結城 創真の暗殺教室   作:音速のノッブ

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今回は全部弟が書いたぜ!


あの馬鹿兄、戦闘描写がだるいから逃げたのか………?


ま、いいや。


じゃ、どうぞ!


第99話 ぶつかり合いの時間

一行は、王の間へテレポートした。

 

 

「へー……………中世を思わせるような作りだね………」

 

 

碧海が感想を漏らす。

 

 

「つーかあの壁に飾ってある武器…………見たこともないのばかりだな」

 

 

「まぁ、存在しないはずの兵器ですから。さて、ここなら誰にも邪魔されない。あ、それと壁にある武器の使用は禁止だよ。確実に死ぬと思うから」

 

 

「いらねーよ、そんなの。武器なくても俺が勝つ」

 

 

「へぇ…………私に勝てると?」

 

 

創真は碧海の雰囲気が変わったように見えた。

 

 

「じゃ、お好きなタイミングで始めて」

 

 

創真は玉座に座り、ティーカップにコーヒーを注ぐ。この30秒程の時間の間、隼と碧海は………………ただ見つめ合っていた。

 

 

「…………………」

 

 

創真はコーヒーを一口飲んだあと、ソーサー(カップの下に置かれる受け皿)に、カップを置いた。

 

 

カチャン……………と乾いた音がした…………その瞬間

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

碧海は風を切り裂くかのような速さで、隼目掛けて走り出した。

 

 

一方の隼はまだ動かない。

 

 

「おりゃ!」

 

 

碧海は隼に向けて回し蹴りを放った。

 

 

「……………今さらそんな蹴りが当たるか!!」

 

 

隼は回し蹴りを、体をわずかに反らして避けた。

 

 

「そして、隙ありだ」

 

 

隼は碧海の手を掴み、自分の目の前に引き寄せる。

 

 

そのまま流れる動作で、隼は碧海の腹部に膝蹴りを入れる……………!!

 

 

「グッ…………!!」

 

 

碧海が表情を歪ませる。続けて隼が軽くフックを放つが、これはガードされ、碧海は距離を取る。

 

 

「まさかこれで終わりじゃねぇよな?バトルは始まったばかりだぜ?」

 

 

「勿論、終わりじゃないよ…………勝つのは私だから」

 

 

腹部を押さえながら碧海は悪態をつく。

 

 

「なら、次はこっちから行ってやるよ!!」

 

 

隼は風の如く走り出す。

 

 

「喰らえェェェェェェェェェェ!!」

 

 

その勢いに乗り、隼は右フックを繰り出す。

 

 

「そう来るか………………なら!」

 

 

碧海の構えを見て、創真は碧海が何をしようとしてるのかに気付いた。

 

 

(クロスカウンター……………最高のタイミングで使ったな)

 

 

「なっ……………」

 

 

隼も遅れて気付いたが…………………時既に遅し。

 

 

ドコッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くそ……………………………」

 

 

隼は仰向けになって倒れていた。碧海は隼に近付く。

 

 

「私の勝ちだね隼。もう立てないで…………」

 

 

「それくらいで……………負けるかよ…………」

 

 

ふらつきながらも立ち上がった隼に碧海は目を丸くする。

 

 

「完璧に決まった筈なのに……………流石は私の弟だね……………なら、終わりにしてあげるよ」

 

 

碧海は至近距離で、凄まじい速さで顔面目掛けて回し蹴りを決めた……………………!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………え!?」

 

 

なんと、隼は碧海の足を掴んでいた。顔に当たる寸前で受け止めたのだ。

 

 

「……………これで、終わりだァァァァァァァァ!!」

 

 

隼は柔道の足払いの技を使い、碧海のバランスを崩す。

 

 

「(ヤバイ!!倒れる!!)」

 

 

倒れた碧海の視界に入ってきたのは隼の靴のかかとだった。

 

 

「喰らえ」

 

 

ドガッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………………………」

 

 

隼は技を喰らって気絶したのか、目を瞑っている碧海を見下ろした。しかし、直ぐに興味を無くしたかのか、目を逸らし、創真に声を掛ける。

 

 

「おい、創真。もう終わったぞ」

 

 

「………………ん?」

 

 

「俺の勝ちだよ。これで約束通りだよな」

 

 

「ああ、そうだね。確かに約束通り、碧海さんのE組行きは取り消しだ……………………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お前が勝ったなら」

 

 

「あ………………?」

 

 

創真の発言に眉をひそめたが………………不意に、後ろから気配を感じ、振り向くと……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な!?」

 

 

碧海が立っていた。

 

 

「アレを喰らって立つのかよ……………?」

 

 

「…………だから…………言ったじゃん……………勝つのは……………私だって……………」

 

 

途切れ途切れではあるものの、碧海は喋る。

 

 

「だが…………お前の方がダメージは大きい。次で今度こそ終らせてやる」

 

 

「………………………来なよ」

 

 

「上等だ」

 

 

隼は走りだし、その勢いでストレートを繰り出す。

 

 

「オリャァァァァァァァァァァァァ!!」

 

 

「勝つのは………………………私だ!!」

 

 

碧海は迫ってきた右手の手首を掴み、その勢いを利用してぶん投げた。

 

 

「なんだと…………!?」

 

 

隼は壁に全身を強く打ち付けた後、床に落ちる。

 

 

「私の…………………勝ちだ!!」

 

 

碧海は隼がやったのと同じように、かかと落としを完璧に決めた。

 

 

「ガハッ!!」

 

 

隼は急速に自分の意識が薄れていくのを感じた。

 

 

「(やっぱ………………敵わねぇな……………)」

 

 

心の中で苦笑しながら素直に負けを認め、隼は昏睡に陥った。

 

 

「……………終わりだね。碧海さんの勝ちだ」

 

 

創真はゆっくりと立ち上がる。

 

 

「つーわけで、碧海さんのE組転入は確定…………て、気絶してんのか」

 

 

創真は隼の顔を覗き込む。

 

 

「へへ………創真君……………勝った……………よ?」

 

 

碧海は創真の方へ近づこうとしたが、力尽きたのか、膝をついて倒れ込む。

 

 

「さて……………………」

 

 

創真はスマホを取り出し、とある人物に電話を掛ける。

 

 

「………………あぁ、もしもし?殺せんせー?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………………」

 

 

目を覚ました隼が起き上がると、そこは創真の家だった。身体も痛くない。ホリーが治してくれたのだろう。

 

 

「やっと起きたか」

 

 

創真の隣では碧海が幸せそうに眠っている。

 

 

「…………………」

 

 

隼は何も言わず、帰る準備をする。

 

 

「隼、さっきの約束を覚えてる?」

 

 

「あー認めるよ。それで良いだろ。だから帰る」

 

 

面倒くさそうに応えて、隼は玄関のドアを開けて、帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隼は何も言わずにマンションの階段を降りて、道に出ようとすると、殺せんせーがいた。

 

 

「………………何です?」

 

 

「創真君から聞きましたが、碧海さんと勝負したそうで?」

 

 

「あの野郎……………だからなんだよ」

 

 

「ストレートに訊きますが、何故実の姉である碧海さんとそこまで関係が悪いんですか?」

 

 

「は?話すわけねーだろ…………………でも、訊いてくるんだろ?」

 

 

「はい」

 

 

「…………………………」

 

 

隼はうつむいて暫く黙っていた。が、暫くすると顔を上げた。

 

 

「俺が碧海を嫌いなのはな………………………………」




THE NEXT story 3/9 PM 22:00


良かった評価とか宜しく(^_^ゞ

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