結城 創真の暗殺教室   作:音速のノッブ

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今回書いたのは弟なんですけど………まさか過去編を終わらせちゃうとは!


まぁ、出来が良かったから良いか………(笑)


じゃあ、どうぞ!


第104話 過去の時間(隼編Ⅴ)

結果から言おう。

 

 

後期中間テスト上位ランキング

 

 

第1位 結城 創真 500点

 

 

第2位 月城 隼 499点

 

 

「はい、お疲れさん」

 

 

「くそがァ……………!!」

 

 

隼はテストの結果通知を握り潰したくなるのを何とか抑える。

 

 

「あーあ。またぶん殴られるわ。ほんと、ダルいわあのおっさん。それを見てるだけのあの姉も」

 

 

「確かに殴られるのは理不尽だね………あ、そうだ」

 

 

創真は何か思い付いた様子だ。

 

 

「なら君が殴られた分の仕返しを僕がしてやろう」

 

 

「お前が…………?どうやって?まさかうちに殴り込みか?」

 

 

「僕ならもうちょっと頭を使う。恐らく、君の父親は明日1日は家に帰ってこないだろうね」

 

 

「はあ?意味が分からねぇ」

 

 

「ま、明日楽しみにしておきたまえ。取り敢えず殴られるのは根性で耐えろとしか、言いようがないが」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隼side

 

 

バシ!!

 

 

なんの音か?ぶん殴られた音だよ。くそ!

 

 

「まったく使えない奴だな…………2度も負けるとは」

 

 

「………………逆に聞くけどよ。なんで1番に拘る?」

 

 

「そんなの簡単だ。1番じゃなきゃ、価値がない。頂点以外は弱者なんだよ。弱者だったから、あいつ(・・・)は………………」

 

 

あいつって誰だよ………………まぁ、どうでも良いんだけど。今回も碧海は学年1位の成績だったらしい。で、また見てるだけでなにもしてこない。

 

 

「あぁ、そうかよ……………じゃ、あんたは?」

 

 

「何がだ」

 

 

「あんたは学生時代、1位だったのか?」

 

 

「勿論だ」

 

 

「………………そうかい」

 

 

隼はリビングを出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「ったく、だるい親だぜ………」

 

 

悪態をついてゲームをやっていると、部屋のドアがノックされた。

 

 

入ってきたのは碧海だ。

 

 

「……………大丈夫?」

 

 

「何がだよ」

 

 

隼は目も合わせず聞き返す。

 

 

「いや…………その……………さっき殴られた所………」

 

 

「何ともねぇよ。用はそんだけか?なら早く出ていってくんねぇか?ゲーム中だからよ」

 

 

「え…………うん………」

 

 

碧海は静かにドアを閉める。碧海は悲しげな表情をしていたのを、隼は気付かなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

 

隼が起きたときには、すでに父親はいなかった。珍しく早く出勤したのだろう。ここのところ、隼は父親や碧海よりも早起きして、朝飯を食べて先に学校に行く日課になっていた。

 

 

その時、スマホが震えた。メールだ。

 

 

差出人は創真。

 

 

『もう起きてるだろ?そして、1つ当ててあげようか?』

 

 

隼はこう返した。

 

 

『何を当てるんだ?』

 

 

『君の父親の事だ。君の父親は珍しく早く出勤した。違うか?』

 

 

これには少し隼は驚かされた。

 

 

『何をした?』

 

 

『親に頼んで会社のパソコンのデータやプログラミングを消したんだよ』

 

 

『おい、それヤバイだろ!?』

 

 

『別に復旧は出来るよ。ま、僕の親でも1日は掛かるそうだから、今日は帰ってこれないんじゃないかな?恐らく早く出勤した会社の人が気付いて、あわてて社長に連絡したから、朝ごはんも食べずに出勤していった……………まぁ、こんなところか?』

 

 

『これがお前の言っていた仕返しって訳か………親父を今日1日社畜にさせるって言う。地味だけど、まぁ良いか』

 

 

『贅沢言うな。じゃ、学校で会おう』

 

 

隼はスマホを置いて、少し笑った。

 

 

「ったく…………………やっぱりあいつも案外優しいじゃねぇか……………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時はあっという間だった。創真と色んな所に行ったり、食べたり、遊んだり………………後、隼はいじり倒されたりした。いじられる度に隼はムキになり、その反応を見て創真は笑っていた。

 

 

碧海や父は憎いのは変わらなかった。でもその憎しみを、創真が上から塗り潰してくれた。お陰で隼は楽しく過ごせた。

 

 

そして、2年の終業式の日。

 

 

「な…………転校!?」

 

 

「残念だ。まだ色々こきを使いたかったのに」

 

 

「……………………」

 

 

「まったく、そんなに悲しむなって。また会えるよ、近い内に」

 

 

「近い内に…………?それは俺を慰めるために言ってるのか?」

 

 

「いや。僕の頭がそう告げてる。まさか転校先にお前が来るなんて確率は殆どないのにねぇ」

 

 

「フッ…………お前がそう言うなら正しいのかもな」

 

 

「また会えたらこき使ってやるからね~」

 

 

「けっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日から2ヶ月後。隼は父親に呼び出された。

 

 

「なんだよ急に、こっちは忙しいのに」

 

 

「嘘つけ。まぁ良い、手短に言おう。お前は叔父の家に住むことになった。荷物まとめて出ていけ」

 

 

「…………学校は何処になる?」

 

 

「確か、椚ヶ丘という所だ。分かったら出てけ」

 

 

「椚ヶ丘、だと………………そこって…………」

 

 

「何か文句でもあるか?」

 

 

「いーや、全然。逆に感謝したい位だわ。ありがとよ」

 

 

「はぁ……………………?」

 

 

珍しく困惑している隼の父親を置いて、隼は自室に戻って準備を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、隼は出ていった。

 

 

叔父の家は数倍きれいだった。

 

 

(あー平和ったらありゃしねぇぜ………)

 

 

それから少ししての事だ。隼が暗殺教室の一員として加わったのは。




THE NEXT story 3/14 PM 22:00

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