結城 創真の暗殺教室   作:音速のノッブ

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ここから過去編です。


果たして隼は何故創真と仲良くなったのか…………?


この過去編で分かります!


では、どうぞ!!


第100話 過去の時間(隼編Ⅰ)

時は中学2年の春。隼が横浜にいたときの話だ。

 

 

 

「隼、また1番かよ。ほんとに敵わねぇな」

 

 

「別に大したことねぇよ」

 

 

隼は友達とそんな会話をしていた。彼等が見ていたのは、先日受けた定期テストのトップ100のランキング表だ。隼の学校では、テストの上位者は廊下に名前が張り出される。

 

 

で、いつも1番のスペースを占領しているのは、月城 隼、と言う訳だ。

 

 

「別にテストの事なんてどーでも良いんだよ。それより、久しぶりにサッカーでもやろうぜ」

 

 

「いーね!行こうぜ!」

 

 

友達は教室にいる別の友達に声をかけ、直ぐに教室を飛び出していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、隼が家に帰ると 待っているのは…………

 

 

「おっ帰り~!!隼、テストどうだった?」

 

 

俺の姉である碧海だ。唐突だが、隼の家は三人暮しだ。父親と隼と碧海の三人暮しだ。母親は隼らが小さい頃に病気で亡くなっていた。

 

 

「普通に学年1位だよ。お前はどーせ満点だろ?」

 

 

「まーね~」

 

 

碧海は女子校に通っているため、隼とは別の学校だ。ちなみに、隼は公立。碧海は私立。どーしても行きたかった所であるそう。

 

 

「そう言えば、もうすぐ夏だね~。夏は何処かに行きたいところあるの?」

 

 

「涼しけりゃ何処でもいいわ」

 

 

「相変わらず大雑把だね…………」

 

 

こんな平和な会話、は間もなく無くなると言う事を知らなかった。この時点では。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、月日はどんどん過ぎ、6月も後半戦に差し掛かったある日。いまは全校集会の最中だ。

 

 

「zzzzzzzzzzzzzzzz」

 

 

隼はうたた寝しながら、立っていた。深夜アニメを見るために夜更ししたので、猛烈に眠いのだ。

 

 

「おい、隼…………寝るなよ………」

 

 

隼の後ろの友達が肩を叩いて起こす。

 

 

「んあ?眠いんだよこっちは。少しは察しろよ………」

 

 

「あのなぁ……………」

 

 

友達が何かを言いかけた所で──────

 

 

「それでは最後に、2年の転校生を紹介します」

 

 

校長の言葉に隼は目を薄く開ける。

 

 

(転校生…………………この時期に来るなんて珍しいな………………)

 

 

ぼんやりとそんな事を考えていると、転校生が壇上に上がって、マイクを手に取る。

 

 

「僕の名は結城 創真。まぁ、取り敢えずよろしくって事で………………」

 

 

短い自己紹介を終え、彼はペコリとお辞儀をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

集会が終わり、隼達は教室で転校生について話していた。

 

 

「なーあの転校生どうよ?」

 

 

「どうよって何がだ?」

 

 

隼が聞き返す。

 

 

「だから、俺らの隣のクラスに来た転校生の事だよ。どんな奴だと思う?」

 

 

「そうだな……………あんまり口数が少ない系のキャラっぽいか?」

 

 

「あー、分からなくもねーな」

 

 

「んなことより、お前らテスト勉強仕上がってる?」

 

 

隼が皆に訊く。

 

 

「あーそう言えば明日か…………」

 

 

「あーやだやだ。俺、社会捨てたわ~」

 

 

ちなみに作者はこの前のテストで物理を捨てた。

 

 

「まぁ、どうせ1位は隼だろ?」

 

 

「さーな。まぁ、死守したいけどな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、1週間後。

 

 

「おい、隼!」

 

 

「なんだ?そんなに慌てて」

 

 

隼は読んでいた漫画を閉じて友達らに目を向ける。

 

 

「この前のテストのランキング張り出されてたんだよ!」

 

 

「…………あーそれか。そういや、今日だったな」

 

 

隼は腰をあげ、ランキングを見に行く。

 

 

「さーて………………俺の名前………………は?」

 

 

彼の名前は確かにあった。但し……………………かつていた順位の1個下に。

 

 

「2位………………じゃあ1位は誰………………が………?」

 

 

かつての隼がいた順位を奪ったのは………結城 創真。転校翌日から始まったテストで、全教科100点を取っていた。

 

 

「へぇ…………この学校は順位が出るんだ。初めて見たなぁ、こう言うの」

 

 

皆が声がした方を見ると、そこには転校生、否。創真がいた。

 

 

「おい………………確か創真、って言ったよな?…………」

 

 

「…………………ん?君は?」

 

 

創真は視線だけを隼に向ける。

 

 

「あ、俺は月城 隼って言う」

 

 

「隼君、か。あぁ、ランキングにもいるね、僕の1個下に」

 

 

まるで隼をバカにするような口振りに、皆は嫌悪の目を一瞬向ける。

 

 

「お前、全教科満点とはやるじねぇか。どれくらい勉強したんだ?」

 

 

「一時間行ったか行かないか位かな」

 

 

「それは一教科辺り、か?」

 

 

「ちがうちがう。全教科の合計、だよ」

 

 

「………………………………………え?じゃあ、たった一時間やっただけで、満点だって言うのか?」

 

 

「別にやんなくても良かったんだけど、まぁ念には念を、って事で。あの程度では、僕の守備範囲だ。僕の前にいた学校の方が3倍は難しかったねぇ………あのテストは難しいには入らない」

 

 

その独り言は、創真より下の者を嘲笑うかのように聞こえた。まぁ、本人はそんなつもりは一歳無かったのだが。

 

 

「おいおい転校生。テメー調子乗ってんのか?」

 

 

その声の主は、大きな体格を持ち、ネックレスやピアスを付け、外見からしてTHE不良の、男子だった。

 

 

「調子乗ってんのか、ねぇ。あんた、誰だか知らんけど、そんな学校にピアスとかネックレスしてるあんたの方が、調子に乗ってると思うけど?」

 

 

THE正論に、隼は心の中で『あ、確かに』と思わず納得してしまう

 

 

「テメェ………………俺に口答えするとどうなるか分かってんのか!?」

 

 

「知らんがな。まだ転校してからさほど経ってないし」

 

 

「こうなるんだよ!」

 

 

予兆もなく、いきなり彼は創真に拳を向けた……………!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なっ……………!?」

 

 

「「「え!?」」」

 

 

殴ろうとした彼の手は創真の手によって受け止められていた。

 

 

「やれやれ、危ないじゃないか。にしても、これで全力?」

 

 

「うるせぇ!」

 

 

彼はさらに力を込めるが、それでもビクともしない。

 

 

「……………………よっ」

 

 

創真は彼の手を捻り上げる。

 

 

「イタタタタタタタタタ!痛い、痛い、痛い!!」

 

 

「どーします?まだやりますか?」

 

 

「わ、分かった分かった!俺が悪かった!だから、止めてくれ!」

 

 

「はい、良く言えました」

 

 

すんなりと創真は彼を解放してあげた。

 

 

「…………………なーんてな!」

 

 

解放された途端、彼は至近距離から再びパンチを放つが、創真は余裕そうに避け、後ろに回り込み、膝カックンで、彼を転ばせた。

 

 

「もーめんどいなぁ」

 

 

「くそったれがァァァァ!!」

 

 

発狂した彼は勢い良く突っ込む。激突する瞬間に、創真は横へスッと避けつつ、足を軽く出す。彼は勢い良く転ぶ。

 

 

「あららら、痛そう」

 

 

「くそっ…………………覚えてろ!」

 

 

「負け惜しみ、お疲れ」

 

 

逃げるように去っていく彼に、創真は嫌みで応酬するのだった。

 

 

「やれやれ、だ。この学校にはめんどくさいやつがいるもんだね……………さて、隼君」

 

 

「な……………なんだ?」

 

 

「次のテスト、頑張ってねー。まぁ、こっちも負けるつもりは一切ないけど」

 

 

「上等だよ、次でリベンジだ!」

 

 

創真は不敵な笑みを隼に残して、何処かに去っていった。

 

 

「何だよあいつ。隼、あんな奴の煽りに乗らない方が良いぞ?」

 

 

「え?そうか?別に俺はそんな気になんなかったけどな。てか、そんな悪い奴には見えなかったけど」

 

 

「何言ってんだよ、お前馬鹿にされてたぞ、完全に」

 

 

「そーそ。てか、あいつ自分が天才だとでも思ってるんじゃないの」

 

 

「くそうぜぇー、あの天才アピール」

 

 

蔑む声や、悪口もあちこちから聞こえてきた。皆は創真に対して敵意剥き出しだった。見下してるように見えたからだろう。あとは嫉妬か─────────。皆がそんな事をぐちぐち言うのを創真は物陰から聞いていた。

 

 

「別に馬鹿にしたつもりも、天才アピールをしたつもりも無いんだけどねぇ。にしても、隼君みたいな秀才と会うのは初めてかもなぁ。そう言う相手がいると、僕も燃えてくるねぇ…………」




THE NEXT story 3/9 PM 22:00



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