それではどうぞ!
殺せんせーを追って創真がたどり着いた場所では、硬直させるライトを浴びされつつも殺せんせーがイトナを対先生用のBB弾から守っている最中だった。
「よし………先ずはあのネットから………」
その時、創真目掛けて銃弾が飛んできた。なんとか避けて、木の陰に身を潜める。
銃弾が飛んできた方向を見ると、そこには───────
「…………ロボット?」
20体程の人型のロボットが拳銃やらマシンガンやらを携えていた。
「国に作らせた高性能戦闘用ロボットさ。流石に君でもすぐには倒せない」
ロボットは手に携える銃から弾丸をばらまく。創真は近くの木の影に隠れる。
「銃持ちの相手に近距離戦はめんどいし、ここは遠距離戦だね。ホリー、憑依を解除して」
創真に言われて、ホリーは創真の中から出る。
「遠距離戦なら、僕の魔法の出番だよね?」
「そ。ただし、イトナ君を巻き込まないようにして」
「了解!」
「デュオは僕に当たりそうな弾丸を全て打ち落とす事だけに集中して。出来る?」
「それだけなら、容易いこと」
「俺様は?」
「適当に何とかやっといて。よーし、じゃあ……………go!」
一斉に3人+1匹は飛び出す。その瞬間、銃弾の雨が飛んでくるが、ホリーは自慢の速さで全て避けつつ、氷系の魔法を使って凍らせ、無力化していく。創真はマシンガンを使って、一体ずつヘッドショットで着実に仕留めていき、彼に当たりそうな弾丸をデュオの黒獣が弾き飛ばしていく。キバットは取り敢えず、手当たり次第武器に噛みついて破壊していく。
「…………思っていたよりもやるようだな。だが、まだ増援はある」
シロがリモコンを取りだし、ボタンを押す。創真らの背後から、今度はナイフ持ちのロボットがどんどん湧いてくる。
「後ろから!?それ、汚いぞ!ホリー、前は任せるよ!」
「任されたよ!」
創真はマシンガンを捨て、指をパチんと鳴らす。すると、右手には天空の剣。左手にはドミネーターが現れる。創真はドミネーターの最大出力で撃ちまくり、撃ちそびれて襲いかかってくるのを天空の剣で切り捨てる。だが、数が多すぎてきりがない。
「おいおい、どんだけいるんだよ、こいつら!」
苛立ちげに呟く創真。
「危ない、創真!」
キバットの声がしたかと思えば、創真の死角からナイフを片手に襲い掛かるロボットの姿があった。しかし、前からも襲い掛かるロボットが。どちらか一方を倒していては、もう一方に襲われる───────そんな状況だった。
(………………こりゃ、絶体絶命か?まぁ、諦めないけど)
死角から襲いかかってきたロボットを撃ち倒し、目前に迫っているナイフを歯で白羽取りでもしてやろうかと創真が考えたその時、前触れもなく襲い掛かろうとしていたロボットの頭が吹き飛んだ。その隙に、天空の剣剣で両断する。
「ようやくか!ほんと、危機一髪だったね」
虎型マシン…………マシンタイガーは背中に付属している機関銃を使ってロボット達を蜂の巣にする。さらに遅れてきた鷹型のマシンホークも付属の機関銃で仕留めていく。
「創真様、伏せてくださーい!」
伏せた瞬間、大量の弾が創真の上を通過していき、ロボット達を一網打尽にした。
「はい、いっちょ上がりです」
そう呟いたのは、いつの間にか後ろにいた、ガトリングガンを両手で持った氷室だった。
そして、ホリー達の方にもフレアとメテオが現れる。フレアの回りには赤く光る羽が。メテオの回りには青く光る羽が2人の回りに浮いている。2羽はターゲットを残りのロボット達に定めたと思えば、回りに浮かんでいた羽がロボットに向かって放たれる。羽が刺さった瞬間、ロボット達の体が、砂と化した。
「ふー………これで全部ですかね、シロさん?援軍が来ない当たり、もう尽きたのでしょう?」
「いいや、まだ私が残っている」
なんと、シロ直々に氷室に襲い掛かってきた。
「私とやるつもりですか?良いでしょう。少しばかり付き合ってやります!」
氷室はガトリングを捨て、シロと格闘戦を始めた。その時だった。
「おい、創真!後は俺らに任せな!」
「この声は……………………隼か!!てことは………」
創真が目を向けると、丁度カルマと前原、そして隼が木の上でイトナに射撃を続けているシロの部下達を見事な蹴り落とした所だった。落とした部下をす巻きにしていく。
「おやおや、隼君。まだ、運動は控えてた方が良いんじゃない?」
「へっ、もう大丈夫だっつーの。いい加減運動したくてうずうずしてたんだ」
「そーかい。なら、そこのライトをよろしく」
そう指示をしつつ、創真もドミネーターで、ライトを破壊していく。
「お前ら…………なんで……?」
流石にイトナも予想してなかったようで、驚いていた。
「別にシロにムカついてただけだから。殺せんせーが助けに行かなきゃ私たちも行ってないから」
「お!凛香ちゃんの生ツンデレは良いもんだね~」
「う、うっさいキバット!!その頭に銃弾を叩き込むわよ!」
「こえーこえー」
キバットは面白そうに笑う。
「さてさて、マシンホーク!残りのライトを全部破壊しろ!」
創真は通信機を通してそう命令し、マシンホークは次々とライトに体当たりする。バランスを崩し、ライトは地面に落下。派手な音を立てて壊れた。
「クッ…………私の計画が……………」
「隙あり!!」
氷室が隙をついて蹴りを繰り出すが、シロは何とか避け、氷室と距離を取る。
「シロさん。見ての通り、ライトは壊され、あなたの部下はす巻きにされ、もう殺せんせーの暗殺は不可能でしょう。よって、あなたの負けです」
氷室に続いて殺せんせーも喋りだす。
「イトナ君はこちらで引き取ります。あなたはいつも周到な計画を練りますが、生徒を巻き込めば計画は台無しになる。いい加減気付いた方が良い」
「………本当にうざったい奴等だ。まぁ、良い。確かに作戦の練り直しは必要だ。ここは素直に退くとしよう」
シロは忌々しそうな様子を見せながら、去って行った。
創真side
「…………チタン製などもろいものだ」
デュオがネットを楽々と引きちぎる。イトナ君は気絶していた。
「さーて、こいつから触手を撤去しないと」
ホリーが黒い触手を見ながら殺せんせーに促す。
「そうしたいのですが、触手は意思の強さで動かす物。彼に力への執着がある限りは抜けません。そうこうしてる内に、触手ごと蒸発してしまいます」
「切り離すには?」
「力への執着をなくせれば良いのですが………」
そのためには力や勝利に拘る理由を知らなければ。まぁ、話すとは思えないが。
「その事なんだけどさ…………」
不破さん?
「イトナ君が携帯ショップばっかり襲ってた理由を探ってたら分かったんだけどさ、イトナ君って電子部品を作ってる会社の社長の息子だったんだ。でも、負債を抱えて倒産したらしいの。親は雲隠れしたそうよ」
あー何となく訳が分かってきた。
「そんだけでグレたって話かよ」
「やれやれ、そんだけって………簡単に言うじゃないか寺坂」
「皆、それぞれ悩み持ってんだよ。重さは色々あるけどよ。けどよ、意外とそーゆーのはすぐどうでもよくなったりすんだよ」
「ほう……………それで?」
「俺らんとこでこいつの面倒見させろ。それで死んだらそれまでだろうが」
寺坂プロデュースのコンサルタント、って訳か。
……………………超不安だわ。
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