結城 創真の暗殺教室   作:音速のノッブ

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宇宙………………来………


…………ごほん。どうぞ!


第154話 宇宙の時間

ロケットはぐんぐん高度を上げ、ついに大気圏を突破した。ロケットに張り付いてるホリーが後ろを振り向くと、そこには青くて丸い我らの惑星、地球があった。

 

 

「うわぁ、綺麗だな…………ねぇ、僕宇宙に来たら言ってみたかった事があるんだ」

 

 

「ほう。それは何だ?」

 

 

「それはね……………ごほん」

 

 

ホリーは咳払いして叫ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「宇宙…………………来た────────────!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょっと番外

 

 

ライダーファンの心境(やっぱ来た─────────!!)

 

 

ライダー知らねぇよ、又は興味ない人の心境(知らねぇ──────────!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、クソ茶番はここまでにしておいて…………

 

 

ロケットは遂に国際宇宙ステーションとドッキングした。国際宇宙ステーションで生活している日本人宇宙飛行士、水井さんがハッチを開け、中にある人形を確認する。

 

 

「(……………あれ?中身の人形がないような………)うわぁ!?」

 

 

仲間達には、水井が急にロケット内部に引きずり込まれたように見え、慌ててロケットの内部を覗き込む。

 

 

「は、ハロー………」

 

 

片仮名英語で渚が挨拶する。そして、律は地上との通信を切る。

 

 

『僕らは爆弾を持ってます。話がしたいので、下がってください』

 

 

渚が英語でそう言うと、宇宙船から出る。カルマも水井にナイフを構えたまま、一緒に出る。メンバー達は単純に驚いていた。この2人は無重力空間にパニックに陥ることなく、順応してるからだ。普段からアクロバティックな動きをしている証拠だ。

 

 

この時点で、彼等をただの子供扱いしてはならない事は分かった。

 

 

そして、ホリー達も透明化で見守るなか、渚達はアメリカの研究データと人質の交換をしたいことを伝えた。それらを全て話終えた時、メンバーの表情からは驚きと言うものは抜けていた。

 

 

(マジか……………宇宙飛行士の皆さま方はもう冷静になってる。マニュタルには絶対無さそうな案件なのにね…………こりゃ一苦労するな)

 

 

ホリーの考えることは既に渚達自身も分かっていた。そして、宇宙飛行士達のリーダー的な男が口を開く。

 

 

『先ずは、君達にブラボーと言わせてもらうよ。だが、軍人含む6人とやる気なのかい?言っておくが、我々はいつ死ぬかも分からない危険な実験をやってきたんだ。爆弾など脅しにもならない』

 

 

これは交渉は失敗と言うことか?渚とカルマのナイフを持つ手が汗で滲む。

 

 

ホリーとデュオもいざとなれば透明化を解除し、渚とカルマの安全を守るために動こうと決める───────!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『…………いや、無益な争いはやめよう。取り敢えず、彼を離してやってくれ』

 

 

カルマが拘束を解除する。解放された水井がとある疑問を訊ねる。

 

 

「にしても、データを奪ったら帰りはどうするつもりなんだ?」

 

 

「クラスメイトが完璧に計算を済ませてるので大丈夫です」

 

 

『……………だとしても無謀すぎるぜ。君達、命を軽く考えてないか?』

 

 

別の外人の男からそう言われ、渚は返す言葉に詰まってしまう。

 

 

しかし、カルマは違った。

 

 

「俺だって来たくて来たんじゃないよ。友達が一緒に行こうって言うからね。それに、俺達は先生を殺す教室にいるんだよ。命に対しては命で向き合ってる。あんたらと一緒だろ?」

 

 

成長したな、とデュオが親目線で感心する。

 

 

『……………そうか。いいだろう。要求を呑む。データの準備をしてくれ。それと君達。荷物の運搬を手伝うんだ。早く帰って貰うために、な』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カルマと渚はたっぷり荷物運搬を手伝った。ホリーとデュオはその間暇だったので、衛生の外に出て地球の回りを1周してみたりと中々出来ない体験をこっちはこっちでしまくった。

 

 

「宇宙って最高─────────!!」

 

 

と、ホリーは言ってた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、データをコピーさせてもらい、ついに帰る時が来た。ちなみに、爆弾……………いや、羊羮はプレゼント。

 

 

外国の人もいるので、皆で美味しく食べて貰いたいbyホリー

 

 

『君達は大した勇者だ。また遊びに来い』

 

 

「もうごめんだね。その代わり偉くなったら宇宙開発の予算を増やしてやるよ」

 

 

カルマの返しにリーダーがニッ、と笑った。

 

 

『そりゃ楽しみだな』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やれやれ。早かったね~宇宙。ま、僕はいつでも行けるけど」

 

 

ホリーは宇宙船にあぐらをかいて座りながら云う。

 

 

「アハハ………後は帰れるかだけど………律、大丈夫だよね?」

 

 

『大丈夫です、渚さん!』

 

 

「まぁ、律が計算を間違えるとは思えないしな」

 

 

『…………私は今回、たくさん考えて、動かして、感じて…………知性が進化したのを肌で感じます。私は感覚と言うものを初めて感じました。私はE組に来れて、本当に幸せです』

 

 

律も何か感じる物があったようだ。

 

 

『それと…………計算が間違ってないか不安です』

 

 

「マジか」

 

 

デュオが真顔で呟いた。

 

 

「だ、大丈夫!いざとなれば僕らで何とかするから!ね!だから安心してね」

 

 

ホリーが慌てて声を掛ける。

 

 

「ねーホリー。もし、死んだら親に今までありがと、って………」

 

 

「おい、カルマ君!?それ本気で言ってる!?てか、そんな役割りしたくないんだけど!?」

 

 

「アハハ!冗談に決まってるじゃん。本気にするとか、アホ過ぎだって」

 

 

カルマはホリーをアホ呼ばわりする。それが間違えだと知らずに。

 

 

「こん畜生が……………人をおちょくりやがって!!この宇宙船、撃墜させてやらぁ!!」

 

 

「待て待て!早まるな、おい!」

 

 

デュオが慌てて止めに入る。

 

 

「おい、本気でやるつもりか!?」

 

 

カルマも流石に焦る。

 

 

「死ね、カルマ!!焼き殺してやらぁ!」

 

 

「て言うか、僕まで巻き込まないでよ!!」

 

 

渚の言うことはごもっともだ。

 

 

「悪かった、悪かったから!殺すのはやめろって!」

 

 

カルマがホリーに向かって叫ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、君本気で僕が殺すと思った?本気にするとか、アホ過ぎだって」

 

 

ホリーがしてやったり、と言った口調で同じ台詞を言い返した。

 

 

「じゃあ、デュオもグル?」

 

 

「………………悪いな」

 

 

「……………ちっ」

 

 

舌打ちしたものの、カルマは内心ホッとし、小声でこう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こういうの、控えよ……………」

 

 

結構効いたようだった。




カルマも懲りる………………事もあるらしい。


THE NEXT story 5/11 PM 22:00

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