まぁ、出来が良かったから良いか………(笑)
じゃあ、どうぞ!
結果から言おう。
後期中間テスト上位ランキング
第1位 結城 創真 500点
第2位 月城 隼 499点
「はい、お疲れさん」
「くそがァ……………!!」
隼はテストの結果通知を握り潰したくなるのを何とか抑える。
「あーあ。またぶん殴られるわ。ほんと、ダルいわあのおっさん。それを見てるだけのあの姉も」
「確かに殴られるのは理不尽だね………あ、そうだ」
創真は何か思い付いた様子だ。
「なら君が殴られた分の仕返しを僕がしてやろう」
「お前が…………?どうやって?まさかうちに殴り込みか?」
「僕ならもうちょっと頭を使う。恐らく、君の父親は明日1日は家に帰ってこないだろうね」
「はあ?意味が分からねぇ」
「ま、明日楽しみにしておきたまえ。取り敢えず殴られるのは根性で耐えろとしか、言いようがないが」
隼side
バシ!!
なんの音か?ぶん殴られた音だよ。くそ!
「まったく使えない奴だな…………2度も負けるとは」
「………………逆に聞くけどよ。なんで1番に拘る?」
「そんなの簡単だ。1番じゃなきゃ、価値がない。頂点以外は弱者なんだよ。弱者だったから、
あいつって誰だよ………………まぁ、どうでも良いんだけど。今回も碧海は学年1位の成績だったらしい。で、また見てるだけでなにもしてこない。
「あぁ、そうかよ……………じゃ、あんたは?」
「何がだ」
「あんたは学生時代、1位だったのか?」
「勿論だ」
「………………そうかい」
隼はリビングを出ていった。
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「ったく、だるい親だぜ………」
悪態をついてゲームをやっていると、部屋のドアがノックされた。
入ってきたのは碧海だ。
「……………大丈夫?」
「何がだよ」
隼は目も合わせず聞き返す。
「いや…………その……………さっき殴られた所………」
「何ともねぇよ。用はそんだけか?なら早く出ていってくんねぇか?ゲーム中だからよ」
「え…………うん………」
碧海は静かにドアを閉める。碧海は悲しげな表情をしていたのを、隼は気付かなかった。
翌日
隼が起きたときには、すでに父親はいなかった。珍しく早く出勤したのだろう。ここのところ、隼は父親や碧海よりも早起きして、朝飯を食べて先に学校に行く日課になっていた。
その時、スマホが震えた。メールだ。
差出人は創真。
『もう起きてるだろ?そして、1つ当ててあげようか?』
隼はこう返した。
『何を当てるんだ?』
『君の父親の事だ。君の父親は珍しく早く出勤した。違うか?』
これには少し隼は驚かされた。
『何をした?』
『親に頼んで会社のパソコンのデータやプログラミングを消したんだよ』
『おい、それヤバイだろ!?』
『別に復旧は出来るよ。ま、僕の親でも1日は掛かるそうだから、今日は帰ってこれないんじゃないかな?恐らく早く出勤した会社の人が気付いて、あわてて社長に連絡したから、朝ごはんも食べずに出勤していった……………まぁ、こんなところか?』
『これがお前の言っていた仕返しって訳か………親父を今日1日社畜にさせるって言う。地味だけど、まぁ良いか』
『贅沢言うな。じゃ、学校で会おう』
隼はスマホを置いて、少し笑った。
「ったく…………………やっぱりあいつも案外優しいじゃねぇか……………」
時はあっという間だった。創真と色んな所に行ったり、食べたり、遊んだり………………後、隼はいじり倒されたりした。いじられる度に隼はムキになり、その反応を見て創真は笑っていた。
碧海や父は憎いのは変わらなかった。でもその憎しみを、創真が上から塗り潰してくれた。お陰で隼は楽しく過ごせた。
そして、2年の終業式の日。
「な…………転校!?」
「残念だ。まだ色々こきを使いたかったのに」
「……………………」
「まったく、そんなに悲しむなって。また会えるよ、近い内に」
「近い内に…………?それは俺を慰めるために言ってるのか?」
「いや。僕の頭がそう告げてる。まさか転校先にお前が来るなんて確率は殆どないのにねぇ」
「フッ…………お前がそう言うなら正しいのかもな」
「また会えたらこき使ってやるからね~」
「けっ」
その日から2ヶ月後。隼は父親に呼び出された。
「なんだよ急に、こっちは忙しいのに」
「嘘つけ。まぁ良い、手短に言おう。お前は叔父の家に住むことになった。荷物まとめて出ていけ」
「…………学校は何処になる?」
「確か、椚ヶ丘という所だ。分かったら出てけ」
「椚ヶ丘、だと………………そこって…………」
「何か文句でもあるか?」
「いーや、全然。逆に感謝したい位だわ。ありがとよ」
「はぁ……………………?」
珍しく困惑している隼の父親を置いて、隼は自室に戻って準備を始めた。
そして、隼は出ていった。
叔父の家は数倍きれいだった。
(あー平和ったらありゃしねぇぜ………)
それから少ししての事だ。隼が暗殺教室の一員として加わったのは。
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