では、最後まで楽しんでください!
「創真君と転校生のジャンプは凄かったね~。君もそう思うだろ、浅野君?」
「………………………」
浅野と留学生達は理事長室に呼び出された。
「E組の動きは、君の目的を知っている動きだったね。既に情報戦で負けていた…………単刀直入に、君達の完敗だ。悪いことに、E組への評価も変わりつつある。それが私の目指す教育方針に反している」
「……………………」
「リーダー失格だな、君は」
浅野は何も返せずに黙っていた。理事長の言葉を通訳を通して聞いていた留学生の1人……………ケヴィンが口を開いた。
「その言葉はないだろ、理事長サンよ。今回浅野は負けたけど、こいつは出来る奴さ。直ぐに結果を出す。『負けから得られる物もある』…………そう言ってやるべきじゃないのか?理事長として………親父として」
理事長は少し黙っていたが、突然スッと立ち上がった。
「素晴らしい意見だ、ケヴィン君。では、1つ勝負だ。どんな手を使っても良いから、私の膝を地につかせてみてくれ。負けたら、私も何かを学べるかも知れない」
「俺にタイマンか?やれやれ………」
ケヴィンがジャージを脱いで準備しようとしていると、理事長の声が飛んできた。
「違う違う。4人掛りで、だ。遠慮はいらないよ?」
理事長は不敵な笑みを浮かべていた。
悲惨な光景だった。
あっという間に、理事長室は血で飾られた………………留学生達の血で。
そして、理事長は無傷だった。
「私は空手の黒帯の師範を3日で倒した。1日目はこてんぱんにされた。そして2日目…………ただ見ていた。勿論ただ見ていただけじゃない。師範の技を見て、倒す戦略を練っていた。そして、3日目。1発も技を喰らわずに倒した」
理事長は強張った表情をしている浅野に近づく。
「敗北から学ぶとはこう言うことだよ。大概の者は口先だけだが。浅野君…………何故君は、死ぬ寸前まで悔しがってないんだ?」
(この…………化け物が………!!)
創真は氷室の親戚の子供と話していた。
「ねぇ、創真さん!さっきのライダーキック凄かったね!」
「ら、ライダーキック?」
「そうだよ。創真さん将来、仮面ライダーの中の……」
創真は慌てて彼の口を塞ぐ。
「中とかじゃなくて………仮面ライダーはいるんだよ」
「あ、それって平成ジェネレーションズFOREVERで言ってたね!作者が感動したって言ってた!」
「あの作者、何メタイ事を吹き込んでやがる……………じゃ、僕は行くよ。また後でね」
創真は彼の元を離れ、皆のいる所に近づく。
「創真、今まで何してたんだ?」
「ちびっ子の夢を守ってきた」
「は?」
聞いた隼が訝しげな表情を浮かべる。が、すぐに心配そうな表情を浮かべる。
「それより大丈夫か?」
「へ?何が?」
「お前、あんだけのジャンプをして怪我とかなかったのか?」
「も~創真君があれくらいで怪我なんてしないよ」
この声は
「あ………碧海さん」
「二人共お疲れ様~。隼もよく頑張ったね~。よしよし」
「頭撫でるな!!」
隼は碧海の手を払う。
「うぇ…………嫌な物見ちまった………」
キバットが珍しく顔が青い。
「どうかした?」
「だから、グロテスクな物見ちまったんだよ…………おい、理事長を本気にさせるなよ?」
「「「?」」」
創真達はその言葉の意味がよく分からなかった。
「あ、あれは浅野君?」
碧海が指を指した方を見ると、確かに浅野がいた。皆にも声を掛けて、浅野の元へ。
キバットも遠くから見守る。
「おい浅野!約束だよな?磯貝のバイトの件は黙っとくって」
前原の声に、浅野は特に悔しそうな表情を浮かべずに答える。
「…………僕は嘘を言わない。君達と違って姑息な手段を使わないからだ」
「…………散々姑息な手段を使ってたような気がしたのは気のせいか?」
「……………………」
創真の追及に浅野は無言で目を逸らす。
「でも、お前らとの対決楽しかったよ。また、こういう勝負しような」
磯貝が握手を求める。が、
「消えてくれないかな。次は全員破滅に追い込む。覚悟しておけ」
浅野は去ろうとする。
「あぁ、見つけた見つけた。おーい、浅野くーん!!」
やって来たのはホリーだった。
「考えておいた?言い訳」
「…………………………」
ぶちギレ寸前なのか、拳が握られて、震えている。
「ま、いっか。それとこれあげるよ」
ホリーが渡したのは写真だった。浅野は渡された写真を見た瞬間、くしゃくしゃにしてホリーに返した。
「気に入ったかい?良い面だったよ。君のアホ面」
「………………………!!」
浅野は拳を強く握りしめたが、何も言わずに立ち去って行った。
「おい、ホリー。なに見せたんだ?」
ホリーが創真にその写真を見せると………創真も爆笑した。
なになに、見せて見せて、と皆も見ると──────
その写真は棒が倒された直後の、浅野の放心した顔だった。
「こりゃ傑作だ。しばらくからかうネタに出来るわ!」
隼が笑いながら言う。そして、突然真顔になった。
「改めて考えたらさ………俺らって凄いよな」
「こんだけの劣性を覆したんだから当然だろ!」
創真はそんなワイワイ盛り上がっている彼等を見詰めていた。
「さて…………そろそろ帰るか……」
「え?創真君、打ち上げやろーよ!」
創真は倉橋に声をかけられた。
「あー…………よし、やろう!」
「よっしゃあ!宴だぜ!」
キバットも盛り上がる。
さて………………………読者の皆さん。打ち上げで何やる?
THE NEXT story 3/22 PM 22:00
と言うわけで、次のお話の募集としては…………
・何処でやるか?
例えば、カラオケ店………とか。まぁ、カラオケだとお話の趣向が見えるかな?
メッセージでも活動報告欄のどちらでも構いません!
複数来た場合は、こちらで最終的な決定をします!
時間は明日の16:00までです!
沢山の案をお待ちしております!