それではどうぞ!
創真side
これまで、僕の中での1番衝撃的だったのは『まさかの自分が碧海さんと共同生活する事になった』だった。
しかし、今日。それは2番目へ変わった。では、1番衝撃的な事は何になったか?
それは──────────────
「ジャスティス!?まさよし、じゃなくてジャスティス!?」
「そんなに大きな声で言うなよ創真………」
木村は大きなため息をつく。
「てか、皆は知ってたの?」
「まぁ、入学式の時に聞いたからな…………最初はビビったぜ………」
聞くと、木村君の両親は警察官で………正義感で舞い上がった結果……………ジャスティスと名付けられたらしい。
「親は親で人が付けた名前に文句を言うとは何事だ、って言ってくるし………子供が学校でどんな目に遭ってるのか考えたことないのかね………」
名前……………か。僕は別に変じゃないから名前でいじられることはないな。
「そんなもんよ。親なんて」
狭間が木村の前に来た。
「私なんてこの顔で綺羅々よ?綺羅々つぽく見えるかしら?」
「い、いやぁ…………どうなんでしょう?」
「大変だね~。皆へんてこな名前を付けられて」
何を仰るカルマよ。お前も充分独特の名前だと思うがな。その旨を言ってみると─────
「え?俺は別に気に入ってるよ。親のへんてこセンスが遺伝したんだろうね~」
本人が気に入ってるなら良いが。
「先生も名前には不満がありますねぇ」
そこへ殺せんせーがやって来た。
「?気に入ってるんじゃないの?」
「未だに…………イリーナ先生と烏間先生はその名前で呼んでくれません。烏間先生なんて、おい、とか、お前とか……熟年夫婦じゃないんですから!」
その言葉に教室にいた烏間先生とビッチ先生は何処か不自然な動きで目を背ける。
「なら、いっそコードネームで呼び合うのはどう?南の島で会った殺し屋さん達もコードネームで呼びあってたし、殺し屋っぽくて良いと思う!」
「良いですねぇ。では、皆さんにクラス全員分の名前を考えてもらって、そこから先生が引いた名前で1日呼び合うことにしましょう!」
矢田の提案に殺せんせーは乗った。
「良いね~!すごく面白そう!」
碧海さんもノリノリだ。
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1時間目
今日の体育は紙の的を付けた烏間先生を撃つ、要は射撃の演習だ。
創真は森の木のてっぺんでトランシーバーアプリからの声を聞いていた。
『天災、聞こえるか?堅物の姿を確認できるか?』
「あぁ、女たらしクソ野郎。ばっちり捉えてる。手はず通り行け」
『了解』
※創真のコードネーム 『天災』
「…………あ。貧乏委員と女たらしクソ野郎の間を抜いた………行く先にいるのは……ゆるふわクワガタ、きのこディレクター。そっちに行った」
『任せといて~!あ、方向を変えた!』
「ふむ……………あ、木が多すぎて堅物の姿が見えなくなった。なら、貧乏委員。ここからはお前が指揮を取れ」
『分かった!天災はどうするんだ?』
「ヤンデレシスコンとヘタレ弟を使って動く」
そう答えて創真は木から飛び降りた。
その頃、地上では────────
「へちま!ホームベース!コロコロ上り!」
「おう!」
呼ばれた3人が烏間を攻撃するが、烏間は難なく避ける。
(…………と、地上に注意を向けさせといて…………)
烏間は背中に着弾したのを感じた。
「(やるな、鷹岡もどき。さっきのは陽動と言うわけか) だが、俺に1発だけでは到底奴には当たらないぞ!毒メガネ、永遠の0!射線を見せては当たり前のように避けられるぞ!」
「くっ…………そっちでお願い!凛として説教!」
すると、永遠のゼロの傍の茂みから凛として説教と性別、ギャル英語が飛び出しだ。そして、烏間に向けて射撃を開始する。
烏間は傍の岩影に隠れて様子を伺う。
(射手を特定させない巧な射撃だ。そして、背後から隙を伺う、このマンガが凄い!と、変態終末期もなかなかのものだ)
そして、堅物から離れたところで指揮を取っている貧乏委員が彼等にトランシーバーアプリで指示を出す。
「天災、ヘタレ弟、ヤンデレシスコン!堅物に仕掛けろ!」
『『『了解!』』』
すると隠れていた堅物に弾が飛んできた。
(ここで天災、ヘタレ弟、ヤンデレシスコンを投入してきたか…………)
「さぁ、行きますよ!」
天災らの的確な射撃を避けながら烏間は走る。
(流石だな……………この3人は。やはりとんでもない身体能力に射撃能力だ)
「貧乏委員。作戦通りポイント地点に追い込んだぞ」
「了解!(よし……………あとは頼んだぞ!ギャルゲーの主人公!)」
待ち構えていたスナイパー、ギャルゲーの主人公は狙撃銃の引き金を引いた。
「!!」
なんと堅物は木の板で弾丸を防いだ。
「君の射撃は常に警戒されていると思え!ギャルゲーの主人公!」
(…………そんなの分かってます。だから、とどめは俺じゃない)
「!!」
烏間は背後から………………ジャスティスが現れたときづいた時には既に遅かった。
パンパンパン!!乾いた銃声が森に静かに響いた。
「それでどうでしたか?コードネームで呼び合った感想は?」
「「「どっと傷付いた…………」」」
「考えてみれば変なの多かったよねー」
「誰だヘタレ弟と名付けたのは!?」
「ヤンデレシスコン………ヤンデレってどういう事…………」
創真はのほほんとしているが、隼は怒り、碧海はヤンデレとつけられたのが少々傷付いたのだ。
「創真はましな方だよな………天災、ってな」
「まぁ、そうかもな」
考えてくれた方々、ありがとうございました!by作者
「真っ白白助…………オバケじゃないんだから………」
ホリーが大きなため息をつく。
「ブラックナイト……………悪くない」
デュオはコードネームにご満足のよう。
「黄バット…………俺様の考えた奴適当過ぎるだろ!」
確かにキバットのは適当なのが否めないネーミングだ。
「ところでなんで俺だけそのままだったんだ?」
木村が殺せんせーに訊ねる。
「今日の訓練内容は知ってましたから。さっきみたくかっこよく決めれたらジャスティスも悪くないんじゃないですか?」
殺せんせーは言葉を続ける。
「もし君が先生を殺したら世界は、『まさにジャスティス。世界を救った者の名に相応しい』、と思うでしょう。名前は人を造らない。人が歩いた足跡にその名前が残るのです。ですから、その名前……もう少し大切にしてみては?少なくとも暗殺に決着がつくまでは」
「…………そーしてやっか」
また1つ手入れをした殺せんせー。すると、ああ、そうでした、と言いながら殺せんせーはチョークを手に取る。
「先生のコードネームも紹介しますね」
黒板に、永遠なる風の運命の皇子と書いた。
そして、どや顔。
「何1人だけすかしてやがる!!」
「どや顔すんな!!」
当然ブチ切れた。皆は一斉に射撃を開始する。
「え、ちょ良いじゃないですか!?」
「一ミリも良くねぇ!!」
「死ねタコ!!」
皆から暴言が飛び交う。そんな中、キバットが大きな声を出す。
「殺せんせー。あんたのコードネームは既に俺様が考えてある。その名も、馬鹿なるエロのチキンのタコ!!最高だろ!?」
「なんですかそれ!?酷すぎでしょ!?」
「「「それに決定!!」」」
「ええ!?そんなぁ…………」
こうして、1日殺せんせーは上記のコードネームで呼ばれたとさ。
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