結城 創真の暗殺教室   作:音速のノッブ

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楽しんでください!


第122話 死神の時間 4時間目

カメラの映像が途絶えた直後、皆のいる檻が僅かに振動した。ちなみに地震ではない。デュオが憑依した状態の創真がドアを蹴り飛ばしたのだ。ちなみに、元から鍵は掛かってなかったのだが…………。

 

 

「やれやれ…………しょうがない。プラン16だ。とりあえず所定の位置まで降りてきてもらおう」

 

 

「私の出番ね」

 

 

(あ…………不味い。創真君はビッチ先生の裏切りを知らない…………)

 

 

碧海だけでなく、皆の頭にも過ったが………ここからではどうしようもなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「部屋が……………下がってるな」

 

 

憑依を解除したデュオが呟く。殺せんせー達のいる部屋は最下部まで下がり終えた。目の前には、ビッチ先生に銃を構えている青年がいた。

 

 

「お前!この前の花屋………!!」

 

 

「そうだよ。聞いたことないかい?『死神』の名を」

 

 

「知らね」

 

 

即答の創真。ちらっと創真を見た死神はビッチ先生を殺せんせー達の方に投げる。ビッチ先生の腕には枷をつけられている。

 

 

「彼女と生徒全員の首に爆弾をつけた。僕の指示1つで直ぐに爆破できる」

 

 

「………人質で脅せば、私がすんなり死んでくれると?」

 

 

殺せんせーの質問にさぁね、と死神は笑顔で答える。

 

 

(さて……………こいつをどうやって倒すか。ホリーのスピードで襲いかかれば、無力化出来るか…………?)

 

 

創真が死神を見据え、対抗策をあれこれ思案する。その時、銃声がした。死神の仕業か?

 

 

─────────いや、違う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビッチ先生だった。

 

 

「な………………!?」

 

 

ビッチ先生が狙ったのは、殺せんせーの触手。そして、殺せんせーの立つ床が開いた。落とし穴だ。

 

 

(直ぐには飛べない……………捕まらないと!)

 

 

突然の事に動揺を隠せない殺せんせーだが、取り敢えず壁に張り付こうとする。

 

 

が、

 

 

ダァン!!

 

 

触手が弾かれた。

 

 

触手の速度を見切っている死神の放つ弾丸が、殺せんせーが壁に張り付こうとするのを許さない。そして、皆がいる牢屋に落ちてしまった。落とし穴から、大丈夫、とか殺せんせーを心配する声が聞こえてくる。

 

 

「さぁ、お別れを言いに行こうか」

 

 

死神に促され、烏間先生と創真、氷室、ホリーらも足を進める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「気に入ってくれたかい殺せんせー?ここが君の死ぬ場所だ」

 

 

「……………ここは?」

 

 

「国が作った地下放水路さ。上の操作室から指示を出せば、近くの川から毎秒200tの水が流れ込む。そして、君の体は対先生物質の檻に押し付けられ、ところてんじょうになるって訳さ」

 

 

「………………………ん?待てよ……………その計画、皆も巻き込むよな?」

 

 

「そうさ。今さら待てない」

 

 

創真の問いに、死神は当然と言いたげな表情で答える。

 

 

「……………それを知ってて協力したんてすかね?イリーナ先生」

 

 

「そうよ。プロとして結果優先で動いただけ」

 

 

「………………なるほど。プロとしては感心しますが…………」

 

 

氷室が感情の読めない声で呟く。

 

 

「さて、時間もないし、操作室へ行くとしよう」

 

 

扉へ向かう死神の肩をガシッと掴んだのは………創真だ。

 

 

「……………僕を止める気かい?言っとくけど、君も花束の一部に加わってる筈だったんだ。ましてや子供である君なんて、瞬きしてる間に殺せる」

 

 

死神が警告した瞬間、創真の目の色が変わった。

 

 

「ほほう。なら殺ってみなよ。殺れるものなら」

 

 

ソグッッ!!

 

 

皆の背筋が急速に冷たくなった。ホリー達も思わず冷や汗を掻く程の。思わず死神は反射的に銃を取り出し創真に向けてしまった。

 

 

「…………僕からも警告しとこう。今すぐ皆を解放しろ」

 

 

「…………断ったら?」

 

 

「あんたを止める」

 

 

「へぇ……………」

 

 

死神は面白そうに呟く。

 

 

(今の強大な殺気に思わず反応してしまったが…………彼に構ってるよりも、今は標的の暗殺が優先だ)

 

 

心のなかでそう呟くと、死神は扉の向こうへ消えて行った。

 

 

「さぁて、ボコボコにしてやるよ!」

 

 

「待て、危険だ!ここにいるんだ!俺が行く!」

 

 

烏間が止めるが創真はガン無視して、部屋を出ていった。

 

 

「案ずるな。俺が憑依して一緒に行ってやる。ホリー、お前は水が放出された時の対策でも考えておけ。烏間先生と氷室さんはホリーにテレポートしてもらって操作室のある建物の近くに先回りして水を出させるな。それと…………個人的に、あんなやつに死神の名を名乗らせるのはどうにも嫌なんでね」

 

 

デュオも創真を追って走り始めた。

 

 

「オッケー…………って言ってもやったことないからな………」

 

 

デュオの指示にホリーが頭をポリポリ掻きながら答える。

 

 

「やれやれ、無茶がお好きなことで」

 

 

「呑気に言ってる場合か!今からでも連れ戻して……」

 

 

「そるは最適解ではないです。それに、烏間先生を行かさなかったのは、防衛省の権限を使えば、直ぐに操作室の中に入れ、中にいる人を避難させれて、死神による新たな死亡者を出さなくて済むからだと考えたからではないですか?」

 

 

なるほど。もし、烏間が死神を追っていれば、一般人ある創真らでは、操作室にすんなりと入るのは難しいだろう。しかし、烏間は国の機関の人員。防衛省の名を使えば、すんなりと行けるだろう。それに、先回りしておけば、死神を挟み撃ちに出来る。

 

 

「さて、ホリー君。操作室のある建物の近くに転送は出来ますか?」

 

 

「そんなの余裕だよ。でも、中まで行かなくて良いの?」

 

 

「それだと、不法侵入で捕まりますよ…………」

 

 

「なるほど!じゃ、早速《テレポート》」

 

 

ホリーが唱えた瞬間、2人の体は光に包まれ、消えた。

 

 

創真とデュオ、烏間と氷室。それぞれが今の最適解の行動を求め、行動を開始した。




THE NEXT story 4/5 or6 PM 22:00


デュオとホリー行かせれば一瞬で解決したんじゃね、とか皆、言うなよ?

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