創真side
日曜日
「ねぇ……………本当にやるの?」
「やる」
「本当に?」
「やる……………さっきからこの会話何度目だ?」
「16回目です」
氷室さんが教えてくれた。なぜ、僕と碧海さんがこの会話を16回もしてるかと言うとね、それは20分前に僕があることを言い出したからだ。
「隼にE組に来ることを伝える!?」
「うん。どーせ月曜には分かるんだし」
「え、いや、あの………隼と私がそこまで良い関係じゃないの知ってるよね?」
「勿論さ。知ってるからこそ、やる」
「創真様。あなたなら分かる筈ですよね?学校ではなくここで会わせたら、隼君は何をしでかすか分かりませんよ?」
「当然分かってますよ氷室さん。まー決闘とか申し込んでくるんじゃないすか?」
「…………ありえますね」
「そもそも、なんで隼を呼ぶの?」
それはね────────
「多分、君がE組に行ってもすぐには歓迎はされないだろう。皆と仲良くなる第一歩として、取り敢えず弟君とのわだかまりを解消してもらおうと思ってね」
「なるほどな~。創真も意外と考えてんだな」
キバット、意外ではないだろ?いつも色々考えてるよ。
「じゃ、早速非通知で電話するぜ!」
「ねぇ…………創真君、この状況楽しんでない?」
「…………………………さぁ?」
隼side
「あー暇だ暇だ。なーんもやることねぇ…………」
マジでちょーヒマ。あーやることねー。
「あ、そーだ!神崎さんと一緒にゲーセン…………は無理か。今日は予定が入ってるとか言ってたっけ………」
八方塞がりだな。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
「あ?非通知…………誰だよ…………もしもし?」
『あ、もしもし?碧海だよ~」
「チッ…………切ってもいい?」
『え、ちょっと早すぎだよ!そんなに電話代を気にするの?』
「お前の声を聞くのが嫌なんだよ。用件あるんだったら早く言えよ」
『じゃあ言うね。私、明日からE組に来るからよろしくー…………的な感じ』
「あっそ。そんなことかよ………………E組?」
E組……………てことは、俺らの所に……………………
「はぁぁぁ!?テメーがE組に来るだと!?」
『そ、そうだよ?』
「今どこにいる?」
『今ねー、創真君の家』
「創真の家……………だと?なぜ創真の家に?まぁいい、20分で行く。首洗って待っとけよ!!」
一方的に通話を終らせ、間もなく全速力で家を飛び出した。
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「……………切られた」
「なんだって?」
大方予想はつくが創真は訊いてみた。
「首洗って待っとけよ、だって」
「カッコつけてんな…………………まぁ、良いかさて…………どうなるかね………」
20分後
ピーンポーン♪
「はい、来た~」
創真がドアを開けると、息を切らした隼がいた。
「碧海は何処だ?」
「リビングにいるよ」
リビングにいくと、碧海はソファーに座って待ってた。
「ひ、久しぶり、隼」
「挨拶はいらねぇ。お前、E組に来るって本当か!?」
「本当だよ」
「何が目的だ………?」
目的、と言う言葉に碧海は目を丸くした。
「目的?んー、まぁ、創真君と隼がいるから、その側にいたい……………あえて言うなら」
「他に目的があるはずだろ?」
「いやそれだけだよ」
「信用ならねぇな。つーか創真。なんでお前の家にこいつがいる?」
「訳あってうちで厄介になられてます」
その言葉に、隼は驚き半分不信感半分の表情を浮かべる。
「お、おい。倉橋には言ってるのか?」
「………………そのうち言うわ」
「あー…………そう。って、そんなことよりも碧海!テメーはE組に来るな!!信用ならねぇ!!」
「そんなに私の事が信用ならないか…………まぁ、でしょうね、だけど。でも、私のE組行きは既に決まっている。でも、確かに隼の言い分も一理ある。そこで、創真君から提案があるみたいだよ」
碧海の言葉を創真が引き継ぐ。
「なら、君達2人には拳を使った勝負してもらいましょうか。隼が勝てば碧海さんはE組行きを取り消し。碧海さんが勝てば隼は碧海さんがE組に来るのを認める。口であーだこーだやっても永遠に決まらないでしょーからね。怪我してもホリーが一瞬で直すからご安心を。どーです?」
創真の中々物騒な提案に2人は────────
「いいぜ。俺も言おうと思ってたしな」
「負けないよ、私」
────────乗った。
「(ここまでの展開は予想済み。しかし、ここから先は僕にも読めない…………この姉弟の面白い勝負を見れるかな?)じゃ、移動するか…………」
創真は指をパチンと鳴らし、周りが暗くなった。果たしてこの勝負の行方は………………?
THE NEXT story 3/8 PM 22:00
明日は模試なのでお休みです!
この時間の木曜日にまたお会いしましょう!