」

 

 

皮ごと麻酔針を抜き、次の攻撃を警戒するが………………。

 

 

パアンッ!!

 

 

渚の、暗殺教室で猛威を振るった猫だましが炸裂。その瞬間、カルマが高く飛び上がり、踵落しを決めた。

 

 

ホウジョウは倒れる。カルマと渚は、嬉しさの余りか、ハイタッチする。

 

 

「2人共…………………まだ動いてるよ?」

 

 

創真が起き上がろうとするホウジョウを再度転倒させながら云う。そして、寺坂からカッコつけてんじゃねー!!と突っ込みを喰らう2人。さらに攻撃を加えた後、ありったけのガムテープで拘束する。

 

 

「おや?まだ意識がある…………何と恐ろしい男」

 

 

創真が呟くと、ホウジョウが口を開いた。

 

 

「……………これが暗殺者集団、3年E組か。我々の完敗だ。最後まで、俺に本気を出させなかったな」

 

 

「ま、これが僕らの殺り方です。では、救助がくるまでそのままで」

 

 

創真も、皆を追い掛けていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ついにバリア前まで辿り着き、皆はバリアの中へ。茂みを抜けると、1週間ぶりに見る担任の姿があった。

 

 

「ヌルフフフフフフ。成長しましたねぇら皆さん」

 

 

「「「殺せんせー!!」」」

 

 

レーザー発射まであと90分。漸くたどり着いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生徒達がバリアの中に入ったのを確認した烏間は、ビッチ先生と共に校舎へ向かう。

 

 

(もう俺一人ではあの28人に太刀打ち出来ないな。生徒の成長とは嬉しくも悔しくもあるもんだな)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………全員、辿り着いたな」

 

 

特製の機械で作戦本部の通信を傍受して聞いていた隼&碧海の父親が呟く。

 

 

「流石だぜ!」

 

 

「では、行きますかね……………」

 

 

氷室達は校舎に向けて歩き出した………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バリアの中に進入しようとしている奴等が2人居た。バリアの一部を開けるように指示しようとしたその時

 

 

「行かせないよ?」

 

 

「今、奴等は感動の対面をしている。邪魔しないでもらおうか」

 

 

白と黒がトレードカラーのホリーとデュオが現れる。

 

 

「……………………………」

 

 

全身がスーツに囲まれている異様な姿の男は、付いているチャックをすっと開けた。




THE NEXT story 5/29or30 PM 22:00


次回、ラストバトル開始。

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