結城 創真の暗殺教室   作:音速のノッブ

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第10話 手入れの時間

創真side

 

 

「おはようございます」

 

 

殺せんせーは皆がどうも落ち着かない表情をしているのに気づいた。

 

 

「ん?どうしました?」

 

 

その原因は、教卓にタコが置いてあって、ナイフがぶっ刺さっているのだ。

 

 

あいつ(・・・)の仕業である。

 

 

「ごめーん。間違って殺しちゃったよ。処分しておくから持ってきて」

 

 

まったく朝からタコとか持ってくるなよ。……………何かたこ焼き食いたくなってきた。殺せんせーはカルマ君の方へ近づく………すると、急に殺せんせーの姿が消えたと思ったら、カルマ君の前に現れた。

 

 

「見せてあげましょう……このドリル触手の威力と、自衛隊から奪っておいたミサイルの火力を」

 

 

そして、殺せんせーは何かを作り始めた。

 

 

「私は暗殺者を無事で帰しません」

 

 

殺せんせーがそう言ったその瞬間

 

 

「熱!!」

 

 

カルマ君の口にたこ焼きが放り込まれた。

 

 

「その顔では朝食を食べてませんね?マッハでたこ焼きを作りました」

 

 

殺せんせーはここで一旦言葉を切って、真剣な口調で云う。

 

 

「カルマ君。今日1日本気で殺しに来なさい。そのたびに先生は手入れします。ヌルフフフフ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結論から言おう。

 

 

・一時間目(数学) 殺せんせーが黒板に書いてる間に背後から撃とうとしたが失敗し、手にネイルアートを施される。

 

 

・四時間目 (家庭科)殺せんせーが 他の班のスープを味見していたときに、その班のスープをわざとこぼし、その隙にナイフで斬りかかるが、可愛いエプロンを着替えさせられ、恥をかかせられる。ちなみに殺せんせーによって、味は前よりマイルドになった。

 

 

・五時間目(国語) 教科書を読みながら歩いている殺せんせーを背後から奇襲しようとしたが、失敗。髪形を丁寧にされた。

 

 

諦めず、最後まで暗殺を仕掛けたのには称賛に値するかもしれない。

 

 

ガチで警戒している殺せんせーはヤバイな。ちょくちょくどじを踏むし、慌てたら反応速度も極端に落ちるが……これが警戒度MAXの殺せんせーか。凄いねぇ………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後、渚君と一緒に裏山の崖にいるカルマ君の元に来た。

 

 

「カルマ君。焦らず皆と殺ろうよ」

 

 

「馬鹿じゃないなら、もう分かっただろ?マークされたらどんな手を使っても殺せない。普通の先生とは違うんだからさ」

 

 

「……………やだね。俺がこの手で殺してやるんだ」

 

 

「やれやれ、頑固だね君は…………」

 

 

そこへ殺せんせーがやって来た。

 

 

「カルマ君。まだまだ殺しに来てくれても良いんですよ?もっとピカピカにしてあげます」

 

 

その言葉にカルマ君は笑みを浮かべた。なんか企んでそーな雰囲気を一瞬感じた。

 

 

「殺せんせー。殺せんせーは先生だよね?」

 

 

「?はい」

 

 

「先生は命を懸けて生徒を守ってくれる………そうだよね?」

 

 

「もちろんです」

 

 

あ、まさかこいつ………………!?

 

 

「なら……殺せるよ」

 

 

銃を突き付け、そのまま後ろの崖へ身を投げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カルマside

 

 

(さぁどうする?助けに来れば救出される前に死ぬ!見殺しにすれば先生としてのあんたは死ぬ!…………なんか…走馬灯的なのが見えてきた)

 

 

そうだ、あれはE組の先輩を助けたときだった。いじめられた先輩を助けて何が悪いの?そう思っていたのに…

 

 

「いいや赤羽。どうみてもお前が悪い。頭おかしいのかお前!三年トップの優等生にけがをさせるとは!?」

 

 

やばい…死ぬ

 

 

「俺の方からお前の転級を申し出た。お前は3年からE組だ」

 

 

………そいつに絶望したら……俺にとって死んだも当然だ。

 

 

さぁ、殺せんせー!あんたはどっちの死を選ぶ!

 

 

もうすぐ地面かなと考えていた矢先、急に俺の身体が叩きつけられた。だけど、それは地面じゃなかった。横目で見て、自分がネットに落ちたんだと分かった。

 

 

「カルマ君。見事な考えです。遅くては私が。早くては君が危ない。なので、ちょっとネバネバしてみました」

 

 

「なんでもありかよこの触手!」

 

 

「それと……見捨てるという選択肢は先生にはないので、いつでも信じて飛び降りてください」

 

 

(……………こりゃだめだ。少なくとも先生としては死なないな……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

創真side

 

 

「カルマ君、よくもこんな無茶な事を…」

 

 

「別にぃ」

 

 

「とんでもないアイデアだな……真似できないよ、これは」

 

 

「これが1番いけると思ったんだけどな。暫く作戦の練り直しだね」

 

 

「ヌルフフフフフ、もうネタ切れですか?ちょろいもんですね」

 

 

煽りを加える殺せんせー。しかし、カルマ君は良い表情だ。

 

 

「殺すよ。明日にでも」

 

 

……………お。爽やかな殺意だ。

 

 

「じゃ帰ろうぜ。二人とも飯食ってこーよ」

 

 

「お、それはカルマ君の奢りだよね?」

 

 

「えー、俺が奢るのー?」

 

 

「冗談だよ」

 

 

「あ、そう?ま、誰かさんの財布があるから別に渚と創真の分も奢っても良いんだけど」

 

 

じゃあ、奢られようかな………………って、うん?カルマ君の持ってる財布って

 

 

「それ先生の財布!返しなさい!」

 

 

いつのまにか先生のが盗られていたようだ。

 

 

「良いよ」

 

 

そして、案外素直に返すんだ。

 

 

「って、中身抜かれてますけど!?」

 

 

「小銭しか無かったから募金しちゃった」

 

 

「にゅやー!不良慈善者!」

 

 

ありゃりゃ……………文無し先生だな、こりゃ。

 

 

「うう……これから先生どうすれば…」

 

 

ピイ────!

 

 

笛を吹くと、フレアとメテオが戻ってきた

 

 

「森に放してもちゃんと帰ってきて偉いね………ん?」

 

 

フレアの羽と羽の間になんか挟まってる?……あ。

 

 

「先生……これいる?」

 

 

1000円札がどういうわけか挟まっていた。

 

 

殺せんせーは泣きながら感謝していた……………2匹の鳥(フレアとメテオ)に。鳥に感謝するタコの図なんて始めて見た。

 

 

なんで挟まってたんだろう?解せぬ。




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