結城 創真の暗殺教室   作:音速のノッブ

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最終章……………戦闘シーンにお悩み中。


ではどうぞ!


第162話 異変の時間

他のE組の面々も異変に気付き、集まっていた。

 

 

「殺せんせーとも電話は繋がらない…………な」

 

 

隼は大きなため息をつく。

 

 

『私の本体とも連絡が取れません。妨害電波が発しているようです』

 

 

スマホの中の律も云う。

 

 

「それだけじゃないよ…………創真君と碧海ちゃんとも連絡が取れない!」

 

 

「あいつらこんな時に何処行きやがった…………!?」

 

 

倉橋の報告に、寺坂が苛立ち紛れの口調で呟く。

 

 

と、その時。渚の携帯に見知らぬ番号から着信が入った。

 

 

「も、もしもし?」

 

 

『やぁ、渚君。創真だ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

創真は横浜の郊外の公衆電話から渚に電話を掛けていた。

 

 

『もしもし創真君、何処にいるの!?もしかして碧海さんと一緒!?』

 

 

「落ち着け渚君………………うん、一緒だよ。今、逃走中」

 

 

『え!?誰から!?』

 

 

「国から。ちょっとマズイ事になってね…………どうやら、僕は御尋ねもののような扱いだ」

 

 

「!?」

 

 

「詳しいことはまた後で。所で、今皆と一緒にいたりする?」

 

 

『う、うん。2人以外は全員いるよ』

 

 

「なら、偵察でもして情報を集めておいて貰いたいな。と言うか、やった方が良い。7時頃にまた連絡する」

 

 

『あ、待って創真……………』

 

 

渚の制止にも拘らず、創真は受話器を元の位置に戻す。

 

 

「…………………………」

 

 

そして、何も言わずに歩き出す。暫くして、目の前に大きな建物が見えてきた。それは何年か前に潰れた工場だった。中に入ると、そこには機械の類いは無く、漠然としていた。工場の角に碧海、ホリー、デュオ、キバットの3人が座っていた。

 

 

「どうだった?」

 

 

「皆揃ってるみたい。で、偵察するように指示をしておいた」

 

 

「そうか。にしても、御尋ねもの見たいになるとはな」

 

 

そう言ってデュオがはぁ、とため息をつく。

 

 

「にしても、携帯没収とは………………」

 

 

嘆くホリー。

 

 

なお、彼等のスマホは王の間に保管してある。王の間は別の空間に存在する部屋なので、これでスマホを通して居場所を特定される心配はない。なら、スマホを使いたければ使えば王の間にて使えば良い話なので、ホリーみたく嘆く訳があとの3人には良く分からない。だが、どうでも良いので皆はその訳を尋ねない。

 

 

「にしても、何でこんなことに………………創真君らは何かマークされてるし、殺せんせーの最終暗殺計画が唐突に始まっちゃったし……………こらからどうするの?」

 

 

碧海は創真に尋ねる。

 

 

「これからは、情報が集まらないと何も言えないね。暫くはここに待機だね」

 

 

「そっかー………………それにしても…………」

 

 

「どうしたの碧海ちゃん?」

 

 

ホリーが不思議そうに尋ねる。

 

 

「いや、ずっと床に座ってたから、お尻が痛くて…………椅子の類いも見当たらないし………」

 

 

「なーんだ、そんな事か。なら…………………よっと!」

 

 

ホリーは『コネクト』を使って、大きなソファーを取り出した。

 

 

「お!気が利くねー、ホリー君!おーフカフカだ~」

 

 

碧海はソファーにダイブし、幸せそうに呟く。

 

 

「あ、創真君も座りなよ、ほら」

 

 

「えー、また何かしてきそう…………」

 

 

そう言いつつも、創真も腰掛ける。すると、碧海は創真の膝を枕にして横になる。

 

 

「ほらね」

 

 

「いーじゃん、ちょっと位さー」

 

 

「へいへい…………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最終暗殺計画 作戦本部

 

 

「事前に捕縛予定だった標的らの捕獲は失敗………まぁ良い。いずれ見つかるだろう」

 

 

司令官(モブ)はそう云う。

 

 

「後はあの生徒達への対策だけだが…………ホウジョウ、その対策は出来ているか?」

 

 

「ご心配には及びません。マニュアルは作ってあります」

 

 

ホウジョウと呼ばれた屈強な男は静かに返答する。

 

 

「ならばよし……………あの生徒達は恐らくあのまま大人しくしている筈がない…………余計な動きをされては作戦に支障を来すかも知れん……………」

 

 

司令官は画面に写るオレンジのドームと、その中にある校舎を見つめながら、独り呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

碧海はいつのまにか幸せそうに寝息を立てていた。創真はそっと枕を自分の膝からただの枕にすり替え、ソファーを立って碧海に毛布を被せた後、王の間にワープした。そして、机においてある新たなマシン2台の調整を開始する。暫くして、デュオも入ってきた。

 

 

「……………………あぁ、それの調整か」

 

 

「もしかしたら使うかもしれないからね。それと、アレの開発もホリー達に進めて貰おうかな?」

 

 

「…………………アレ、か。だが、かなり時間が掛かるぞ。最短でも1週間は掛かるだろうな。何せ、お前の作る魔術はかなり強力だがその分複雑だからな」

 

 

「まぁ、兎に角、進めて貰うとするか………………何かお腹すいたな」

 

 

時計を見れば、もう6時を回っていた。

 

 

「うちの家の冷蔵庫に昨日作ったカレーがあった筈。ホリーの『コネクト』で出して貰おうかなぁ。ついでに温めて貰うか」

 

 

勢い良く椅子から立ち上り、戻ってホリーにお願いしようと決めた矢先、ホリーが王の間に入ってきた。

 

 

「あぁ、丁度良かった。ホリー、『コネクト』で」

 

 

「大変だよ創真!氷室さんとあともう一人、誰か来た!」

 

 

「ここを突き止められた、だと?スマホの位置追跡は出来ない筈なのにどうやって……………まぁ、良い」

 

 

創真は発射式のスタンガンを手に持つ。

 

 

「誰かは知らないけど、無力化するまでだ」

 

 

そして、創真は指をパチンと鳴らした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

廃工場に戻った創真ら。彼等に碧海が駆け寄る。

 

 

「創真君、工場の入り口前に車が2台来てる。もう一方は誰か知らないけど、もう1人は氷室さんだよ」

 

 

「あぁ、知ってる。とりあえず行くよ」

 

 

碧海にもスタンガンを渡し、創真らは工場の入り口に向かう。入り口を出ると、そこには2台のスポーツカーが停まっていた。そして、その横に立つ男が2人。

 

 

1人は氷室。そしてもう1人は─────────

 

 

「よう、創真!久しぶりだな」

 

 

「げっ、父さん…………………」

 

 

──────────創真の父親であった。




THE NEXT story 5/24or 25 PM 22:00


次回、まさかの親子対決!?

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