結城 創真の暗殺教室   作:音速のノッブ

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原作で言う14巻まで到達。


いやー折り返し地点を通過したね~(今さら)


では、どうぞ!


第131話 学園祭の時間

「学園祭?」

 

 

下校中、倉橋からそんな話を聞いた創真。

 

 

「うん!椚ヶ丘の学園祭は凄く盛り上がるの!行事の中では1番って言って良いほど楽しいんだよ」

 

 

「へぇー…………面白そうじゃん………ん?あれは……」

 

 

創真の目先には、本校舎の生徒が作業しているのをこっそり覗いている渚と茅野の姿があった。

 

 

「お二人さん何して」

 

 

「静かに!」

 

 

創真が黙ると、作業をしてる本校舎の生徒同士の会話が聞こえてきた。

 

 

「なぁ、またE組の奴等何かやるのかね?あいつら今年は爆発力あるよな」

 

 

「確かになー。でも、あいつらはE組の山でしか店を出せないんだ。今回は無理だろ。それに、A組の浅野くんが何か凄い出し物でもするだろうし」

 

 

「でも、もしかしたらE組にA組が負けちゃったりしてな」

 

 

「ハハ、まさか」

 

 

(……………ふむ。どうやら本校舎の生徒らはE組が何かすると思ってるんだな……………)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………てなわけで、E組対A組って本校舎で盛り上がってるんだけと、どうする殺せんせー?」

 

 

三村が事情を説明すると、殺せんせーは勿論、と言って振り返る。

 

 

「勝ちに行くしかないでしょう。この学園祭は勉強と暗殺以外の集大成になりそうですし」

 

 

「集大成、ね」

 

 

「でも、そんな上手く行くかな………聞いたところによると、浅野の奴」

 

 

「スポンサー契約でもしたんじゃないの?食品会社に無償で食品を提供してくれるように」

 

 

杉野が言う前に、創真がマシンカブトの手入れをしながら答える。

 

 

「お前もどこかで聞いたのか?」

 

 

「いや、聞いたことないよ。てか、適当に言ったけど当たってたの?」

 

 

「そうだけど…………逆にどうして浅野がスポンサー契約してると思ったんだ?」

 

 

僕なら(・・・)そうするからだ」

 

 

作業の手を止めずに、さらっと答える。

 

 

「そんなことより、確か店系は単価は300円、イベント系は600円までなんだろ?A組に勝つならこっちもイベント系で攻めないと無理があるんじゃないのか?」

 

 

食品が無料で提供されるとなると、浅野は単価の高いイベント系で来るだろう。変わって、E組の最大の不利な点はこの立地。イベント系だろうと店系だろうと、こんな山奥まで来たいと思う奴はいるのだろうか?勝ちたいのは山々だが、結論的には、A組に勝つのはほぼ不可能に近い。

 

 

と、創真は結論を出したのだが………………………

 

 

「ちなみに殺せんせーはやるんだったら店系かイベント系どっちだ?」

 

 

「隼君はどっちが良いですか?」

 

 

「俺なら店系だな。俺、料理は得意だし」

 

 

隼の言葉に、男子は一斉に隼の方を殺意の籠った目で向く。

 

 

「ふむふむ。先生も隼君と同じで店系が良いと思いますよ。そっちの方が有利ですし」

 

 

「有利…………………?」

 

 

「何が、と言いたげですね創真君。例えばこれです」

 

 

殺せんせーが見せたのはどんぐり。

 

 

「どんぐりで何するんです?」

 

 

「説明の前に、皆さんで集めてきてください。1時間もあれば結構集まるでしょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1時間後

 

 

「それでは作業を始めましょう。まずは水につけて浮いたものは捨てます」

 

 

言われた通り、浮いたものは捨てていく。

 

 

「そして、殻を割って渋皮を取り除き、中身を荒めに砕きます。そしたら、それらを布袋に入れて、川に浸してあくを抜きます。天日干しして、さらに細かく砕けばどんぐり粉の完成です」

 

 

「……………それでこれをどうするんです?」

 

 

創真の問いに、ニヤリと笑いながら殺せんせーは云った。

 

 

「客を呼べる物と言えばラーメン。これを使ってラーメンを作りましょう!」

 

 

「「ラーメン………!!」」

 

 

村松と隼が反応する。

 

 

「おお………そりゃ名案だ。なら、俺に任せ」

 

 

言い終わる前に、隼に男子全員が襲い掛かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、テメーら!!これはどういう真似だ!?」

 

 

隼はデュオの外套の黒獣が変形した布でグルグル巻きにされて、教室の後ろに放置されていた。

 

 

「お前にラーメンは作らせん」

 

 

「なんでだよ創真!!俺は料理が『得意』なんだぞ!?おい、お前らも見てないで助けろや!!」

 

 

「「「…………………………」」」

 

 

誰も動こうとしない。いや、動く気すらない。

 

 

「心配するな。お前にも仕事はある。ビラ配りと言う名の仕事だ」

 

 

「それ雑用じゃねぇか!!」

 

 

「ピンポーン」

 

 

「ピンポーンじゃねぇ!くそ、この布丈夫すぎだろ……………!!」

 

 

布を引地切ろうとするが、破れる気配がない。

 

 

「お前が料理をもっと上手く作れたらな………まぁ、良いか」

 

 

そう言って創真は作戦会議をしている皆の輪に戻っていく。

 

 

(くそったれ……………覚えておけよ創真………!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局隼は料理に関して何も干渉できないまま、物事はどんどん決まっていった。無論、隼は料理を任してくれるよう説得やら実力行使やらをしたのだが、全て創真やホリー達に阻まれた。

 

 

そして、1週間後……………学園祭が開幕した!!




THE NEXT story 4/16 PM 22:00

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